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30年間を描くインタラクティブドラマ『As Dusk Falls』―特徴は「作り込まれた物語」「遊びやすさ」「多様なマルチプレイヤー」【開発者インタビュー】

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30年間を描くインタラクティブドラマ『As Dusk Falls』―特徴は「作り込まれた物語」「遊びやすさ」「多様なマルチプレイヤー」【開発者インタビュー】
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気になる新作インディーゲームの開発者にインタビューする本企画。今回は、INTERIOR/NIGHT開発、PC/XSX/Xbox One向けに7月20日にリリースされたインタラクティブドラマ『As Dusk Falls』開発者へのミニインタビューをお届けします。

本作は、Quantic DreamやSIE London Studioの元スタッフが手掛けるインタラクティブドラマ。1999年のアリゾナの砂漠にある街を舞台に、2つの家族の軌跡がぶつかり合う30年間を描きます。Twitch配信や、スマートフォンを使ったマルチプレイにも対応。最大8人まで同時プレイが可能です。日本語にも対応済み。

『As Dusk Falls』は、3,490円で配信中


――まずは自己紹介をお願いします。一番好きなゲームは何ですか?

Caroline Marchal氏(以下Caroline)こんにちは!INTERIOR/NIGHTのCEOでクリエイティブディレクターのCarolineです。ゲーム業界ではナラティブゲームデザインを20年間経験してきました。私が初めて携わったゲームは『ファーレンハイト』で、イギリスに引っ越す前は『HEAVY RAIN 心の軋むとき』と『Beyond: Two Souls』でリードゲームデザインを担当しました。そして2016年、ついにINTERIOR/NIGHTを設立したのです。一番好きなゲームを一本選ぶのは難しいですが、もし選ばなければいけないとすれば、『ワンダと巨像』ですね。美しくも悲しみに満ちた世界観で、デザインも素晴らしかったです。

Charu Desodt氏(以下Charu)こんにちは!INTERIOR/NIGHTのプロダクションディレクター、Charuです。ゲーム業界では20年前、プレイステーション向けの『SingStar』シリーズのコアプログラマーとしてキャリアを開始しました。以来、マイクロソフトからスタートアップのインディーまで、様々なスタジオでコンソールやモバイル向けのゲームを開発して実績を積み上げてきたのです。私の作るゲームは、業界のスタンダードに挑戦するようなイノベーションが特徴ですので、2018年にINTERIOR/NIGHTに参加し、本作を作ることになるのは自然なことでした。

――本作の開発はなぜ始まったのですか?

Carolineゲーマーとゲーマーでない人が一緒に遊べ、没入感のある奥深い体験を作り出したいというところから、本作の開発は始まりました。ゲーマーとゲーマーでない人が、「ブレイキング・バッド」のような一流の作品から影響を受けた、人を惹きつける、奥深く作り込まれた物語を共有し、キャラクターに共感する喜びを体験し、そして難しい操作に翻弄されることなく一緒に決断をできる、そんな体験をしてもらいたいと思ったのです。一緒に体験する、という点で、「Twitch Plays Pokémon」から当初影響を受けました。INTERIOR/NIGHTは本作を作るために2016年に設立し、この素晴らしいチームと一緒に本作を完成することができ、とても光栄です。

Charuクリエイティブディレクターとして、Carolineはキラキラ輝くほどはっきりとしたビジョンを持っていましたので、喜んで当スタジオの発足時に参加しました。本作はドラマ、映画、ゲームの岐路に立つ作品で、ストーリー主導というジャンルのハードルを押し上げるものなのです。私たちは、開発が難しいとしても、野心的なストーリーラインを持ちながら、直感的でシームレスにプレイすることができる作品を作りたいと思いました!

