今回は、日本一ソフトウェアから発売された『流行り神1・2・3パック』のニンテンドースイッチ版をプレイ!本作は、都市伝説をテーマにしたホラーアドベンチャー『流行り神』シリーズ3タイトルがセットになったリマスター作品です。
オリジナル版が発売された2004年頃は、僕が人生の中で唯一“ゲーム離れ”をしていた時期で、本作も「僕の趣味に合いそうなゲームだな」と思っていたものの、結局プレイしないまま現在に至ります。本作のようにシリーズを一気にリマスターしてくれると、シリーズを途切れずに通してプレイ出来るのでありがたいです!
『流行り神』の新シリーズである『真 流行り神』も、1・2パックがニンテンドースイッチで発売されているので、両シリーズ合わせて現行機でプレイ出来るってことか!助かる~!
◆これは友達の友達から聞いた話……
目を覚ますと、四方をコンクリートで閉ざされた真っ暗な密室の中に居た。
「キミはF.O.A.F.という言葉を聞いたことはあるか?」
暗闇の中で何者かが話しかけてきた。「F.O.A.F」とは「フレンド・オブ・ア・フレンド」の略で、直訳すると“友達の友達”という意味だ。声の主はこちらを気にせず、「F.O.A.F」について語り続ける。
「友達の友達から聞いた」「友達の友達が見た」なんて、出どころのはっきりしない存在によってもたらされる噂話、それは“怪談”や“都市伝説”と呼ばれ、荒唐無稽な内容ながら身近に存在している。
プレイヤーである僕は、大勢友達が居るタイプではない。そしてその数少ない友達もまた大勢友達が居るタイプではないので、“友達の友達”が存在しないんだよな……。
プレイヤーの悲しい事情なんておかまいなしに、声の主は再び話し続ける。
「これは友人の友人から聞いた話なのだが……」と。
◆勇気の出しどころが肝心だ!
ここからいよいよ本編のスタートだ!各話ごとに、怪談や都市伝説をキーワードにした物語が描かれる。第零話は“チェーンメール”か。
チェーンメールとは、「このメールを受け取った人は、同じ内容のメールを◯人に回さないと不幸になります」と受信者に転送を促す迷惑メールの一つだ。架空の殺人事件をテーマにしたものや、テレビ番組のスタッフを騙って何かを募集するものなど、種類は様々だ。
業者などが不特定多数に一括送信するスパム系の迷惑メールと違い、受信者の友達から友達、またその友達に……と、徐々に範囲を広げていく類の迷惑メールだったため、当時から友達が少ない僕にはあまり縁がなかったものだった。話をゲームに戻そう。
本作の主人公は、警視庁警察史編纂室に所属する刑事だ。名前は自由に変更可能なので、いつものように“吉田おじさん”と名付けた。
そんな吉田おじさんのもとに一通のチェーンメールが届く。その内容は、都内で発生した連続殺人事件の目撃者と名乗る人物が、事件解決の協力者を募るといったものだった。現職の警察官相手にこんなチェーンメールを送ってくるだなんて……。
返信するか無視をするかといった選択肢が現れたぞ。
選択肢の中には、選択するのに勇気(カリッジ)を必要とするものがある。勇気の残量には限りがあるので、勇気の出しどころをしっかり選ばなきゃいけないな。
確かに警察官がチェーンメールに返信するのは勇気が必要だ。ええい、ここが勇気の出しどころだ!(多分今じゃない)
年上の後輩である小暮宗一郎からは呆れられ、
上司の犬童蘭子からは思いっきり煽られる。周りにバレないようにもっとこそっと送れよ……。
◆科学とオカルト、どちらの見地で捜査する?
ストーリーを読み進めていくと、事件に関するキーワードが登場する。集めたキーワードを頭の中で整理し、今後の捜査方針を決めていくのだ。
選択次第で、科学的な見地で捜査を進めるか、科学では説明できないオカルト的な見地で進めるか、その話のシナリオが分岐していく。
都市伝説をテーマにしたゲームなんだし、オカルト的な見地で事件を解決したくなるのは仕方ないだろう。ちょっと某ミステリー漫画のキ◯ヤシっぽいな……。
そして事件の終盤では、手に入れたキーワードを組み合わせて、事件関係者たちの相関図を作成する。
事件関係者が増えれば増えるほど、相関図は複雑になっていく。ネタに走ってふざけた相関図を作りたくなるけど、採点次第でゲームオーバーになってしまうので、真面目にやった方が良さそうだな。
と言いつつもギリギリを攻めたくなるんだよね!
◆メリーさんと恐怖のすごろく遊び!
『2』と『3』はストーリーが繋がっている直接的な続編で、登場人物たちも少しずつ歳を重ねている。
僕は『1』ではオカルト一辺倒の捜査をしていたため、陰謀論や心霊現象にかぶれたトンデモ野郎になっているかも……と心配していたけど、まともに成長してくれていたようで安心した。
各タイトルには、オーディオドラマやサウンドプレイヤーモードが用意されていて、『3』には最大6人でプレイ出来るミニゲームが収録されている。
ミニゲームでは「メリーさんから逃げ切らないと異次元にさらわれる」といった曰くがある旧校舎を、編纂室のメンバーたちで探索し、事の真偽を確かめるのが目的だ。
メリーさん「いっしょにあそびましょ……」
「すごろくで!」
一緒に遊びましょって、本当にそういう遊びかよ!
すごろく形式で移動し、メリーさんと接触しないように鍵を集めながら旧校舎から脱出してくぞ。
脱出に必要な鍵以外にも、メリーさんを後退させるアイテムや、進行方向を反転させるアイテムなどもあり、ミニゲームといってもしっかり遊べそうだな。
てっきり協力して脱出を目指すのかと思いきや、みんな脱出して最後の一人になるとメリーさんに閉じ込められてしまうので、他のプレイヤーを脱出させないように足を引っ張りまくる地獄のようなミニゲームだった……!
三作品それぞれ15~20時間ほどでクリア出来ました。過去に発売された他機種版の追加要素も収録されているので、ボリュームはばっちりでしたね。
ただ現在のADVと比べると、システム面では不便さを感じました。加えてちょくちょくフリーズするもんだから、かなり巻き戻されちゃうこともしばしば……。オートセーブ機能くらいは追加して欲しかったです。
ダウンロード版は、ナンバリングごとに単体でも配信されているので、プレイしたいタイトルだけ選べるのはありがたいですね。まあ僕は全作未プレイだったので迷わずセットパックを買いましたが!
システム的な古臭さはあるものの、ゲームとしては抜群に楽しめたので、都市伝説や怪談に興味のある方は是非プレイしてみてください!
『流行り神1・2・3パック』はPS5/PS4/ニンテンドースイッチ向けに配信されており、各タイトルの単体版もリリース中です。