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荷ほどきは思い出とともに―2Dパズル『Unpacking』で人生を振り返ろう【爆レポ】

今回は部屋で荷ほどきするパズルゲーム『Unpacking』をご紹介。年代ごとに生活が変わっていく様子にノスタルジックな気分を感じつつ、穏やかなゲームプレイが楽しめました。

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!注意!
本記事には『Unpacking』ゲーム序盤のネタバレが含まれています。

最新ゲームが毎日大量にリリースされる昨今。メーカーやストアのゲーム紹介だけでは「どんなゲームかわからない!」とお嘆きのGame*Spark読者も多いのではないでしょうか。私もプレイするまで正体が掴み切れず泣いています。そこで“なるべく早く”をモットーに、ゲームの生の内容をお届けするのが本企画「爆速プレイレポ」。

今回はWitch Beamが開発を、Humble Gamesがパブリッシャーを担い、2021年11月2日に、PC(Windows/Mac OS/Linux)ではSteam/GOG.com/Humbleにて、コンシューマではXbox Series X|S/Xbox One(Xbox Game Pass対応)/ニンテンドースイッチ向けにリリースした、荷ほどきパズル『Unpacking』について生の内容をお届けしたいと思います。

『Unpacking』とは?

本作は荷ほどきを通じて部屋の持ち主の人生に触れる2Dドットパズルゲーム。箱から取り出す思い出の品の数々がプレイ体験にノスタルジックなアクセントを加えてより味わい深いものにします。私もプレイ中何度か引っ越した時の記憶が蘇って「そういえばあんなことあったなぁ……」などと思い出に浸ったり。早速紹介してまいりましょう。

設定

本作の操作はキーボード&マウス、ならびにコントローラーに対応しています。両方試しましたが、後者についてはカーソル移動をスティック入力で行うので、前者でプレイした方がやりやすい感触でした。グラフィックについては2Dドットなので細かい調整項目はありませんが、アイコンの大きさなどUI部分の設定が可能です。

また言語はしっかり日本語に対応。パズル操作がメインなので基本的は文字を読むことが少ないですが、それでも丁寧な翻訳がされていました。

1997年から始まる本編

ゲームを開始すると、本に名前を書き込むところから始まります。本作は年代を振り返るような形で進行し、その都度荷ほどきする部屋が異なります。この本はそれらの部屋を写真にして収めた、いわゆる思い出のアルバムと言えましょう。とりあえず今回は「スパくん」と命名したので、以降は荷ほどきしながらスパくんが歩んだ歴史を見ていきましょう。

最初の部屋は幼少時代のものでしょうか。学習机の一体型の2段ベッドは、どこか秘密基地のように感じて特に子どもの頃は憧れたものです。

部屋を調べると一部の棚などはマウスクリックによって開閉が可能なことがわかります。あと枕も持ち上げることができますね。ゲームの話ではありませんが、抜けた歯を枕の下に入れておくと妖精が翌朝1ドル札に変えてくれる……なんて話を思い出します。

持ち物はある程度カテゴリごとにまとまっていますが、たまに思いもよらぬものがでてきたり。

段ボールを1回クリックすることで物を1つ取り出します。緩衝材はそのたびに下がっていくのでパッと見て進捗がわかりやすいデザインになっているのが良いですね。全部出し終わると段ボールは折りたたまれて消滅。

まずはすべての荷物を取り出して仮置き。

本作はパズルゲームですが、クリアに際してすべてを決められた場所にきっちり並べる必要はなく、ある程度は自由に置くことが可能。流石に便器の上にフライパンを置くなど、極端なものはNGですが……。ちなみに荷ほどきが終わり「すべての荷物が箱から出された状態」になると、未だ置かれていなかったり、不適切な場所に置かれたりした品々は、色で縁どられて強調表示されます(色はオプションから変更可能)。

こうして並べた物品を見ていると、「持ち主はどんな人なのだろう?」と浮かび上がってくるのもまた面白い。リアルでの部屋掃除でもそうですが、ついつい本やアルバムをめくってしまうことってありますよね。本作はまさにそういった、懐かしさに思わず作業の手を止めてしまうというような心をくすぐるデザインがなされています。

作業完了!

