【本職トレジャーハンターに訊く!】ローグライトACT『リトル ノア 楽園の後継者』のダンジョン攻略とホンモノの「お宝探し」の共通点とは―八重野充弘さんにインタビュー | Game*Spark - 国内・海外ゲーム情報サイト

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【本職トレジャーハンターに訊く!】ローグライトACT『リトル ノア 楽園の後継者』のダンジョン攻略とホンモノの「お宝探し」の共通点とは―八重野充弘さんにインタビュー

“宝箱”を探しながら古代遺跡を攻略する新作2Dアクション『リトル ノア 楽園の後継者』。お宝探しに必要な心構えを知るため、日本トレジャーハンティング・クラブ代表にインタビューを実施しました。

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PS4/ニンテンドースイッチ/PC向けに好評発売中の新作2Dアクション『リトル ノア 楽園の後継者』では、奥深いやりこみ要素を備えた「ローグライト」なゲームプレイを堪能できます。

スマートフォン向けにリリースされ、2019年にサービスを終了していた『リトル ノア』の前日譚となる本作では、主人公・ノアが古代遺跡を探検しながら、仲間や自身を強化する装備品を集めていきます。

ローグライトということで、最終的にモノを言うのは「プレイヤーの経験と腕前」。様々なノウハウを活かしながら頭と手をフル稼働するゲームプレイは、アクションゲーム玄人も唸らせるであろう仕上がりです。

そんな本作で重要となるのは、他のローグライト作品と同様に「道中で見つけるレアアイテム」。強敵が現れる「モンスターハウス」、罠が張り巡らされた危険なマップなどで発見できる宝箱からは、ステータスや能力を強化する「アクセサリ」や仲間である「アストラル」を発見できます。

かわいいビジュアルでありつつも、その奥深さと「ローグライク/ローグライト」なゲームプレイは本格派。見た目の愛らしさに惹かれたゲーマーも、すぐに強力な仲間&アクセサリを追い求めるために「宝箱」に熱視線を向けるに違いありません。

日本トレジャーハンティング・クラブ代表 八重野充弘さん

そこでGame*Spark編集部は、日本国内で「お宝」を追い求めるホンモノのトレジャーハンターにインタビューを実施。山に、海に、眠れる財宝を探して48年――まさに“お宝探しの専門家”である八重野充弘さんに話を訊きながら、「レアなお宝を追い求めるために必要な力」について教えてもらいました。



――本日はよろしくお願いします。『リトル ノア 楽園の後継者』という作品では、天才錬金術師の主人公「ノア」が“古代遺跡”を冒険するストーリーが語られます。道中で仲間や装備品……いわゆる「お宝」のようなものを集めて成長を繰り返しながら、強敵に立ち向かっていくというゲームです。

八重野充弘さん(以下、八重野):よろしくお願いします。話を聞いていると、実際のトレジャーハンティングとも共通するところがあるように感じてますよ。

――本当ですか……!?それでは、ゲームについてのお話の前に八重野さんのご活動である「トレジャーハンティング」について、教えていただけますか埋蔵金や隠されたお宝をハントするという、ゲームや映画のイメージだけはあるのですが……。

八重野:実際には、いわゆる伝説や古い書物などで情報を集めてから調査しています。おおもとの資料はほとんど現存しないので、現地に伝わる話を訊くことも多々ありますね。私が初めて挑んだトレジャーハンティングは、九州に伝わる「天草四郎」の財宝伝説。寛永14年(1637年)に起きたキリシタン弾圧に対抗する一揆「島原の乱」の際に隠された軍資金が今も眠っている、というお話でした。

――なるほど。

八重野:「天草島内に“三角池”と呼ばれる池があり、そこに財宝が沈められている」という伝承を参考にしながら、現地を調査していました。天草下島で池の跡と思われる場所が見つかるまで、3年くらいの月日を費やしたのですが。

――それはかなりの忍耐力が求められそうですね。

八重野:そうですね。やり方によっては、「トレジャーハンティング」っていうのは非常に危ない世界なんです。「ここに本当にお宝があるかもしれない」「見つかったらみんな驚くぞ」なんて素直な気持ちを、昔は私も持っていましたが……そこにこそ、危険があるのです。知っている他のトレジャーハンターの中には、発掘に自分の人生や有り金をかけて、家族からも見放されて孤独に夢を追いかける人もいました。

