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2000年代ホムペ風パズル『餓史シャチの幸』で謎めいたインターネッツを体験【爆速プレイレポ】

謎のホームページを探索して隠しページを探し当てていくアングラ感満載の2000年代ホームページ風パズル『餓史シャチの幸』のプレイレポートをお届けします。

連載・特集 プレイレポート
2000年代ホムペ風パズル『餓史シャチの幸』で謎めいたインターネッツを体験【爆速プレイレポ】
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最新ゲームが毎日大量にリリースされる昨今。メーカーやストアのゲーム紹介だけでは「どんなゲームかわからない!」とお嘆きのGame*Spark読者も多いのではないでしょうか。そこで“なるべく早く”ゲームの生の内容をお届けするのが本企画「爆速プレイレポ」です。

今回は2021年5月4日に、XPLORER SIXよりSteam版が配信された『餓史シャチの幸』について生の内容をお届けしたいと思います。

『餓史シャチの幸』とは

『餓史シャチの幸』は2000年代のインターネットをモチーフにしたアドベンチャーゲームで、Steamでは5月4日から配信されていますが、3月にはフリーソフト配信サイトのVectorで公開されていた作品です。ストアの説明によると、謎のホームページ「餓史シャチの幸」を始点に、存在しないページをネットサーフィンするゲームとのこと。読み方は「ガシシャチノサチ」になります。

ゲーム画面は某OS風、起動できるのはブラウザのみで、そこに表示されるホームページのリンクを辿りながら、ページ内に隠されたオブジェクトを見つけて、秘密の入り口を探し当てながら、より深層へと進んでいきます。

かつてテレホーダイタイムを待ってISDNやADSLで接続した世代には、隠しページを見つけてアングラ情報を辿っていったあの感覚に似た体験をするゲームと言えばわかりやすいかもしれません。不気味で混沌としたアングラな空気感の中、謎解きに挑戦する短編アドベンチャーです。

ホームページ「餓史シャチの幸」へようこそ!

ゲームが始まると、なんだか見覚えのある感じのログイン画面が表示されます。アカウント名をクリックするとログインしてデスクトップへ。この壁紙は……まさしくWindows ●Pのアレじゃないですか!

デスクトップアイコンはブラウザのみ。スタートメニューからも起動可能ですが、他のソフトはインストールされていないようです。起動するとホームページに設定されている「餓史シャチの幸」が表示されます。ちなみに、ブラウザーはInternet Explorerではなく、Internet Xplorerらしいです。

アングラホームページから隠しページを探すと言ったら、やっぱりまずはソース表示でしょう。さっそく右クリック……あれ? コンテキストメニューにソース表示が見当たりません。画面最上部のメニューバーも反応しないので、ブラウザの機能を頼ることはできないようです。[Tab]キーでリンクへフォーカスを送ることもできないようですし、どうやらマウスクリックだけのガチンコ勝負で謎を解かなければならない模様。

なお、アドレスバーにはちゃんと入力もできますし、クリップボードへURLをコピーしたり、クリップボードから貼り付けたりもできます。クリップボードはゲーム内のものではなく、本物のWindows自体のクリップボードが使われているので、ゲーム内のURLをメモ帳などにコピーしておくことも可能。といっても、有効なURLを知らなければ、エラーになるだけですが。

ひとまずホームページに戻って、一番上のリンクから「全知ドア」に入ってみると、何かドアらしきものがデンと表示されているだけのページでした。クリックするとエラーダイアログが表示されます。一致するオブジェクトが必要なようです。

下へスクロールすると鍵の画像があり、ポイントするとカーソルがスポイトに変わります。クリックすると、ツールバーのスポイトの隣に「Key」が設定されます。ドアに戻ってクリックすると、案の定開きました。

ドアの先には、256色減色な感じが懐かしい、小さなトンネルの写真がブラウザ一杯に貼り付けられています。トンネルの先の部分がクリッカブルエリアになっていたので、クリックしたのですが、ホームへ戻ってしまいました。何なんでしょう、謎です。まあ意味もなくこの「全知ドア」コーナーがあるとも思えないので、他のコーナーで何か条件を満たせば変化するに違いありません。

ホムペには不条理な謎コーナーばかり

ホームページ「餓史シャチの幸」は、「全知ドア」を含めて全部で9個のコーナーで構成されています。それぞれをざっと見ていってみましょう。

HAPPY WINDMILL

「HAPPY WINDMILL」は、縦長のページの下の方にY型の画像が表示されているだけのページです。Y型の画像をポイントすると、ステータスバー(ブラウザウィンドウ一番下)に「Windmill」と表示されます。ページ上部の黒い丸っぽい印をクリックすると2ページ目に飛びますが、右下に謎の生き物がいるだけで、他には何もなさそうです。

