お出かけから帰ってきたら、ペットが暴れまわって部屋が大変なことになっていた……。
散乱する羽毛布団の中身、食い散らかされたお菓子、床に落ちたカーテン、横たわるフィギュア……それを片付けるのは飼い主!
ペットの室内飼いをしている人なら、この絶望を何度も経験したことがあるのでは?
今回は、Playfellow Studioが開発を手掛けRogue Gamesから発売されたPC向け『暴れん坊ニャンコ(Fisti-Fluffs)』です。
本作は、飼い主不在の間に暇を持て余した猫ちゃんたちが、家の中や庭といった場所で思いっきり暴れまくる、最大4人プレイ対応の大乱闘アクション。言うなれば猫ちゃんの『スマブラ』ですね!
暴れん坊なニャンコ×4!
我が家には、「ひじき」「豆苗」「水菜」という飼い主の好物の名前を付けた3匹の猫がいる。
3匹の猫ちゃんは、登ってはいけない場所には登らないし、壁で爪とぎするなんてことはない。僕は過去に家庭犬の訓練士をしていたので、猫のしつけに関してもまあまあ出来ている方だと思う。
ただ……
わざわざ高所でゲロを吐く悪癖だけは治せなかった……。
悲しい話は置いといてゲームを始めよう。
ゲームモードは「乱闘」「王冠コントロール」「器物損壊」「パーティーモード」の4つ。シンプルなバトルロイヤルの乱闘からプレイしてみよう。
操作キャラクターは、様々な猫ちゃんの中から選べる。他のプレイヤーが居なくてもNPCを追加して最大4人でプレイ出来るぞ。
アパートや猫カフェ、路地裏など6つのステージが用意されている。
まずはアパートのステージかな。
猫ちゃんのアクションには、頭突きや肉球パンチの攻撃、ジャンプ、バブルを体の周りにまとわせる防御技がある。
これらを駆使し、4匹の戦いが今始まる!と思いきや……
全ての猫が集まって一斉にソファをバリバリし始めたではないか!
マップ内のオブジェクトは、ソファからテーブル、壁にかけられた写真まで破壊可能だ。
猫同士でバトルしながらあらゆる物をぶっ壊す……なんともフリーダムなゲームだ。
自分以外の猫の体力を0にすれば勝利だ。勝者の猫は、なぜか黄色い煙をあげながら大空へ飛んでいく。謎の演出……。
バトル後の部屋を見回してみると、棚の本は撒き散らされ、テーブルは真っ二つで、ソファは引っかき傷だらけ。猫飼いには、心臓がキュ~ッとなる地獄絵図に成り果ててしまっているのだが……
僕とは関係ないから平気だな。
君だけのオリジナル猫ちゃんを作り上げろ!
乱闘以外のモードもプレイしてみよう。次は「王冠コントロール」だ。
ルールは簡単。ステージ上の王冠を見つけ出し、一定時間被っていた猫が勝者だ。
敵猫から攻撃を受けると王冠を落としてしまうので、いかに逃げ回るかが肝だな。
「器物損壊」はその名の通り、ステージ上のあらゆる物をぶっ壊して被害総額を競い合うモードだ。
NPCの敵猫ちゃんたちはルールを把握していないのか、ひたすら猫同士で戦っているな。なんたるバーサーカーっぷり……。
最後のパーティーモードは、他のモードの短縮バージョンが連続でプレイ出来る。
ほかにも猫ちゃんのキャラメイキングができるモードもある。体型や毛並み、毛色を自由に設定出来るぞ。
とりあえず僕のリアル飼い猫のひじき・豆苗・水菜の3匹を作ってみた!ついでに吉田の名前をつけた猫も作ってみよう。
ピンクや黄緑など、現実には存在しない毛色の猫も作成可能だ。
クリーチャーみたいな猫「吉田キャット」が誕生してしまった……。
なでなでしたり、ボールやおもちゃを投げたりと、作った猫と遊べるぞ。
クリーチャー吉田キャットと楽しく交流している時、ふとゲーム画面から目を離すと……
あああああああああああ!ゲロ吐かないで!
ゲームに没頭する飼い主にかまって欲しかったのだろうか……。
アラフォーのおっさんでも猫ちゃんになれるもん!
本作はローカルマルチプレイオンリーだが、Steamの機能であるRemote Play Togetherを使えばフレンドとオンライン対戦が可能になる。
そこで本連載ですっかりお馴染みになったリアル友人の大原くんとプレイすることに。大原くんは、「ニャー」しか喋れない猫語縛りで対戦しようと持ち掛けてきた。
僕らアラフォーのおっさんだぞ……。
そういえば大原くんは、妻子持ちでありながら数年間無職だったが、このたび再就職を果たしたそうだ。
大原くんによって大原キャットが完成した。吉田キャットに負けず劣らずなかなかのクリーチャーっぷりだ……。
本作にはチーム戦はないが、NPCの2匹を倒すまでは共同戦線を張ることにした。お互い別々のNPCと戦う。
クリーチャーカラーだからどこに居るか一目瞭然だな。
「ニャー」しか言えない猫語縛りだが、不思議なことになんとなく相手の言っていることが理解出来るぞ。アラフォーおっさんたちが徐々に猫へと変化しかけていたその時……
「あんたらうるさいで!ボリューム下げてや!」
あ、僕のニャーニャーボイスもそちらに漏れていたんですね……。
大原くんの奥さんの怒りの声により、僕と大原くんはすんでのところで人間に戻れたのだった。
いやあ、猫になって自分の家じゃない部屋を荒らし回るのがこんなに楽しいとは思ってもいませんでした。乱闘モードでも猫と戦うより家具を破壊していた時間の方が長かったと思います。大原くんとの対戦は盛り上がりました!
ただ、NPCの強さを変更出来ないこともあり、基本的な攻撃パターンがボタン連打だけになってしまうのが残念でした。家具の壊れ方が地味だったので、もっとバラバラにぶっ飛ぶくらい派手に壊れてほしかったです。あとはなんと言ってもオンラインマルチプレイモードが無いのが気になりました。
ソロプレイだと1時間ほどで飽きがきたので、あくまで誰かと楽しむパーティーゲームとして位置付けた方がいいと思います。
猫になって暴れまわるコンセプトは良かったので、今後のアップデートで新たなゲームモードやオンライン対戦が追加されることを期待しています!
『暴れん坊ニャンコ』は、PC(Steam/Epic Gamesストア)/Android/を対象に配信中です。