「日本語翻訳作業で一番大変だったのは、韓国語と日本語の言語文化の違いでした」ファンタジーギルド受付SLG『ガルバテイン:冒険者ギルド事務所』【開発者インタビュー】 | Game*Spark - 国内・海外ゲーム情報サイト

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「日本語翻訳作業で一番大変だったのは、韓国語と日本語の言語文化の違いでした」ファンタジーギルド受付SLG『ガルバテイン:冒険者ギルド事務所』【開発者インタビュー】

気になる新作インディーゲームの開発者にインタビューする本企画。今回は、BLANBEE開発、PC向けに9月22日に早期アクセスが開始されたファンタジーギルド受付シミュレーション『ガルバテイン:冒険者ギルド事務所』開発者へのミニインタビューをお届けします。

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「日本語翻訳作業で一番大変だったのは、韓国語と日本語の言語文化の違いでした」ファンタジーギルド受付SLG『ガルバテイン:冒険者ギルド事務所』【開発者インタビュー】
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気になる新作インディーゲームの開発者にインタビューする本企画。今回は、BLANBEE開発、PC向けに9月22日に早期アクセスが開始されたファンタジーギルド受付シミュレーション『ガルバテイン:冒険者ギルド事務所』開発者へのミニインタビューをお届けします。

本作は、ファンタジー世界を舞台に冒険者ギルドの受付として働くシミュレーション&ビジュアルノベル。次々とやってくる冒険者たちのクエストが正しく行われたかどうかを確認し、最終的なクエストの承認/拒否の判断を下します。ギルドの仕事の後は、集めた素材を使って冒険者に料理を振る舞う要素も。日本語にも対応済みです。

『ガルバテイン:冒険者ギルド事務所』は、1,700円で早期アクセス配信中。


――まずは自己紹介をお願いします。一番好きなゲームは何ですか?

Hyo-hyeonこんにちは。韓国のインディーゲームスタジオ「BLANBEE」でCEOを務めているKim Hyo-hyeonです。『ガルバテイン:冒険者ギルド事務所』では、ゲームデザイナー、ディレクター、そしてシナリオライターを担当しています。

PCゲームの多くはSteamでプレイしています。これまでに遊んだ数百本にも及ぶゲームの中で、一番好きなゲームは『レッド・デッド・リデンプション2』です。また、『ウィッチャー3 ワイルドハント』や『バルダーズ・ゲート3』も鮮明に記憶に残っていますね。これら3つの作品はジャンルもスケールも異なりますが、共通している点が一つあります。それは、道ですれ違うだけのキャラクターにさえ、独自の背景や物語が存在し、それによってゲームの世界全体が生き生きと感じられるという点です。

BLANBEEが掲げるビジョンは、「ベッドに入って目を閉じた後も頭の中に残り続ける、記憶に深く刻まれるような物語を創り出すこと」です。私自身、上記の3作品が何年にもわたって頭から離れないように、私たちも誰かの中に残り続けるようなゲームをお届けしたいと考えています。

――本作の特徴を教えてください。また、そのアイデアはどのように思いついたのでしょうか?

Hyo-hyeon『ガルバテイン:冒険者ギルド事務所』の最も斬新な点は、主人公が冒険者ではなく「冒険者ギルドの受付係」であることです。王道のファンタジー世界にあるギルドで働きながら、冒険者たちが達成したクエストを確認し、彼らが持ち帰った戦利品から「魔物食」を料理します。剣を手に取り戦う代わりに、カウンター越しに冒険者たちの物語に耳を傾けるのです。

このアイデアは、ひとつの小さな疑問から生まれました。多くのゲームにおいて、クエストは単にプレイヤーを誘導するための仕組みに過ぎず、クエストそのものに気を配る人はほとんどいません。しかし、掲示板にクエストが出される前には、必ずその依頼が作成された理由が存在し、それをギルドに登録するプロセスがあるはずなのです。「もし、その業務を担当する人物が主人公だったら?」という問いこそが、本作開発のスタートラインでした。

――本作の開発にあたって影響を受けた作品はありますか?

