「開発初期は、重厚でシリアスなメトロイドヴァニアだった」ダンジョン探索×パン屋経営ACT『アルタ』【開発者インタビュー】 | Game*Spark - 国内・海外ゲーム情報サイト

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「開発初期は、重厚でシリアスなメトロイドヴァニアだった」ダンジョン探索×パン屋経営ACT『アルタ』【開発者インタビュー】

気になる新作インディーゲームの開発者にインタビューする本企画。今回は、FromDawn Games開発、PC向けに11月6日にリリースされたダンジョン探索×パン屋経営アクション『アルタ』開発者へのミニインタビューをお届けします。

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「開発初期は、重厚でシリアスなメトロイドヴァニアだった」ダンジョン探索×パン屋経営ACT『アルタ』【開発者インタビュー】
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気になる新作インディーゲームの開発者にインタビューする本企画。今回は、FromDawn Games開発、PC向けに11月6日にリリースされたダンジョン探索×パン屋経営アクション『アルタ』開発者へのミニインタビューをお届けします。

本作は、ダンジョン探索とパン屋経営の2つの要素が融合した作品。プレイヤーは勇者を目指す冒険者見習いのキツネ耳の少女・チャヤとなり、かつて世界を災厄から守った冒険者たちが持つ「アルタクリスタル」を巡る冒険と、ひょんなことから壊してしまったパン屋の復興を目指していきます。日本語にも対応済み。

『アルタ』は、1,980円(1月6日までは20%オフの1,584円)で配信中


(日本語で回答いただいたため、最低限の編集で掲載させていただきます)

――まずは自己紹介をお願いします。一番好きなゲームは何ですか?

Angela皆さん、こんにちは!FromDawn GamesのAngelaです。私たちが開発した『アルタ』は、アクションアドベンチャーとパン屋経営という二つの要素を融合させたRPGです。キツネの少女・チャヤは、一人前の勇者になることを目指して旅を続ける中、思いがけない事故によって小さなパン屋の店主・イーフィのオーブンを爆破してしまいます。そこから、爆発とパン、そしてケモミミの仲間たちに彩られた、不思議で賑やかな冒険が幕を開けます。

数多くのゲーム作品の中から「最も好きな一本」を選ぶことは、私にとって容易ではありませんが、近年とりわけ強い印象を受けた作品としては、『パラノマサイト FILE23 本所七不思議』と、『Absolum(アブソラム)』が挙げられます。両作はジャンルや表現手法こそ大きく異なるものの、いずれもゲームデザインが非常に洗練されており、内容面はもちろん、細部に至るまで高い完成度を感じさせる作品です。機会があれば、ぜひ多くの方に触れていただきたいと思います。

――本作の特徴を教えてください。また、そのアイデアはどのように思いついたのでしょうか?

Angela『アルタ』の最大の特徴は、一見すると結び付きのない「パン屋経営」と「バトルアクションアドベンチャー」という二つの要素を融合させている点にあると考えています。

開発初期の『アルタ』は、メトロイドヴァニア形式を採用し、全体のトーンも現在より重厚でシリアスなものでした。しかし検討を重ねる中で、アクションの手応えは維持しつつ、作品全体により軽やかで親しみやすい空気感を持たせたいと考えるようになりました。その結果として、シミュレーション型の経営要素を取り入れる判断に至りました。

パン屋の情景を思い浮かべてみてください。焼き立てのパンの香りが漂い、客たちは楽しそうに商品を選び、色とりどりのパンが店先に並んでいます。パンを口にした人々の表情には、自然と笑みが浮かびます。私たちにとってパン屋とは、常にそのような「幸福な空気」に包まれた場所でした。

一日の冒険を終えたチャヤ、そしてプレイヤーの皆さんが、疲れを癒やし、心から安らげる拠り所として戻ってこられる場所であること。そしてそこで得た温もりが、次の挑戦へ踏み出すための原動力となること。そうした思いを込め、数ある経営テーマの中から、温かく前向きな象徴として「パン屋」を選びました。

――本作の開発にあたって影響を受けた作品はありますか?

Angela『アルタ』のデザインにおける核となっているのは、「戦闘」と「経営」が相互に影響し合う循環型のゲームサイクルです。私たちは「努力は必ず成果につながる」という信念のもと、戦闘で得た成果が経営を支え、経営で積み上げた成果が冒険を後押しする――この循環を意識して設計しました。こうすることで、より多くのプレイヤーが、自分らしい楽しみ方でこの世界に没入できるようになっています。

開発初期においては、『Moonlighter』を主要な参考作品のひとつとしました。また、『天穂のサクナヒメ』、『オーディンスフィア』、『東方夜雀食堂』、『ビストロ・きゅーぴっと』といった作品も日常的にプレイし、それぞれのシステムや表現から多くの示唆を得ています。さらに開発を進める中では、『デイヴ・ザ・ダイバー』や『Cult of the Lamb』における複数ジャンルの統合に対するプレイヤーの反応を継続的に観察してきました。これらの作品は、『アルタ』の方向性を模索する過程において、まさに暗闇を照らす街灯のような存在だったと感じています。

