ファンタジーFPSは“買い”なのか?『ワンダーランズ ~タイニー・ティナと魔法の世界』の魅力を改めて振り返るバイヤーズガイド | Game*Spark - 国内・海外ゲーム情報サイト

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ファンタジーFPSは“買い”なのか?『ワンダーランズ ~タイニー・ティナと魔法の世界』の魅力を改めて振り返るバイヤーズガイド

『ワンダーランズ ~タイニー・ティナと魔法の世界』の購入を迷っている人へ向けていかに買いか買わざるかをお伝えします!

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ファンタジーFPSは“買い”なのか?『ワンダーランズ ~タイニー・ティナと魔法の世界』の魅力を改めて考える
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読者のみなさまスパシオ!(来い!)3月下旬に発売された『ワンダーランズ ~タイニー・ティナと魔法の世界』は剣と魔法の世界を背景に、「ハリー・ポッター」に刺激を受けたサウンドも持つ特殊なファンタジーFPSです。その名も“ヒャッファンタジー”と銘打たれたハイテンション中世FPSとなっております。

中世なのに銃? それもそのはず、本作はシリーズキャラクターの「タイニー・ティナ」がバンカーマスター(ゲームマスター)を務めるテーブルトークRPGという体裁になっており、なにを登場させるかはティナの自由なのです。そしてティナは爆発大好きっ子。銃なんて序の口、ロケットランチャーまであります。そのうえシリーズとしては初の「近接武器」カテゴリが存在しています。

本稿では、DLC第1弾『ワンダーランズ ~タイニー・ティナと魔法の世界:コイルドに囚われし者』が出たばかりのタイミングにあわせて、本作の魅力と「買いか買わざるかの判断材料」をお届けしていきます。

まずはゲームを進めやすく、本作の世界観/ゲームプレイに馴染みやすい“キャラクラス”の詳細からお伝えいたします!

本作のフレーバーを堪能するのに向いているクラスは?

ワンダーランズ ~タイニー・ティナと魔法の世界』の特徴は「フレーバー」にあります。ここで言うフレーバーとは、“世界観を豊かに演出する要素”のこと。本作のフレーバーを初めて楽しむのであれば、入門としてクラスを「スタボマンサー」にするとよいでしょう。このクラスで使えるアビリティ「ゴーストブレード」は「装備中の近接武器の攻撃力に応じたダメージを与える」という効果を持っており、FPSでありながら「近接武器の取捨選択の戦略性」を楽しめるのです。

もうひとつのアビリティには「ステルス状態になってクリティカルヒットを与える」というものも。ただしそのプレイスタイルは“FPS初心者向け”とは言えません。本作のフレーバーを充分に堪能できますが、FPSのプレイにはある程度慣れているゲーマー向けのクラスとなっています。

フロスト・サイクロン発動の様子。

それなりにゲームを楽に進めたいのなら「スポア・ウォーデン」がよいかもしれません。このクラスは矢を放つアクションスキルと「フロスト・サイクロン」を3つ作り出すアクションスキルのいずれかを選んで戦いますが、サイクロンは敵に追従するため、モブ掃討能力は高めです。さらにスキルツリーには「コンパニオンが蘇生してくれる」というものがあり、ソロプレイにも向いています。

サブクラスとしてスタボマンサーを。

本作の“サブクラス”という要素は、キャラビルドの可能性を広げています。具体的にはゲームの途中から2つ目のクラスを選べるようになります。どちらのスキルツリーを伸ばしてもよくなり、アビリティの取得も自由です。このおかげで射撃ダメージ特化ビルドや魔法ダメージ特化ビルドなども作れます。スキルポイントもリセットでき、あらたに構築し直すことができますが、選んだクラスは変えられないので要注意です。

いずれにせよアップデートで性能が変わる可能性はありますが(実際に変わっています)自分だけに影響する「難易度」を選択できるため、リラックスしながら戦いたい人にもシビアに戦いたい人にも門戸が開かれています。

