
Upgrade Entertainmentが手掛ける、PC向けセクシーアクションRPG『Concubine』。10月14日に早期アクセスとしてリリースされる同作について、本稿では開発者へのミニインタビューをお届けします。
同作は、中世イスタンブールを舞台にしたアクションRPG。プレイヤーはハーレムの側室に紛れた密偵として、主から密命を受け、3人の仲間たちとともにビザンツ帝国とオスマン帝国の敵となる者たちへと立ち向かいます。トレジャーハンティング要素を備えているほか、プレイヤーと仲間たちは、体型までを含めて外見が細かくカスタマイズできるのが特徴で、ヌードオプションも用意されています。
早期アクセス開始時点では日本語には対応していませんが、後日、日本語にも対応する予定です。
『Concubine』は10月14日にSteamにて早期アクセス配信予定です。
――まずは自己紹介をお願いします。チームはどのような構成なのでしょうか?
Upgrade Entertainment Co-Founder Meric Eryurek(以下Eryurek):私自身について言えば、ゲーム業界で10年以上を過ごし、ゲームやeスポーツの展示会「Gaming Istanbul」、ゲーム開発者カンファレンス「GIST」、ゲーム関連のマーケティング会社「Vardiya games」などの立ち上げにかかわり、50以上のAAおよびAAAタイトルのマーケティングを担当してきました。また過去11年間、大学でナラティブデザインとゲームマーケティングの講師を務めています。
開発チームは多国籍で、カナダからルーマニア、トルコまで様々な国の人々が在籍しています。経験豊富な5名の小規模な中核チームに加え、私たちの元生徒6名が本作の制作に参加しています。
――本作の特徴を教えてください。

Eryurek:本作はオスマン帝国の後宮を舞台にしたハック&スラッシュARPGです。昔ながらの弓と剣のゲームプレイにファンサービス要素を融合させた内容で、プレイヤーはオスマン帝国の王位を守る者となり、昼は後宮の女として偽装し、夜はオスマン帝国とビザンツ帝国の古の敵を狩ります。
仲間を救出すれば、最大で4人パーティを編成できるほか、プレイヤーも仲間も細かく外見をカスタマイズすることができます。将来的には、ボスを服従させて、その特殊スキルを獲得してキャラクターに装備できるようにもなったりする予定です。
――なぜ、カスタマイズ可能なセクシーな女キャラクターのARPGを直接のアダルト要素がないタイトルとして作ろうとしたのでしょうか?
Eryurek:ファンサービス要素や気楽なゲームプレイだけを望み、直接的なアダルト描写自体は望まないゲーマーたちがいるからです。『She Will Punish Them』のようなタイトルがそのような層の存在を証明したと思っています。
私たち自身もその層に属していますが、今作ではそういった層に向けた気軽に遊べるARPGを作りたかったのです。
――本作の開発にあたって影響を受けた作品はありますか?
Eryurek:もちろん。私と私のパートナーは『Conan Exiles』の大ファンですし、『She Will Punish Them』や『Bloody Spell』、『Stellar Blade』をよくプレイしていました。これらのゲームはすべて本作に影響を与えていますが、特に大きな影響下にあるのは『She Will Punish Them』です。
――本作の開発中に一番印象深かったエピソードを一つ教えてください。

