【ゲーミング刑事の事件簿 #1】9色発光!“光るゲーミング箸”が照らすゲーム業界の深い闇 | Game*Spark - 国内・海外ゲーム情報サイト

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【ゲーミング刑事の事件簿 #1】9色発光!“光るゲーミング箸”が照らすゲーム業界の深い闇

「何色に光っていようと白黒つけるのが俺の仕事さ……」正義の熱血ゲーミング刑事がゲーミング難事件を解決するハードボイルドストーリー、ここに開幕!

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【ゲーミング刑事の事件簿 #1】9色発光!“光るゲーミング箸”が照らすゲーム業界の深い闇
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――私もかつては「ゲーミング」という響きに心躍らせたものだ。まだ幼い、モニターもマウスもPCに同梱しているようなものを使っていた頃……私にとって、「ゲーミング製品」は憧れの的だった。

泣き喚いてソフマップの床に転がり、父母が必死になだめても意に介さず、小一時間ZOWIEのゲーミングマウスを手放さなかったこともある。初めて144hzのモニターを手に入れたときは、なにか偉大なことを成し遂げたような気持ちになったものだ。一日中夢中でマウスカーソルを動かし続け、「ヌルヌルだあ」と声を上げて喜んだ。それも今ではもう過去のこと。遠い遠い、記憶の中の、セピア色の美しい過去。

しかし今や、ゲーミング製品は虚飾と欺瞞の温床となった。やたらめったらに「ゲーミング」を名乗るが、その実ゲーミングでもなんでもない偽(ぎ)ゲーミング製品が跋扈している。

世はまさに「偽(ぎ)ゲーミングディストピア」とも呼べるような、荒廃した状態にあるのだ。誰かが法となり立ち上がらねばならない。世に跋扈する“ゲーミング”を名乗る怪しい製品どもに正義の鉄槌を下す、その時がやってきた。おれはそのために地獄から蘇り、現場に戻ってきた。人呼んで……


ゲーミング刑事 主題歌『魂に似たもの』

(咆哮)


ローグライク ローグライト

メトロイドヴァニア ソウルライク

男には使うとき 気を使いたくない

雑に言いたい そんな言葉がある


ジャンルってそもそも

大体の認識で 話すためにあるんだから

そんな 分類学みたいな 

厳密な区分じゃないはずだろう (そうだろう)




こだわりは大事だよ

尊重するよ

でも押し付けないでほしい

勝手にこだわってほしい


勝手にこだわってほしい

勝手にこだわってほしい

かまわないでくれ

おれに構わないでくれ


近づかないでくれ

危ないから

話しかけないでほしい

緊張するから

それ以上マジで絶対に近寄らないでほしいし

間違っても勇気を出して話しかけたりとかしないでほしい


やめてくれ(なんであれ)

ほっといてくれ(怖い)

寒い……(冬)

軽快なブラスバンドの音がフェードアウトしていく(クローズドキャプション)

都内某所・ゲーミング警察本部。タニタみたいに『バーチャロン』があるわけではないが、我々は一応「ゲーミング犯罪専門」ということでやらせてもらっている。解決した難事件は数知れず。易事件(難事件の対義語)については誇張無く正確に8穣(じょう)件ぐらいは解決してきている。その解決率はYahoo!知恵袋かゲーミング警察かというぐらいに高い。

おれはそこで「ゲーミング刑事」と呼ばれる偽ゲーミング犯罪のスペシャリストだ。愛銃のDualSenseを腰に携え、今日も高層ビルからコンクリートジャングルを見下ろして……否、見まくりながら下ろしまくっている。目をビッカビカの1680万色に光らせていなければ、やつらはいとも軽々しく「ゲーミング」を名乗りやがるからな……。油断もスキもない偽ゲーミング犯罪者どもめ……。あーヤバい。許せない。許せなくなってきちゃった。ちきしょう。あーもう。やばい……。このままだと結構やばい……。許せなさが結構なところまできていて結構ひどいことになってる。いよいよ捕まえなきゃいけない。これはホントに、いよいよマジで、結構捕まえなくちゃいけないっていうギリギリのところまでやってきていて、ここからは根性比べの様相を呈してるって感じてる……。

ゲーミング署の仲間たち(StableDiffusion作) 向かって左が「ダブルリフト」、右が「トム・クランシー」
「ウワーァ! アゥーア! やってやったぜこんちくしょうめが!」

