Game*Sparkでは以前、ファンタジーウォーシミュレーション『ブリガンダイン』シリーズの最新作『ブリガンダイン アビス』のプロデューサーである齋藤勝氏にメールインタビューを実施しました。
なかなか興味深いお話が多く、ぜひ深堀りさせていただきたい……!と思っていたら、なんと再度インタビューさせていただけることに!
今回も、齋藤氏の詳しいお話から、本作の新システムまで、幅広いお話をうかがうことができました。

――前回はメールインタビューをさせていただきありがとうございました!「一度退社している」という点に驚いてしまって。話せる範囲でかまわないので経緯をうかがっても大丈夫ですか?
齋藤: 大丈夫ですよ!最初に在籍していた時は6年いました。そこでちょっと、家庭の事情もあって一度退社して、1年くらいゲームじゃない仕事をしてるんですね。でも我慢できなくなって……。
――我慢できない、ですか。
齋藤: ダメでした(笑)。そこから、ハピネットに戻る前にスマホアプリを手掛けている友人の会社に1年在籍しました。でも、そこにずっとお世話になるのもあれだったので。それでハピネットに戻れないかなと思い連絡してみたら、丁度その時にプロモーション部署の空きがあったんです。

――プロモーションの部署から、どうしてまた今作のプロデューサーに就任されたのですか?
齋藤: 戻って1年くらいした頃かな。上の方から「『ブリガンダイン』の新作、続編を作りましょう!」という話があったんです。ただ、その時は開発の人たちが色々忙しくてなかなか着手できていなかったんですよ。僕はその時宣伝の人間だったのですが、「これはチャンスだな」と(笑)。
それで……本当はあまりよくないのですが、2022年の夏頃から仕事の合間に、企画書……というか、「こういう風に作っていきましょう」「前作はここが好評でここが不評でした」という感じの分析資料を書き始めました。で、完成したそれを会社の上の人間に見せたら、「プロモーションの仕事の合間にこれやって!」と言われて、それでプロデューサーを始めました。最初の1年くらいは両方やっていましたね。しばらくして開発チームが作られて、そこからは専任しています。あまり褒められたスタートではないですね、はい。

――専任されるまでにプロデューサーとプロモーションを両立されていたとのお話でしたけれど、こう、「プロデューサーとしての自分」と「プロモーションをする自分」の葛藤、みたいなのはありませんでしたか?
齋藤: ディレクターの人って、デザイナーさんからとか、専門学校からとか、そういう人が多いと思うんですが、僕は違っていて……ゲーム業界で長く仕事していろんな職種をしましたが、何というか、あまり区別して見ていないんですね。最初は10年くらい営業をしていましたし。アルバイトもゲームショップとかゲームセンターばかりで、それが一番長く続きました。今作でも、今までの繋がりが生きているな、という感じがあります。

ただ、心残りはありました。それが、メールインタビューでもお答えしましたが、前作『ブリガンダイン ルーナジア戦記』α版の段階で退社してしまったことですね。
シナリオライターの寺田先生やキャラクターデザインの風間先生との、窓口業務的なことをやっていたんです。なので、『ブリガンダイン ルーナジア戦記』が0から出来上がっていくのを見てきました。その途中で辞めてしまったのは心残りでしたね。
なので、何というかな……「自分への復讐」みたいな感じですね。「あの時できなかったことをやる」という。
――なるほど。先ほど、前作の分析資料を作ったと仰っていましたが、『ブリガンダイン アビス』には「ここをもっとこうしたらいいんじゃないか」という分析の結果が現れているのですか?
齋藤: これは先に結論を言ってしまいますが、色々分析はしたものの、あまり入っていないです。30%くらいかな。
やっぱり僕はSLGが大好きなので、今回企画する時も国内外買わずSLGをたくさん買って、面白い要素をいろいろ自分なりに分析しました。その中で「良いな、実現できないかな」と思ったのはたくさんあって、全部ではないけれどたくさん盛り込めたと思います。実現できなかった分は、いつかどこかでできたら面白いかな。
――楽しみです。ちなみに、その期間で遊んだ作品の中で、印象に残った作品は何でしょう?
齋藤: 『Battle Brothers』ですね。日本語対応していないんですけど、それでも遊びたいと思ったゲームです。すっごい刹那的というか、めちゃくちゃ男くさい。そこが良いんです。一生懸命育てたキャラクターがすぐに死んでしまうゲームなんですよ。負傷したら永遠にデバフがついてしまうとか。
『ブリガンダイン アビス』でもこの作品から影響された要素を入れていて、忍者のユニットに『Battle Brothers』にあった敵と場所を入れ替える技を導入しています。
――忍者って、公開されている画像でわかる、ミッションモードの「シュゲン族」でしょうか?個人的にかなり好きな見た目をしていて……ストーリーモードでも出てきますか?
齋藤: 一般雇用できるキャラでいます。もちろんそれとは別にユニークキャラも。

