「脱衣麻雀」―どこの町にも1件くらいゲームセンターがあった20年以上前の時代には、ゲームセンターの片隅でひっそりと、しかしながら妖しい存在感を放っていたジャンルです。
現代ではオンライン対戦麻雀ゲームの普及、ゲームセンターのイメージの健全化の流れ、そして何よりゲームセンター自体の数が全国的に激減していることもあり、「脱衣麻雀」がゲームセンターに置かれることはほぼなくなりました。
近年のスマートフォンでも楽しめるオンライン対戦麻雀や、麻雀プロリーグ「Mリーグ」の登場、YouTuberやVTuberによる麻雀の配信、低年齢層にも向けた麻雀普及の動きなどで「麻雀」は知っていても、「脱衣麻雀」は知らない……そんな若いゲーマーも増えているのではないかと思います。
2025年9月、そこに颯爽と発表されたのが『スーパーリアル麻雀 Venus Returns』です。1987年から続く脱衣麻雀の人気シリーズをVRで復活させると聞いて、驚いた方々も多かったのではないでしょうか?
今回Game*Sparkでは、『スーパーリアル麻雀 Venus Returns』の開発を担当するインフィニットループのプロデューサーの松井健太郎氏とディレクターのよしK氏に、何故この時代に「脱衣麻雀」なのか、題材に『スーパーリアル麻雀』を選んだのは何故なのか、そしてどこまでの「お色気」を目指すのか……など、訊きたいことを根掘り葉掘り聞いてきました。ご一読頂ければ幸いです。
プロデューサーの圧倒的熱意が本作を生んだ!?
――本日はよろしくお願いします。

プロデューサー インフィニットループ 代表取締役会長 松井健太郎氏(以下、松井): よろしくお願いします。

ディレクター インフィニットループ よしK氏(以下、よしK): よろしくお願いします。
――まず、VR向けに「脱衣麻雀をやろう!」とお考えになったきっかけを改めて教えてください。
松井: 今回「これを作りたい!」と言い出したのは私なんですけれども、弊社は以前からVR事業に力を入れてまして、VRのメタバース関係の事業もいろいろと手掛け、ドワンゴと一緒に「バーチャルキャスト」というものも作りました。
その中で2023年にいったん経営体制の見直しや体制の変更を受け、会長職へ就くことになりました。そこである程度時間ができたので、改めて何をやろうかな……と考えて、「私にしかできないことをやろう!」と。それが今回の『スーパーリアル麻雀』のVRプロジェクトです。
――世の中に脱衣麻雀の他のシリーズもありますし、あるいはオリジナルの脱衣麻雀を作るという選択肢もあったと思うんですが、その中で『スーパーリアル麻雀』を題材に選んだ理由を教えてください。
松井: 私が『スーパーリアル麻雀』シリーズの大ファンであるということがひとつですね。
そしてある程度の年齢層以上の方だと、私もふくめ『スーパーリアル麻雀』をきっかけに足を踏み外したというか、オタクの道を選ぶきっかけになった人って多いと思うんですよ。
また、3Dがわかる人なら理解してもらえると思いますが、「3Dで正しく服を脱がせる」というのはすごく難しく、コストがかかるんです。なので、自分の知る限り他でやっているところもなくて。
なのでどうせコストをかけるのならば、オリジナルでやるより大好きな『スーパーリアル麻雀』を題材にして、「約30年の時を越えて、思い出のあの子に会いたい」といった文脈で、たとえば桂正和先生の漫画「電影少女」のように、あの頃の女の子たちが本当に画面の外に出てきた……みたいな、そんな夢を叶えたかったのがもうひとつの大きな理由です。
今作は「最後の1枚」まで脱ぎます!