――「非常に危ない」と聞いて、怪我や大事故につながるお話を勝手に想像してしまいました。没頭し過ぎてしまう、ということなのですね。

八重野:もちろん崖や山を登ったり、怪我のリスクがある局面もあります。それでも、のめり込み過ぎて帰ってこれなくなる「魔力」も見過ごせない危険なのです。

――肝に銘じさせていただきます。天草以外では、どのような調査をされていましたか?特に印象的なエピソードがあれば、お聞かせください。

八重野:群馬県・三国峠近くの宿場跡を調べたことがあるのですが、発掘2年目にようやく「幕末の頃に軍資金が隠されたと思しき“横穴”」というのが見つけられたのです。存在することは分かっていたけど、ここも実際に入るまでに2年かかりました。当時の建設省の許可をなんとかとって、がんばって掘り進めて。

――当然ですが、許可を取る必要もあるわけですね。

八重野:そうです。1日に2回パトロールが来るので、そういった方々に対応する必要もありましたし、なにせ作業自体も大変ですから、やはり怪我をする可能性もあります。それで、トンネル工事用のドリルなんかも借りてきて、ようやく横穴に入れたわけです。

――お話を聞いているだけで、のめり込みたくなる気持ちが理解できました。その横穴の中にはどのようなものが……?

八重野:我々が調査するはるか昔に作られた横穴だったのに、昨日掘ったばかりのような生々しさがありましたよ。入ってから最初に見つけた不思議なモノは、「土中の壁に等間隔に掘られていた三角形の穴」でした。

――何者かがいた形跡、ということでしょうか……?

八重野: おそらく、その横穴を使っていた人物がロウソクや燭台を置いていたのだと思われます。その土地には江戸時代の頃、隠れキリシタンが住んでいたという話もありました。江戸時代の隠れキリシタンが逃げ道として作った横穴だったのだろう、と見ています。その横穴を後に利用して、幕末時代に誰が御用金を隠していたかもしれない……という話でしたが、これは何者かに回収されていたようでした。

――とても残念だったと思われますが、その痕跡を見つけられただけでも感動を覚えそうです。百年以上前の人が何かをしていた跡に出会えたというわけですよね。

八重野:そうですね。逃げ道用でしたが、礼拝のための部屋だったとも考えられます。月日が経ってから、そこに別の人々が埋蔵金を隠したという。当時の私にとっての“トレジャーハンティングの先生”や、工事現場の方など、いろいろな人の協力を得て、ドリルで土を掘ってそういう場所を実際に見つけられたわけですから……最初は声も出ませんでしたよ。

――(笑)。

八重野:ちょっとした沈黙が続いたあと、みんなで「やったー!!」と大喜びで。「もうないんじゃないかな」って諦めかけてたところだったので、感慨もひとしおです。

――実際には地味で大変なところもあるにせよ、映画やゲームの世界で描かれるエンタメ的な「トレジャーハンティング」と重なるところもあってとても興味深いです。いわゆる「インディ・ジョーンズ」とか、ピラミッドでのお宝発掘のような。

八重野:私も「インディ・ジョーンズ」は大好きですよ。荒唐無稽だけど、ああいう心が踊るような出来事は現場でも起きるものです。ちなみに、今年はあの「ツタンカーメンの王墓」が見つかってから100年が経った記念すべき年なんです。

――そうだったのですね! スケールが大きい……。

八重野:ハワード・カーターという人物が「ツタンカーメンの王墓」を見つけたのは、1922年11月のこと。その発掘エピソードにも素晴らしいものがたくさんあるのですが、特に好きなのは彼が何重にもなった「棺」を次々と開けていったときの話で……あの、黄金のマスクを被ったツタンカーメンのミイラ。それとハワード・カーターが最初に出会ったとき、まず目に入ったのは「胸のところに置かれた花束」だったのです。

それはヤグルマギクという花で、カラカラに乾いていたけど、ほんのりと青みがかっていたんだそうです。それを見た瞬間、ハワードにとっては他のどんな黄金よりも美しいものであると感じたのだとか。でも、誰がなんのために置いた花束かは分かりません。おそらくは王妃が手向けたのだろうと思われますが。

――とてつもなくロマン溢れるエピソードですね!

