1月に電撃発表された『NINJA GAIDEN』シリーズ最新作『NINJA GAIDEN 4』の発売が目前に迫り、意気込むファンの武者震いすら聞こえてきそうな今日この頃。実に13年ぶりとなる新作『ニンジャガ』ですが、その完成度が気になるファンはもちろん、初めて触れる作品としてその評価が気になるという新規プレイヤーも多いのではないでしょうか。
本稿ではそんな本作のアクションゲームとしての面白さに焦点を当て、僭越ながらシリーズ初プレイとなる筆者によるGame*Sparkレビューをお届けします。“高難度アクション”とのシリーズに対する前評判の下、主に初心者目線でどれほど楽しめるゲームであるかを赤裸々に綴らせていただきました。
なお、シナリオについての詳述は致しませんが、些細なネタバレも避けたい場合は、閲覧にご注意ください。また、本レビューはXbox Game Studios PublishingよりSteam製品版コードの提供を受け執筆しています。
高難度シリーズの評判は伊達じゃない…!

始めにお話しするのは難易度選択についてです。本作では4段階の難易度設定が用意されていることが公開されていますが、特筆すべきは最も簡単な「ヒーローモード」でしょう。このモードでは単に敵と自分のステータスバランスが変わるだけでなく、オートでガードや回避、回復のほか、ボタン連打のみでの場面に応じたアクション派生といった手厚いサポート機能が利用できるようになります。歯応えが足りないと感じれば難易度設定はゲーム中いつでも調整が可能となっていることもあり、プレイ開始時にはヒーローモードから遊び始めることがおすすめされています。


ただ今回は古くからの友人より賜った「初見での最高難度体験はその瞬間にしか味わえない。」との格言の下、敢えてハードでプレイを開始。筆者も本作がシリーズ初プレイであり低難度からプレイすべきであるのは承知の上ですが、実際それゆえに見えてくることもありました。なお事前に発表されている最高難度である「超忍」についてはストーリークリア後の開放となるため、今回のレビューでは取り扱っていません。
まず強く印象に残ったのが思ったよりもかなりの高難度である点。ハードなのだから当然と言えばそれまでですが、手も足も出ずにぼこぼこにやられてしまうといった展開も珍しくない状況には認識を改めざるを得ませんでした。

また、それを踏まえて好印象に感じた部分にチュートリアルの充実ぶりが挙げられます。ゲーム開始直後、選択難易度に関わらずゲームシステムの根幹を成す要素である「鴉」と「鵺」の二つの型とそれぞれの弱、強攻撃、ガードと回避や敵の欠損とその際利用できる一撃必殺の技「滅却」等について、数体の敵との戦闘を交えた説明が行われました。重要な要素だけにとても丁寧にアクションを体験できるよう作られており、これらを意識して戦闘することさえできれば筆者でもハードモードに食らい付くことはできました。


とは言えやはりその壁は高く、最初の山場となる連続戦闘の攻略は30分間、13度のゲームオーバーを経ての物となりました。その後チャプターの半ばでノーマルに難度を落としたところ、ハードでしごかれたこともあって進行自体にはそれほど支障がない程度に立ち回れましたが、それでも難所では何度もゲームオーバーになる場面があるなど高難度なゲームであるとの印象に変化はありませんでした。
初心者へ間口広げる豊富な補助機能

それゆえに際立つのがヒーローモードのありがたさでしょう。ヒーローモードでは数値的調整でゲームオーバーになりにくいのはもちろん、補助機能もあって相当快適にプレイが可能です。事実その後ヒーローモードに切り替えて以降は通常戦闘でゲームオーバーとなることはありませんでした。
前述の通り、一口にヒーローモードと言ってもオプションのあり無しで更に自分に合わせた難度の調整が可能である点もユーザーフレンドリーです。筆者はオートコマンドおよび常時オートガード、回避には自分の選択とキャラの動きが乖離することにストレスを感じたため、ピンチの際のオートガード、回避およびオート回復を利用する形に落ち着きました。

