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【吉田輝和の絵日記】最新作が発表された『風雨来記』ってどんなシリーズ?今更ながら初代をプレイ!

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シリーズ最新作『風雨来記4』のプロモーションムービー

今回は、2001年にフォグから発売されたPlayStation向けソフト『風雨来記』のゲームアーカイブス版です。

先日、シリーズ最新作『風雨来記4』が発表されたことに合わせ、第一作目をプレイすることになりました。本連載で初代PSのゲームを取り上げるのは今回が初です。

本作は、北海道で取材旅行をしているフリーライターの主人公と、旅先で出会うヒロインたちとの交流を描いた恋愛アドベンチャーなのですが……ただの恋愛アドベンチャーにあらず。実在する北海道の名所を自由にバイクで巡り、その日の出来事を記事にしてウェブページに掲載するといった独特のシステムがあるのです。

このゲームが発売された2001年は、僕も個人サイトを運営していたので、当時のインターネット事情を振り返りながら、本作の魅力に迫ろうと思います。

※記事内に書かれた当時の話はあくまで僕個人の思い出や主観が含まれており、実際のインターネット事情とは違うかもしれません。

ちなみに、僕の最初のホームページはスヌーピーのファンサイトで、ドリームキャストのインターネット機能で作ってました。ちょっと黒歴史。

旅には出会いがつきもの!ただし……

フリーライターの主人公は、出版業界の祭典「心光展」で入賞するため、北海道へ取材旅行にやってきた。道内の名所を取材し、記事を自分のウェブページに毎日掲載するのがこの旅の目的だ。

主人公の名前とあだ名以外にウェブページの名前も入力出来る。僕が当時運営していた個人サイトの名前をつけた。

フェリーの上で気の向くままに風景写真を撮っていると、ふと一人の少女が目に止まる。「話しかけてみる」と「このまま黙って見つめ続ける」のふたつの選択肢が表示された。

現実の僕がこんなことをしていたら100%通報案件だ。

主人公は最初は怪しがられたもののすぐに打ち解けていた。主人公のコミュ力、すごい。

少女の名前は斉藤夏ちゃん。気は強いが素直で優しい女の子だ。可愛い(美少女キャラならなんでも可愛いと思うタイプ)。

そして、次に出会ったのはバイカー少女、滝沢玉恵ちゃん。免許取り立てにも関わらず、いきなりツーリングに挑むアクティブな女の子だ。可愛い(美少女キャラならなんでもry)。

主人公は、彼女の写真を撮らせてもらい、写真を送るために住所を聞こうとする。

若干怪しまれるも、主人公(イケメン)補正でセーフ!これが僕だったら……。

うむ、通報案件。

その後に出会った斉藤冬ちゃん。先程の夏ちゃんと姉妹だそうなのだが、性格は真逆でおっとりしている。可愛い(美少女キャラならry)。

そしてなんとこの冬ちゃん、僕が書いた記事を読んだことがあるらしい。

もちろん吉田輝和の絵日記のことではなく、主人公が過去に書いた記事のことだ。

これは見込みがあるかも……思い切ってネゲット(ネットで女の子をゲットする、当時のネットスラング)しちゃう~?

しかし、船に乗るだけでこんなに可愛い女子と出会えるなんて……。「ただしイケメンに限る」話なんだろうなぁ。

バイクに乗って自由走れ!ツーリングモード

一夜明け、フェリーは釧路港に到着。ここからバイクで北海道の名所を巡る旅が始まる。

出会った女の子たちから「明日はどこどこに行くのでよかったら会いませんか?」的なお誘いはあるものの、基本的にはどこへ行くのも自由。もちろんお誘いを無視するのも自由だ。

バイカー少女の玉恵ちゃんにもう一度会いたいので、バイカーが集まりそうなスポットを最初の目的地にしよう。恋愛ゲームのシステムをリアルに考えるとストーカーっぽいな。

バイクでの移動画面は、レースゲームのようになっているのではなく、ダンジョンRPGのようになっている。分かれ道に差し掛かった時、どちらの方向に曲がるか選択して進むのだ。

ミニマップの表示は無いので、□ボタンを押して地図を表示させて確認しないと現在地すらあやふやになってしまう。旅っぽい……。

立ち寄った名所では記事のための写真撮影が可能だ。

そこに女の子が居ればイベントも発生する。可愛かったのでカメラをパシャリ!

