経済産業省が主催するクリエイター支援プログラム「創風」。採択クリエイターが手がける20作品の最終成果発表会が2026年2月20日に開催されました。
本記事では、採択作品の中から『Wander in Wonder』のプレイレポートをお届けします。
絵本のような世界を好奇心のままに冒険!
本作は、イラストレーター・アニメーション作家の小光氏が描く、生命感あふれる世界を旅するポイント&クリックADVです。
舞台は刻一刻と夜が近づく不思議な森。迷子になってしまった一匹のうさぎを無事に家へと帰すため、森のあちこちに芽吹く不思議な植物たちに触れて道を切り開いていきます。

まず目に飛び込んでくるのは、色彩豊かに描かれた植物たちの姿。それらは単なる背景の装飾ではなく、クリックに反応して形を変えたり音を奏でたりと生きた存在として描かれています。


物語に言葉は一切登場しません。植物が弾ける音や幻想的なBGMが、この世界の物語を紡いでいきます。プレイヤーは画面上の気になる場所をクリックするだけで、風が吹くように世界に干渉できるのです。この言葉に頼らないコミュニケーションこそが、本作を国籍や年齢を問わず楽しめる芸術作品へと昇華させているのです。夕闇が迫る中で淡く発光し始める森の景色は、切なくもどこか懐かしい不思議な安心感に満ちています。
手描き×デジタルだからこそ表現できる魅力
近年の高精細な3Dグラフィックスとは対照的に、本作には人の手の跡が色濃く残っています。鉛筆の細かな線や水彩のような色の滲みがアニメーションとして動き出す様子は、見ているだけで心が洗われるようです。
クリックした瞬間の葉っぱが揺れたりキノコが凹んだりするリアクションには、まるで本物の生き物に触れているかのような愛着を感じずにはいられません。


主役であるうさぎの愛らしい仕草も本作の魅力の1つ。プレイヤーが道を整えてくれるのをじっと待つ健気な姿や、切り開かれた道を小さな身体で一生懸命に進む様子は、守ってあげたくなるような愛おしさに溢れています。うさぎを見守るという体験によってプレイヤーの中に自然と優しい気持ちを芽生えさせ、画面越しに確かなぬくもりが伝わってくるのです。

本作は単なるゲームの枠に収まるものではありません。プレイ時間は20分~30分程度で、エンディングを迎える頃には心の中に一輪の温かな花が咲いたような穏やかな余韻に包まれるはずです。忙しない現代社会の中で忘れかけていた、小さな発見に胸を躍らせる体験にぜひ触れてみてください。
『Wander in Wonder』はPC(Steam)にて2026年第4四半期に発売予定です。