すべての物品がきちんと収められると画面右下に星マークが表示され、クリックすることでゲームクリア。次の年代に進めます。左側のカメラアイコンを選択すると、荷ほどきのリプレイ動画を確認でき、さらにパソコンへ保存することも可能です。

画面左上のカメラマークをクリックすると、作業中・完了のタイミングを問わず現在の部屋の様子を撮影することができます。特殊効果をつけたりステッカー(クリア報酬、実績と同じですね)でデコレーションしたり思い出の一枚として残すのも良いでしょう。

2004

月日は流れ2000年代に突入。ここでは3つの部屋で荷ほどきできるようになりました。

部屋の切り替えは画面端左右に表示されるアイコンをクリックして行います。各部屋の様子から察するにスパくん初めての独り暮らし。

荷物を並べていると幼少時代からずっと使っている物品が出てきてちょっと嬉しい。新しい道具類もパソコンやCDラジカセが登場したりと年齢の成長が見えてこれも感慨深いですね。ただ少し気になるのは、ちらほらと女性用下着や小道具が出てくること。スパくん、女の子だったの?(錯乱)

こうやって洗面所や台所に物品を並べている時に、ふと「これは筆者自身の経験からくる置き方」であると気が付きました。今は社会に出てずいぶん経ちましたし、自分なりの導線が出来上がっているためほいほい並べていますが、もし本作を独り暮らし初心者の頃にプレイしていたら、また並べ方も違ったりしたのでしょうか。

経験からくる割に結構雑な置き方が……!ともあれクリア。

2007

この頃になってくるとスパくんも女子大生くらいになったのか、その持ち物は一気にバリエーションが増えました。ここでも成長が見えて面白いのが、かなり本格的なコスプレ衣装を作っている部分。そういえば子どもの頃からお絵描きが好きっぽいんですよね。そういう行動が積み重なって今のアーティスティックな活動に繋がっているのが素晴らしい。

あと所持ゲーム機が新しくなっていて、こういう細かい部分に時代を感じる工夫がされているのも高ポイント。

キッチンの広さは大事ですよね。

2010

年代的にも働き出す頃だからか、部屋の様子がそれまでの方向性からガラッと変わり、白と黒が基調の大人な雰囲気になっています。窓の外に見える景色から判断するにここは高層階の部屋だと思われます。

服のたたみ方から見えるお人柄。

特に劇的な変化と言えば寝室にあります。あらやだダブルベッド!男物の靴、衣類!あらまあ、あんな小さかった子がもう男の子と一緒に暮らすくらいになったのねえ……なんて気分は完全に親戚のソレな筆者。プレイしながら何か胸にこみあげるものがありました。相手はスパくんですが。

これまではあらかじめ設置されていたアイテムは触れなかったのですが、このあたりから少しずつ動かせるものが増えてきます。そのため一見なにも置けないような場所でも、うまく位置取りを調整すればきっちり詰めて収納できますね。

収納術を極めてクリア。記念写真もパシャリ。ここはどう見ても友人間におけるシェアルームという空気ではないですし、次は結婚後とかそういう感じになるのでしょうか。

2012

んん?子どもの頃の部屋に戻ってきました……あれ?同棲は?結婚は?

とりあえず物を全部並べましたが、ある写真だけがコルクボードに貼れない。見たところスパくんとパートナーのツーショット写真のようですが……。

画像右上の黄色いピンをよーくご覧ください。

(相手の顔に刺さっている画鋲)

……思い出に蓋をするように写真を棚の中にそっとしまってクリア。

おわりに

個人部屋兼オフィスみたいになってきました。

本作は単純なパズルゲームに見えて、荷ほどきを通じて郷愁の念を抱かせる不思議なプレイ体験がありました。ただ強いて難点を挙げるとするならば、見かけでどんな物品なのか判別が難しいものがいくつかあり、どこに置けばよいのか総当たりで試す必要がたまにあること。とはいえこれは国、文化の違いによるのが理由。最終的には「あ、これそういうアイテムか!?」と楽しめたので結果オーライです。

また個人的に好感度が高かったのは本作における「音」でした。BGMは主張が強すぎず程よい塩梅で、作業に集中している時の邪魔にならず、また効果音は本、小瓶、ゲーム機といった荷物それぞれの形や重さに応じて音の鳴り方が変化する芸の細かさ。これら音のデザインが、思い出に浸りながらゆっくりと静かに作業する楽しさを引き立てていると感じますね。

タイトル:『Unpacking』
対応機種:PC(Windows/Mac OS/Linux)/Xbox Series X|S/Xbox One(Xbox Game Pass対応)/ニンテンドースイッチ
)記事におけるプレイ機種:PC(Windows)
発売日:2021年11月2日
記事執筆時の著者プレイ時間:3.2時間
価格:2,050円

※UPDATE(2021/11/11 14:00):本文冒頭にネタバレについての注意書きを追加しました。コメント欄でのご指摘ありがとうございます。


《麦秋》

お空の人。 麦秋

仕事であちこち渡り歩いては飛んでます。自分が提供するものが誰かのお役に立てれば幸い。編集部および他ライターさん達のこくまろなキャラに並べるよう頑張ります。

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