気になる新作インディーゲームの開発者にインタビューする本企画。今回は、ORANGE POPCORN開発、PC向けに10月23日にリリースされたメイドアクションRPG『メイド・オブ・サルヴェイション』開発者へのミニインタビューをお届けします。
本作は、スピーディーな戦闘と探索に重点を置いたアクションRPG。プレイヤーは、魂の救済のために戦う煉獄のメイド・シズカを操作し、剣と銃、奥義を組み合わせた多彩な戦闘スタイルを繰り広げます。20体以上の強力なボス、様々な武器とスキルの組み合わせ、スキルボードシステムによる育成要素なども特徴。日本語にも対応済みです。
『メイド・オブ・サルヴェイション』は、1,700円で配信中。


――まずは自己紹介をお願いします。一番好きなゲームは何ですか?
Kiukこんにちは。ORANGE POPCORNの開発者、Kiuk Kimと申します。まず簡単に私たちのスタジオについてご紹介しますと、ORANGE POPCORNは主にアクションRPGを中心に開発している韓国のインディーゲームスタジオです。代表作のひとつに、Steamとニンテンドースイッチで発売された『HunterX』があります。
好きなゲームは本当にたくさんあるので、1本だけ選ぶのはとても難しいですね。それでもあえて挙げるなら、『悪魔城ドラキュラX 月下の夜想曲』ですね。古典的な作品ではありますが、私は今でもプレイステーションのオリジナル版を年に一度は必ずプレイし直しています。私にとって、いつまでも色あせない名作なのです。
――本作の特徴を教えてください。また、そのアイデアはどのように思いついたのでしょうか?
Kiukこのプロジェクトの中心となるアイデアは、「16ビット時代のスーパーファミコン風アクションRPGの感覚を、現代のアクションRPGのデザインで再解釈したらどうなるだろう?」と言うところから生まれました。そのため、本作はメトロイドヴァニアでありながら、一般的な横スクロール形式ではなく、あえて俯瞰視点を採用しています。
俯瞰視点のメトロイドヴァニアは非常に珍しいため、それがゲームの個性にも繋がると考えました。私自身、昔ながらのゲームに強い思い入れがありますので、プレイヤーの皆さんにも、どこか懐かしくて魅力的だと感じてもらえたら嬉しいですね。
――本作の開発にあたって影響を受けた作品はありますか?
Kiuk輪廻やカルマ、そして運命の連なりと言った、世界観と物語の核となるテーマは、仏教の思想から大きな影響を受けています。ただし、雰囲気やキャラクターについては、よりゴシックでダークな印象を持たせたかったため、そこから「煉獄」や「メイド」と言ったキーワードが生まれました。
この土台の上に、物語やキャラクターの設定を少しずつ積み重ねていったのです。私は死後の世界や輪廻と言ったテーマに昔から関心があり、これらが自然と自分たちの作品に繰り返し登場するモチーフになりました。
ゲームシステムに関しては、メトロイドヴァニアの『悪魔城ドラキュラ』シリーズ、特に『悪魔城ドラキュラX 月下の夜想曲』から強い影響を受けています。新たな能力を獲得し、探索範囲が広がっていく感覚は、昔ながらの『ゼルダの伝説』にも通じています。
スタミナを軸とした戦闘や成長要素は、『DARK SOULS』シリーズから着想を得ました。振り返ってみると、本作はレトロ作品から現代の作品まで、幅広いアクションRPGの影響を受けて形づくられた作品だと実感しています。

