最新ゲームが毎日大量にリリースされる昨今。メーカーやストアのゲーム紹介だけでは「どんなゲームかわからない!」とお嘆きのGame*Spark読者も多いのではないでしょうか。私もプレイするまで正体が掴み切れず泣いています。そこで“なるべく早く”をモットーに、ゲームの生の内容をお届けするのが本企画「爆速プレイレポ」。
今回はBossa Studiosが開発を、Curve Digitalがパブリッシャーを担って、2021年9月17日にSteamにてPC(Windows)向けにリリースしたフィッシュアドベンチャー『I am Fish』(※Steamストアの日本語表記では『俺は魚だよ』なので、以降文中は日本語表記)について生の内容をお届けしたいと思います。
『俺は魚だよ』とは?
誰だお前はと聞かれたからには教えてやる的なタイトルの本作。プレイヤーは魚となって海を目指すアドベンチャーゲームです。愛らしいビジュアルとわかりやすいシナリオ展開に対して、操作性と難易度は結構シビア。
油断すると物理演算が牙をむいて簡単に死にます。本当によく死ぬ。マリオの1-1最初のクリボー。とかく命を落とさないようこまごま操作してちまちま進退する場面が多いので、なかなかどうして神経を使いましたね。
開発スタジオがパンADV『I Am Bread』と同じなので、ファンシーな見た目に反して実際は容赦無しという伝統(?)が受け継がれているのかもしれません。
……それにしてもパンチのきいた邦題です。原題を見たときはもっとこう、「ぼくさかな!」とかそういうもんを想像していました。「俺は魚だよ」には、バーの片隅で咥え煙草で肩をすくめて溜息ひとつ、俺は魚だよ…とひとりごちた、とかそんな印象を受けませんでしょうか?(錯乱)
操作方法
本作はキーボード&マウスならびにコントローラーに対応。さらに操作レイアウト自体もノーマルモードとBossaスタイルの2種類があります。後者はどこかのパンよろしく軸周りの操作が求められるため、より手を忙しく動かす必要があるので結構大変でした。
個人的にそれは、人類の手に余るレベルで難易度が跳ね上がったので、今回のプレイではXbox Oneコントローラーのノーマルモードにてプレイしています。
なおゲームはステージ形式で進行し、途中にチェックポイントがあるのですが……アンロック要素「鉄の魚モード」を選択することで、「死んだらステージの最初からやり直し」という鬼みたいな難易度に変更できます。それでは、やって参りましょうか。
健やかなムービー
ぼくさかな!……じゃなかった、俺は魚だよ。本編開始とともにムービーが再生され、魚たちの生活が丁寧に描写されていきます。
のっけからプルプル微振動するパンからして「I Am Bread」と同じ世界観……というかパンだこれ!しかも後ほどそのものずばりなステージがご丁寧にお馴染みのBGM付きで登場します。
さて、タイトル画面でもみかけた魚4匹。彼らはペットショップの大きな水槽で暮らす仲良しで、毎日遊んでは飼い主からパンの施しを受けていました。
そんな中で愛らしいチュートリアルで操作を学んでいたある日、突然の網ですくわれバラバラになってしまった4匹。偶然生き残ることができたこの熱帯魚は外の世界、すなわち海に出れば、また皆に出会えると希望を胸に動き出すところから本編パートが始まります。
さあ!丸い水槽を中から押せば、水槽ごと転がって移動できると学んだ我らが主人公。
ここから家を出て窓の外に広がる大海原へ行きましょう。
まずは下に降りt……
木っ端みじん。当たり前ですが魚は水が無いと呼吸ができません。目をむいて口をパクパクパクさせながら水を求めるうちにやがて画面は暗転していきます。
楽しい物理演算
本作は物理演算がしっかりしている(?)ため、大きな衝撃を受けると水槽が割れ、最終的に窒息死します。うかつな操作はそれすなわち死への直行便。
ボーリング玉のように転がって爽快なゴール!という想像に対して、実際はかなり慎重かつ繊細な操作が求められることを理解しました。
それを知ってか知らずかステージ構成のアップダウン激しいこと激しいこと。
レベル(ステージ)構成
レベルことステージは意外と広く、ゴールに至る道は結構自由に選べます。難しい操作の最短距離を移動するか、安全な迂回路を進むか……。後述のリザルト画面ではタイムアタック要素もあるので、慣れてきたらコーナリングを攻めると良いかもしれません。
なおマットや花壇など軟らかい場所に飛び降りる限りは、それらがクッションになってくれるおかげで水槽は無事。少し強気なルート選択をしてみましょう。大丈夫、失敗しても魚が死ぬだけです。(大丈夫じゃない)
道中にはご褒美要素のパンの欠片が落ちてたりします。回収してスコアをあげましょう。
チェックポイント
中間地点にはこのようなシンボルが浮かんでいます。これはチェックポイントで、近くを通過することでリスポーン地点が更新されます。繰り返しになりますが、先ほどの鉄の魚モードでは、このチェックポイントが一切なくなります。ノーマルでプレイしていてもちょくちょく躓くのに、チェックポイント無しだなんて鬼みたいな難易度。
さてここはステージ1の難所。オブジェクトを利用して道路に軟着陸したら急いで転がってゴールである海に飛び込む必要があります。
しかし
まあ容赦なく轢かれます。
案の定ガラス容器の水槽は割れ、親切な物理演算が魚ごと破片を吹っ飛ばし……
ゆるやかな死。
今度はもっと勢いをつけて転がるものの結果は変わらず。
心なしか、車はあえてこちらに突っ込む軌道を描いているような気がしてなりません。
しかし何度目かの挑戦で運よく通過!
無事ゴールすることができました。
なおこの後もレベルは続きます。ここに至るまでにかなりの大冒険だった気がしますがまだ序盤。
たまに汚水と思しき場所を泳いだり、
ゴミや注射器に刺されて死んだりするのでやっぱりこの世界は容赦ない。
他の魚でも遊ぼう
文字通り、死線をくぐり抜けながら序盤のステージをクリアしていくと、他の魚でも遊べるようになります。さあ今度はいったいどんな死に方を見せてくれるのか。
ちなみに彼らにはそれぞれ特殊スキルが備わっており、ステージもそれらを駆使して進むようデザインされてます。
ふくらんだり、
噛みついたり、
飛んだり。
まあどのみち長時間水の外いると、画面が徐々に暗転する死へのカウントダウンが始まるのですが……。
おわりに
親しみやすい見た目に反して、割とどころか相当容赦のないプレイが楽しめる本作。
時折BGMのロードが間に合わなかったり、物理演算の悪戯心のせいで明後日の方向へピタゴラス〇ッチ的に挙動が好き勝手に連鎖した挙句死ぬことがありました。
ただしそれらもどこか味わいとなって楽しめてしまったり……もしかしたらそれこそが、本作の魅力なのかもしれません。
対応機種:PC(Windows)
記事におけるプレイ機種:PC(Windows)
発売日:2021年9月16日
記事執筆時の著者プレイ時間:3時間
価格:通常価格:2,050円、セール価格:1,640円(21年10月1日まで)
※UPDATE(2021/09/21 13:10):サマリーの誤字を修正しました。コメントでのご指摘ありがとうございます。