
国民的なデジタルペット『たまごっち』たちと共に、「おみせやさん」を経営していく『たまごっちのプチプチおみせっち(以下、おみせっち)』シリーズ。本日2025年9月15日には、シリーズ誕生から記念すべき20周年を迎えました!
6月26日にはニンテンドースイッチ/ニンテンドースイッチ2向けに、12年振りの完全新作『たまごっちのプチプチおみせっち おまちど~さま!(以下、おみせっち おまちど~さま!)』が発売。そんな本作について、20年前は子供で今は大人になったプレイヤーを代表して、Game*Sparkがインタビューを実施してきました。(※ゲムスパは2026年12月で20周年を迎えます。)
インタビュー対象者は、バンダイナムコエンターテインメントの『たまごっちのプチプチおみせっち』シリーズプロデューサー・本間さなえ氏。本稿では、実は成長した大人も意識していたことや、ネットミーム化した「もう こないからねー」への印象、ラップバトルやさん誕生の経緯など、知って驚く内容をお届けします!

◆今作は大人もターゲットに!20年前は子供だったユーザーが再燃、大きくなったからこそネットミームにも気付ける
――本日はよろしくお願いします。まずは自己紹介をお聞かせください。
本間氏:バンダイナムコエンターテインメントの本間と申します。シリーズ第1作目からシリーズプロデューサーとして携わっています。よろしくお願いいたします。
――このたびは20周年おめでとうございます!長く新作が出ていない時期もありましたが、本作が久々の新作としてニンテンドースイッチとニンテンドースイッチ2向けに発売することになった経緯は何でしょうか?
本間氏:前作から間が空いてしまったことに関しては特に意味はないのですが、当時おみせっちを遊んでくれていた世代の方々の中で「たまごっち」の人気が再熱してきているのを感じ、まずはニンテンドースイッチ版で企画を立ち上げました。
そんな中、ニンテンドースイッチ2のお話がありNintendo Switch 2 Editionも開発することになりました。
『おみせっち』シリーズはニンテンドーDSのタッチペン機能のように、ハードギミックを面白く使いたいという思いがあります。ちなみに『プチプチおみせっち』の「プチプチ」はタッチペンを「プチプチ」タッチする表現から来ていたりします!
――私は当時『たまごっち』が好きで初代『おみせっち』を買い、以降シリーズで遊んでいました。もともと、本シリーズのメインユーザーはおみせやさんごっこに憧れる子供か、たまごっちが好きなユーザー、どちらが多かったですか?
本間氏:シリーズ全体を通して言うと、ニンテンドーDSやニンテンドー3DSで発売していた当時は、どちらかというと女の子向けとして作っているところが大きかったです。
ただ、今作は当時のユーザーさんが大人になっていることを認識していましたし、『たまごっち』が再燃している世代の方も20代後半の方が多かったので、今回は割とはっきりと20代後半のお客様を意識して作りました。
――『おみせっち おまちど~さま!』も、やはり子供がメインターゲットかと思っていました!逆だったのは意外です。
本間氏:よく言われます(笑)。
――大人世代の再燃と言えば、数年前より「もう こないからねー」こと「まるっち」がSNSを中心に大バズリし、『おみせっち』自体のリバイバルブームみたいなものが起きましたよね。まるっちはその後食玩やサンキューマートコラボグッズ、一番くじにも登場し、開発側でも人気を認識されているのかなと思っております。この前は山崎製パン「カスタードまんじゅう」のパッケージになっていることにも驚きました。現代ならではの流行り方について、どのように感じておられますか?
本間氏:少し前までは『おみせっち』としての商品は全然なかったので、単純に『たまごっち』リバイバルブームの中に『おみせっち』の話題が出てきているなぐらいの認識だったんですよね。
そんな中で「もう こないからねー」の流行は、ゲーム実況者の方々が取り上げてくださったことが大きかったです。そこから、当時遊んでいなかった方々にも知っていただき、ニンテンドーDS版を探して遊んでくださる方や、今作を遊んでくださる方もいらっしゃいます。

当時遊んでくださっていた子供たちは、ニンテンドーDSの二画面で遊んでいたので、一生懸命作業している下の画面しか見ていなかったと思うんです。だから、上の画面でたまごっち同士が会話しているのって、実はあまり見ていなかったんじゃないかなと最近改めて感じています。
私たちは変な会話をさせるつもりはなかったのですが、ちょっと噛み合っていない会話や、思わず「プッ」と笑ってしまうようなやり取りに、ゲーム実況者の方たちが気づいてくださって、それで話題になったのかなと思っています。