――本作については“現代の基準では成人向けと判断される表現内容が展開される”とのことですが、これはだいたい原作通りの「ブラジャーまでの脱衣」となるということでしょうか。
よしK: 原作では、最後にパンツを脱ごうとするところで次のキャラクターがやってきた、または親がやってきた……みたいな理由でそれ以上の脱衣はありませんでした。
松井: アーケードのJAMMA(※1)の規制ですね。
(※1)アーケードゲーム企業業界団体である「一般社団法人日本アミューズメントマシン協会」の略称(2018年、日本アミューズメント産業協会(JAIA)に改称)。アーケードゲームの基板と筐体を繋ぐ通称「JAMMAハーネス」などの規格策定を行ったほか、アーケード向け脱衣麻雀について多数のガイドラインを設けていたことでも知られる。
よしK: こちらについても、先ほど松井が言った「夢を叶えたい」じゃないですけど、今回のミッションとしてはその一線を越えようという事を目標としています。さすがに日本の法律は守らないといけないので、パンツの中身を作り込むという事はできませんけれど、この部分は楽しみにして頂ければと思います。
――おお、それは期待大です!それでは次の質問ですが、先ほども「3Dの脱衣は大変」という話が少し出ましたが、そのあたりの今作ならではの工夫などはありますか?
よしK: やっぱり「服を脱がせる」ってことを3Dモデリングでやろうとすると凄く難しいんですよ。クレイアニメ(※2)ってあるじゃないですか。あれに近いんです。ポリゴンを1フレームずつ動かして、それをコマ撮りで繋いでいくようなものです。
更に技術的な話を言えば、途中で服のメッシュやモデリングを変更したりという事が今作のスタイルでは出来ないのがちょっと悩ましいところだったりします。
(※2)人形を作り、ジオラマの中で人形を動かしながら1コマずつ写真撮影してそれを繋いでアニメーションを作る手法。ご想像の通り、ジオラマや人形制作・稼働・撮影・編集に多大な手間がかかる。
よしK: 普通のアニメなら、キャラクターが服を脱いでいる最中に絵が破綻しそうになるのを画面・カット割りの切り替えでごまかしたりする手法もありますが、今回はVRなので、常時、あらゆる角度からキャラクターを見えるようにしなければなりません。
今回このプロジェクトを発表して以来、知り合いのデザイナーから声をかけられるんですけど、皆「自分だったら絶対やりたくない」というんです。業界が避け続けてきたことを、今まさにやっている。そんな評価なんだと思います。
――なんというか、例えばブラジャーひとつを脱がすにしても、現代の3Dアニメーションの技術の粋を尽くさないとできない……ということなんですね。
よしK: 過度に期待をしていただくと恐縮なのですが、可能な範囲のごまかしの中でやっている部分もあります。
松井: 非常にチャレンジングな事をやっているプロジェクトではありますね。だからこそクラウドファンディングに挑んでいるという面はありますが。
――それでは次の質問です。本作はVR機材がなくともプレイ可能という事なんですけれども、その場合はアーケード版の脱衣シーンを3Dで再現するという事になるんでしょうか。
よしK: VRでないデスクトップモードの場合は、固定カメラワークの脱衣シーンを見ることができるようになっています。
アーケード版の脱衣シーンは2Dアニメーションなので、当時の容量の限界とかもあって、ある程度省いてるシーンがあるんですね。『P2』のショウ子の脱衣アニメーションなんかがまさにそうです。なので、原作の脱衣シーンのカメラワークはもちろん参考にしながらですが、現代の技術で追加・補完しながら作っています。
――特に今回は「最後の1枚」の脱衣も増えるようなので、そういったシーンの追加も含めて作っているという感じですかね。
よしK: まさしくそのようなイメージです。
「開幕天和」もやっぱり存在!?