林檎館(りんごのやかた)

「林檎館(りんごのやかた)」に入ると、背景音としてひたすら林檎を囓る音が繰り返される中、大きな林檎が右から左へスクロールします。「左の館」「右の館」がそれぞれリンクになっており、青リンゴが表示されるページと、さまざまな比率で拡大・縮小された赤い林檎の画像が上から下へスクロールするだけのページがあります。

moiré de allez

「moiré de allez」はフランス語で、大雑把に訳すと「モワレでGO」とかそんな感じの意味になります。ページ名も意味がわかりませんが、中身もかなり意味不明で、縦長の1ページに、白黒のアイコンや画像が並んでいるだけで、絵柄の意味にも何らかの繋がりは見いだせそうにありません。

るんるんシアター

「るんるんシアター」は、とても昔のホムペらしい題名ですが、中身もそれにふさわしく、アマチュアが何か動画コンテンツを作ろうとした、見るからに2000年代らしい感じのページになっています。MARQUEEタグで横スクロールするタイトルが大変味わい深い。

ジャンケンの手を模した3体の不気味なキャラクターを紹介するコーナーがあり、そのキャラクターが登場するムービーの第12話が置いてあるコーナーは、適切なオブジェクトを持っていないとエラーが出て再生できません。スペシャルでは4枚の壁紙を表示できます。

Хаттфри

「Хаттфри」はキリル文字(ロシア語などスラブ系言語を表記する文字)で、ローマアルファベットに直すと「Hattfri」と読めますが、意味のある言葉ではなさそうです。中身もかなり意味不明で、右から左に歩くキリンの子供、左下のクマ、右下のオッサン顔がクリッカブルで、それぞれ意味のわからない言葉を喋ります。このページには2ページ目へ移動する方法が隠されています。

2ページ目はPCモニターが置いてある部屋の写真です。モニターの電源が反応しますが、オブジェクトがないとエラーになります。

大深夜大交通安全教室

「大深夜大交通安全教室」は、右上に歩行者用信号機、下に横断歩道で構成されたページです。信号が反応しますが、オブジェクトがないとエラーになります。

LAW98SCR"S"

「LAW98SCR"S"」に入ると、大きな宇宙の光景が表示されます。スクロールして右の方を表示すると、宇宙飛行士が上から下へスクロールしており、次のページへ遷移できる方法が隠されています。

2ページ目は大きな頭蓋骨が……。その頭蓋骨にクリッカブルエリアが設定されていて、次のページへ移動できる方法があります。

3ページ目は謎の球体です。球体をクリックするとエラーが表示されるのですが、どうも他のオブジェクト不一致エラーとは違うようです。

今日のきもち

最後の「今日のきもち」には、この偽ウィンドウズXPへのログインアカウントGashikoの絵が表示されています。ここもオブジェクトがないとエラーが出て進めません。

オブジェクトを使って秘密の入り口を探す

これらのページからオブジェクトを探して、スポイトで吸って、対応する入り口を解除して、秘密の深層部を探索していきます。

ページ内のオブジェクトをポイントするとカーソルがスポイトになるので、そのまま吸ってみるとツールバーにオブジェクトが設定されます。

オブジェクトを適切なページの適切なアイテムに使うと何かが起き、先へ進めるようになるというシステムになっています。

こうした作業を繰り返し、まだ見たことのないページへどんどん進んでいきましょう。

細かい過程をたどってしまうとネタバレになるので、この記事では間を省略していますが、上掲の画像3枚の表示になるページに辿り着くと、ゲーム全体のヒントが入手できます。

ゲームを進めていくと、思いがけない変化があり、かつてのネットサーフィンよりは刺激的な展開が楽しめます。

ただ、ゲーム全体のボリュームはあまり大きくなく、筆者は1時間ちょっとぐらいで、(おそらく)エンディングに辿り着きました。とはいえ無料のゲームですし、ホームページを探索するというテーマから考えれば十分納得できる内容です。その雰囲気も手触りも、ひと昔前ホームページに埋め込まれた隠しコンテンツを見るために仕込まれた暗号を必死に解いた頃を思い出すおっさんホイホイな作品でした。

タイトル:餓史シャチの幸
対応機種:PC(Steam/ベクター)
記事におけるプレイ機種:PC(Steam)
発売日:2021年5月4日(Steam版)
記事執筆時の著者プレイ時間:1.5時間
価格:無料
《齋藤 直樹》
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