総じて難度の観点では高難度作品としてのバリューは担保しつつも、ヒーローモードによって初心者向けに大きく裾野を広げており、その調整にもかなり力を入れていることが伺えます。ちなみにノーマル難度以上ではオンラインで腕前を競えるリーダーボードも搭載されているため、習熟後の腕試しの場にも困ることはなさそうです。
“3すくみ”を強力な基盤に据えて表現された技をモノにする楽しさ

ここまで読んでいただいた方は「肝心のアクションそのものの面白さはどうなのか。」とお思いでしょう。端的に述べればその点に関しても、難度調整さえ適切に行えば十分におすすめできると感じました。
まず言及したいのは戦闘システムの根幹に据えられた「鴉の型」と「鵺の型」、そして敵のガードおよび強攻撃が上手く3すくみの関係を構築している点。無条件で出せる鴉の攻撃では敵のガードや強攻撃に対抗できず、それらを逆に大きなチャンスにできる鵺の攻撃は専用ゲージによる使用制限があり、ゲージを回収するためにも鴉の攻撃を通す必要があると、用意された行動が全て意味を持つよう設計されています。

そしてこの3すくみを中心に、出の早い弱攻撃と特定条件下で様々な派生に繋がる強攻撃、その派生の一つである敵単体に対する必殺技でゲージも大きく回収できる「滅却」といった取れるアクションのバリエーションが生まれ、これらを上手く利用して立ち回ることでより有利に、そしてスタイリッシュに敵を倒せるようになっていきます。
重要なのは、1対1の戦闘においてならこれらのバリエーションは極論必要ではないという点です。3すくみさえ意識して適切に攻撃を通せればボスでさえ完封できると言えるでしょう。だからと言って戦闘が単純だと言いたいわけでは無く、むしろ基本を忠実に守ることが試したい技を立ち回りに組み込む余裕を生んでくれます。

後述するように実際には戦闘の多くが対多となるため、無敵判定を持つ技が強くなりがちであるなどの優劣は多少なりと生まれますが、どの技も使いどころを見極めれば快適に戦闘を進められるだけのポテンシャルはあるでしょう。新アクションの開放にはゲーム内通貨や武器経験値が必要となるため、何を優先して取得するかをプレイスタイルに合わせて吟味し、取得したそれを一つ一つ自分の物としていくのが本作をプレイする上での醍醐味と言えそうです。


先にも述べましたがオートコマンドやオートガード、回避といった補助機能はこの観点での満足感を阻害する要素にもなり得ます。とは言えいつでもオンオフが自由な機能であるため、練度やその時の気分程度で気軽に調節していけばいいでしょう。さらに個別のアクションにもまた、丁寧な説明と体験型のトレーニングが用意されています。敵の行動等も細かく設定できるフリートレーニングモードも利用できるため、実地運用前にばっちり技をマスターすることも可能です。
爽快感を阻害する横槍の多さはゲームを通して気になる部分に

一方で、ゲーム中の大半を対多戦が占める中でこちらの行動の多くが単体相手に強く効果を出すものに過ぎず、使いやすい範囲技が少ないのは今回の体験全体を通してのストレスポイントでした。必然的に各個撃破が求められるため、筆者は立ち回りの中心に無敵技を据えて対処していましたが、そこに気づくまでのヒントは少なく、失敗を重ねるしかないように思えます。

またそれがわかった上でもコンボ途中で横槍を入れられるのには依然弱く、対多戦闘が苦しく感じる点に大きく変化はありませんでした。特に吹き飛ばしリアクションのある遠距離攻撃を行う敵はストレス値が高く、敵を倒す順番といった戦略的な要素にも寄与するため一概に無くせばいいとは思わないものの本作中のストレス要素としては突出していました。


敵と近接攻撃が重なることで起きるジャストガードに近い「弾き」や、積極的に攻撃することで効率よく使える奥の手の「乱殺状態」などの戦闘要素からも、プレイヤー側からの攻めに重点を置いたゲームバランス調整とする意図が読み取れそれ自体は好印象なのですが、横槍の多さはそれとコンフリクトを起こしていると言わざるを得ません。先述のようなバランス調整から回避やガードといった様子見の手段が使いにくく、それもまた対多戦のストレスに拍車をかけています。

