「サッカーが社会全体にとって不可欠なことを暴き出している」海外レビューハイスコア『despelote』

『despelote』の制作者たちはサッカー、エクアドル、コミュニティについての驚くべき半自伝的な物語を綴っている。しかし、それは思い出す行為、そして創造的な行為そのものについての物語でもある。

作品をより多くの人に届けようとして設定や個性を一般化する見当違いな試みがよく見られる。しかし、『despelote』は極めて具体的な物語の方が普遍的な人間の感情を解き放てるという興味深い実例である。私はこのようなゲームをもっと望んでいるし、ありがたいことにPanicのような賢い会社はそうした作品を発売し続けてくれる。

『despelote』の短さを敬遠する人はいるだろうし、扱いにくい操作性には微調整や調整用の追加設定が必要だ。しかし、トレイラーや体験版、あるいはこのレビューに少しでも興味を惹かれたなら、心温まる物語と独特で魅力的な語り口で紡がれる、実に素敵で誠実な小冒険に出会えるだろう。

ゲームとインタラクティブな自伝的物語の中間のような『despelote』は、子供時代の気ままな性質を描いた短くも魅惑的な体験だ。しかし同時に、サッカーが社会全体にとって不可欠な地位を占めていることをあらゆる形でしっかりと暴き出している。酒場での議論から、ショーウィンドウのテレビで試合を観戦する人々、披露宴会場にテレビを置かざるを得なくなった新婚夫婦まで、サッカーはどこにでも存在する。

『despelote』はありふれてはいるが豊かな子供時代の遊びやスポーツの体験を、穏やかな日常の一コマを切り取った物語を通じて見事に捉えている。一人称視点の素晴らしいサッカーメカニズム、身近な視点、手作りの卓越したビジュアルスタイルによって、個人的で自伝的なエクアドル感と静かに心に響く若き日の体験を捉えることに成功している。