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骨太な物語と超自由なゲーム性、膨大なボリュームのSFRPG『ELEX II』プレイレポ―最高の世界観を満喫せよ!【特集】

前作『ELEX』を未プレイでも問題なし!圧倒的ボリュームの物語を体感せよ!

連載・特集 プレイレポート
骨太な物語と超自由なゲーム性、膨大なボリュームのSFRPG『ELEX II』プレイレポ―最高の世界観を満喫せよ!【特集】
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THQ Nordic Japanは、オープンワールドSFアクションRPG『ELEX II(エレックス2)』を2022年3月1日に発売予定です。本作は、2017年に発売された『ELEX』の続編作品です。開発を手がけるのは『Gothic』『Risen』シリーズなどを手がけるデベロッパーPiranha Bytes。

かつて隕石の衝突によって文明崩壊した惑星「マガラン」を舞台に、宇宙からの侵略者に立ち向かう主人公の物語を描きます。さまざまな思想を持つ5つの勢力とどのような関係を築いていくかなど、プレイヤーの意思によって大きく変化していくストーリーや育成が醍醐味です。

本稿では、シリーズ最新作『ELEX II(エレックス2)』の、プレスプレビュー版を用いたプレイレポートをお届け。骨太なストーリーと自由度の高いシステムなど、じっくり遊べる本作の魅力を紹介していきます。

迫る宇宙からの脅威!前作未プレイでも安心の親切設計!

本作の主人公は、前作『ELEX』で惑星の平和を取り戻した「ジャックス」が引き続き担当しています。ジャックスは前作で惑星内の戦争を集結させた英雄なのですが、戦争終結後に再び人々は領土問題や資源「エレックス」を巡り衝突、多くの人々にとって戦争や英雄の存在は過去のものになっている状況です。

物語は冒頭、かつての英雄ジャックスがひっそりと自分の住処で暮らしているシーンから始まります。狩りから戻り部屋で一息ついていたところ、突如として空の色が変化し無数の「隕石」が降り注ぎます。家は隕石によって破壊され、中から出てきた謎のクリーチャーによってジャックスも負傷してしまいます。

なんとか危機から逃れたジャックスは崖から落ちて気絶しますが、通りがかったドクター「アダム」によって救われます。アダムはこの宇宙からの脅威に対抗するため、ジャックスに再び立ち上がることを提案。装備品のジェットパックを渡され、向かうべき拠点・バスティオンへの道を紹介されます。

バスティオンへの道中でジャックスはかつての知り合いや妻の「カジャ」、保護されていたデックスと再会します。そして、実はジャックスを救ったアダムこそが、前作で主人公と対立した戦争の元凶「ドーキンス」だったことが明らかになります。このあたり、別居中の妻・息子との再会や前作のラスボスとの共闘など、続編らしい「お約束」が満載でニヤリとなります。

バスティオンでは、ジャックスが冒頭の負傷で謎の感染症に冒されていることが告げられます。アダムはその治療を行うことを約束し、ジャックスに侵略者「スカイアンド」に立ち向かうため惑星内の5つの勢力と協力することを提案します。こうして誕生した“第六勢力”バスティオンを中心に、英雄の新たな戦いが始まるのです。

なお、本作には前作の登場人物が大量に登場します。ただし、過去の重要なシーンはムービーで振り返ってくれるほか、会話内で過去の関係をしっかりと説明してくれる親切設計です。前作を遊んでいる方が楽しいのは間違いないのですが、今作から始めても問題なく遊べるようになっています。

振り返り映像助かるなー。あんたすごい格好してるな昔!

5つの勢力は曲者揃い!ジャックスの決断は?