突然廊下の向こうから大きな声が聞こえる。続けてドタドタと走り回る足音。署内に二名の警官がなだれこんでくる。後輩の「ダブルリフト」と「トム・クランシー」だ(刑事に詳しい人なら知っていると思うのですが、警官はあだ名で呼び合うものなのです)。

「やったな! こんちきしょうめ! やってやった! ついにやったんだ! とうとうやった!」

二人は雪の中の犬のように興奮して署内を走り回っている。

「刑事! ゲーミング刑事! やりましたよ! ついにあいつを捕まえたんです!」

ダブルリフトがおれに話しかけてきたのは四時間後のことだった。あまりにもうるさいのでみんな帰っちゃったし署内にはおれしか残っていなかった。

「え……あいつ? 誰だよ」
「あいつですよ! 例の“ゲーミング箸”を逮捕したんです! やってやった! ガッダム! おれはやってやったんだ! 畜生! なあ! トム・クランシー!」
「まったくそのとおりです」

トム・クランシーは穏やかな笑みを浮かべて頷いている。

「何ィ!? ゲーミング箸だって!!??!!??」

ゲーミング箸といえば、重大な被疑者もとい被疑箸として話題になっていた人物(箸)だった。

なにせ「ゲーミング箸」ときたら、

  • まずゲームと箸が全然関係ない。

  • おそらく光ってるだけのことをゲーミングって言ってる。

  • 箸が光ることの良さがまったくわからない。

  • なぜ暗い場所で飯を食いたいのか分からない。

このように、役満クラスで“揃っている”のである。救いはリーズナブルであるという点と(ゲーミングでない箸でもこれぐらいの値段のやつはある)、記事にしたときの面白さがそこそこありそうという点です。ダブルリフトとトム・クランシーはこのゲーミング箸を署に連行してきたのだという。偉い。

早速取り調べ室に向かうと、ゲーミング箸が不安そうな表情で椅子に腰掛けていた。しれっと「自分には何の罪もない被害者もとい被害箸なんです」とでも言いたげな表情で……。

しかし、あまりに偽ゲーミングっぽいこの風格、こいつは大物に違いない。こいつの口から自白を引き出し、芋づる式に偽ゲーミング犯罪組織へとたどり着けるかもしれない。それには、適切な取り調べを実行しなければならないのである。

よし、取り調べ開始だ!

「お前、どこがゲーミングなんだよ!!!!! 光ってるだけだろ!!! しかも箸って!!! ゲーム関係ないだろ!! おい!!!」

「おい! コラ! 聞いてんのか!!! 黙っててもおれは容赦しないぞ! 本当にひどいことになるぞこのままでは!!! 聞いてるのか!!! おい!!! 光ってないでなんとか言ってみせろ!!!!」

「おい! もう!!! ひどいぞ!!! 言わないと困るのはそっちなんだからな!!! わかってるのか! おい!」
「お~い!」
「ハァハァ……畜生……口の硬い野郎だぜ……」

勢いで凄んで自供させるというお決まりの手口は失敗に終わった。なかなかタフな被疑者もとい被疑箸だぜ……。しかしこちらにはまだ奥の手がある。まだ慌てるような時間じゃない。

これは何の変哲もないゲーミングでない、誠実に実直にありのままに生きている(?)ただの箸です。

そしてこれは小豆。この2つが揃ったらわかるよな……?

聡明な読者諸君はお気づきのことだろう。小豆を皿から皿へと移し替えるという例の儀式によって、ゲーミング箸の箸としての機能を検証していくのだ。ゲーミング箸と名乗るからには、当然箸としての機能が阻害されていてはならない。

というかゲーミングマウスがただのマウスより高機能なように、普通の箸より高機能であるべきだろう。まずは普通の箸で検証していこうと思う。今回は10粒の小豆を移し替える速度を計測して、比較することにした(余った小豆は編集者が持ち帰って食べました)。

まずは普通の箸で検証していく。これがなかなか難しくて全然うまくいかない。こっちがうまくいかないとちょっとなんというのかプラン的にアレなのでうまくいってほしかった。

よし! 移し替え終わったぜ!

記録は58秒69。速いのか遅いのか全然わからん……。っていうか多分遅い……。

続いてゲーミング箸で検証していくぅ~! まじでデカくて持ちづらい。あとなんか光っている。でもこの「移し替える」という行為自体2回目なので最初よりうまくなっている部分もある。こっちがうまくいくとなんというかプラン的にあれなのでうまくいかないでほしいが、かと言って積極的にウソをついて被疑箸を追い込むのは警察の職務倫理に反するのでよくない。今まで何個ウソついてるんだという感じだが、こういうのはちゃんとやりたいんだ。

まあ……それなりに……掴めないことはないです(せっかく光っているので途中で部屋を薄暗くしてもらった)。

記録は1分8秒48。たしかに普通の箸よりはちょっと遅いけどそんな糾弾するような差でもないという微妙な結果だ。

「うまいこと切り抜けやがったな……」

ゲーミング箸は未だ沈黙を貫いている。なかなか骨のあるやつだ。しかし、次の検証はどうかな……!?