Eryurek:確か、『Everquest』や『Call of Duty』、『アサシン クリード』や『The Surge』などにもかかわっていた仲の良い業界の友人が集まったミーティングの時だったのですけど、本作に搭載しようと思っているキャラクターカスタマイズの話をしたら「正気か!?」って言われたんです。
もちろんそれは、限られた予算の小さなチームでの実現が難しい要素でしたから、彼らは私たちのことを思って言ってくれていたのですけども。そして、数か月後、バージョン0.1を彼らに見せたらまたも「正気か!?」と。けど、今度は「いい意味で、正気じゃないぞこれ」って言ってもらえたんです。
――アクション面について、現状ハックアンドスラッシュARPGとソウルライクの間のような内容になっているが、どういった意図でこうしたのでしょうか?
Eryurek:私のゲームデザインとマーケティングの経験から言えば、最高のゲームはプレイヤーの心にひとつの感情を呼び起こすものです。それは、「なぜプレイしているのかわからないが、とにかく楽しい」という感情です。
幼稚で素人のように聞こえるかもしれません。しかし、それは私がプレイヤーとして、そしてデザイナーとして常に追い求めてきた感情であり反応でした。この感情をゲームプレイで引き出す最善の方法は、複数のジャンルを融合させることだと判断して今作のバランスとしています。心から目標が実現できたことを願っています。評価自体はプレイヤーの皆様にお任せする形になりますが。
――カスタマイズについて、顔パターン/目パターン/髪型などについて現状、アジア圏で好まれるようなキャラクター(例えば『ハニーセレクト』や『Vindictus: Defying Fate』のような)は作れませんが、その点についてどう考えていますか?
Eryurek:アジア圏のアーティストたちは、時にわずか数筆の妙技であらゆる人物の魂を捉える神がかった才能を持っています。これは豊かな文化的遺産、芸術と人生に対する生来の完璧主義的姿勢、そして詩的な視覚言語形態に由来するのだと思っています。
西洋圏のスタジオである我々がゲーム制作において、いつかほんの少しでもアジア圏の優雅さと美の真髄に近づけるなら、それは大きな助けとなるでしょう。本作の非常に自由度の高いカスタマイズシステムで、もしそういったものがすでに実現できるのであれば、そのプリセットを共有して貰えればと思いますし、今後予算が許すなら、アジア圏のデザイナーとも協力したキャラクターモデルやカスタマイズの拡張もできればと考えています。また、今後もしユーザーたちによるスキンテクスチャの適用が可能にできたら、そちらの投稿も歓迎します。
――Modについて、いつごろに、どのような規模のものを予定しているのでしょうか?また、一部のユーザーが強く望むような「インタラクティブなアニメーション」などをポージングに追加したり、ゲームオーバー画面で流れるアニメーションなどを追加したりなどが可能な作りになったりするのでしょうか?
Eryurek:2026年のQ1の終わりごろ以降にModサポートを予定しています。家具や装備、モデル、ポーズの追加(できればアニメーション付き)など、可能な限りの自由度を提供できればと考えています。プレイヤー生成コンテンツはゲームをより良いものにする要素であり、開発に参加することを楽しむゲーマーコミュニティの一員となれることを大変光栄に思っております。

――早期アクセスについて、本作がそれと直接の関係がないのはわかっていますが、『She Will Punish Them』(編注:記事執筆時点で報告なく数年間にわたり一切の更新が停止してしまっている)についてどう考えていて、どのようにその「二の舞」を避けようとしていますか。
Eryurek:私は『She Will Punish Them』チームの作品を心から好きで尊敬しています。個人的に知り合いではありませんが、知り合えたらと思います。また、彼らが開発を続けられることを願っています。
彼らについては戦争地帯にいるなど、非常に過酷な現実の悲劇に見舞われているという噂も耳にしています。これが事実ではなく、彼らがどこかで無事であることを願わざるを得ません。とはいえ、噂は噂であり、実際の状況がわからない以上、直接彼らについてコメントできるのはここまでです。
我々のことに話を戻すと、『Concubine』の開発が継続されることをお約束します。チームメンバーは10年以上の業界経験がありますし、本作が未完成に終わってしまう不安は持っていません。今後はプレイヤーの皆様と共に本作をグローバルなIPへと育て上げていきたいと願っています。
本作の開発は私たちにとってマラソンのようなものです。これからも何年も、皆様と共に走り続けたいと考えています。
――本作の配信や収益化はしても大丈夫ですか?
Eryurek:もちろんです。配信者に対する制限は一切ありません。日本の配信者が当ゲームを配信してくれることは、大変ありがたく存じます。私たちの作品が、皆様が時間をかけ作る映像コンテンツの題材に値するものだと感じていただけたなら幸いです。

――最後に読者にメッセージをお願いします。
Eryurek:最初にお詫び申し上げます。当社は投資家やパブリッシャーを持たない小規模なインディー企業であり、リソースも非常に限られています。チームとボランティア一同、日本語版ゲームの翻訳に最善を尽くしていますが、翻訳ミスがございましたら、日本のプレイヤーの皆様に心よりお詫び申し上げます。
そしてもちろん、日本のゲーマーの皆様に『Concubine』をプレイし楽しんでいただき、貴重なフィードバックと共に、今後の開発の旅路にご参加いただければ、大変光栄に存じます。
――ありがとうございました。