本作に登場する惑星内の勢力は、かつてジャックスも加入していた「アルブ」、魔法を操り中世風の生活を好む「バーサーカー」、独自の価値観を持つ技術者集団「クレリック」、ならず者集団「アウトロー」、地下トンネルを拠点とする宗教集団「モーコン」の5種類。公式サイトでは、各勢力の思想や特徴が詳細に語られています。

ジャックスの最初の目的は、各勢力と接触して同盟を組めるかどうかを調査すること。そのために各勢力の拠点へと赴かなければならないのですが、勢力によっては接触すら困難なケースも珍しくありません。まずは信頼を勝ち取るため、彼らの手伝いをしていきましょう。

本作は「ボイス付きの名前を持つNPC約400人」と公式サイトで紹介している通り、非常に多くのキャラクターたちがそれぞれの意思を持ち生活しています。重要なキャラクターたちとはクエストや会話の選択肢で関係が変化していき、ゆくゆくは勢力との関係にも影響していくのです。

そして本作をプレイして驚かされるのはその膨大なクエスト数。各勢力のトップや幹部などはもちろん、ちょっとした商人NPCまで、お使い・戦闘・探索・説得など非常に豊富な種類のクエストを提示するのです。また、ちょっとしたお使いと思ったら、その結果で思わぬ重要なストーリーに展開することもあり、非常にバラエティ豊富です。

プレイヤーの選択で展開は変わっていく。

個人的に面白かったのは、NPCとフィールド上を移動していくタイプのクエスト。オープンワールドゲームでは定番クエストではあるのですが、NPCの性格が窺える会話が楽しく、旅が終わる頃にはそのキャラクターをちょっと好きになれる内容になっています。もちろん、NPCとの同行を断る選択肢もあるので、時間を取られたくない人にも安心です。

各勢力に属することで装備品などを獲得できることも。立場によって関係も大きく変わる本作では、プレイヤーの選択肢次第で物語は千差万別に変化していくのです。また、ジャックスと同行してくれる仲間NPCも存在しています。

過去に色々あったんだ。そう、色々。

近接・射撃・魔法!自由なスタイルで世界を満喫

本作には、侵略者以外にもクリーチャーや略奪者など、さまざまな敵キャラクターたちが存在しています。ジャックスはゲーム初期の武器が鉄パイプなうえ感染症の影響もあってか非常に弱く、十分な力を発揮できません。最初はちょっとしたクリーチャーに囲まれるだけでも大ピンチです。

ゲーム内には剣や斧などの近接武器(片手/両手)や弓・銃・重火器などの遠隔武器、盾や手榴弾など多くの武器が登場。また、防具は頭・上半身・下半身に装着可能で、毒ガス耐性が上がる「ガスマスク」など、装備品によって特性が付いているものも存在しています。SF的な世界観ながら「魔法」も存在し、攻撃・回復・補助など強力な効果を有しています。

武器の装備やスキルの習得にはジャックスに一定以上のステータスが必要です。ステータスは筋力・体格・敏速・知恵・狡猾の5種類で、それぞれ基礎能力にも大きく影響します。例えば筋力なら近接戦闘向け、知恵なら魔法向けのスキルを獲得できるといったイメージです。ステータスアップは、レベルアップごとに獲得できるポイントで振り分け可能です。

スキルの獲得は各地のNPCにお金を払って習得していく方式。スキルは戦闘向けのものだけでなく、武器や防具を制作するクラフト、スリやピッキングができる盗賊スキルなど、さまざまです。スキルを習得するためにも、各勢力との交流は欠かせません。なお、スキルを教えてくれるNPCの位置がすぐわかるマーキングシステムがとても親切です(知り合っている必要はあります)。

スキルは非常に種類が豊富で個性豊か。レベルアップ時に割り振れるポイントもある程度決まっているため、まずはステータス・スキル画面を見ながらプレイスタイルを決めておくのがいいかも知れません。

採掘やピッキングも可能。

ジェットパックが楽しすぎる!戦闘も探索も自由だ

最初にアダムからもらった装備品・ジェットパックは『ELEX』を象徴するガジェットのひとつでしょう。冒険はもちろん、戦闘やクエスト攻略にも活躍する、自由で万能な、頼れるアイテムです。

