まさかのリメイク初代『ウィザードリィ』!その出来栄えはいかに『Wizardry: Proving Grounds of the Mad Overlord』【プレイレポ】 | Game*Spark - 国内・海外ゲーム情報サイト

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まさかのリメイク初代『ウィザードリィ』!その出来栄えはいかに『Wizardry: Proving Grounds of the Mad Overlord』【プレイレポ】

突如として早期アクセスに登場した、コンピューターRPG初期の傑作『Wizardry: Proving Grounds of the Mad Overlord』のリメイク。本記事では早期アクセス開始時点での本作のプレイレポートをお届けします。

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まさかのリメイク初代『ウィザードリィ』!その出来栄えはいかに『Wizardry: Proving Grounds of the Mad Overlord』【プレイレポ】
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2023年9月15日。とある古典的RPGの、誰もが不可能と思っていたリメイクが発表されました。その名は『Wizardry: Proving Grounds of the Mad Overlord(ウィザードリィ:狂王の試練場)』。本記事では、突如としてSteamなどにて早期アクセスが開始された本作のプレイレポートをお届けします。

『Wizardry: Proving Grounds of the Mad Overlord』とは

本作『Wizardry: Proving Grounds of the Mad Overlord』のオリジナル版は1981年、Sir-Tech SoftwareからApple II向けのゲームソフトとして販売されました。当時すでにアメリカで圧倒的な普及度を見せていたテーブルトークRPG『Advanced Dungeons & Dragons』、そして当時アメリカの教育機関を繋いでいたネットワーク「PLATO」上で稼働していたダンジョン探索オンラインRPG(『Oubliette(1977)』、『Avatar(1979)』など)をベースに、当時個人のホビーユーザー向けに普及しつつあったApple IIというハード上にシングルプレイのダンジョン探索RPGとして仕上げたのが本作になります。本作は『ウルティマ』などと同じく、Apple IIというハードを代表する大ヒット作品となりました。

オリジナルのApple II版は日本の当時の新しい物好きのゲーマー間でも話題のタイトルとなり、『ドラゴンクエスト』の仕掛け人である堀井雄二氏や鳥嶋和彦氏、『ファイナルファンタジー』を手掛けた坂口博信氏や河津秋敏氏、FC版『女神転生』の生みの親である上田和敏氏は皆それぞれ「Apple II版の『ウィザードリィ』にハマり、そこからインスピレーションを受けた」事を異口同音に発言しています。この事から、本作のApple II版は「JRPGの祖父」、あるいは「海外RPGとJRPGを繋ぐ鎖の輪の1つ」と言って良いでしょう。

また、本作の日本での人気を高めたのが1987年に発売されたFC版です。1986年に『ドラゴンクエスト』のFC版が発売された後、「ドラゴンクエストのオマージュ元の1つ」とされた『ウィザードリィ』にも注目が集まりました。そして、満を持して1987年にFC版『ウィザードリィ 狂王の試練場』が発売されます。ゲームスタジオによって大きくアレンジされたFC版は末弥純氏による美しいモンスターグラフィック、羽田健太郎氏による壮大な音楽、そして既存の移植版と一線を画す快適な動作を実現しており、日本で何十万本も売り上げるなどヒット作となりました。オリジナル版の開発者のひとりであるロバート・ウッドヘッド氏もFC版の完成度の高さを認めており、1990年にはNEXOFT(Sir-Tech Softwareの子会社)からFC版の北米圏への逆輸入となるNES版が発売されました。

その後、『Wizardry: Proving Grounds of the Mad Overlord』は日本において2000年ごろまでは初代PSやGBCへの移植が行われてはいたのですが、その頃には報酬の未払いをめぐり開発者とSir-Tech Softwareの間で訴訟が提起され、以降移植はさっぱり出ることはなくなりました。2012年ごろに裁判は終了したのですが、Sir-Tech Softwareの倒産や前述の裁判の開始以降表舞台に全く出てこなくなった権利者の状態と併せて(一方で「Ontario 1259190」などいくつかの名義でSir-Tech Softwareに連なる権利者の活動の痕跡はありました。当時、アエリアへ『ウィザードリィ』商標権と『6』~『8』までの権利だけが売却されたのもその一環です。この権利は2023年現在ドリコムが有しています)、いつしか「移植が絶望的なタイトル」の具体例として本作が挙げられるようになるほど、移植は絶望視されるようになっていました。

