イタリアの開発会社Stormind Gamesは、カルト的な人気を誇るサバイバルホラーゲームの最新作『Remothered: 赤き修道女の遺産(Remothered: Red Nun’s Legacy)』を正式に発表しました。本作は『Remothered』シリーズ三部作の完結編にあたり、PlayStation 5、Xbox Series X|S、Nintendo Switch 2、およびPC(Steam、Epic Games Store、GOG.com)向けに今年後半の発売が予定されています。
本稿では『Remothered: 赤き修道女の遺産』の概要と、事前に開催された開発者合同インタビューをお届けします。
シリーズの集大成にして新たなビジョン
『Remothered: 赤き修道女の遺産』は、これまでの2作品の物語に恐ろしい結末をもたらすと同時に、スリリングなゲームプレイや物語、シネマティックな演出を通じてシリーズの未来に向けた新たなビジョンを描き出します。Stormind GamesのCEOであるAntonio Cannata氏は、「一部のファンからプロジェクトが放棄されたと思われていましたが、コミュニティに対する強い敬意と責任感から本作の開発を決定しました」と語り、原点である本シリーズを終わらせることは同スタジオにとっても悲願であったことを明かしました。
20年後を舞台にした独立したストーリー

本作の舞台は、シリーズ第1作目の出来事から20年後となります。プレイヤーはシリーズ初登場となる母親の“スーザン”を操作し、1年以上前に謎の失踪を遂げた娘の“アガタ”を探すため、シチリア島のエトナ山にある廃墟となった修道院に足を踏み入れます。

特筆すべきは、過去作の知識がない新規プレイヤーでも問題なく楽しめる独立した作品となっている点です。新しい主人公であるスーザンの視点を通して物語が進むため、シリーズ初心者でも一から世界観に没入できます。一方で、長年のファンにとっては、「赤い修道女(Red Nun)」の背後にある真実やクリスト・モレンテ修道院の隠された歴史がついに明かされる、真の完結編となります。
本作にはマルチエンディングは存在せず、三部作の物語をすっきりと締めくくる明確なエンディングが一つだけ用意されてるとのことです。
伝統のステルスと新たに追加された「近接戦闘」と「催眠能力」

ゲームプレイはシリーズの根幹である「プレッシャーの中での探索」を踏襲しています。執拗に命を狙ってくる敵“ストーカー”から身を隠し、音を立てずに逃げる伝統の緊張感は健在です。

さらに今作では、ファンのフィードバックを受けて近接戦闘が新要素として追加されました。スーザンは娘を救うために武器を使って反撃できるようになりますが、武器は壊れやすくストーカーを完全に倒すことはできないため、あくまで時間を稼ぐためのオプションです。もちろん、従来通り戦闘を避けてステルスのみで進めることも可能でありプレイヤーに自由な選択肢が与えられています。
また、もう一つの新要素として「催眠能力」が登場します。この能力を使うことで、鏡の反射を利用して隠されたオブジェクトや秘密の通路を見つけたり、過去の記憶を読み解いたりして、環境の隠された真実を明らかにすることができます。
QAチームを新設し、万全の体制でリリースへ
Stormind Gamesは、『A Quiet Place: The Road Ahead』の開発や『Mafia: The Old Country』の共同開発を経て、現在100名以上のスタッフを抱えるイタリア最大級の独立系スタジオへと成長しました。
開発陣は前作で寄せられた賛否両論のフィードバックを詳細に分析しており、不満点であった「一方的に逃げるだけの疎外感」を解消するために近接戦闘を導入するなどの改善を行っています。さらに、社内に新たにQA(品質保証)チームを設立し、ローンチ時の技術的な問題を未然に防ぎ、安定した品質でのリリースを目指しているとのことです。
開発陣へのQ&Aセクション
ここからはプレビューイベントにて行われた質疑応答をお届けします。
回答者はゲームディレクターのAntonio Cutrona氏、チーフクリエイティブオフィサーのDanielle Adara氏のお二方です。
ーー過去作を遊んでいない新規プレイヤーでも楽しめますか?
Cutrona氏: はい、問題ありません。過去2作に関する情報量は非常に多いです。そこで、この第3章で私たちが最初に行った選択の一つは、過去の出来事を新しい主人公のスーザンを通して見ることでした。スーザンはシリーズ初登場であり、「赤い修道女」や、彼女の過去と現在に関するすべての情報、出来事、ドラマを再訪します。