――ほかにもまめっちの「せきにんはとれませんがもうしわけありません!」など、当時遊んでいた子どもが大人になった今だからわかる、実は深いけど軽めに見えるセリフがありますよね。こういったセリフのセンスはかなり光っていると思うのですが、どのようにして生まれたのでしょうか?
本間氏:これ、よく聞かれるんですが(笑)。開発メンバーも当時、そんなに「面白い」とか「変だ」とか思わずに、普通にセリフを作っていたんですよね。狙ってやっていたわけではなく、割と普通だと思って作っていたものが、たまに会話としてキャッチボールになったときに、ちょっと面白くなることがある、という感じです。
あとは「もう こないからねー」みたいなことって、普段は言わないけれど、心の中では思っていることってありますよね。そういう普段はあまり言わないことを、たまごっちだからいいかなと思って喋らせた、というところはあると思います。
――そういえば、今作では公式サイトにて配信者向けの素材「配信&動画投稿おうえん!キット」も配布されていますよね。
本間氏:これを作ったのはマーケティングチームです。やはり時代をキャッチしていて、すごいなと思っています。本当に色んな配信者さんが使って下さっていますし、やっぱりこういったものがあることで、初代から遊んでいた世代の方たちにより盛り上がっていただいているなと実感しています。
◆「ボイパ」するたまごっちも見れたかも……!?「おみせやさん」誕生秘話
――メインターゲットのお話と言い、改めて時を経て子供だけでなく大人も本当に楽しめるシリーズになったなと感じます!今作では「アフターヌーンティーやさん」「ナイトプールやさん」「ラップバトルやさん」など、いまどきのテーマのおみせやさんもありますが、こうしたアイデアはどのように出していきましたか?
本間氏:すごく難しいのですが……、あまり“お店”にこだわらず、“お仕事”として世の中にありそうなものや、昔と変わらず「ちょっとやってみたい仕事」「気になるお店」というテーマを探しています。
20年前の『おみせっち』のキャッチコピーにも入れたのですが、「あこがれのおみせやさん」というのがキーワードなんです。子供たちって「将来何になりたい?」と聞くと、昨日はお花屋さんだったのに今日はケーキ屋さん、というようにコロコロ変わりますよね。そんな憧れを体験してもらおうと始めたのが“おみせやさんごっこ”ゲームの『おみせっち』です。

「アフタヌーンティー」や「ナイトプール」は、今の時代の「憧れ」に近いものとして出てきました。特にナイトプールは、子どもたちがワードとしてはよく聞くけれど、なかなか体験できない、行っても良さがまだわからないような、ちょっと面白いおみせやさんにしてみようかと。
「ラップバトルやさん」は、シリーズに必ず音楽に関わるおみせやさんが入っているので、音楽と今の時代を掛け合わせたらどうだろう、と考えて出てきました。実はその前には「ボイスパーカッションやさん」も検討していたんですよ(笑)。ボイパってかっこいいし、子ども向けのスクールもあると聞いて「これはいける!」と思ったんですが、ゲームでボイパの良さを表現するのが難しくて。その結果、「ラップバトルやさん」に落ち着きました。

――「ボイパやさん」見たかった……!アカペラとか見るとボイパは憧れてしまいますね。「パーソナルトレーニングやさん」で腹筋バキバキになるたまごっちの姿も笑ってしまいました。自分の体もああなってみたいですね(笑)。
本間氏:“パーソナル”ってところも、なんか少し気になりますよね(笑)。
――そういえば、2つのおみせを組み合わせた「すししゅりけんやさん」「めがねガレットやさん」などの発想にも驚かされました。こうしたある種突拍子もない組み合わせのおみせやさんは、どのような発想で生まれましたか。
本間氏:複合店を作るのは本当に大変でした(笑)。正直、片っ端からおみせを組み合わせています。その組み合わせでどんな遊びができるかな、というアイデアも同時に考えながら……。複合店の決め手としては、やはりちょっと変わったものを期待されるので、「ちょっと変な絵になりそうなもの」というのがポイントになりますね。
例えば、めがねガレットやさんも、「めがねとガレットを組み合わせたらどんなことができるだろう?」と話す中で、「ガレットやさん」の「焼いて作る」「平面にデコレーションする」という面白さと、「めがねやさん」の「レンズが平面」という共通点を見つけ、「じゃあめがねの上でデコレーションしたらどうだろう?」「それをたまごっちがつけたら面白いね!」というように、段階を重ねて決めていきました。
おみせの組み合わせによっては、そこまで話が広がらないものもたくさんあって、「これとこれをくっつけても、どうにもならないね」と諦めた結果、生き残ったのが今の複合店なんです。

――自由な発想といえば、数あるおみせやさんの中でも「まんがやさん」の自由度の高さには驚きました。今はゲームでこんなにも簡単に漫画を作ることもできてしまうんだと衝撃です。こちらでは最低限の要望だけをクリアしていれば「たいへんよくできました」評価になる印象ですが、難易度の低さはプレイヤーファーストで、漫画作りの自由度を優先されたからですか?
本間氏:漫画家さんって、子供の憧れの職業としてはいつも上位にあるじゃないですか。でも、今は大人の方もササッと漫画や絵を描かれたりするし、特に今の若い方はすごく絵が上手だったりするので、「まんがやさん」はぜひやりたいなと初期から決まっていましたね。
ユーザーの皆さんにゲームの中でも自由に漫画を作らせてあげたいという思いがありました。ただ、ゲームとしては判定もしなければいけないですし、おみせやさんという設定上、おきゃくさまからのオーダーもある程度必要になってくるので、最終的には「だいたい頑張って作ってくれたらOKにしよう」ということで、仰る通り判定は非常にゆるゆるになっています。
線で絵を描いているわけではないので厳密には漫画家とは違うのですが、既にあるもので面白いものを作るという要素が、ゲームとしてはちょうど良い具合かなと思います。