ところが、先日(2023年9月15日)に、わずかな事前ティーザーの公開の直後、突然本作のリメイク版の早期アクセスが開始されたのです。本作のリメイクを手掛けたのは様々なレトロゲームを復刻した実績のあるDigital Eclipseです。気になる方も多い、本作の権利関係としては『Proving Grounds of the Mad Overlord』の権利元として、いままで『ウィザードリィ』関連で日本ではほとんど名前が出ていなかった新たな会社SirTech Entertainment(海外有名ゲームカタログサイトmobygamesによれば、同社は旧Sir-Tech Software経営陣のひとりRobert Sirotek氏が2022年に設立したものだとされています)、そして『Wizardry』の商標権所有者としてドリコムの名前が明記されています。なお、Digital EclipseとSirTech Entertainmentには共通の役員がおり(外部リンク:ゲーム向けクラウドファンディングサイト「Fig」の政府報告書より)、その繋がりで特例的にSirTech Entertainmentより初期『ウィザードリィ』のライセンスがDigital Eclipseへと降りて(もしくはSirTech Entertainment主導で)本作のリメイクが企画・製作されたものと考えられます。

3D化された迷宮と戦闘、NES版ベースのBGMとモンスター、そしてApple II版ベースの容赦ないゲームバランス

1981年のApple II版ではワイヤーフレームで描かれていたダンジョンは、近年の3DダンジョンRPGのように3D化しました。しかしながら、本作の基本コンセプトは「オリジナルであるApple II版を尊重する」であり、ダンジョンに潜っている間は画面右下に常にApple II版の画面が表示され、メイン画面に連動して右下のApple II版の画面も目まぐるしく変わります。

戦闘シーンも3D化され、3Dモデリングされた敵がアニメーションする(その右下ではApple II版の戦闘シーンが表示される)という、まさしくリマスター版といった趣になっています。3Dで描かれるダンジョンと戦闘シーンについては、2001年にアトラスより発売された『BUSIN Wizardry Alternative』の印象が近いでしょうか。(余談ですが、『BUSIN』も『Wizardry: Tale of the Forsaken Land』という名称で2001年に北米でアトラスより発売されています)

一方で、Apple II版を尊重するとしながらも、多くのモンスターのデザインがNES版の末弥純氏のモンスターデザインを踏襲しており、ゲーム内のBGMもNES版の羽田健太郎氏の手掛けた音楽のアレンジとなっています。オリジナルであるApple II版にはBGMがなかったこと、そしてApple II版のモンスターイラストは少数かつ(これはこれで味があるけれども)わかりにくいイラストだったこともあってか、今回のリメイクのグラフィック・音声のベースとしてはNES版を採用したものと考えられます。

ただ、日本やFC版へのリスペクトだけでこれらを特別に採用したというわけでもなさそうで、配信開始時点では末弥純氏・羽田健太郎氏両名への言及はゲーム内、ストアページや各種の宣伝文句いずれにもありませんでした(2023年9月20日のアップデートで、「Very Special Thanks」という肩書で羽田健太郎・末弥純両氏の名前がゲーム内のクレジット表記に追加されました)。また、モンスターは全てが末弥氏デザインの踏襲やアレンジという訳でもなく、本リメイクでは、オリジナルとなるApple II版だけでなくNES版からも大きく姿が変わったモンスターたちが登場します。

それらの殆どは大半の不確定名にMan/Menが使われていた人型モンスターです。彼らは不確定名がWoman/Womenを含むようになり、かつデザイン・モデリングも女性的なものに変更されています。具体的なモンスター名を挙げるとMASTER NINJA、MAJOR DAIMYO、ARCH MAGEなどが女性型モンスターとなっています。この変更の理由は不明ですが、オリジナル版では女性型モンスターはPRIESTESSしかいなかっただけに、ゲーム上における男女の数の格差を減らしたかった……という開発意図があるのかもしれません。