箸といえば寿司。寿司といえば。箸が箸であるためには寿司を美味しく食える必要があるのだ。果たしてゲーミング箸はその機能を果たせるのか……!?

まずは普通の箸でマグロを食べます。

美味しかったみたいです。

続いて、ゲーミング箸。食べ物を食べる装置とは思えない色で光っている。テンションが上がるのか下がるのかよくわからない。

普通の箸よりかなり太いから、めっちゃつかみづらくて醤油もたくさんついちゃう。写真を撮るために持ち上げてキープするのがかなり大変だった。

うーん……。


エビも食べてみよ~っと。

ごちそうさまでした。

予想はできたことだが、箸としてはちょっと使いづらかった。まあ使えないというほどではないし食べてるときはあんまりわかんなかったけど、後で写真をみたら間違ったサイバーパンクみたいでめちゃくちゃ面白かった――結局のところ、どんなものを使って食おうが寿司は寿司だ。気分で味が変わるとかもない。ただ、やっぱ明るいところで食ったほうがいいと思うな……。

「お前も、根は悪いやつじゃあないのかもしれないな……」

あいも変わらず無口なゲーミング箸だが、おれはそのとき、彼が感情を「色」で表現していることを悟った。水色は「悲しみ」……そしてピンクは「愛」の色である。こいつもきっと苦しかったのだ。もはやこいつが“落ちる”のは秒読みだな。

「カツ丼……食うか?」

ゲーミング刑事はゲーミング箸にカツ丼を差し出す。刑事ドラマでおなじみの流れ。しかし、どこか違和感があるのにお気づきだろうか。

瞬間、カツ丼が色とりどりに光り出す……これは、ゲーミングカツ丼だ!!!!!

そしてゲーミング刑事のネクタイも光り出す!!!! 

そう……その、まさかだ。このゲーミング刑事という男、実はビカビカ光るゲーミングでもなんでもないのにゲーミングという名前がついているだけのグッズが大好きの悪徳ゲーミング刑事だったのだ!!!!

ゲーミング箸もゲーミングカツ丼との邂逅で、心なしか嬉しそうにみえる。こうして、ゲーミング箸の事件は悪徳ゲーミング刑事の手によって永久に葬りさられていく……。


エピローグ

――こうして、ゲーミング刑事の最初のエピソードは「警察機構の腐敗」という思いのほか苦い結末を迎えた。悪徳ゲーミング刑事はこれからどうなるのだろうか? ゲーミング警察署の他のメンバーは? そして……世にはびこる偽ゲーミンググッズを取り締まる、真の正義が現れる日は来るのだろうか?

でも、読者諸君はこの事件から様々な教訓が得られたことだろう。ビカビカ光ってる箸とかカツ丼の写真はめっちゃおもしろいことなど……。

ということで、ゲーミング刑事は取り調べてほしいゲーミンググッズを募集しています。「これゲーミングじゃないでしょwww」的ななんかおもしろそうなやつでもいいしなんだったら別に普通のゲーミンググッズでもいい。あと食べ物とかもいいよね。あったらコメント欄や問い合わせフォームから教えてください。編集部のお金で買って人柱になりますし、なんならメーカー。今回のゲーミング箸というグッズについて最後にちょっとだけ真面目に論評すると、当然箸としては使いづらいし、ゲーミングでもなんでもないのだが、一瞬めっちゃおもしろいということに580円ぐらいの価値は充分あると思います。会社でおもむろにこれで弁当食いだしたりしたら良くも悪くも注目されるに違いないのでは? まあもう在庫ないみたいで、それはそれでもったいないんだけど……。

「上海問屋 光るゲーミング箸」製品情報

http://www.dospara.co.jp/5shopping/detail_parts.php?ic=477809
(※記事執筆時点で在庫切れ)

  • 材質: ABS758

  • 製品サイズ: 約260mm

  • 持ちて部分直径: 約10mm

  • 先端部分直径: 5mm

  • 重さ: 約15g

  • 耐熱温度: 100度

  • 付属電池: ボタン電池LR41 6個(1本につき3個使用)

  • その他: 食品衛生検査済



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