――それでは次の質問です。『スーパーリアル麻雀』と言えば、特に初期作において「100円入れたらコンピューターが一発で天和を決めてきて即ゲームオーバーになった」という伝説が有名なんですが、本作においてもそういったイカサマというか、難易度の調整は行われるんでしょうか。
松井: やっぱり『スーパーリアル麻雀』と言えば「開幕天和」とか、最後の1枚まで脱がしたときの彼女たちの鬼神のような強さというか……そういうのを期待されている方もいらっしゃると思うので、そこは是非とも再現していきたいと思ってますね。あと、今回のウリとして「配信モード」が追加される予定です。

よしK: 局部に「謎の光」が入るという。
松井: なので、配信者の方々に「ショウ子に勝つまで寝られません」みたいな配信をやって頂いて、是非とも天和を喰らって頂ければと(笑)
――そういった難易度は当時のアーケード麻雀ゲームゆえのバランス調整だったと思うのですが、それとは別に2人打ち麻雀として適度なバランスで遊べるようなモードは用意されているんでしょうか。
よしK: はい。難易度選択が対局前にありますので、気楽に遊びたい人は最低難易度を、原作並みの凶悪な強さに挑みたいなら「アーケード」難易度を選んでいただければいいかなと思います。
――それでは次の質問です。VRで麻雀に特化したゲームとしてはおそらく本作が初めてだと思うんですけれども、VR機材ではどういった感じで操作を行うんでしょうか。
よしK: 2種類の操作方法を用意しています。まずは右手のコントローラーから伸びる光(レイ)で牌を指定して操作していく方法。もう1つは左手のコントローラーのスティックでカーソルを動かして、ボタンで牌を操作する方法ですね。

――近年の麻雀ゲームだと、例えばテンパイに近付くための捨牌ガイドだったり、テンパイ後の待ち牌表示がなされたりとサポート表示も充実してますが、こういったシステムは搭載されるのでしょうか。
よしK: はい。原作の『スーパーリアル麻雀』の時代よりも、今の麻雀ゲームは数段遊びやすくなっていますよね。なので現代の麻雀ゲームに搭載されているような仕組みは導入していこうと思ってます。
――VRモードの麻雀中に、視点変更はできるんでしょうか?もし裏に回れると相手の牌も見えちゃいそうですけど……
よしK: それはまさに悩ましいところでして、現在の実装時点では女の子の裏に回って見ることはできるんですよ。ただそこから相手の手牌を見せるかどうかは開発でも意見が分かれてて、まさに今いろんな検討をしてる最中です。
――あまり女の子に近付くと、平手打ちを食らうとか。
よしK: ははは(笑)あとは近付きすぎると牌をパタンと倒しちゃうとか、そんなのもアリかもしれませんですね。
『P5』の三人娘について、そしてショウ子はまさかのラスボス!?
――それでは次の質問です。個人的に『スーパーリアル麻雀』と言えば、『P5』の早坂晶が見た目によらないスゴイ下着を付けてたのが印象的に残っているのですが、あの過激な「透けブラ」は健在でしょうか。

よしK: あの例の「透けブラ」に関しては、現代の技術では難しいところがありまして……また、今回各キャラクターの服装を現代的にリファインしているのですが、下着のデザインもそれらに合わせて変えているので、今回はあの「透けブラ」はないですね。
――早坂晶と言えば髪留めを外して一気にイメチェンするシーンも有名ですけど、そこもやはり今回3D化するにあたって相当苦労を重ねているのでしょうか。
よしK: そうですね。そちらはスタッフが大変な顔をしながら作っておりましたので、ご期待ください(笑)
――今回は『P5』の遠野みづきのイメージがだいぶ変わった……という意見も多いんですが、こちらについても3Dでグラフィックを再現する上での制約によるデザイン変更なんでしょうか。

