新人連れ去り奴隷労働……これが宇宙の蟹工船か、宇宙MMO『Elite Dangerous』の銀河を震撼させた、プレイヤーによる事件の全容とは【特集】 | Game*Spark - 国内・海外ゲーム情報サイト

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新人連れ去り奴隷労働……これが宇宙の蟹工船か、宇宙MMO『Elite Dangerous』の銀河を震撼させた、プレイヤーによる事件の全容とは【特集】

人と星の数だけドラマが生まれる宇宙MMO『Elite Dangerous』、今回の特集記事では全銀河を震わせた新人コマンダー連れ去り事件について取り上げたいと思います。

連載・特集 特集
新人連れ去り奴隷労働……これが宇宙の蟹工船か、宇宙MMO『Elite Dangerous』の銀河を震撼させた、プレイヤーによる事件の全容とは【特集】
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Frontier Developmentsが開発を手掛ける宇宙MMOゲーム『Elite Dangerous』は天の川銀河が1分の1サイズで再現されており、瞬く星々の殆どにアクセスが可能という超弩級のマップスケールを誇ります。

コマンダー(ゲーム内におけるプレイヤーの呼称)として自分の宇宙船に乗り込み銀河を股にかけて旅するもよし、惑星表面に降り立って探索するもよし……行商人としてステーションを巡ったり、賞金稼ぎとして戦闘に明け暮れるなど様々なロールプレイを楽しめます。また今後リリースされるDLC「Odyssey」では、なんと船を降りてFPSスタイルによる行動まで可能になる予定だとか。

天の川銀河。この星全てにドラマが詰まってます。

銀河誘拐事件


そんな無限の選択肢が存在する本作において近頃、空母の機能を悪用して初心者を騙し、800光年も離れた星系に連れ去って強制労働を課す悪徳コマンダーのグループが今年になって現れたと、海外メディアPolygonが伝えました。

本来スペースシップを着艦できる場所は、宇宙ステーションや惑星基地といったいわゆる施設だけです。そこでは船の補給修理だけでなく、市場での売買やミッション受諾などを行うことができ、まさにゲームプレイの要の一つとなる拠点でもあります。

そんな中、さきの「Beyond」アップデートで登場した空母「Fleet Carrier」は、平たく言えば、そんな施設・拠点をコマンダーが操縦して宇宙を移動可能になったようなものです。他プレイヤーはそこに着艦してともに行動できる上に、艦内にある市場で交易も行えるなど、遊びの幅がさらに広がりました。

舌を巻くその手口


昨年11月頃から、拡張DLC「Horizon」無料化やEpic Gamesストアでの無料配信などが行われたため、新しくプレイを始めるコマンダーが増え始めていました。悪徳コマンダーらにとってはまさに絶好のタイミング。彼らの手口は、「うまい話があるから」などと言葉巧みに新人コマンダーをゲーム内チャットで誘い、自身の空母にドッキングさせるというもの。


右も左もわからない新人さんは哀れドッキングしたが最後、そのまま800光年ほど離れた別星系に連れていかれ、そこでVoid Opalsという市場で高値で取引される希少鉱石の採掘へ延々駆り出される羽目に。


採掘は、専用装備を整えない限りとにかく手間暇がかかって大変な作業です。単純にツルハシを一回振って、鉄鉱石が一個手に入った!というわけではなく、鉱石がある程度まとまった量手に入るまでずっと掘って回収し続けなければいけません。

また逃げ出そうとしても、FSD(いわゆるワープ機能)で別星系へジャンプすること自体は可能ですが、燃料消費や装備などの兼ね合いもあり、特に新人コマンダーにとって800光年分の距離を移動するのは極めて難しい。この空母クラスでようやっと1回のジャンプで500光年の移動が可能になったレベルです。実質上自力での脱出は不可能と見ていいでしょう。

一見すると星々の距離が近いように見えますが、実際は軽く数百光年は離れているため、移動しようとすると装備と燃料と気合を十分に用意した大冒険になります。

それを知りながら、あろうことか悪徳コマンダーたちは、連れ去った新人たちを使って希少鉱石を採掘させた挙句、自空母内の市場で通常価格の1/6程度で買い叩いたとのこと。これは憶測ですが、つまるところ、そうして安く集めた鉱石を転売で荒稼ぎしているのでしょう。鬼の所業とはまさにこのことです。

Fuel Rats出動

距離が距離だけに自力で元に戻る場所は困難で、新人さんたちに残された選択肢は、作業を続けるか自爆して、いわゆる「デスルーラ」(死と引き換えにもとの星系に戻る)するかしかありません。しかし、初心者はその「自爆」という選択肢が存在していることを知ること自体が難しいでしょう。また、今作は決してデスペナルティのそう軽いゲームではありません。重ねて巧妙な手口です。

しかし、そんな彼らを助けるべく救助隊「Fuel Rats」が立ち上がりました。彼らは『Elite Dangerous』において、燃料切れなどにより銀河で立ち往生するコマンダーに対して救助活動を行っているグループです。銀河で3か月間遭難していたコマンダーの救出など、数々の実績を持ち、21年1月には「合計100,000人救助成功」という記録を打ち立てました。

Fuel Ratsの尽力によって救出された新人さんは既に12名、グループの見立てでは少なくともさらに15名は現地に取り残されている可能性があるとのこと。もちろんそのうちの何名かは、状況を楽しんであえて留まっているのかもしれませんが……。

ロールプレイとしての線引き


初代『Elite』を含めると30年も続くシリーズ最新作である本作。2014年にリリースされてから、その規模の大きさとプレイバリューの高さから世界中のコマンダーに愛され、またその歴史の中で多くのドラマが生まれましたが……今回、話題を集めたのは新人さん連れ去りという大事件でした。

今回の件はFrontier Developmentsもモニターしており、Fuel Ratsなどのコミュニティグループの行動を喜ばしく思いつつも、同時に一部コマンダーの不正行為(ガイドラインに抵触するようなもの)を見逃すつもりは無いとコメント。また被害に遭った新人コマンダーに対しては、ゲームからログアウトしてカスタマーサポートに連絡を取るよう推奨しています。


なお筆者がゲーム内のニュースサイトGALNETにアクセスしたところ、”3307年2月8日”のニュースとして一連の事件が報じられており、HR6828星系まわりにおいて所有者不明の空母へは不用意にドッキングしないよう、と注意喚起がなされていました。




また実際にその現地星系へ飛んでみたところ、Fleet Carrier数隻を確認。こちらは足回りを強化した自力航行できる機体を使用しているので、試しにドッキングを行いました。市場を確認すると、その時点では当然ですが何もないくらいで特に変わった点はなく、連れ去り準備に入るような動きも無かったため、件の悪徳コマンダーかどうかについては判別できず。

なにもない空母内市場。

メタ的な視点ですが、プレイヤーによって引き起こされた事件が、『Elite Dangerous』世界内における事件として、ゲーム世界内のニュースで取り扱われるという部分に少々ロマンを感じてしまいます。とはいえ、現実もそうですが、うまい儲け話には必ず裏があるもの。ゲーム内のロールプレイと割り切れたら良いのかもしれませんが、本作をこれから楽しもうと希望を胸に銀河へ漕ぎ出した新人コマンダーにとっては、今回の事件はたまったものではありませんね。

《麦秋》

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