「人が死ぬと、先にあの世に旅立った犬が迎えに来る」という逸話を基にしたアクションゲーム『マイリトルパピー』の製品版がついにリリースされました。
トレーラーが公開されるや否や、滂沱の涙を流す人を大量に生み出し、とんでもないPVを稼ぎ出した本作。筆者も犬を飼っているので、トレーラーや体験版の時点で泣きそうになりましたが、実際のゲームプレイはどんな感じなのか? 遊んでみた感想をお届けします。
虹の橋を渡って、パパを迎えに行こう 匂いを辿って駆け回るワンコのアクション
本作は、天国ですやすやと眠っていたボングという名前のコーギーが主人公。飼い主たちが天国にやってくるたびにカンゲーカイをしていましたが、自分のパパだけはまだ来てくれません。まだかな~と思っていたところに、嗅ぎなれた匂いが……!
居ても立っても居られなくなったボングは、天使を騙して天国の外へと駆け出してしまいました。果たして、彼はパパと会うことができるのでしょうか……というストーリーです。

ゲーム部分は、いくつかのエリアを跨いで進行する一本道のアクションプラットフォーマーです。
「雪山」や「さばく」、「暗いどうくつ」から「海辺」など、さまざまなロケーションを踏破していくことになります。全体を通しても5時間ほどでクリアできるので、コンパクトな作りの割に用意されているロケーションはリッチに感じられました。

基本的には(Xboxコントローラー基準で)Aボタンでジャンプ、RTボタンでダッシュ、LTボタンで匂いを嗅ぐの3つの操作しかありませんが、頻繁にミニゲームが挟まるため、思っていたよりもアクションゲームとしてのバラエティに富んでいました。
追手から逃げるレースや、操作する犬を切り替えて進むパズル、意識がない犬を起こすためのリズムゲームなどなど、多種多様に用意されていました。どれもストーリーのコンテキストと繋がっており、不自然な感じはありません。

シーンによっては、突然格闘ゲームやベルトアクションゲームのような画面になったり、人やぬいぐるみがホウケンやテツザンコウを打ったりして、つい笑ってしまいました。ただ犬が歩くだけのウォーキングシムではなく、プレイヤーを楽しませる仕掛けをふんだんに盛り込んでいるところが素晴らしいです。

ボングは道中でさまざまな人や犬と出会い、彼らのお悩みを解決していきます。それぞれの話は独立しており、ステージやアクション同様、犬と飼い主の関係性をさまざまな形で描いてくれます。テキストはほとんどなく、あたたかな水彩画のイラストとカットシーンで語られ、クセもなくわかりやすいです。
しかしながら、それぞれのカットシーンの最中にQTEが頻繁に挟まるのは、いただけないポイントでした。失敗してもすぐにやり直しになりますが、カットシーンを良いものにしているわけではないのが残念です。
また、ひとつひとつのストーリーはよくできているものの、全体を通して「天国でも現世でもないこの場所は何なのか」「ここで消滅するとどこへ行くのか」といった条件が明示されていないので、ハラハラドキドキに繋がらないところがあります。その割にはアクションシーンが多いので、ゲーム序盤に独自の世界観設定を示しておく必要があるのではと思いました。

なお、ここは賛否が分かれるところですが、警告がある通り、自殺や安楽死といった事柄がしっかりと描かれています。最終的にはハッピーエンドへと辿り着きますが、気持ちが塞いでいる人や、そういった描写を苦手とする人は注意してください。とはいえ、犬と人の関係を書くうえでは避けては通れない話題も扱っているため、誠実であるとも言えます。

総評として、本作のトレイラーや体験版で示されている通り、人と犬の感動の出会い・別れをしっかりと描き、ボロボロ泣けるフィクションとしてまとめあげている点は間違いなく保証されています。加えて、ゲームプレイについても、思っていた以上にアクションに富んでおり、簡単ながらやりごたえがあって万人にオススメできる出来でした。

細かい粗や注意すべき点はありますが、犬好きゲーマーであればチェックしておきたい一本であるかと思います。
タイトル:『マイリトルパピー』
対応機種:Steam
記事におけるプレイ機種:Steam
発売日:2025年11月7日
著者プレイ時間:5時間
サブスク配信有無:なし
価格:2900円(2025年11月18日まで2320円のセール中)
※製品情報は記事執筆時点のもの
犬と人の関係を描いたオムニバスストーリーに、多様なミニゲームが乗っているスパ!