「ボダラン」シリーズ特有の楽しみ

ローカライズ品質は相変わらず高く、テーブルトークRPGとしてのトークもおもしろくてキャラクター同士の掛け合いも非常に楽しめます。ティナを含めた主要人物の“絡み”はとても楽しく見ていられますし、プレイヤーはシリーズ初(!)のキャラクタークリエイションを行ってから、そんなユーモラスな世界観に飛び込んでいきます。ちなみに、キャラクターの造形は街の施設を利用することで何度でもやり直せます。

キャラクタークリエイションではバックボーンも選べます。

戦闘ロケーションで言うと、攻城戦は序の口、巨大な豆の木で冒険したり水がすっからかんになった海底をいったりと、とにかくバリエーションが豊富です。弾薬の所持数がやや渋めに設定されていますが、アサルトライフルを使い切ったらサブマシンガンに持ち替えるなど、バランスの良い戦略的なプレイを楽しませてくれます。

延々とスライディングしながら進む豆の木。

従来のシリーズで登場していた属性要素ももちろん続投。名称は変わっていますが、敵のシールドに強い「ライトニング」に、黄色いアーマーHPバーを持つ敵に効果的な「ポイズン」に敵を凍らせる「フロスト」と、生身の敵に抜群に効く「ファイヤー」などこれまで登場していた属性に加えて「ダークマジック」というものが追加されました(ラディエーションは退場)。「ダークマジック」は敵のHPを吸収する属性で、ピンチのときに役立ってくれるでしょう。

思いのほか活躍するファイヤー。

以前あったTEDIOREならぬFERIOREの銃は銃を投げることでリロードしますが(!)、投げた地点で三つ首の竜が射撃を行ってくれるような特殊なものも存在していて驚かされます。

『ワンダーランズ』はどんな人に刺さるか

そもそも『ボダラン』シリーズは“協力プレイFPS”でもあります。フレンドと遊ぶ楽しさはなによりも代えがたく、非常にエキサイティングかつ喜びに満ちあふれたプレイとなるでしょう。レジェンダリーがドロップしたときや強敵に打ち勝ったときなんかは、喜びを共有して楽しめること間違いナシです。

フォトモードも備えられています。

プレイヤーの間にレベル差があっても、その楽しさは損なわれません。それぞれのプレイヤーのレベルに合わせて敵の固さや攻撃力がスケーリングされるので、レベル1のプレイヤーとレベル20のプレイヤーが共闘できるのです。これは『ボーダーランズ3』から改良された点ですね。

4月20日にDLC1弾が発売されましたが、こういった「追加コンテンツによる広がり」も本作の魅力的なポイントのひとつです。結論を述べれば、ルートシューターを楽しみたい人にとって、協力プレイをしたい人にとっては本作は買いです。クロスプラットフォームのため、PC版とPS4版のプレイヤー同士でも遊べてしまいます。

しかしながら、「アイテム収集」「キャラ強化」などのモチベーションを保てないゲーマーには不向きともいえます。野良の協力プレイもシステムとして用意されていますが、「協力」らしさはあまり成り立っていない印象です。ただし、本作はストーリーもきちんと練り込まれており、シリーズのバックボーンにあまり頼っていないシナリオ進行からは、シリーズを知らない人にも向けられた作りを感じられて好印象です。

これら総括して、ざっくりいうと「値段にさえ目をつむり、“協力プレイ”や“アイテム収集”および“キャラ強化”が刺されば旧シリーズファンでなくとも買いだ」というのが筆者個人の述べたいところであります。それでは読者のみなさま、ヒャッファンタスティック・ルートシューター!

《SHINJI-coo-K(池田伸次)》

FPSとADVを偏愛しつつネトゲにも造詣のあるフリーライター SHINJI-coo-K(池田伸次)

「Game*Spark」誌に寄稿しつつも「IGN JAPAN」誌と「GAMERS ZONE」誌にも寄稿。「インサイド」誌にも寄稿歴あり。今はなき「Alienware Zone」誌や「週刊Steam」誌にも寄稿していたフリーライター。 そしてヒップホップビートメイカー業も営む音楽家兼ゲームライターの兼業家。通称シンジ。

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