しかしこの主人公、やたら無許可で写真を撮るな……。おおらかな時代だったのだろうか。

楽しいキャンプ!記事作成も忘れずに

バイクで走っているとスタミナゲージが消費され、スタミナが0になると強制的にキャンプ地に移動する。今日はここでキャンプだ。

キャンプ飯に舌鼓を打ち、腹も膨れたので就寝……の前に、旅の記事を作成する。

その日に出会った人や行った場所が記事のネタとして記録されるので、その中から記事に書く事柄を選択する。今回は摩周湖について書こう。

掲載する写真や本文の内容も選択出来る。やけに作り込まれたシステムだ。

しかし……両方とも女性の存在を匂わす選択肢だ。特にBの「過ぎし日のアイツに出会った」は元カノの存在を仄めかしているようでいかにも鼻につく。

2001年の個人サイトと言えばテキストサイト全盛期、非モテで笑いを取るのが定番だった。女の影をちらつかせるようものなら2chに晒されて炎上してしまっていただろう。

かくいう僕は、女性の影は一切ちらつかせずに20年間やってきた。単にネットを介して女性と出会うことがなかっただけかもしれないが……ともかくそれが個人サイト黎明期を生き抜く賢いやり方だった。

アップロードした記事はインターネットに繋いで確認可能。

摩周湖で出会った女性について書いたこの記事……なんと、見ず知らずの女性の写真をフルネーム付きで掲載している。ネットリテラシーが欠如しているな。

本作に炎上システムがあるかは定かではないが、朝になったら炎上……なんてことがないといいね……。

そして翌日は温泉についての記事を書いたが、浴場の写真を撮影している!

人が居ないからって浴場で写真を撮るのはどうなんだ!?絶対炎上するぞ!


この後、4週間かけて北海道の様々な名所を巡りながら女の子と出会い、ストーリーが進んで行きます。

僕も自転車で数カ月間放浪の旅に出ていたことがあったのですが、女の子はおろか、誰とも交流することがありませんでした。コミュ力の塊の主人公が羨ましいです。

書いた記事内容に応じて閲覧者からメッセージを貰えるシステムが面白かったです。当時個人サイトを運営してた時のことを思い出しました。

北海道をツーリングしながら記事を書くことが目的の本作。数ある恋愛シミュレーションゲームの中でも異彩を放っていたタイトルだったのではないでしょうか。登場人物が織りなすちょっと切ないストーリーも必見です。

ゲームアーカイブスは現世代機には対応していないため少し敷居は高いですが、プレイ環境がある方にはぜひとも体験してもらいたいです。

シリーズ最新作『風雨来記4』は、PS4/ニンテンドースイッチを対象に2021年4月22日発売予定です。

吉田輝和のプロフィール:自画像の絵日記を20年以上書き続けている謎のおじさん。近年、「ちおちゃんの通学路(KADOKAWA)」や「お稲荷JKたまもちゃん(一迅社)」、「からかい上手の高木さん(小学館)」などの人気漫画のモブキャラとして登場しており、これまでアニメ作品に3回登場した。何故こんなに漫画に登場しているのか、描いた漫画家も吉田本人もよくわからないらしい。 最近、『スカイリム』を二人でプレイする絵日記企画「スカイリム二重人格ロールプレイの旅」をはじめた。同企画の最新話通知用Twitterはこちら。吉田輝和個人のTwitterはこちら

「吉田輝和の絵日記」で取り上げてほしいゲームタイトルがありましたら、こちらの申込みフォームで教えてください!すべての要望には応えられませんが、それでも出来るかぎり応えていきたいと思います。

《吉田 輝和》

おじさんの絵を描くおじさん 吉田 輝和

20年近く趣味でおじさんの絵(自画像)を描いていたら、いつの間にかおじさんの絵を描く仕事をするようになったおじさん。「吸血鬼すぐ死ぬ」や「からかい上手の高木さん」など数多くの漫画に、自分でも知らない内にモブとして登場している。 現在はGame*Sparkや他メディアでおじさんの絵やゲームの絵日記を連載中。お仕事の依頼は吉田輝和ツイッターからどうぞ。

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