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お気に入りのゲームを映像作品とあわせて楽しもう!年末年始に観たいオススメ作品【年末年始特集】

『レッド・デッド・リデンプション2』や『バトルフィールド1』、『サイバーパンク2077』に関連して楽しめる映像作品をご紹介!

連載・特集 特集
お気に入りのゲームを映像作品とあわせて楽しもう!年末年始に観たいオススメ作品【年末年始特集】
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年末年始は帰省や家族サービスなど普段とは違った忙しさがあり、テレビが家族に占有されていたり、じっくり腰を据えていつもの環境でゲームができなかったりすることも……。一方でまとまった時間もあるので映画やドラマといった映像作品に費やそうと考える方も少なくないのではないでしょうか。

近年では近未来のゲームを題材にした「レディ・プレイヤー1」や全編FPS視点で進行する「ハードコア」などゲームと密接に関係する映画も多いですが、これらはあくまでゲーム全体をモチーフとした映画です。本稿では『レッド・デッド・リデンプション2』や『バトルフィールド1』といった比較的狭いジャンルを好むゲーマーにこそ見て欲しい映画やドラマについて熱く語っていきたいと思います。

『レッド・デッド・リデンプション2』と「ウエストワールド」-もし現実世界にオープンワールドゲームが出現したら。

※以降には「ウエストワールド」第一話の要素が含まれます

皆さんご存じの『レッド・デッド・リデンプション2』は『レッド・デッド・リボルバー』から連なる「レッド・デッド」シリーズの第三作目。美しいグラフィックのもと、広大かつ緻密に作られたオープンワールドでは物語を進める以外にも様々な事ができます。

風呂に入ったり、散髪したりといった普段私たちが行っている事はもちろん、風呂で女性に接待して貰ったり、馬車で道を急ぐ行商人を撃ち殺して強盗したり、おもむろに町で乱射したり、目についた人を縄で縛って列車に轢かせてみたり。

皆さんも上記の中の一つぐらいは行った事があるのではないでしょうか。え、全部経験済み?大丈夫、筆者も同様です。

ですが、これらはゲームの中の話、どんな残虐行為をしてもあくまで画面の中の出来事です。では、これらの行為を画面から飛び出た現実で「ゲーム」としてプレイできたら。そう、例えばテーマパークで実際に遊ぶが如く体験できたら、あなたは上記の行為を実行に移すでしょうか。

西部劇をモチーフにしたオープンワールドゲームが現実にあったらいいなぁ、という壮大すぎる夢が現実になったら。「ウエストワールド」はそんな世界を舞台に、高額を払い入場したゲストたちと現実の人間と外見上は区別がつかないホストと呼ばれるアンドロイド、テーマパークを作り出した設計者たちを中心とした群像劇です。同名の1973年公開の映画「ウエストワールド」をベースにしたドラマシリーズで、現在シーズン3まで配信中。202年4月にはシーズン4の製作も発表されています。

さて、皆さんがもうお気づきの通り、「ウエストワールド」は非常にゲーム的です。高額を払い入場したゲストたちはゲームプレイヤー、ホストと呼ばれるアンドロイドはゲームのNPC、そしてテーマパークの設計者たちはゲーム開発者と見ることができます。

前置きが長くなりましたが、本稿では第一話から登場人物のセリフを抜粋しつつ、ゲーマー的視点から本作を語っていきましょう。

ゲームを楽しむプレイヤーたち

「案内させて、飽きたら射撃の的にでもしようぜ」

実は「ウエストワールド」はホストと呼ばれるアンドロイドが中心として物語が進行していきます。NPCを都合の良い存在として楽しむプレイヤーは思慮が浅く軽蔑すべき存在として描かれますが、上記の「飽きたら射撃の的にでもする」というプレイもゲーマーならば一度は試した事があるでしょう。

「こっちは高い金払ってるんだぞ、もっと抵抗しろ」

プレイヤーがアンドロイドを引き摺りながら言う、恐ろしいこのセリフですが、常に高いクオリティを求めるコアなゲームのプレイヤーならば一度は考えた事があるはずです。

かくいう私も、わざと膝を撃ち抜き倒れ方のモーションを楽しんだり、モンスターの攻撃モーションを眺めて楽しんだりした事があります。ゲーム上では自然に楽しんでいるこれらも、客観的な視点から見ると非常に不気味なものがあります。