ゲームの舞台である惑星マガランは、かつて発展していた文明が崩壊した世界観であり、さまざまな自然風景と調和した廃墟の存在も風景の特徴です。高い山や深い谷など、観光名所になりそうなダイナミックな自然風景も非常に美しいと思います。

本作はジェットパックの存在により、ゲームの序盤からほとんどすべてのエリアに移動可能。高い山を登ったり、崖下に飛び降りたり、今にも廃墟を探索したりと、プレイヤーの思うがままに自由に行動できるのです。多くの場所にはアイテムが置かれているため、探索し甲斐があるのも嬉しい部分です。序盤から強力なレジェンド装備も結構拾えますよ(装備にはステータスが必要ですが)。

戦闘でもジェットパックが活躍します。高いところへ移動して射撃や投擲武器で安全に攻撃するのはもちろん、敵を爆破できるオブジェクトまで誘導するなど、さまざまな搦め手にも使用できます。もちろん強力な敵と出会った際には逃げるためにも優秀です。ちなみに筆者は高いところから手榴弾を投げるのが大好きです。

各地にある改造台ではジェットパックの改良も行えます。燃料を増やす、落下時の安全装置を搭載する、浮遊時に武器を使えるようにするなど、カスタマイズによってジェットパックはさらなる万能ツールとして大活躍。空中で燃料が切れると落下ダメージを受けるので、安全装置はとても便利そうです。

オープンワールドゲームで自由な移動が可能とあれば、クエストでどこかに潜入しなければならない際に、ジェットパックで無理やり塀を越えるなどの無茶もしてみたくなるところでしょう。開発側もそれを想定しているゲームデザインで、よじ登れそうな場所がさり気なく用意されているのも好感触です。なお、本作では「テレポーター」を見つければファストトラベル可能なので、まずはジェットパックで逃げ回りながら世界を広げるのもおすすめです。

探索で見つけたレジェンダリー武器。愛用してます。
物語は続いていく。

ここまで紹介してきた『ELEX II』。それぞれの勢力の思惑が交錯する骨太なストーリー、登場するNPCの個性豊かな性格は魅力抜群。システム面でも気ままな探索が楽しめるジェットパックの存在と、剣と銃と魔法を選べる戦闘など、本作にはあらゆる場面で素晴らしい「自由」があります。

プレビュー版ビルドで一つだけ不満があるとしたら、ゲーム内の日本語訳が少しおかしい部分がみられること。ストーリーを理解するには問題ないくらいの精度ではあるものの、息子のデックスがすごく居丈高な語り口調になったりするのは、世界観を妨げる要因になっているかなと思います。

迫りくる世界の危機のなかでどの勢力を贔屓するのか、もしくはもっと困難な道を選ぶのか。選択によって物語が異なる惑星マガランが、果たしてどういった結末を迎えるのでしょうか。プレイヤーは世界の運命を担うジャックスを存分に「ロールプレイ」してもらいたい一作です!

座れる椅子があると座りますよね?
宿屋には「お馴染みのお風呂」も

『ELEX II』は、PS5/PS4/Xbox Series X|S/Xbox One向けに2022年3月1日、Steam向けに2022年3月2日に配信。なお、前作『ELEX』には非公式ながら日本語化Modも存在しているため、本作の世界観をより深く理解するためにプレイしてもいいかも知れませんね。

ジャックスはよく飛ぶ。

《Mr.Katoh》

酒と雑学をこよなく愛するゲーマー Mr.Katoh

サイドクエストに手を染めて本編がなかなか進まない系。ゲーマー幼少時から親の蔵書の影響でオカルト・都市伝説系に強い興味を持つほか、大学で民俗学を学ぶ。ライター活動以前にはリカーショップ店長経験があり、酒にも詳しい。好きなゲームジャンルはサバイバル、経営シミュレーション、育成シミュレーション、野球ゲームなど。日々のニュース記事だけでなく、ゲームのレビューや趣味や経歴を活かした特集記事なども掲載中。

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