とは言え全体的には、自分に合わせた難度の下、プレイを続ける中で上達を強く実感できるアクションゲームらしい楽しみが充実しており、本項については最初で述べた通りおすすめできる作品であるとあらためて述べてまとめとさせていただきます。
やりこみがいのありそうな充実したコンテンツ量でシリーズファンも満足できそう
コンテンツの充実度の観点では現代的なシングルプレイ作品として申し分ないと言えます。戦闘の面白さは前に述べた通りで、少し道を外れればアイテムを見つけることができるちょっとした探索要素や、レール、壁走りといったパルクール要素なども楽しみとして用意されています。逆にこれらの要素は決して強要されるものでは無く、特にパルクール要素については全てオートで行えるオプションも利用できました。

今回の筆者のプレイ時間は約8時間でしたが、公開されている武器5種のうち2種しか開放されていないことを考えれば進行度が半分に満たないのは明白でしょう。詰まるところヒーローモードでもクリアまで20時間以上は遊べると想像できます。さらに戦闘面でのチャレンジコンテンツとしてマップの所々に配置される「煉獄」やサイドミッション的立ち位置の「忍務」など、やり込み先に困ることはないでしょう。

なお、ストーリーラインにおいて必須でない「煉獄」では一部のアシスト機能が強制的にオフとなるため、ビギナープレイヤーには慣れ具合や練度を測る場にぴったりとなっています。また、上級者向けには挑戦中の最大体力を75%まで削り、報酬を増加できるオプションも用意されているため、腕に自信のある方は是非チャレンジしてみてください。
パフォーマンス面で気になる点はないがムービーにほんの少しの粗が見える場面も

最後に補足程度の言及となりますが、パフォーマンス面でも目立って気になる部分はありませんでした。筆者のプレイ環境は10年ほど前から利用しているGTX1080搭載PCですが、推奨設定であれば特に問題なく動作していたほか、検証のためプリセットの最高設定でプレイした場合にも40~50前後のフレームレートに落ち着くなどプレイできないと言うほどではありませんでした。筆者の環境ではFSRのみ対応でしたが、DLSSを含めたアップスケール技術も利用できるようです。

ただ一つだけ惜しいと思った部分は、リアルタイムレンダリングのムービーシーンでキャラクターがピクピク動くようなことがあったこと。どっしり構えたかったであろう決めシーンで不自然に位置がふらつく主人公には突っ込みを入れざるを得ませんでした。筆者の環境によるものとも考えられますが、その他ゲーム中の演出にも力が入っているだけに残念に思う気持ちが強く印象に残ったことをお伝えしておきます。
以上のように、アクションゲームとしての『NINJA GAIDEN4』は高難度作品としての威厳を保ちながらも、初心者目線で十分な面白さを体験できる良作でした。ストレスポイントが全くないとは言いませんが、それも本作、ひいてはアクションゲームらしさの一部と言えるものとも捉えられるでしょう。
初心者にとってもやりこむほどに上達を実感し、爽快感を増す「ハイスピードなするめゲー」という言葉をもって総評とさせていただきます。是非読者の皆さんも、初めは脳の処理が追い付かないと頭の中を沸騰させながら、理想のNINJAの姿を目指して本作をしゃぶりつくしてください。
Game*Spark レビュー『NINJA GAIDEN 4』PC(Steam)2025年10月21日
やりこむほどに上達を感じられる、ハイスピードなするめゲー
GOOD
- 初心者にも優しい豊富な補助機能
- 3すくみの関係を基本に据えた奥深く楽しいアクション
- 充実したやりこみ要素
BAD
- 範囲攻撃に乏しく対多戦闘が苦しい作り
- リアルタイムレンダリングのムービーシーンで稀に雰囲気を壊す不具合が起きる













