
筆者は、ノベルゲームをたくさん遊んできたわけではありません。『かまいたちの夜 特別編』は「しおり」がピンクになるまで遊びましたが、名作と言われていても、肌に合わずプレイを止めたノベルゲームもあります。
今回、そんな筆者が珍しくノベルゲームに挑戦!遊んだのは、Tebasaki Gamesによるノベルゲーム『コメンテーター』です。12月8日までプレイテストを実施しており、一部の方々は既に本作に触れていることでしょう。
筆者が遊んだのもプレイテスト版で、限られた範囲のプレイでした。しかし、正解の分岐を探すだけの単純なゲーム性ではなく、シミュレーションゲームのような旨味も見られるという面白さが、普段ノベルゲームで遊ばないユーザーをも虜にさせるタイトルでした。
一口にノベルゲームと言ってもその魅力は様々です。物語ジャンルの違いに加え、ゲーム性そのものも作品ごとに大きく異なります。本記事では、“社会派”と銘打たれたノベルゲーム『コメンテーター』のその魅力は何だったのかを、プレイレポを通してお届けします。
操作はシンプル。でも簡単なだけではないゲーム性

まずは1日目、メールが表示され、早速打ち合わせに向かいましょう。胡散臭い見た目の「ウメサワ」おじさんが、チュートリアルをしてくれます。


ゲームの進め方は、右側のコメントメモにその日読み上げるニュースが表示されるので、そのニュースに対するコメントのスタンス(支持・不支持)を決めるだけ。
やることは単純ですが、このニュース番組にはスポンサーがついているらしく、そのスポンサーの満足度や視聴者の注目度が上がる選択をしろと遠回しに言われます。

さらにスポンサー案件については、「お願い」や「ご配慮」といった、かなり露骨な要望まで飛び出す始末。とはいえ、最初は深く考えすぎず、感覚で支持・不支持を選んで生放送本番へ進んでみましょう。


本番では、新種のてんとう虫を発見した中学生のニュースを“強く支持”しました。
他に支持できるニュースがなかった、という消去法だったのですが、結果として、無難な話題を全力で褒める形に。このコメンテーターに番組を任せて大丈夫だろうか?

コメントに困るニュースがあったので、スタンスを選ばずにいると本番中に言葉に詰まってしまい、注目度も満足度も-10の評価となりました。他は良さそうな点数が並んでいるので、これは手痛いミスです。
ひとまず1日目を終え、ゲームの基本的な流れがつかめました。プレイヤーができることは打ち合わせでニュースの支持・不支持を決めることのみで、本番ではそのスタンスの通りに発言され進行していくのを眺め、最後にその結果が表示される、というシンプルな作りです。
では、この調子で2日目、3日目も進めていくとどうなるのでしょうか。

すると……あえなくクビに。初日のミスが響いたのだろう、と考えつつ、このあと2回トライしてみましたが、やはりスポンサーの満足度を思うように上げられず、降板という結果になりました。
しかし、この降板は、ノベルゲームの1周目でバッドエンドを選んでしまった、という“あるある”ではない、ということに気づきました。
クビにならないためには、スポンサーや視聴者を意識し、満足度と注目度というパラメータを管理するという、厳しい立ち回りがプレイヤーに求められます。本作は選択が展開を左右するノベルゲームであると同時に、トライ&エラーを繰り返し“コメンテーターという立場を確立する”というシミュレーション的なゲーム性も両立しているのです。
「正解を当てる」のではなく、「立場を選びとる」ノベルゲーム

そんなシミュレーション性を踏まえて、もう一度プレイしていきましょう。
最初の打ち合わせでは、少し抽象的ですがスポンサーの傾向を教えてくれます。先ほどまでは軽視していましたが、確かに筆者はこのゲームの中では新人コメンテーターですから、しっかりスポンサーと視聴者を意識し、立場を確立しなければいけません。

今度はしっかりとスポンサーの傾向を意識して、自分の思想を前に出さずにコメントをしていくと……。

満足度と注目度のノルマを達成し、目標としていた3日目をクリアできました!
では「スポンサーと視聴者に媚びまくるゲームなのか?」と言うと、そういうことでもありません。3日目まではあくまでも、満足度と注目度の増減を管理するチュートリアルです。これ以降の目標は比較的甘めに設定してあり、ある程度はスポンサーや視聴者を無視して発言しても良いようになります。

そのため、4日目が終了した時点で、もうすでに次の目標はほぼ達成されています。


また、5日目にはニュースの途中で緊急速報が入り、時間制限つきのコメントが求められました。自分がコメントしたニュースの傾向などで、この緊急速報で発生する事件が変化することもあるのでしょうか?
プレイテスト版では、この5日目が終了した時点で終了しますが、それ以降の自由に発言できるコメンテーターとなった後は、いよいよ「自分の立場を選ぶ」というフェーズに入っていくのでしょう。スポンサーを無視したり、特定のニュースばかり取り上げたりと、自分がどのような立場のコメンテーターとなり、どのようにシナリオが分岐するか、というバリエーションはかなり豊富になりそうです。
さすがに、プレイテスト版ではゲームの全体像はまだ見えません。しかし、現時点でシンプルな作りとは裏腹に、単純ではない面白さを味わうことができました。シナリオの追加はもちろん、ゲーム性の拡張の余地もまだまだあり、今後の正式リリースが待ち遠しく思います。
社会派ノベルゲーム『コメンテーター』は、PC(Steam)にて配信予定です。