松井: これはどちらかというと技術的な問題というよりは、コンセプトのところに関わってくる話なんです。今作の大きな目標として、「脱衣麻雀を次の若い世代にも遊んでもらおう」というコンセプトがあるんですね。『スーパーリアル麻雀』シリーズのファンの年齢層って、やっぱりどうしても高いんです。それで10年後、20年後を見据えたときに、はたしてIPとして生き残れているか……というのは微妙なところでして、やっぱりどこかで若返りを果たしたいという思いがあります。
実際、『スーパーリアル麻雀』シリーズのキャラクターはすごく魅力的で、ポテンシャル自体は充分にあると私は思ってるので、是非とも若い人や新規層に遊んでもらいたいという思いがあります。
そういった中でキャラクターデザインをどうしよう……となったときに、我々は大激論を重ねました。原作のみづきのモデルは当時の人気アイドルだと言われてますけれども、今の時代ではその事はもはや伝わらない。そういった時代にキャラクターデザインをどうするか……という時に、若い世代にもアピールできるキャラクターが描けるということで白羽の矢が立ったのがメリーはるひなさんです。
もちろん原作のキャラクターデザインをされた田中良さんのアニメーションに思い入れのある往年のファンに申し訳ないと思う部分はあるんですけれども、このチャレンジについてご理解いただいて、新しいデザインの彼女たちも好きになって頂けると嬉しいです。
――それでは次の質問です。今作に登場するのは『P2』のショウ子と、『P5』の三人娘ということで、これはキャラクターの知名度や人気を考えると当然のチョイスかなと思うんですけれども、今後クラウドファンディングが成功したら、他シリーズのキャラクターをDLCとしてリリースすることなども考えておられるのでしょうか。
松井: これは仰る通りで、「まずは4名」で行きたいと思っています。というのもやはりキャラクターの作成が大変で、ここからさらに『P3』の芹沢姉妹を入れよう!となるとスケジュールがいったいどうなってしまうんだ……という話になるので。ひとまずはこの4名で出して、もしこの作品が皆様に受け入れられて販売好調であれば、DLCとしてキャラクターであったり、あるいは別衣装なりだったりを出していきたいと思っています。
ちなみに私は『P3』派で、今回のキャラクター選定には涙を呑んでいます…!
また、例えば『P4』の愛菜や『P6』のタマミちゃんなんかはあまりに容姿が幼すぎて、現代の基準ではSteamの全世界販売では出せないんじゃないかなと懸念している部分もあります。
――もしそのあたりのキャラクターを出す場合、もう少し大人びた形にリファインする……なんて可能性もあるのでしょうか。
松井: 実は、今回登場する4人は『P5』組含めて成人しているという設定にしてあります。なのでそのあたりのキャラクターを出す場合も、成人したという設定にして、かつちょっと胸も大きくしなければならないのかな……と。
よしK: Steamの判断基準が「Steamが幼いと判断したらダメ」な世界ですしね。なので、『P6』のタマミちゃんのように胸が小さいのがアイデンティティなのに、そこを再現することができないかもしれないというのが我々の課題です。
松井: そういった意味で『P4』『P6』には難しさがありますね。DLCで配信するとしたら『P4』から何名、『P6』から何名……みたいな形になるかもしれません。
――『P7』から百合奈とエツ子さんも出してほしいんですけれども……百合奈あたりがギリギリですかね?
松井: まあ、そうですね。
よしK: 僕らもちっちゃいキャラクターを出したいんですけどね。Steamが許さないので……(笑)
――次の質問です。今回のメインは2人打ち麻雀だと思いますが、SFC版のような4人打ちモードの搭載などは考えてないでしょうか。
よしK: いまのところそれは考えていないですね。「脱衣麻雀といえば2人打ち!」みたいなものがやっぱり日本の伝統なので、まずはそこを踏襲して広めるということが大事だと思ってます。
――あと、最終的にはアーケードゲーム化することを考えていたりはしないですかね?