基本的なゲームルールはApple II版を尊重したリメイクという言葉通りになっています。例えば地下1階で敵グループが2グループ出るようになっており、状態異常魔法の効果も非常に薄い(敵を眠らせるKATINOはせいぜいORC、KOBOLD、ROGUEくらいにしか効かない、敵を麻痺させるMANIFOや敵を沈黙させるMONTINOも効く敵がほとんどいない)と、FC版以降の移植に慣れた方にとっては意外に思えるルールでしょう。また、シリーズではダンジョンに潜っている間ずっと常駐する効果が定番の敵識別魔法LATUMAPICに関しても、Apple II版の初代同様に未識別の敵がいる戦闘中にしか使えない仕様です。ただし、今後実装予定のモンスター図鑑機能において、この魔法を使ってモンスター図鑑を拡充させていくシステムが搭載される予定があるとの事です。

また、Apple II版初代のみのシステムで後のシリーズに引き継がれなかった要素のうち、最も危険なのが「先制攻撃でも魔法が使える」ことです。以降のシリーズでは先制攻撃時は魔法が使えません。一見するとこれはプレイヤー有利と思うかもしれませんが、中盤以降は危険な攻撃魔法を使ってくるモンスターがプレイヤーキャラクターのパーティ人数を上回る集団で出てくるのが『ウィザードリィ』です。そういったモンスターに先制攻撃されると、本作ではパーティがこんがり焼きあがる(あるいは凍えて眠る)事になります。敵の先制攻撃を示す「The monsters surprised you!」の字幕を見てしまったら……覚悟してください。

なお、一部のウィザードリィ作品ではリセットボタンを押すことにより、その戦闘で起こったことを巻き戻してなかったことにする「リセット技」がありますが、本作でそれに近い動作は「戦闘中にゲームを強制終了する」ことです。キーボードではEscキー、ゲームパッドではStartボタンから呼び出せるサブメニューの「Quit」を実行することにより、いつでもゲームを強制終了することができます。その後、本作を再起動すると戦闘画面ではなく通常のダンジョン探索モードに戻っています。ただし、これはあくまで「戦闘を強制終了した」だけであり、それまでに受けたダメージがなかったことになるわけではありません。死人が出てから強制終了しても遅いのです。できるだけ危険を避けたいプレイヤーの皆様は、危険な敵と遭遇した、あるいは「The monsters surprised you!」を見たら即「Quit」コマンドを実行するくらいの慎重さでちょうどよいと思います。なお、余談ながら今作のこのリセット周りの仕様は『ウィザードリィ外伝IV』のヘビーモードに近いです。

キャラクターメイキングは現代風にアレンジ。もう能力値が下がることはない?

本作ではシリーズ伝統のキャラクターメイキングも、デフォルト設定ではずいぶんわかりやすくなりました。まずは人間、エルフ、ドワーフ、ノーム、ハーフリング(Apple II版では「ホビット」でしたが、「ホビット」のゲームでの使用を忌避する時代の流れには逆らえなかったようです)の5種族から1つの種族を選び、ボーナスポイントを割り振ります。本作ではボーナスポイントは種族に応じて固定なので、あまり悩むことなくスムーズにキャラクターを作成できます。「あ~、そりゃ残念な仕様だな……」と思ったそこのあなた。安心してください。「オプション設定」の項目の説明で後述しますが、変更することができますよ。

ボーナスポイントを割り振り、職業と善・悪・中立のいずれかの属性を決定したら、ポートレートの選択になります。画風の好みは置いておいて、現状はポートレートの選択が必須で、数が限られていて外部の画像を使うこともできません。ただし、単純に画像の数が増えるだけなのかはわかりませんが、将来的にこの機能は拡張される予定があるとのことです。