ある意味で彼女は、『Remothered』シリーズで起きたすべてのことを初めて発見する新規プレイヤーを象徴するような新しいキャラクターなのです。ですから、過去作の知識が全くない新規プレイヤーにとってスーザンの旅を追うことは、非常に分かりやすい旅になります。
Adara氏: 『Remothered: 赤き修道女の遺産』は、新しい要素を取り入れたよりモダンなサバイバルホラーでもあり、より現代的な体験を求める新規プレイヤーの好みに合うと思います。クラシックなサバイバルホラーに焦点を当てていることは明らかですが、同時にモダンなサバイバルホラーとして考えられ、デザインされた新しい要素がゲームにはあります。
ーー『A Quiet Place』や『Mafia』などの開発経験は本作にどう活かされていますか?
Cutrona氏: はい、私たちの過去のすべての経験がスキルの向上に間違いなく役立ちました。『A Quiet Place』の経験で洗練させ、拡張し、本作に活かすことができたものがいくつかあります。もちろん、『A Quiet Place』における感覚的な面での大きな要素はマイクの使用であり、あれはあのゲームでは非常にうまく機能するものでしたが、『Remothered』ではそうではありません。ですので、そのようなシステムは導入しませんが、『A Quiet Place』や『Mafia: The Old Country』の開発に携わったことで、『Remothered』での作業が大幅にスピードアップしたのは確かです。
Adara氏: 私からも付け加えたいのですが、そういったゲームの開発に携わったことで、常に進化し続けるゲーム制作のプロセスを完璧にマスターできる、より優れた開発者になるためのコントロールと主体性が確実に得られました。そのため、『A Quiet Place』や『Mafia』での作業が、私たちにより良い開発を行うための多くの新しいツールや手段を与えてくれたことは間違いありません。
ーー賛否両論あった前作のフィードバックはどう活かされていますか?
Cutrona氏: ファンの皆さんにお伝えしたいのは、この第3章の設計を始める際に私たちが最初に行ったことの一つが、まさに1作目と2作目の両方で得た賛否のフィードバックを分析することだったということです。何が『Remothered』シリーズで機能し、何が機能しなかったのかを明確に特定することができました。そして、シリーズの強みに焦点を当てて体験を設計しました。もちろん改善すべきトピックはたくさんあり、前作にあったようなネガティブな要素を避けるために、設計の段階から細心の注意と配慮を払っています。

さらに付け加えたいのですが、「近接戦闘」という攻撃的なアクションを追加したことも1作目のフィードバックの最初の分析から得たものです。攻撃的な選択肢がなく、ゲームプレイに変化をもたらすものがないことで、疎外感を感じたプレイヤーが少数いました。だからこそ、娘を救うためなら何でもする母親であるスーザンに、攻撃の選択肢を与えることにしたのです。これにより、より幅広い層のプレイヤーが、絶え間ないプレッシャーによる疎外感を感じることなくゲームを楽しめるようになります。
Adara氏: ゲームそのもの以外の主なポイントとして、社内にQA(品質保証)チームを導入したことも言っておきたいです。私たちはそのチームを大いに活用して、たとえば『Remothered 2』のローンチ時に発生したような技術的な問題をなくし、ローンチ時のゲームの安定性を高めています。
ーーファンからは「プロジェクトが放棄されたのでは」と心配されていましたね。なぜそう感じたのだと思いますか?
Cutrona氏: 過去数年間の『Remothered』シリーズに関するコメントを見て、ファンがそのように感じていたことは理解していました。もちろん、私たちは第3章を作りたいという計画を発表する準備がまだできていなかったので、ファンが「何らかの理由で私たちが他のプロジェクトに移ってしまい、このゲームのことは忘れてしまったのだ」と思い込み、絶望しているのをただ見ているしかありませんでした。
ですから、私たちがシリーズのファンにまず確認しておきたいのは、絶対にシリーズを見捨ててはいないということです。これは私たちが愛し、共にスタートしたシリーズであり、正当な結末に導きたいと思っています。
Adara氏: そして、『Remothered 3』のチームにいる多くのメンバーは、過去作にも関わっていた人たちです。ですからシリーズをさらに前進させたいという強い思いを持った人たちがたくさんいました。私たちにとって、このプロジェクトが放棄されたことは一度もありません。
『Remothered: 赤き修道女の遺産』はPlayStation、Xbox Series X|S、Switch 2、PC(Steam、Epic Games Store、GOG.com)でリリース予定。公式ウェブサイト( remothered.com )や各種公式SNS(Twitter/X、YouTubeなど)では、開発の裏側に迫る「開発者ダイアリー」の動画なども公開されているため、発売に向けて今後の続報にも期待が高まります。