八重野:ハワードの頭の中にも、その花束を置いた方の面影が浮かんだのでしょうね。17歳のツタンカーメンのために、誰がどんな気持ちで花束を手向けたのか。紀元前から遡って、3300年の時間がパッと縮んだような、強烈な出来事だったのだと思います。私自身も、ただ埋蔵金を求めているのではなく、そういった出会いのようなものを追求しているところがあります。

――私もゲームの中で「お宝との出会い」はよく体験しているつもりでしたが、それを遥かに超えたドラマティックな出来事です。ちなみに、『リトル ノア 楽園の後継者』のゲームプレイをひと通り観ていただいた上でどのような印象を持たれましたか?

八重野:そうですね……まず、私にとって「トレジャーハンティング」という活動自体がそもそもゲームみたいなものと感じていますから、近い感覚を覚えました。もちろん発掘作業をしているときは真剣ですし、現場に行けば毎回「絶対に見つけてやる!」という気持ちでやっていますけどね。ゲーマーだって、遊びとは言え「このゲームを全部攻略してやるぞ」という強い気持ちで挑んでいるものだと思います。

――本作は「遊ぶ度に異なる形の古代遺跡を探索していく」というシステムで、挑戦する度に違ったアプローチを取ってみたり、これまでの経験を元に「次の一手」を推測したりする必要があります。

八重野:そこも、少し共通するところがあるように感じます。私はこれまで、実際に16ヶ所の現場を発掘してきたのですが、これも本当に単純じゃないんですよ。「慣れてきたから次は楽にいけるだろう」と考えられたことが、ほとんどない。当然、現場によっていつも違うアプローチで調査するわけですし、ただ“穴を掘る”にもやり方が異なったりするわけです。

――なるほど。「埋蔵金の発掘方法」というと、工事現場のヘルメットを被って重機を使って大規模に掘り返す……というイメージがありました。

八重野:そういうのは、実は非効率的なんです。だいたい、お宝を隠した昔の人も、ある程度は謎を解けるようにしているはずなんですよね。隠す側の人だって「いつか掘り返す」と考えているはずなので、とんでもなく地中の奥深いところに埋めるはずがないのです。

まずは現実的なところから、発掘する場所や効率的な方法を考えて、行動に移していく。そういう意味で、私はトレジャーハンティングのことを「昔の人との知恵比べ」と言い表しています。

――たしかに、それは「昔の人との知恵比べ」ですね。隠す側も、決して非現実的なことはやっていないという。

八重野:昔の人々は「すぐに回収できる」ということも前提として、埋蔵金などを隠しているはずなんです。事前に見つけられる情報を手がかりにしつつ、間違った情報はきちんと見破らないといけない。そこで全身全霊で知恵を振り絞らないといけないんですね。そこで大切になるのが、独りよがりにならずに、いろいろな仲間と協力したり意見を聞いたりという、多角的な考え方です。

――お仲間と達成感を共有する楽しさはもちろんですが、共に発掘を進める協力者がいるからこそ、実行に移せるわけですね。

八重野:それももちろんそうですし、トレジャーハンティングには「知力」「体力」「精神力」が重要であると考えています。「知力」は知識を蓄えるための力、現場での情報収集力、観察や環境を読み取る分析力ですね。

――なるほど。インプットするための力ということですね。

八重野:そこに加えて計算する力だとか、いろいろな力が求められてきます。どんどん知識をつけて勉強しなければいけない。作り手が出してきた情報を読み取って全力で挑む姿勢は、「ゲーマー」と「トレジャーハンター」に共通するものですよ。

昔の人が「何を隠したのか」「なぜ隠したのか」「どのように隠したのか」。それらを解き明かすために、我々のようなトレジャーハンターは持っている力をフルパワーで使う。これって、「ゲームデザイナーはなぜこのようなステージを作ったのか」と考えながらゲームを遊ぶことに似ていますよね。