――本作の開発中に一番印象深かったエピソードを一つ教えてください。
Kiuk初期の段階から、PC版と同時にニンテンドースイッチ版の開発も進めていました。スイッチは多少古いハードですので、最適化にはより多くの時間と労力を割く必要がありました。ゲーム内の「聖域」エリアでは、様々な魂が登場します。当初は人型の姿でデザインしていたのですが、最適化の問題が発生したため、日本の「おばけ」をイメージした丸くてかわいらしいデザインに変更しました。
ビジュアルの変化に合わせて、魂たちに遊び心のあるコミカルな要素も加えていき、最終的に現在の姿に落ち着きました。振り返ってみると、このスタイルの方が本作の雰囲気にずっとマッチしており、プレイヤーにも好評なので、結果的にとても良い判断だったと思っています。
――リリース後のユーザーのフィードバックはどのようなものがありましたか?特に印象深いものを教えてください。
Kiuk多くのプレイヤーから「楽しめた」と言う声をいただけたことに、本当に感謝しています。その中でも特に印象に残っているのは、私と同じような年代のいわゆる「古参ゲーマー」の方々からの感想です。「16ビット時代の『ゼルダの伝説』や、初代プレイステーションやPS2の頃のゲームを思い出した」と言っていただけたことが、とても嬉しかったです。私たちが目指した「原点回帰の面白さ」が、しっかりとプレイヤーの皆さんに伝わったのだと感じられました。
ORANGE POPCORNのゲームは、派手なAAAタイトルではありません。それでも、「ゲーム性がしっかりしている」「何よりプレイしていて楽しい」と言っていただけることが、私たちにとって何よりの励みであり、最高の褒め言葉です。
――ユーザーからのフィードバックも踏まえて、今後のアップデートの方針について教えてください。
Kiuk現在、プレイヤーの皆さんからいただいたフィードバックをもとに、様々な快適性向上に取り組んでいます。直近のアップデートでは、マップマーカーの種類を増やしたほか、カメラ操作を手動で行える機能も導入しました。
また、より多くの方に本作を楽しんでいただけるよう、対応言語の拡充や対応プラットフォームの追加も計画しています。先ほど触れたニンテンドースイッチ版はすでに完成間近で、さらにXbox版もリリース予定です。
――本作では、なぜ、そして具体的にどのように生成AIの生成物を使用しましたか?また、生成AIについてはどのような感情を抱いていますか?
Kiukゲーム開発に生成AIを使うのは今回が初めてであり、2DのUIや画像アセットの一部に活用しました。私たちのような小規模なインディー開発スタジオにとって、生成AIは時間とコストを削減し、通常であれば諦めざるを得なかった要素を取り入れる助けになることがあります。
しかし、生成AIをより広範囲で導入することについて、私たちは慎重な姿勢でいます。多くのプレイヤーが、ゲームにおけるAIの活用について不安や懸念を抱いていることを理解しているからです。今後も業界の動向を見守りつつ、必要かつ適切だと判断できた場合にのみ、生成AIの活用を検討していく予定です。
――本作の配信や収益化はしても大丈夫ですか?
Kiukはい、もちろんです。私たちは、プレイヤーの皆さんがどのような形であっても配信や収益化することを歓迎しています。それによって、より多くの人に私たちのゲームを知ってもらえることは大変ありがたいことです。特別な制限は設けておらず、自由な配信を全面的に許可しています。
――最後に日本の読者にメッセージをお願いします。
KiukGame*Sparkの読者の皆さん、こんにちは。私たちのゲームはいつも日本の方たちに一番多くご購入いただいており、皆さんによるご支援には本当に感謝しています。いつもプレイしてくださり、ありがとうございます。
『メイド・オブ・サルヴェイション』は、これまでのタイトルでいただいたフィードバックを丁寧に取り入れ、大切に開発したプロジェクトです。本ジャンル初心者の方でも快適に楽しめるよう、様々な工夫を凝らしました。古参のプレイヤーの方も、現代のプレイヤーの方も、きっと楽しんでいただけると思います。これからも変わらぬご声援をいただけると嬉しいです。
――ありがとうございました。


◆「注目インディーミニ問答」について
本連載は、リリース直後のインディーデベロッパーにメールで作品についてインタビューする連載企画です。定期的な連載にするため質問はフォーマット化し、なるべく多くのデベロッパーの声を届けることを目標としています。既に700を超える他のインタビュー記事もあわせてお楽しみください。