Hyo-hyeon『Papers, Please』や『Coffee Talk』、『VA-11 Hall-A』といったゲームから影響を受けました。これらのゲームはすべて「カウンター越しに人々と交流する」という共通点を持っています。

また、日本のマンガ「ダンジョン飯」からも影響を受けています。魔物を食材として扱い、ファンタジー世界における「日常の営み」を魅力的に描き出しており、それが本作における「魔物食」へと繋がっています。

――本作の開発中に一番印象深かったエピソードを一つ教えてください。

Hyo-hyeon「魔法の料理鍋・カウルさん」が生まれた日ですね。冒険者の戦利品から魔物食を作るというアイデア自体は開発の最初期からありました。しかし、それをプレイヤーにとって直感的でわかりやすいシステムにする方法が見つからず、チーム全員が連日頭を抱えていたのです。

そんな中、疲れ切った開発メンバーのひとりがこう言ったのです。「もう全部鍋に放り込んで煮込んじゃいましょうよ。中世の酒場だって、火を消さずに一日中鍋を煮込み続けてたわけですし」と。

諦めかけていた私は、そのノリに乗っかることにしました。「だったら、いっそのことその鍋に喋らせてみようか」

すると別のメンバーが、「調理が難しすぎる食材なら、「ハウルの動く城」のカルシファーみたいに鍋がそのままその食材を食べちゃうとか」と付け加えました。

私たちは冗談を言い合っていたのですが、次の瞬間、会議室が急に静まり返りました。全員がまったく同じことを考えていたのです。「待てよ。それ、ありじゃない?」と。

何日にも渡り行き詰まっていた問題が、土壇場での冗談から一気に解決してしまいました。こうして誕生したのが「カウルさん」です。振り返ってみれば呆れ返るような解決策でしたが、だからこそ今でも鮮明に記憶に残っています。

――リリース後のユーザーのフィードバックはどのようなものがありましたか?特に印象深いものを教えてください。

Hyo-hyeonリリース直後に直面した最大の問題は、中国語翻訳でした。専門の翻訳会社に依頼していたのですが、仕上がりが私たちの期待を大きく下回るものだったのです。翻訳のレベルが低いだけでなく、一部のセリフでは発言者の表示すら誤っていたほどでした。

発売初日から中国語の低評価レビューが殺到しました。まるで何年もかけて準備し、ようやく開店したお店の初日に、不満を持つお客さんの行列ができてしまったような感覚です。私たちが一人一人のキャラクター、そして物語の隅々にまで注ぎ込んできた情熱が、翻訳の不備によってプレイヤーに届かない様子を目にするのは、本当に心が痛みました。高評価のレビューもたくさん頂いてはいたものの、開発チーム全体にとっては非常に苦しい時期となりましたね。

――ユーザーからのフィードバックも踏まえて、今後のアップデートの方針について教えてください。

Hyo-hyeon私たちはリリース直後からすぐに翻訳の修正作業に着手しました。韓国の一番大きな祝日の一つである秋夕(チュソク)も返上し、翻訳会社と膝を突き合わせて問題の解決にあたったのです。最終的には全テキストを再チェック・修正し、ローカライズを完了させました。現在では、翻訳の問題をはじめ、セーブ・ロードなどの利便性機能の向上、そして報告されていたバグのほとんどが解決されています。

今後は、まだ語られていない冒険者たちの物語を描く新しいチャプターのリリースを計画しています。また、ストーリーとは別に受付業務を延々と続けられる「エンドレスモード」を追加してほしいというご要望も、多くのプレイヤーからいただいております。『ガルバテイン:冒険者ギルド事務所』は元々ストーリー重視の作品として開発していたため、大量のコンテンツをあらかじめ計画していたわけではありません。そのため、現時点でお約束することはできませんが、実装に向けて企画・議論を進めているところです。

――本作の日本語対応状況について教えてください。実装の内容や大変だった点、日本からの反応はどうでしたか?

Hyo-hyeon日本語にはリリース当初より対応しています。他の言語については翻訳会社に委託していたのですが、日本語については個人の日本人翻訳家の方と直接契約を結び対応しました。その翻訳家の方は本作に対して真剣に、プロ意識を持って作業に取り組んでくださいました。

一番大変だったのは、韓国語と日本語の言語文化の違いでした。日本語では、話し手と聞き手の関係性によって一人称・二人称、そして話し方が繊細に変化します。私たちは登場人物それぞれの年齢や性格に合った言葉を選定し、言葉を漢字で表記すべきか、あえてひらがなにするべきかまで細かく検討する必要がありました。翻訳家の方はこれらすべてを念入りにチェックし、常に私たちと密にコミュニケーションを取りながら、キャラクターの個性が引き立ち、セリフの意図が自然に伝わるよう一文一文を丁寧に調整してくださいました。

リリース後、日本のプレイヤーの皆さんからは「翻訳が非常に自然で素晴らしい」という温かいお声をたくさんいただきました。その反響は私たちの想像をはるかに超えるものだったのです。日本の皆さんにこれほどまで本作を気に入っていただけるとは思っておらず、心から感謝しております。また、この場をお借りして、素晴らしい仕事をしてくださった翻訳家の方に改めて深く感謝申し上げます。

なお、正式リリースに向けては、英語および中国語翻訳のさらなるブラッシュアップとフィードバックの反映にも継続して取り組んでまいります。

――本作では、なぜ、そして具体的にどのように生成AIの生成物を使用しましたか?また、生成AIについてはどのような感情を抱いていますか?