最後に名前を付けて、キャラクターが完成します。作成したキャラクターは「Gilgamesh Tavern」でパーティに入れることができます。新規作成キャラクターはいくばくかの所持金を持っているので、大量のAさんを作り、パーティに入れて一旦ダンジョンに入り(現行のバージョンではダンジョンに入らないとパーティ全体の所持金に反映されない)、その後Aさんたちをパーティから追放しキャラクター削除……を繰り返すことで、序盤から良い装備を揃えたり、死んでしまった仲間の蘇生費用を捻出したり……といった伝統的なプレイは本作でも可能です。

また、本作では宿屋に泊まってレベルアップしたときの能力値の変化もデフォルトでは「ボーナスポイントを割り振る」形に変更されています。今までのシリーズだとレベルアップ時にランダムで能力値が変化するため、時には能力値が減ってしまう事がありましたが、本作ではその心配は皆無です。またキャラクターの長所を伸ばしやすくなったという点でも、この変更は便利になったと言えるでしょう。

また、本作では転職しても能力値が下がることがなくなったのも大きな変更点です。今までのシリーズでは訓練場による転職では能力値が種族の最低値まで下がってしまい、よほどレベルを上げないと転職前の強さに追いつかない……という事がありましたが、本作ではそういう事もなくなったため転職によるキャラクター強化がやりやすくなっています。一方でApple II版に大半が忠実なルールのバランスは、このような仕組みの存在を想定していないため、明らかにプレイヤー有利になっていることは注意しましょう。

多彩なオプションにより遊びやすさの設定が可能

本作では前述した能力周りを含め、多くの仕様が原作から大きく変わっていますが、本作のオプション画面には「Old School Options」という項目があり、ここでゲームの仕様を大幅に原作寄りへと戻すことができます。現バージョンで設定可能なオプション項目を簡潔に説明してみます。

Hide HUD Mini-Map

ダンジョン探索中に画面左下に表示されるミニマップ表示の有無を切り替えます。このミニマップはダンジョンに潜るたびに毎回消去されてしまいますが、自分の歩いてきたルートが表示され周囲の探索状況がわかるため便利です。また、一般的なDRPGの大半と異なり、本リメイクでのまだ数少ない珍しい点として、このミニマップはあくまで「自分の歩いてきたルート」の表示であり、トラップに惑わされることに注意しましょう。正常なマップの表示には後述するDUMAPICの併用も必要です。

Text-Only DUMAPIC

ダンジョン内の現在位置座標を表示する呪文DUMAPICの効果を切り替えます。この項目がOFFの場合、座標の代わりに現在滞在しているフロアのマップを表示します。また、最後に閲覧したマップをベースにした推測のマップであれば呪文を使用せずに閲覧できるので、前述のミニマップと合わせてこまめな手元でのアナログマッピングは今作において要求されていません。(もちろん、今作を喜んで買う層の多くは、もはやマップを記憶しているのでは、という指摘もできるでしょうが)

Random Starting Attribute Points

キャラクター作成時のボーナスポイントをランダムにするかどうかを切り替えます。この項目をONにすると、キャラクター作成時に与えられるボーナスポイントが今までのシリーズ通りランダムになります。「高ボーナスが出るまでリセマラしてこそキャラクターメイキングの華!」だと思っている方は、真っ先にこの項目をONにしてください。なお今作では原作FC版やGB含む『外伝』系と異なり、ボタンひとつでボーナスポイントのリロール可能です。

Random Attribute Advancement

レベルアップ時の能力値変更をランダムにするかどうかを切り替えます。ONにするとレベルアップ時に能力値が上下する悲喜こもごもを味わうことができます。

Original Inn and Age Configuration

宿と年齢の仕様を切り替えます。この項目がOFFの場合、各キャラクターには年齢の代わりにVim(活力)というパラメーターが設定され、これが高いほど能力値が上がりやすいという仕様になります。ONにすると各キャラクターに年齢が設定され、宿屋に泊まった経過日数で加齢していく今までのシリーズ伝統の仕様を踏襲します。

