基地建設シミュレーション『After the Collapse』―『Fallout』や『S.T.A.L.K.E.R.』から大きな影響を受けた【開発者インタビュー】 | Game*Spark - 国内・海外ゲーム情報サイト

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基地建設シミュレーション『After the Collapse』―『Fallout』や『S.T.A.L.K.E.R.』から大きな影響を受けた【開発者インタビュー】

日本語対応は技術的に難しいとのこと。

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基地建設シミュレーション『After the Collapse』―『Fallout』や『S.T.A.L.K.E.R.』から大きな影響を受けた【開発者インタビュー】
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気になる新作インディーゲームの開発者にインタビューする本企画。今回は、Anarkis Gaming開発、PC向けに9月10日に正式リリースされた基地建設シミュレーション『After the Collapse』開発者へのミニインタビューをお届けします。

本作は、ポストアポカリプスが舞台の基地建設シミュレーション。プレイヤーはミュータントやモンスターなど、様々な脅威からサバイバーたちを守るよう基地の建設を行いながら、活動範囲を徐々に広げつつ、新たな資源やサバイバー探索を行っていきます。大規模なストーリーモードも特徴。記事執筆時点では日本語未対応です。

『After the Collapse』は、1,520円で配信中


――まずは自己紹介をお願いします。一番好きなゲームは何ですか?

Guillaume Lespeau氏(以下Guillaume)こんにちは、Guillaume Lespeauです。ネット上ではEsKaとしても知られています。私はフランスの開発者で、ソフトウェアプログラミングの経験を有しています。Anarkis Gamingは私1人で活動しており、大規模なスケールのシミュレーションを得意とするインディーゲームスタジオです。これまで8年間活動をしており、本作が2本目の商業作品になります。

好きなゲームを一本選ぶのは難しいですが、もしどうしても選ばなければいけないとしたら、現代の基地建設ゲームの父である『Dwarf Fortress』ですね。これ以外にもストラテジーゲームや、スチームパンクやポストアポカリプスをテーマとしているゲームも好きです。あ、それに加えて、私は昔の日本の弾幕シューティングも大好きです。もう反射神経が悪くなり、だいぶ下手になってしまいましたが、今でもなぜか奇妙なことにリラックスできるんですよね。

――本作の開発はなぜ始まったのですか?

Guillaume主に2つの理由があります。

まず、本作のようなゲームを作るのは、長い間目標にしていたことでした。本作のようなゲームはとても複雑で、最も失敗しやすいジャンルの一つでもあるのです。実際、早期アクセスを無事に終了できるゲームは少なく、1.0に到達するのはそれ以下です。そのため、私はこれをプログラミング上の挑戦と捉え、自分1人で達成できるかどうか試してみたかったのです。

2つ目の理由は、私自身が遊んでみたいと思うジャンルだったからです。私は『Frostpunk』『RimWorld』『Dwarf Fortress』のようなゲームを何百時間と遊んできました。しかし自分が本当にプレイしたいものはなかったのです。そのため、私は自分で作ってみてどうなるか試してみようと思ったのです。

――本作の特徴を教えてください。

Guillaume本作の見た目はかなり『RimWorld』に似ていますが、プレイ感覚はまったく異なり、新規プレイヤーは戸惑うかもしれません。

本作ではそれぞれのサバイバー(マイクロマネジメント)よりも、基地そのもの(マクロ要素)にフォーカスしています。基地のデザインは重要で、サバイバーは簡単に新しいサバイバーと置き換えられる資源に過ぎないのです。これが本作全体のデザインになります。中盤では50人のサバイバーがいる基地が十分なサイズで、サバイバー数の上限は決められていません(プレイヤーのPCがどれだけ耐えられるかによりますが)。200人のサバイバーと何百匹ものペットがいるというプレイも見たことがありますよ。この人口を保持するため、プレイヤーはローカルマップをしっかりと調べ、下水道システムを使いこなし、洞窟を探索する必要があります。