◆“推し活文化”を意識―たまごっちとの触れ合いやフル3Dモデル化した愛らしさを見てほしい
――今作では、一気に複数のたまごっちと一緒におみせやさんを楽しめるようになりました。シリーズを追うごとにストーリー面は進化している印象ですが、もともとストーリーも重視したいという思いはあったのでしょうか。
本間氏:おそらく今回の『おみせっち』が一番ストーリー要素が強いと思います。これまでのシリーズは、ストーリーというよりは、ちょっとした設定があるくらいでしたから。例えば、「たまひこ王子」が「たまこ姫」のことが好きで、いつも結婚できない……みたいな。
今回は先ほども言った通りターゲット層が少し上の世代ということで、今の20代の方々の“推し活文化”じゃないですけれど、皆さんに好きなたまごっちがいるという文化を意識しました。それであれば、少しストーリーをつけたり、たまごっちごとにちょっとしたイベントを入れてみたりして、推しをもっと知れるゲームにしてもいいのかなと。そういう意味で、今回は少しストーリーを意識した作りになっています。

――「みみっち」とか、好きなたまごっちでスマホケースをデコっている方とかも多く見かけます。久々の新作として今作を意識的に進化させようとしたところは、やはりストーリーですか?
本間氏:進化させようとチャレンジした点は大きく二つあります。ひとつは、タッチペンを使わずにボタン操作で遊ぶ『おみせっち』にしたことです。中にはやりにくいと感じる方もいらっしゃるかもしれませんが、今後の新しいハードに合わせて『おみせっち』を進化させていくためには、乗り越えなければならないハードルだと考え、今回チャレンジしました。
もうひとつは、たまごっちたちを完全に3Dモデルにしたことです。2Dのたまごっちを期待されていた方もたくさんいらっしゃることは承知していましたが、これもやはり今後の進化を考えると、今のトレンドに合わせて3Dにする必要があると。
そして、こだわったのは「3Dになっても、あのまんまる可愛らしいたまごっちたちの魅力は変わらないんだよ」ということを、どうしてもお見せしたかったんです。そこは今回一番進化させ、頑張った部分だと感じています。
――『おみせっち おまちど~さま!』といえば、広場でのたまごっち同士のやり取りも魅力的です。すべて見ることはまだまだできていないのですが、あの会話の量ってたまごっち同士の組み合わせによるパターンも考慮すると、ものすごく膨大ではないですか?
本間氏:そうですね。ボリュームは結構あると思います。ですので皆さんの好きなたまごっちのことを本作でさらに知っていただいたり、推しのたまごっちがさらに増えたりしてくれると嬉しいなぁというところもありますね。店長になっているたまごっちの新鮮さとか、初めて見るたまごっちに触れていただけると嬉しいです。

――先日「ニンテンドースイッチ 2025年 上半期ダウンロードランキング」も発表されました。ここでは本作がたった4日間で3位に上り詰めるなど、前代未聞なすさまじい売り上げっぷりですよね。驚きや嬉しさなど、素直な感想をお伺いしたいです。
本間氏:素直にとても嬉しいですね!しばらく『おみせっち』自体が発売していなかったので、本当にたくさんの方に待っていただけていたからこそこの結果になったのかなと思っています。
――継続して配信されている無料アップデートは、いつまで予定されていますか?また可能でしたら今後のアップデート展開もお聞きしたいです。
本間氏:アップデートは「いつまで」と明確にお伝えすることはできないのですが、ございます。楽しみにお待ちください!
――定期的にゲームを遊んでおきますね。20周年を迎えたところで、さらに30年、50年……と『おみせっち』シリーズを続けていきたいお気持ちはありますか?
本間氏: はい、ぜひぜひ続けていきたいなと思っております。皆さんに愛していただければ続くと思いますので(笑)。応援よろしくお願いいたします!
――本日はありがとうございました!
ちなみに、インタビュー時におみせやさんのアイデアを聞かれたこともありました。ここはGame*Sparkの人間らしく「メディアへんしゅうやさん」「ライターやさん」を提案しておきましたが、果たして未来の『おみせっち』で本当に遊べる日が来るのでしょうか……!?ゲームメディアを作っているたまごっちたち、ぜひ見てみたいです(そして仕事振りを学ばせていただきたい)。
ニンテンドースイッチ/ニンテンドースイッチ2向け“おみせやさんごっこ”ゲーム『たまごっちのプチプチおみせっち おまちど~さま!』は発売中です。
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