――ゲーマーであれば、一度は考えるようなことだと思います。「事前にこういう情報やアイテムを獲得しているのだから、この局面で使うべきなのだろう」など、推理しながら遊ぶことも多々あります。

八重野:「知力」については、まさにそういったところです。「体力」については、単純なこと。自分の身体を動かすべきで、「人にやらせるものではない」ということですね。

――これもゲームや映画からのイメージですが、「体力」こそ最重要かと思っていました。

八重野:トレジャーハンティングというものは自分自身で体験するのが一番なんです。自分の身体を使うから、ワクワクドキドキできるわけですよ。そのためには崖や山を登らないといけないわけだし、体力づくりは必要です。あらゆる知的好奇心と分析力のもとに「自分が動く」ということが基本なのです。

――なるほど。

八重野:そして「精神力」については、最初にお話したとおりです。「引き際が大事」。

――時間も体力もお金も使うわけですし、のめり込み過ぎないように注意ということですね。正直言うと、私も八重野さんのお話を訊いて、今後の人生をすべて費やしたくなる気持ちに駆られました。

八重野:「なにがなんでも見つけてやる!」という粘り強さも、もちろん大事です。しかし、潔さと言いますか、引くタイミングを見定めることも肝心。これは趣味でも社会生活でも、いろいろな場所で身につけられる力だと思います。私は実際にトレジャーハンティングをすることで、沢山の人の意見を聞いたり実践しているところを見ながら、自分なりの考えを導き出せました。

ちなみに、結構昔に生放送のテレビ番組で「残り10秒しかないけど“トレジャーハンティングに大事なもの”について最後に語ってくれ」と聞かれたときには、「人間の能力のすべてです」と答えました(笑)。

――(笑)。しかし、ゲーム全般に関しても同じことが言えそうです。頭を使うパズルやシミュレーションもありますし、中には実際に身体を使うものや、反射神経が求められるゲームもあります。難しいゲームでは、多くのプレイヤーが「持っている力をフル稼働している」と言えると思います。

八重野:そうですね。なにより、ゲームを制作する人が「プレイヤーに挑戦している」という意味合いで、共通性を感じました。制作側の人間が指し示すゴールのようなものに向けて、全力で目指していく。バーチャルな体験ではあるとは言え、総合的な力を高める楽しさはありますよね。

――――多くのゲーマーにとって、「お宝探し」「トレジャーハンティング」という体験は非常に興味深いものとして目に映ると思います。ゲームや映画、漫画などでもモチーフにされていますし、知的好奇心の根源を刺激するお話ですよね。

八重野:ゲームで自分を高めていくのも非常に良いことですし、加えて、もし興味があれば五感をフル活用する「トレジャーハンティング」にもぜひ挑戦してみてほしいと思います。こういう、おもしろい世界が現実の体験としてあるんだよということを知っていただきたいです。

ゲームのようにデジタルでも、トレジャーハンティングのようにアナログでも、根源的には知的好奇心を使って楽しむもの。面白い世界をできるだけ多く知ってチャレンジしていくことが、大切だと考えています。

――本日はありがとうございました。


愛らしい世界観でレアアイテムを探しながら古代遺跡を攻略していくローグライトアクション『リトル ノア 楽園の後継者』は、PS4/ニンテンドースイッチ/PC(Steam)を対象として発売中。ゲーム本編は1,500円で販売されています。

また、『プリンセスコネクト!Re:Dive』や『ウマ娘 プリティーダービー』とコラボしたダウンロードコンテンツ第1弾・第2弾(各300円)のリリースも控えており、2つを収録するDLCセットは500円、ゲーム本編とDLC2種を含む「スペシャルエディション」は2,000円で販売予定です(価格はすべて税込)。

『リトル ノア 楽園の後継者』公式サイト
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キーボード打海

「キーボードうつみ」と読みます キーボード打海

特集記事の企画・編集を担当。「ハードコアゲーマー・インタビューズ」「異国ファストトラベル」「ハードコアゲーマー占い」などを立ち上げる。『サイバーパンク2077 コレクターズエディション』を持っていることが唯一の自慢で、黄色くて鬼バカでかい紙の箱に圧迫されながら日々を過ごしている。

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