ポストアポカリプスという設定もこのジャンルにおいては比較的珍しいと思います。多くの上級資源はローカルマップ上になく、安定した供給を得るためには、しっかりと周りの世界を探索しなくてはならず、AIがコントロールする他の派閥とも戦わなくてはなりません。そのためにも、基地の補給のためプレイヤーは探索をし、資源生産センターを修理する必要があります。また、プレイヤーは時折テキストベースのクエストに遭遇し、地下壕を探索して特別なテクノロジーをアンロックするなど、他の方法ではできないことをすることができます。

最後に、特にこのようなゲームでは珍しいのですが、本作では地下壕から出てきたばかりのサバイバーたちの小さなグループの冒険を描く、長い(しかし必須ではない)ストーリーラインが存在します。これはストーリーを楽しみながらプレイヤーに本作の大まかなシステムを知ってもらうのを目的としてデザインされています。

――本作はどんな人にプレイしてもらいたいですか?

Guillaume基地建設が大好きな人をメインターゲットにしていますが、それだけではありません。早期アクセスを数年間実施し、その間にできたファンコミュニティの大部分が、基地建設ゲームは本作が初めてという人だったのです。このジャンルの他のゲームをやってみたことがある方で、本作のコンセプトが面白そうだと思った方や、マイクロマネジメント重視のゲームから離れてみたい人、それかただ単に設定が異なるものを遊んでみたいという方は、少なくとも本作を試してみていただきたいです。

本作には大規模なチュートリアルにゲーム内辞典、そして新規プレイヤー大歓迎のアクティブなコミュニティもありますよ。

――本作が影響を受けた作品はありますか?

Guillaume面白い質問です。多くの人は『RimWorld』から影響を受けたと思うでしょうし、フォーラムではこの作品とちょっと似過ぎているという声もあります。しかし、確かに多くのことを『RimWorld』から学んでいるものの、『Fallout』や『S.T.A.L.K.E.R.』のようなゲームの方が本作の開発には大きな影響を与えているのです。本作を長い間遊んでみていただければ、これらの作品からの大きな影響に気づくことができるでしょう。

――本作の日本語対応予定はありますか?有志翻訳は可能ですか?

Guillaume他の言語はModで追加することが可能です。しかし悲しいことに、技術的な問題ではあるのですが、文字の種類が多い言語に対応するのはとても難しいのです。この制限について以前取り組んでみたことがあるのですが、効果はありませんでした。可能かもしれないのですが、日本語版は他のバージョンと互換性がなくなってしまうでしょう。1人で開発していますので、とても難度の高いものになってしまうのです。

――新型コロナウイルスによる開発への影響はありましたか?

Guillaume自宅で開発をしているソロ開発者ですので、他の多くのスタジオほど直接的な影響はありませんでした。予期していなかった副作用として、世界中の人が外出自粛をしていた数ヶ月の間に、本作の売り上げが伸びたのです。とはいえ、もしこの売り上げを犠牲にすることで新型コロナがすぐに消えてくれていたとしたなら、そうしていたでしょう。個人的にも、家族レベルでも、大変な時期が続いていましたからね。

――本作の配信や収益化はしても大丈夫ですか?

Guillaumeもちろんです!配信や動画作成にはオープンポリシーを貫いています。その内容がポジティブでもネガティブでも、私と揉めたりするようなことはありません。また、どのプラットフォームでも、本作に使われているすべての楽曲が安全であることも付け加えておきます。

――最後に日本の読者にメッセージをお願いします。

Guillaumeこんにちは!日本語が本作では実装できないことについては心からお詫び申し上げます。しかしだからと言って、見放さないでいただきたいのです。プレイ必須ではないストーリー以外、メニューはなるべくアイコンにしていますし、私も英語のネイティブスピーカーではないということもあり、ゲーム内の英語もとてもわかりやすくなっていますよ。

――ありがとうございました。

※UPDATE(2022/9/29 19:05):「ローグライク高速FPS」の箇所を「基地建設シミュレーション」に修正し、再公開しました。コメント欄でのご指摘ありがとうございました。

◆「注目インディーミニ問答」について
本連載は、リリース直後インディーデベロッパーメールで作品についてインタビューする連載企画です。定期的な連載にするため質問はフォーマット化し、なるべく多くのデベロッパーの声を届けることを目標としています。既に500を超える他のインタビュー記事もあわせてお楽しみください。





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