松井: 今の日本のゲームセンターでは……出せないんじゃないですかね(笑)
ただ、あくまでまだ冗談めいた話なんですけれども、麻雀部分をポーカーにして、ストリップポーカーとして海外に売り出せないかとは考えています。
麻雀だと日本人を中心としたターゲット層にならざるを得ないですが、ポーカーなら全世界に行けるので。もしかしたらそれで、『スーパーリアル麻雀』のIPをもっと広く世界に広めていけるんじゃないか……みたいな話があるので、まずはこのプロジェクトが成功したらポーカー版も作りたいね、という話を冗談でしていました。
――exA-Arcadia互換システムの「Hawt Pink Club」のアダルトゲームが全米のストリップクラブで広く導入されていたり、Steamにも多数ストリップポーカーはありますからね。私は麻雀もポーカーも大好きなので、個人的に実現すればそちらも楽しみです。
松井: 若者にも、海外にも『スーパーリアル麻雀』というIPを広めていければなと思います。
――ところで、今回ゲームの進行的には既存の脱衣麻雀を踏襲する形になるのでしょうか。1人倒したら次のキャラクターが出てくるみたいな。
よしK: そこはちょっと今回違いまして。まずは『P5』の3人娘から好きなキャラクターを選んで頂いて。で、3人に勝利すると、ショウ子がいよいよ私の出番!ということでやってくるという。

――まさかのショウ子・ラスボス枠!まさに「ロンよりショウ子」を見せつけてくる感じになるわけですね。
よしK: 普段は店長としてプレイヤーをナビゲートする役割なんですけど、プレイヤーが凄腕の雀士と知ると腕まくりして本気を出してくるタイプですね。
――なるほど。ところで今作にはシーンセレクトや、ステージセレクトなども用意されるのでしょうか?
よしK: 進行のセーブ機能があるほか、1度ゲームをクリアすれば、以降は直接ショウ子とも戦えるようになります。あと、各キャラクターの脱衣シーンも思い出機能として見返すことができます。
――先ほどアーケード版は難しいという事でしたが、コンソール向けにはいかがでしょう。
松井: シティコネクションさんが出している『スーパーリアル麻雀 LOVE2~7』で画面に謎の光が入っているのを見て、「あ、アレでいいんだ!」と思いまして。うちも「謎の光」システムを強化して出せたらいいですね……とは思っています。
どれだけ家庭用にバリューがあるかはわかりませんが、もし出せるようであればVRが無くても楽しい、VRがあればもっと楽しい……という形で出したいですね。CEROを通すのがなかなか厳しそうですけど(笑)
――謎の光モードは、将来の展開も見据えたものなんですね(笑)

松井: 本作の謎の光、太さなんかも調整できるんですよ。安全に太くもできるし、すごく細くもできる。だから勇気のある配信者の方は、細くしてやって頂いてもいいかもしれません。
――ちなみに、謎の光はどのようにして本作では実現してるんですか?
よしK: これは我々のテクノロジーのポイントで、きちんと局部の位置を判定して、カメラの傾きや視点の位置からしっかり謎の光を差し込ませるようにできています。間に机やいすが挟まっていて、それで局部が隠れている場合は、その部分には謎の光は入りません。
松井: 見えてる・見えてないをきちんと判定してるんですね。例えば手ブラで胸を隠しているときは謎の光は入らないけれど、手を離すと即座に謎の光が入るという。
「脱衣麻雀」を次の世代に繋ぐために
――ちょっとお尋ねしたいんですけれども、お二人にとって「脱衣麻雀」とは……といった概念的なところをお聞きしたいです。

松井: この企画の発端についてにも関わりますね。会社には毎年新卒が入ってくる訳なんですが、今の新卒は「脱衣麻雀」を知らないわけですよ。結構それに衝撃を受けまして。「え?知らないの?あんなにあったじゃん!」とは言ったんですけど、よくよく考えると脱衣麻雀がゲームセンターにあったのはもう、20年前から30年前なんですよね。
――そうですね。