もちろん、ドラマとは異なり、現実のゲームでの登場人物はアルゴリズム通りに動くだけですし、贔屓目に見ても人間らしいとは言えません。また、誰にも迷惑をかけずに日常生活での様々な制約を取り払い、興味の赴くままに行動し楽しむ事の出来るオープンワールドゲームに堅苦しい倫理観を持ちだすのはナンセンスです。

ですが、技術の向上により現実の人間の行動と一見して見分けがつかなくなった時、私たちは本当に今まで通り楽しむ事ができるのでしょうか。この難しい問題に対するドラマでの回答は開発者の口を借りて出されています。

開発者たちのゲームデザイン

Shannon Woodward and Sidse Babett Knudsen
Credit: John P. Johnson.

Westworldさんの投稿 2016年8月19日金曜日

「客はホストが本物でないと知っているから楽しめる」

ウエストワールドの施設管理者の口からは意外にもホストを意図的に本物の人間に近づけないことを意識した発言が飛び出します。確かに、ゲーム内でのリアルすぎる描写は感心すると同時に、嫌悪感すら想起させてしまうでしょう。

私たちはチープなNPCに対し、車や銃、果ては列車で好き放題に実験してみる事に滑稽さと非現実性を見出し、楽しめているのかもしれません。

Anthony Hopkins and Jeffrey Wright
Credit: John P. Johnson.

Westworldさんの投稿 2016年8月19日金曜日

「ウエストワールド」では上記の考えに対し、真に人間らしいアンドロイドを作ろうとする開発者の考えとが衝突する事で物語が動き出します。

様々な要素がふんだんに詰まり、ゲームのメタフィクションとしても楽しめる「ウエストワールド」は本パートだけでは到底語りつくせない魅力で溢れています。現在シーズン1~2がAmazonプライムビデオにて配信(残念ながら2020年12月31日23時59分でプライム会員向け無料配信は終了)されていますので、少しでも気になったら是非視聴してみましょう。あなたのゲーム観が変わるかもしれません。

『バトルフィールド1』の「高き場所の友」と「フライボーイズ」「レッド・バロン」

これまでメジャーなFPSゲームシリーズでは取り上げられる事の無かった第一次世界大戦を舞台にした『バトルフィールド1』では様々な国やロケーションを舞台としたオムニバス形式のキャンペンーンモードが搭載されており、その中の一つの物語が航空戦を舞台にした「高き場所の友」です。

「高き場所の友」では嘘つきでかつギャンブラー、お調子者のアメリカ人ブラックバーンと固い軍人気質のイギリス人ウィルソンが搭乗する戦闘機を操り、ブラックバーンの語るド派手な冒険譚を追体験していきます。

ブラックバーン(と開発のEA DICE)が語るのは何十機も敵戦闘機を撃墜したり、敵飛行船に飛び乗ったり、嘘か誠か分からない冒険譚なのですが。これらの話には実は元ネタが存在します。

大空の青春「フライボーイズ」

その元ネタが「フライボーイズ」です。この映画は2006年に公開された戦争アクション映画、実在した義勇戦闘機中隊ラファイエット隊をベースに一人の若者が仲間と共に一人前のエースパイロットになるまでを描きます。

映画では「高き場所の友」に出てきた撃墜された友軍機を追って地上に舞い戻るシーンや飛行船をめぐる一連のシーン、敵戦闘機の多くが赤色である事などが「高き場所の友」と非常に似ています。ゲームで忙しく体験したシーンを映画でのんびりと見守るのも良いでしょう。

「フライボーイズ」は個性豊かな登場人物による掛け合いや友情の他、第一次世界大戦当時はかろうじて存在した騎士道とそれに伴う大空での決闘が爽やかに描かれた良作です。現在はAmazonプライムビデオでも公開されていますので是非ご覧ください。

ドイツ軍エース赤い男爵の苦悩を描く「レッド・バロン」

赤い男爵や赤い悪魔の名で恐れられたマンフレート・フォン・リヒトホーフェンを描くこの映画は「高き場所の友」や「フライボーイズ」とは大きく雰囲気が異なり、暗く重厚な雰囲気となっています。