――本作の特徴を教えてください。

Caroline3つあります。しっかりと作り込まれた物語、遊びやすさ(無料アプリをスマホにダウンロードすることで、指一本でプレイできます)、そして多様なマルチプレイヤー(XboxやPCでは、ローカルおよびオンラインで最大8人でプレイ可能)です。そして何より、本作はクロスプラットフォーム、xCloud、そしてTwitchモードも搭載しており、配信者の方は視聴者と一緒に本作を楽しむことが可能なのです。

Charu本作はとてもユニークなグラフィックを採用しており、これが本作の奥深く作り込まれたストーリーテリングにマッチし、あらゆるシーンが美しい絵画のようになっています。ビジュアル面では、短く、細やかな感情を描けるスタイルを追求しました。人間が本能的に理解できるもので、プレイヤーがドットではなく、本物の人間を見ているような感覚になるのです。俳優を使って撮影し、キーとなるフレームを選び抜き、それを手作業でペイントするのは大変な作業でしたが、価値あるものになりました。結果として、手作りの見た目が、キャラクターたちの動きの空白部分を埋める想像をプレイヤーに掻き立てるものとなったのです。

――本作はどんな人にプレイしてもらいたいですか?

Carolineこのインタラクティブストーリーは、奥深いストーリーテリングを一緒に楽しむことができる作品で、ゲーマーもそうでない方も含め、すべての方に向けたものです。本作は当初からマルチプレイヤーを念頭に入れてデザインされた作品ですので、プレイヤーはパートナー、友人、家族とゲームへの情熱を共有することができます。そして洞察力に満ちたディスカッションをし、一緒に思い出を作ることができるのです。

――本作が影響を受けた作品はありますか?

Caroline「ファーゴ」「ブレイキング・バッド」のような犯罪ドラマや、「狼たちの午後」「ノーカントリー」のような犯罪映画からインスピレーションを受けています。これらはどれも、大小様々な関係性が織り込まれた素晴らしいストーリーです。特にドラマは黄金期を迎え、非常に大胆でユニーク、かつ成熟した長編ストーリーが展開され、面白いキャラクターたちと素晴らしい旅をすることができるようになりました。私たち開発チームは奥深さと予想できない展開のストーリーテリングに情熱を燃やしています。1人のキャラクターに引き込まれれば、そのキャラクターの物語の方向が気になってきます。これこそ、本作でプレイヤーの皆さんに体験してもらいたいことなのです。

――ナラティブアドベンチャーということもあり、各言語への対応で苦労した点はありますか?

Caroline私たち開発チームは多言語話者の集まりですので、可能な言語は自分たちでチェックをしています。有能なエージェンシーと一緒に仕事をし、キャスト選びも自分たちで監督しました。英語のボイスになるべく近くなるよう、とても慎重に声優選びを行いましたが、何より大事にしたのは、演技力の高さです。

――新型コロナウイルスによる開発への影響はありましたか?

Charu私たちは今でもフルリモートで作業を行なっていますが、実際に会って話をしたい人もいるので、今後ハイブリッドモデルに切り替えていきます。新型コロナは本作の開発が最高潮の時にやってきました。そのため、実写の撮影やプレイテストが大変になってしまいましたね。開発チームもリモートに移行することになったので、どのようにしてコミュニケーションをとり、一緒に仕事をするか、模索する必要がありました。それでも、なんとかなりましたけどね!

――最後に日本の読者にメッセージをお願いします。

Caroline日本には『ファーレンハイト』『HEAVY RAIN 心の軋むとき』『Beyond : Two Souls』を気に入っていただけた、素晴らしいゲーマーコミュニティがありますので、日本は私たちにとって特別な場所です。ユニークなアートスタイル、作り込まれた物語、そして遊びやすいシステムである本作をぜひプレイし、気に入っていただけると嬉しいです。大切な人と一緒に本作を楽しんでください。お互いの思わぬことを知って、驚くかもしれませんよ!

Charu本作は私たちのデビュー作であり、ゲームのストーリーテリングというもののクリエイティブのハードルをかなり高く設定しました。すでに遊んでいただいたプレイヤーの方のリアクションは素晴らしいものですし、ぜひこれを読んでいるあなたにも本作をプレイし、素晴らしい時間を過ごしていただきたいですね。

――ありがとうございました。

◆「注目インディーミニ問答」について
本連載は、リリース直後インディーデベロッパーメールで作品についてインタビューする連載企画です。定期的な連載にするため質問はフォーマット化し、なるべく多くのデベロッパーの声を届けることを目標としています。既に500を超える他のインタビュー記事もあわせてお楽しみください。

《Chandler》
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