松井: というわけで、「よし、脱衣麻雀というものを若者にも教えてあげよう」と。あと、今のVRChat世代の人には、「脱衣麻雀」というものが受け入れられるような気がしていて。我々はVRサービスを手がけてきているので、そのあたりも理解しているつもりであると。
なので、私としては「脱衣麻雀」は甘酸っぱい青春の1ページである……と考えていて、そういう思いを若い人たちに伝えたいというところです。
――そうなってくると、当時の思い出としてはゲームセンターで他のプレイヤーがプレイしている脱衣麻雀をこっそり覗いて、ドキドキしながら見守るとか、そういったものもあると思うんです。そういった思い出が、本作の配信者モードの実装に繋がっているんでしょうか。
松井: やっぱり今のゲームが流行るか流行らないかは「配信ありき」だと思っていまして、「脱衣麻雀」って、意外と配信に向いているジャンルだと企画段階のコンセプトから考えていました。例えば「あと1枚だけ」とかになると、視聴者とプレイヤーの一体感というものが生まれるじゃないですか。
一同:(笑)
松井: 先ほど例に出した「ショウ子を脱がすまで寝れません帰れません」みたいな配信は現代においても結構面白いコンテンツになるんじゃないかなと思っています。なので、是非とも本作をゲーム配信に使って頂きたいですね。ただ、BANされない範囲で。
一同:(笑)
よしK: 謎の光も活用してほしいと思います。なお、謎の光の代わりに黒塗りだとか麻雀牌だとか、オプションで変えられるようにもなっています。
――今回のクラウドファンディングのストレッチゴールの特典(達成済み)として、「ゲーメスト」(※3)の冊子をスタッフを再結集させて作ろうというのは非常に面白い試みだと思っています。こちらはどういう経緯で行われることになったのでしょうか?
(※3)新声社が1986年から1999年まで発行していたアーケードゲーム専門誌。『スーパーリアル麻雀P2』を特集した1988年4月号と8月号は当時のゲーメストの発行部数を大幅に増やしたという伝説を持つ。
松井: 『スーパーリアル麻雀』と言えば「ゲーメスト」という認識は、ある程度昔の世代の方にはあると思うんですよね。記事とか、グッズ通販とかたくさんあったので、やはり『スーパーリアル麻雀』と「ゲーメスト」は切っては切れない関係かなと。権利関係が不明だったのですが、検索すると「ゲーメストチャンネル」というYouTubeチャンネルがあって、その方に打診したところ権利関係の問い合わせ元を一通り教えて頂いて。現在は関係各所と連絡を取りながら、冊子という形で復刻できないかと動いているところです。
――紙面は当時の雰囲気を復刻したものになるのでしょうか?
松井: おそらくはそうなると思います。あとこれはまだ企画段階ですが、読者投稿欄のようなものも作ろうと思っています。スーパーリアル麻雀のイラストや、当時の脱衣麻雀の思い出のようなものを投稿を送って頂きたいなと漠然と思っています。
――そろそろお時間が迫ってきました。最後に今回の『スーパーリアル麻雀 Venus Returns』にかける意気込みをお願いします。
松井: 『スーパーリアル麻雀』は私も非常に思い入れのあるコンテンツなので、なんとか次の世代や海外の人々に広めて、末長いIPへとしていきたいと思っております。非常にお金がかかって大変なので、皆さんのご支援がなければ無しえないプロジェクトです。是非ともクラウドファンディングでご支援いただいて、『スーパーリアル麻雀』をいっしょに復活させていければと思いますので、ご協力をどうぞよろしくお願いします。
よしK: 企画を初めて1年以上経って、ようやく皆さんにこのプロジェクトを発表できることを嬉しく思っています。画面のスクリーンショットもいくつか出していますが、すべて開発中となっていまして、今後まだまだブラッシュアップしていきたいと思いますので、応援のほどよろしくお願いします。
――『スーパーリアル麻雀 Venus Returns』、期待しております!本日はありがとうございました!
『スーパーリアル麻雀 Venus Returns』はPC(Steam)で発売予定で、2025年11月16日までCAMPFIREにてクラウドファンディングを実施中です。