一方で、会計ミニゲームの発想は、非常に現実的な体験――いわゆる「レジ打ち」から着想を得ています。目の前でお客さんを待たせている状況における独特のスピード感や、自分が今どの操作を行っているのかを正確に把握する感覚は、決して「気楽」と言い切れるものではありません。個人的に特に気に入っているのは、方向キーで操作した後、最後にもう一度「会計ボタン」を押さなければ処理が完了しないというデザインです。その一押しこそが、操作に明確な区切りと手応えを与える、本当の意味での「お会計完了」だと考えています。

――本作の開発中に一番印象深かったエピソードを一つ教えてください。

Angela初期バージョンにおけるチャヤは、国や民の行く末を案じるお姫様という設定でした。当時は現在のような本物のケモ耳をつけておらず、一見すると耳のように見える部分も、実は髪型による表現だったのです。その後、チーム内で何度も議論を重ねた結果、チャヤは明確に「キツネの少女」として再定義され、もふもふとした尻尾と耳を備える現在の姿へとたどり着きました。改めて振り返るとよい決断だったと思います。

なお、チャヤはキツネの要素を持つキャラクターではありますが、私たちは彼女を「獣人(Furry)」とは位置付けていません。あくまで「ケモ耳」のキャラクターとして扱うこと――この点は、チーム内の重要な共通認識となっています。

開発の過程では、少し切ない出来事もありました。スタッフロールの中に、2羽のインコの名前が記されていることに気づかれる方もいるかもしれません。1羽目のインコは開発初期に亡くなってしまいましたが、私たちは彼の存在を何らかの形で作品の中に残したいと考え、ステージ2-1のボスとして登場させることにしました。そして正式リリースからほどなくして、もう1羽のインコも私たちの元を去りました。今でもその喪失感は大きく、寂しさを感じています。

――リリース後のユーザーのフィードバックはどのようなものがありましたか?特に印象深いものを教えてください。

Angela『アルタ』が多くの方々に受け入れられたことで、私たちは非常に多くのフィードバックをいただく機会に恵まれました。そうした一つひとつの声は、作品を見つめ直し、より良い形へと磨き上げていくための大切な指針となり、『アルタ』が進化を続ける原動力となっています。心より感謝申し上げます。

以前、あるプレイヤーの方から印象的なエピソードを伺いました。その方は、『アルタ』を通じて「自分はゲームが不得意なのではなく、緊張によって操作を誤っていたのだと気づいた」と語ってくれました。意識的に力を抜き、何度も挑戦を重ねるうちに、徐々に上達を実感し、最終的には難所を乗り越えることができたそうです。

『アルタ』のシステムや細部にわたるデザインには、「プレイヤーが失敗を恐れず、勇気を持って挑戦できる体験を提供したい」という思いが一貫して込められています。だからこそ、このような体験談を共有していただけたことは、私たちにとって何よりの励みであり、開発者として深い感動を覚えました。

――ユーザーからのフィードバックも踏まえて、今後のアップデートの方針について教えてください。

Angelaコミュニティやレビューを通じて、数値バランスに関する多くのご意見・ご提案をいただいています。バランス調整については、リリース前から繰り返しテストを重ねてきましたが、実際のプレイヤーの皆さんの進行速度や遊び方は非常に幅広く、すべてを事前に想定することは容易ではありません。そのため現在も、寄せられたフィードバックを基に、継続的な数値調整を行っています。先日リリースしたVer.1.1における「知名度」に関する調整も、その取り組みの一環です。

また、皆さまからの反響を受け、先日Ver.1.2を公開いたしました。現在は、Ver.1.3に向けた新規コンテンツの企画・準備を進めております。その他のプロジェクトについても着実に準備を進めており、これらが無事に形となり、皆さまにお届けできる日を、チーム一同楽しみにしております。

――本作の配信や収益化はしても大丈夫ですか?

Angelaもちろん、大歓迎です。私たちは、皆さんが制作される『アルタ』に関連するあらゆる創作活動を心から歓迎しています。動画やイラスト、あるいはその他どのような形式であっても、皆さんのクリエイティビティに触れることは、チーム一同にとって大きな喜びです。

――最後に日本の読者にメッセージをお願いします。

Angela『アルタ』を応援してくださっている皆さまに、心より感謝申し上げます。X(旧Twitter)などで、皆さまが楽しそうに『アルタ』をプレイされている様子を拝見するたび、チーム一同、大きな励みとなっています。

――ありがとうございました。

◆「注目インディーミニ問答」について

本連載は、リリース直後インディーデベロッパーメールで作品についてインタビューする連載企画です。定期的な連載にするため質問はフォーマット化し、なるべく多くのデベロッパーの声を届けることを目標としています。既に900を超える他のインタビュー記事もあわせてお楽しみください。

ライター:Chandler,編集:Akira Horie》


ライター/バイク乗り Chandler

ゲームと風をこよなく愛する暇人。趣味は多い方だったはずが、最近は家でぼーっとしている時間が増えてきた気がしている

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Akira Horie

編集/『ウィザードリィ外伝 五つの試練』Steam/Nintendo Switch好評発売中! Akira Horie

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