と言っても悲惨さが強調されるのは映画も後半に差し掛かってから。前半では自分と戦い命を落とした敵であり友であるパイロットを追悼するため、敵軍の葬式場に花輪を投下するといった騎士道精神や戦争初期は貴族ばかりだったパイロット達の優雅な生活などが描かれます。

映画は後半になるにつれて仲間の死やリヒトホーフェン自身の負傷などで暗い雰囲気となっていき、特にクライマックスでは大迫力の航空戦と並行してドイツ帝国軍最後の攻勢作戦カイザーシュラハト(皇帝の戦い)が描かれる事で戦争の悲惨さが強調されています。このシーンは同じ『バトルフィールド1』のキャンペーン「鋼鉄の嵐」に雰囲気が近いかもしれません。

「レッド・バロン」の素晴らしい点は考証の確かさにあります。実は先ほど紹介した「フライボーイズ」は航空機の機関部の動作や登場する航空機と劇中で設定されている年の整合性がとれていないといった考証上の不備が見受けられるのですが、「レッド・バロン」ではしっかりと考証されています。

第一次世界大戦の魅力が詰まった両作は『バトルフィールド1』のファンにとって必見と言えるでしょう。

『サイバーパンク2077』と「攻殻機動隊」-肉体と魂の関係性

本稿には『サイバーパンク2077』の「ACT1」までのネタバレがあります。

『サイバーパンク2077』が発売されるに当たって、様々なメディアやサイトがサイバーパンクの古典とも言える映画や小説を紹介しました。ウィリアム・ギブスンの「ニューロマンサー」や「電脳」3部作、「ブレードランナー」等々。

しかし、上記の作品はサイバーパンクの古典と言っても過言では無く、現代のテンポの良いエンタメ作品に慣れていると退屈に感じがちです。

そこで、現在から見ても全く色あせないと思っている筆者のお気に入り。「攻殻機動隊」をご紹介します。

「攻殻機動隊」は士郎正宗氏による原作漫画のほか、押井守氏による映画版、神山健治氏によるテレビアニメ版「攻殻機動隊 STAND ALONE COMPLEX」など多数の作品が世に送り出されていますが『サイバーパンク2077』を楽しんだ方に最もオススメしたいのが押井守氏による1995年の映画「GHOST IN THE SHELL / 攻殻機動隊」です。

85分と比較的短い劇中には、しびれる戦闘シーンやメカに関する描写など注目すべき素晴らしいシーンが凝縮されていますが、『サイバーパンク2077』と関連して最も重要な点は、肉体とゴースト(魂)の関係に関する描写と言えます。

「GHOST IN THE SHELL / 攻殻機動隊」では肉体を機械に換装したとき肉体の無くなった人を人たらしめるのがゴーストとされ、劇中では最終的に主人公である草薙素子が肉体から解脱し、ネットという広大な情報の海へとゴーストになり歩みだす事になります。つまり、肉体と魂は分離できるという前提のもと、物語は進行していくのです。

『サイバーパンク2077』も同様に、肉体と魂の分離が語られています。本作は主人公の肉体に50年前の反逆者ジョニー・シルヴァーハンドの人格を保存したインプラント〈Relic〉が入る事で物語が大きく動き出すのです。

近年では、脳の一部が損傷した場合には性格が大きく変化する事例の報告などから、必ずしも魂と肉体は二元論で語れるものではなく、相互に影響している事も分かってきており、『サイバーパンク2077』でも「本来の肉体=V」と「インプラントに入った意識=ジョニー」の駆け引きを描くなど、SF描写も進化し続けていると言えます。両作を比べてみるのも一つの楽しみ方と言えそうです。


ゲームと映画は同じ映像作品として相互に影響を与え合っています。高品質なエンタメ作品が溢れ、違うカテゴリでも競争を強いられる現代は制作者や開発者達にとって大変な時代とも言えますが、私たちユーザーにとっては同じジャンルを様々なメディアで楽しめる、素晴らしい時代とも言えます。

読者の皆様もお気に入りのゲームに関連して楽しめる映画がありましたら、是非コメント欄で教えてください!

《大塩》
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