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2年の延期、2度の試遊を経た『冤罪執行遊戯ユルキル』の体験版プレイレポ─STGとADVの融合はプレイ感を損なわないのか?

完全新規のSTGであり、ADVの要素も大胆に取り入れた『冤罪執行遊戯ユルキル』。個性的な特徴に溢れていますが、公開された情報だけでは内容が分かりにくいかもしれません。本質の一端に触れる体験版プレイレポートを通じ、その魅力に迫ります。

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2年の延期、2度の試遊を経た『冤罪執行遊戯ユルキル』の体験版プレイレポ─STGとADVの融合はプレイ感を損なわないのか?
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シューティング(STG)と言えば、ここしばらくはFPSやTPSが話題になることが増えました。もちろん、これらも素晴らしいゲームですが、日本中で大ブームを巻き起こした『スペースインベーダー』から始まり、『ゼビウス』に『グラディウス』、『R-TYPE』などの、敵弾をかいくぐり手強いボスを撃破するSTGもいいものです。

STGは今も様々な作品が出ていますが、低価格帯のダウンロード版専売が多く、パッケージ版があるものでも複数の作品をまとめていたり、人気シリーズの復刻や関連作だったりといったケースが主流になっています。

ですが、完全新作STGとして注目を集め、またユニークな切り口が話題となった『冤罪執行遊戯ユルキル』が、ニンテンドースイッチ/PS5/PS4に向けて今月26日に発売されます。本作に期待を寄せていた方は、この時を長く待ちわびていたことでしょう。

というのも、この『冤罪執行遊戯ユルキル』は当初、2020年に発売される予定でした。それに先駆け、2019年の東京ゲームショウではいち早く試遊出典を実施。筆者も本作に期待を寄せており、当日は真っ先に出展ブースへと足を運びました

しかし、新型コロナウイルス感染症の影響が社会全体に広がり、おそらく『冤罪執行遊戯ユルキル』の開発も少なからぬ打撃を受けたのでしょう。しばらく沈黙が続いた後、2021年の東京ゲームショウで新たな試遊台&ステージイベントを実施。ここで一気に最新情報が明かされ、待ち続けたユーザーたちに朗報がもたらされました。

こうした激動の展開を経て、今月末にいよいよ登場する『冤罪執行遊戯ユルキル』。その魅力の一部を味わえる体験版が一足先に配信されました。

製品版が待ち遠しいばかりですが、購入するか悩んでいる方も少なくないはず。そこで今回、過去2回の試遊出展でプレイした筆者が、2年の延期を経てリリースされた体験版のプレイを通じ、『冤罪執行遊戯ユルキル』の今へと迫ります。本作の特徴やポイントが知りたい方は、ぜひご覧ください。

なお、今回はPS5版のプレイとなります。また、あくまで体験版で触れた範囲のプレイレポートとなるので、その点もご留意ください。

■『冤罪執行遊戯ユルキル』最大の特徴は、“STGとADVの融合”にアリ

『冤罪執行遊戯ユルキル』の特徴をシンプルに表現すると、“STGとADVの融合”が最も大きなポイントでしょう。一般的なSTGは、ストーリーがあってもステージの前後や途中に短めの会話デモが挟まる程度。必要以上に長いと、STGのテンポや爽快感を削ぐ恐れがあるため、コンパクトな作りにしているのだと思われます。

ですが、本作のADV要素はじっくり尺を取っており、物語の重要度がかなり大きめ。しかも、物語の理解度がSTGのバランスやゲームのクリアに関わってくるので、疎かにもできません。

「ADVとSTGの融合なんて、噛み合わないのでは?」と疑問に思う方もいるでしょうが、先に結論を述べると、プレイのテンポが損なわれたとは感じませんでした。無論、好みや相性の部分もあるので、万人が等しく同じ感触とはならないでしょうが、好きな人にはしっかりと“ハマる”作品に仕上がっている印象です。

昨今では珍しい完全新規のSTGであると共に、“ADVとの融合”によってSTGというジャンルの中でもかなり異色な作品となった『冤罪執行遊戯ユルキル』。その特徴的な点を明らかにするため、本作の構成やSTGとADVを噛み合わせたプレイ感について踏み込みます。