Disable Conversation Hints

ダンジョン内でのヒント会話の有無を切り替えます。この項目がOFFだと、ダンジョン内で役に立つ様々なヒントをキャラクターが喋るようになります。

早期アクセス開始直後の怪しい仕様

本作はすでにワードナ討伐、要するにゲームクリアまでをひと通り楽しめる内容ですが、早期アクセスという事もあり、ローンチのタイミングでは、すぐ遭遇するような怪しい現象もありました。9月18日の修正パッチで早速修正はされたようですが、面食らったのは「作ったキャラクターが消失する」現象です。これはゲーム開始直後にキャラクターを作ったあと、いつの間にかパーティ構成がデフォルト構成に差し替わって作ったキャラクターが消えている……というもの。

どうもこれはゲーム開始直後に用意されているチュートリアル(今回はなんとチュートリアルが用意されています!)を完了させていなかったのが理由のようでした。余談ですが、本作のデフォルトパーティのメンバーは『ウィザードリィ4 ワードナの逆襲』に登場する「ソフトークオールスターズ」のパーティメンバーと同名です。直近でも、ドリコムノベルズより展開されている『ウィザードリィ』小説『ブレイド&バスタード』に同名のメンバーのパーティが「オールスターズ」として登場します。こうした小ネタが充実している点は筆者の好みです。

また、不具合として筆者が確認したのは「宝箱が開かなくなる」ことがありました。罠解除で宝箱を開けようとすると、無反応になって宝箱が開かなくなり、キャンセルキーで宝箱を諦めるしかなくなることが多々起こります。戦闘のリザルト表示が消えるまで待ってから罠解除を行うとこの現象は多少起こりにくくなるようですが、それでも起こる時には起こります。こちらは9月18日の修正パッチで多少改善はされていますが、完治には至らず。宝箱を開けるのは『ウィザードリィ』の醍醐味の1つでもあるので、早めの修正をお願いしたいところです。

戦闘のテンポの悪さも課題。今後の日本語対応含めバージョンアップがどうなるか

そのほか筆者が気になったポイントとして、本作の演出による遅めのテンポの戦闘が挙げられます。3D化により、モンスターの登場時や攻撃時に演出が入るようになっているのですが、これがかなり戦闘のテンポを削いでいます。『ウィザードリィ』は戦闘回数を重ねてプレイヤーキャラクターを強化していくのが醍醐味であり、初見はともかく最終的には戦闘のテンポが速いに越したことはありません。3D演出であっても『デモンゲイズ』や『新・世界樹の迷宮』といった快適な戦闘テンポを実現している現代までのDRPGと比較すれば、演出のキャンセルやモーションの高速化などの戦闘のテンポを向上させるオプションが欲しい所です。

何はともあれ、本作の早期アクセスは始まったばかりですし、将来的な日本語対応が予告されています。この古典的RPGへと合法的かつ手軽に触れられる期間に長い空白があっただけに、本作が進化を重ねていき、最終的に『ウィザードリィ』第1作のマスターピースとなることを筆者は願って止みません。

スパくんのひとこと



突然こんなリメイクが登場するなんて予想外スパ!今後の進化およびシリーズ通してのリメイクにも期待スパ!



タイトル:Wizardry: Proving Grounds of the Mad Overlord
対応機種:PC(Steam/GOG
記事におけるプレイ機種:PC
発売日:2023年9月15日(早期アクセス開始)
著者プレイ時間:12時間(WERDNA討伐まで完了)
サブスク配信有無:
価格:3,400円(税込)(Steam)/ $29.99 (GOG)※製品情報は記事執筆時点のもの


ブレイド&バスタード1 (DREコミックス)
¥748
(価格・在庫状況は記事公開時点のものです)
ライター:ずんこ。

ライター/石の中にいたいブロガー ずんこ。

ダンジョンの間に挟まれたい系男子。某掲示板でRPGツクールに目覚めその進捗目的でブログを書き始めるも、いつの間にかDRPGが中心の内容に変わっていた。 DRPGと麻雀・ポーカーゲームと元ネタとの差別化が光るフォロワー系ゲームをこよなく愛する。サービス終了したアーケードゲーム『ポーカースタジアム』の公式大会優勝という凄いんだか凄くないんだかわからない肩書きも持つ。

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