Hyo-hyeon私たちは初期の構想段階で生成AIを積極的に活用しました。シナリオを書き上げた後、キャラクターの表情やポーズ、各シーンの構図を素早く形にするためにAIを使用しています。これは映画制作における絵コンテ作成に近い作業です。演出が意図通りに機能しているか、シナリオの流れが自然かを検証するためにAIを使用しました。新しいキャラクターや新しい背景の初期コンセプトを模索する際も同様のアプローチをとっています。

ただし、これらのAI画像はあくまで初期の下書きや参考資料に過ぎません。キャラクターデザイン、シナリオ、台詞、UIはすべて開発チームが制作しています。最終的なキャラクターや背景のグラフィックは、ポーズや構図、表情、解剖学的構造、衣装、小道具、色彩、そして細部のディテールに至るまで、当スタジオのアーティストがすべて一から描き直しています。

また、一部のBGM制作においても生成AIを使用しました。私たちは5人という小規模な開発チームであり、限られた予算内で開発を行っているため、これは効率性を追求した上での選択でした。

私自身、美術大学で学び、ゲーム開発を始める前はイラストレーターを目指していました。そのため、クリエイターの皆さんが生成AIに対して抱く懸念や抵抗感も深く理解しています。同時に、この技術が創作環境を大きく変化させていることも否定できません。

重要なのは「AIを使うかどうか」ではなく、「どのような目的で、どのように使うか」であると考えています。私たちは、いかなるクリエイターの作品も無断で複製・模倣するためにAIを使用することはありません。生成AIは制作プロセスを補助するツールであるべきであり、作品の方向性を決定づけるものであってはならないと考えているのです。ゲームの方向性や最終的な成果物に対する判断と責任は、どこまでも開発者自身にある、というのが私たちの確固たる原則ですね。

――本作の配信や収益化はしても大丈夫ですか?

Hyo-hyeon早期アクセス版につきましては、YouTube、Twitchをはじめとするあらゆるプラットフォームにおいて、制限なく配信および収益化を行っていただけます。

正式リリース時には一部変更が入る可能性もありますが、その際も制限は最小限に留める方針です。私たちの作るゲームを多くの方に広め、応援してくださるすべての皆さんに心より感謝申し上げます。

――最後に日本の読者にメッセージをお願いします。

Hyo-hyeon私たちはまだまだ成長過程にある小さなインディーゲームスタジオであり、今あるものよりもさらに素晴らしいゲームを創るため、日々挑戦を続けています。

あらゆるクリエイティブな仕事がそうであるように、ゲーム開発においても、費やした時間に比例して成果が得られるとは限りません。作っては立ち止まり、捨て去ってはまた一から作り直す…その果てしない試行錯誤のサイクルに心が折れそうになった時、Steamのレビューをはじめとする日本のプレイヤーの皆さんからの温かい応援や励ましの声が、私たちに再び前へと進むエネルギーを与えてくれました。

私たちの作るゲームを気に入っていただき、ありがとうございます。皆さんからいただいた温かいご支援には、皆さんの期待を上回るゲームでお応えしてまいります。重ねて、心より感謝申し上げます。

――ありがとうございました。

◆「注目インディーミニ問答」について

本連載は、リリース直後のインディーデベロッパーにメールで作品についてインタビューする連載企画です。定期的な連載にするため質問はフォーマット化し、なるべく多くのデベロッパーの声を届けることを目標としています。既に1,000を超える他のインタビュー記事もあわせてお楽しみください。

《ライター:Chandler,編集:Akira Horie》

ライター/バイク乗り Chandler

ゲームと風をこよなく愛する暇人。趣味は多い方だったはずが、最近は家でぼーっとしている時間が増えてきた気がしている

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Akira Horie

編集/『ウィザードリィ外伝 五つの試練』Steam/Nintendo Switch好評発売中! Akira Horie

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