■冤罪を晴らす、真犯人を見つける、敵視するパートナーに寄り添う……巧みな構成で物語に引き込む

本作には、STGとADVが織りなす物語が楽しめる「MAIN STORY」、STGのみが遊べる「SCORE ATTACK MODE」といった2つのモードと、各種設定を変更できる「SETTINGS」が用意されています。今回は体験版なので「SCORE ATTACK MODE」は選べませんが、『冤罪執行遊戯ユルキル』の特徴に迫るには、「MAIN STORY」が最適です。

ちなみに「MAIN STORY」でも、STG部分の難易度が選択可能。「EASY」「NORMAL」「HELL」の3種類があるので、物語重視のユーザーからSTGファンまで幅広く受け止めてくれそうです。

体験版の「MAIN STORY」は、製品版の第1章を全て遊ぶことが可能。東京ゲームショウの試遊プレイはいずれもSTGパートのみでしたが、この体験版ではADVパートもしっかり楽しめます。2年の延期を経てようやく判明したADVパートが、STGとどのように噛み合い、物語を紡ぐのか。まずは、その概要に迫ります。

本作の物語について簡単に説明すると、有罪判決を受けた「囚人」と、その囚人と関わりを持つ「執行人」がチームを組み、最後に勝ち残った1チームが無罪(囚人の報酬)と願い事(執行人の報酬)を勝ち取るゲームに参加。こうした参加者たちによる群像劇とその結末が、本作の「MAIN STORY」で語られます。

主人公は章毎に変わり、体験版(第1章)の主人公は「春秋千石」。21人もの殺人を行った凶悪犯として懲役刑を背負っていますが、彼も冤罪を主張している人物のひとり。このゲームを仕切る運営側の言い分を信じるならば、勝利することで失ったはずの自由を取り戻すことができるため、このチャンスに(怪しみつつも)参加します。

広義的な意味で、いわゆるデスゲーム的な展開が物語の主軸に当たります。ですが、千石の勝利だけが、この物語を読み進めていくモチベーションではありません。

状況証拠が揃いすぎて有罪となっていた千石ですが、彼の発言を信じるならば明らかに仕組まれた罠で、真犯人は別にいるようです。そして真犯人は、今回選抜された囚人の中におり、千石はその人物から挑発的なメッセージを受け取ります。

さらに、千石のパートナーとして登場する「莇リナ」は、第1章のADVパート内で、千石が犯人とされた事件で家族を失った生存者のひとりと判明。いわゆる遺族の立場にあり、実刑判決を受けた千石に深い恨みを抱いています。

デスゲーム系作品の多くは、個人もしくはチームで生き残りを目指しますが、本作はパートナーである人物から最も強い敵意を向けられるという状況下にあります。しかもパートナーは「執行人」と呼ばれる立場に置かれ、いつでも「囚人」を殺せる手段と権利を与えられているのです。

一度実刑判決を受けた事件の、冤罪を晴らす千載一遇の機会が得られるゲームに立ち向かう……この要素だけでも、物語面でプレイヤーを導く道標になります。しかし、そこに「自分(千石)に敵意を向けるパートナーをいかに説得するのか」や「千石が実刑を受けた事件の真犯人は誰なのか」といった要素も加わり、千石を取り巻く物語への興味深さをより深く掘り下げます。

体験版の範囲だけでも、3つのモチベーションを投げかけてくる物語。しかも、それぞれ解決の道筋は異なりながらも、相互に関係しているため、物語の進行が散漫になることはありません。プレイヤーの関心を集めた上で、様々な切り口でくすぐる『冤罪執行遊戯ユルキル』の物語は、(少なくとも体験版の範囲では)好奇心に火を点け、先を読ませる仕掛けに満ちた絶妙な足がかりを見せました。

ちなみに、モチベーションのひとつであるリナ(パートナー)の説得については、体験版の範囲でひとつの落としどころに辿り着きます。さすがにネタバレが過ぎるため、そちらについては伏せておきますが、気になる方は体験版(もしくは製品版)で直接ご確認ください。



《臥待 弦》
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