グロ過ぎ縦シュー『夕暮れの楽園と赤く染まる天使たち』の意外にも優しい一面…初心者こそ触ってほしい、突き詰められたジャンルの醍醐味【特集】 | Game*Spark - 国内・海外ゲーム情報サイト

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グロ過ぎ縦シュー『夕暮れの楽園と赤く染まる天使たち』の意外にも優しい一面…初心者こそ触ってほしい、突き詰められたジャンルの醍醐味【特集】

初心者でも「1周クリア」が夢じゃない。見た目に反してめちゃくちゃ遊びやすいSTG。

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グロ過ぎ縦シュー『夕暮れの楽園と赤く染まる天使たち』の意外にも優しい一面…初心者こそ触ってほしい、突き詰められたジャンルの醍醐味【特集】
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同人サークル・あきら小屋開発し、Henteko Doujinが発売する新作STG『夕暮れの楽園と赤く染まる天使たち』は、一目見れば誰もが「ヤバそう」という感想を抱くであろう凄まじいビジュアルが特徴です。トレイラーの雰囲気もどこか独特で、とっつきにくそうな異様な雰囲気を放っています。

しかし、おっかない見た目だけど実は心優しいモンスターがいるように、本作も初心者にこそ触れてみてほしい「優しさ」のある作品です。本作をきっかけに、ぜひSTGの醍醐味に触れちゃいましょう。

敵に近づくほどハイリターン!ガツガツいきたい基本システム

本作は、縦スクロール型の弾幕シューティングゲームです。襲いかかる敵弾を避けながら敵を倒していき、ボスの撃破を目指す……という、STGとしてはおなじみの流れとなっています。基本攻撃は「A短押し」もしくは「X」で使用でき、「Aを長押し」してチャージ攻撃を放つことができます。

特徴は、とにかく「敵に向かってガツガツいく」ようなプレイを推奨するシステム。敵に接近すればするほどダメージが高くなるため、前に出れば出るほど効率的に敵を倒せるのです。この考え方はSTGというジャンルでは基本的なもので、前にいくほどハイリスクではあるものの、効率的に倒せたり弾を避ける範囲に余裕ができたりといったリターンを得ることができます。

本作で特に「巧い」と感じたのは、この基本的な駆け引きを更なる3つのシステムによって補強しているという点です。

ひとつは、敵キャラそのものにはダメージ判定がないということ。避ける対象はほぼ“敵弾”のみなので、不慣れなプレイヤーでも回避行動をシンプルに考えられます。ただし、接触ダメージはないものの触ると吹き飛ばされてしまうため、その勢いで敵弾に接触してしまう……という副次的なリスクもあります。

2つ目は、チャージ弾で敵弾を消し、道を切り開くことができる点です。チャージ弾は徐々に耐久力が減っていきますが、最大チャージすることで隙間が狭い弾幕でも余裕を持ってかいくぐることができます。ただし、チャージ中は通常弾が撃てないため、弾消しをするか単に避けるかは見極めなければなりません。

3つ目は、報酬アイテムによる強化。特定の敵を倒すと出現する黄色の肉塊アイテム「脂質」をゲットすることで経験値が溜まっていき、フルに溜まると「強化変異」が起きます。これはいわゆるレベルアップであり、耐久力の増加や攻撃範囲の拡大、当たり判定の縮小など、とにかくプレイヤーが有利になっていきます。以上のようにプレイヤーの有利になるシステムが多いため、強気であればあるほど攻略が楽になっていくのです。

文での説明だけ見ると、覚えることが多くて大変そう……と感じるかもしれません。しかし本作ではシステムを懇切丁寧に教えてくれるチュートリアルが用意されています。

「Angel at Dusk」モードでは、上述のような“本作ならではのシステム”を実際に操作しながら学ぶことができます。説明文はどこかユニークで、くすっと笑えるものも。とにかくプレイヤーを褒め称えてくれる嬉しい演出と共に、ゲームプレイを覚えられます。

加えて「Beginner」モードでは、敵の弾の挙動には種類があることや、ちょっとずつ自機をズラす“ちょん避け”などSTGにおける基本の考え方を教えてくれるので、ジャンル初心者でも確実に遊び方やコツが身につくはずです。

「1周クリア」の体験が味わえる!まずはプレイしてみて!

チュートリアルの丁寧さはさることながら、本作は全体的な難易度もさほど高く有りません。最低難易度の名称は「Very Hard」でなんだか難しそうな印象を受けますが、実のところ覚えるべきことを解説しながらプレイさせてくれるので、システムを体になじませながら楽しんでクリアできます。

ミス時にはヒットストップ演出が入ってどの弾に被弾したかが学びやすくなっているほか、ペナルティもあまり重くありません。前に出て敵を攻撃するほど、緑色のハート型アイテム「緑血球」が出現し、それを取るほど画面左上のゲージが溜まっていきます。これがフルに溜まると残機がひとつ増加するため、強気に攻めるほどミスこと自体の痛みは薄れていきます。

また、選択した機体によってはV.o.M.(ヴォヒヌウル・ォオォン・ムミョウトニュ器官)……他のゲームでいうボムを持っており、これを使うことでもより強気に攻めることができます。

名作と呼ばれるレトロSTGは主にアーケードで展開されていたので、プレイヤーに何度もチャレンジさせるような難易度設計になっています。それゆえ、クリアまで辿り着くことがが難しい作品も多々あります(もちろん、クリアだけが楽しみの全てではありません)。

しかしながら本作はクリアと繰り返しプレイを前提とした設計になっているので、初心者でも十分に1周クリアが手に届く範囲にあります。「STGをクリアする」という体験は、きっとこのジャンルに対する興味やモチベーションを刺激してくれるはずです。

STGが持つ駆け引きの醍醐味や爽快感をしっかりと堪能できつつも、初心者に優しい設計の本作は、実は誰にでも勧めやすいSTGなのです。ビジュアルに惹かれたけど、STGは慣れてないしちょっとなぁ……という人にも、まずはプレイしてみてください!


『夕暮れの楽園と赤く染まる天使たち』は、PC(Steam)向けに配信中。無料デモバージョンも公開されています。



《みお》

超雑食の若年ゲーマー みお

2021年3月よりフリーでゲームライターをしています。現在はGame*SparkとIGN JAPANで活動し、稀にINSIDEにてニュース記事を執筆しています。お仕事募集中。ゲームの趣味は雑食で、気になったものはクラシックゲームから新しいゲームまで何でも手を出します。主食はシューター、ADV、任天堂作品など。ジャンルやフランチャイズの歴史を辿るのも好きです。ゲーム以外では日本語のロックやアメコミ映画・コメディ映画、髪の長いお兄さんが好きです。

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