これはストーリーモードの方から話した方がわかりやすいと思うんですが、まずメインとなるストーリーモードが全部で6シナリオあって、それぞれに味方として登場するキャラクターが決まっています。基本的には悪役以外は、そのシナリオごとに「このメンバーが中心になります」という構成ですね。
その6つのメインストーリーに加えて、ミッションモードという形で、それぞれのキャラクターにフォーカスしたショートストーリーが用意されていて、全部で24シナリオあります。なので全体としては、6つのメインストーリーがあって、そこに登場するキャラクターたちを主人公にした短編が24本展開されている、という構造になっています。
――忍者以外にも、本作から新しく登場するジョブやモンスターはいますか?
齋藤: モンスターは結構いますね。例えば、クラーケンタイプがいます。こいつは「引き戻し」を使うんですね。位置をずらすので少しいやらしいですよね。
あとは、これは初期からある技なのですが、環境を変える魔法なんかがありまして。例えば血の雨を3ターン降らせる技があって、そこにヴァンパイア系モンスターが入っているとその間回復している、という。でも、ドラゴンやリザードマンなど続投しているモンスターもいます。
本当はね、モンスターに関してはガラッと変えてしまおうかとも思ったんです。でもやはり、『ブリガンダイン』はシリーズを重ねてきて、ストーリーは繋がっていないですし設定も違いますが、ユニットまでガラッと変えてしまうと戸惑われてしまうかな、と。
シリーズのお約束は残しつつ新しい風を入れたって感じです。僕の趣味で行くと、凄くマイナーなモンスターばかりになってしまうので(笑)。
――モンスターの話を続けさせてください。前回のインタビューで「「雇用」する仲間の設定にした」と仰っていましたが、加入時から強いモンスターを雇う、みたいなことも可能なんですか?
齋藤: 本作では拠点レベルを上げることができます。レベルアップすると国によっていろんな効果があるんですけれど、その中に「特定モンスターの能力が向上する」や「アイテムを安く購入」、「魔法ダメージUP」などの効果がありますね。

これ、ちょっとこだわりポイントなのですが、前作のモンスターはマナというエネルギーで召喚して使役する設定で……なんか少し武器というか、兵器みたいだな、と。使い捨てみたいで、それが嫌だったんです。なので今作は設定を変えて、お金で雇うという設定にしました。これはもう最初から「こういう設定にさせてください」とお願いしました。
物語にも「人間とモンスターの絆」みたいなお話があります。メインストーリーにも、主要メンバーとしてドラゴン、ピクシー、リザードマン親子が出てきますよ。

――お話……実は前作を遊んでいるんですが、その中で「攻め込んできた敵国を滅ぼしたけれど、他の国とは特に何があるわけでもないし、これからどうしよう?」ってシーンがあったんですよ。攻め込まれていないのに攻め込んでも良いのかな、みたいな。本作でもそういう状況になったりとかは……?
齋藤: 全くおきない……とは言えないのですが、メインのお話とかだと「この拠点は何節までは攻め込めません」みたいな設定は設けさせてもらっています。メインストーリーはお話が一本道なので、そういう違和感のある状況は減っていると思います。
ただ、先ほどミッションモードの話をしたじゃないですか。こちらはもう、何個かの国は目標が「全国統一」という、フリーモードみたいな国もありまして。どんどん攻め込みたい人はそちらを、物語を楽しみたい人はストーリーモードを、どちらも楽しんでいただけるかな、と思います。
――ありがとうございます!新システムについても詳しく伺っても良いですか?
齋藤: 「支援」と「展開」というのがあります。部隊のモンスターを人間のリーダーユニットに「支援」させる。すると、モンスターごとに違う能力がリーダーに付くんですね。例えば「ドラゴンを支援させると1マス多く動ける」とか、「ゴーレムを支援させると攻撃にノックバック効果が付く」みたいな。
『ブリガンダイン』シリーズは、部隊のモンスター編成を考えるのが面白いゲームでもあります。そのモンスターたちの能力を1つ選んでくっつける。どんな能力があるのかを見るというのも面白いし、自分なりのユニットリーダーの戦闘の仕方、みたいなのを考えていってもらえるのが楽しいかな、と思います。
ただ、強いことばかりではないです。「支援」は敵もやってきますし、「支援」している状態は、つまり戦闘できるモンスターが1匹少ない状態なんですね。支援状態を分離させるのが「展開」です。
どこで、どのタイミングで、「支援」するか「展開」するか。任意のタイミングでできるので、それを計算しながらじっくり考えるのも楽しさの1つとしてプレイしていただけたら、と思います。
――多く動けるモンスターを「支援」させて、大移動した先で「展開」、とか強そうですね。
齋藤: そういうのもあります、移動力が少ないゴーレム系を移動させるとか。
あと本作は、第3勢力のNPCユニットがいるんですよ。そのNPCが殺されたら終わり、みたいなイベント戦闘もあったりするので、そういうところで使ってもらったりとか……そうそう、今作はイベント戦闘で負けるとゲームオーバーになります。
どのモードにもイージー、ノーマル、ハードが選択できますが、ハードは結構きつくて、そのあたりまでしっかり考えないと少しクリア大変かな?って感じです。自分で言うのもなんですが、ハードはなかなか殺しにきていて……オートモードで少し確認していると、かなりいやらしい動きをしているなと思いながらずっと見ています。
――では、本作の難易度選択は、敵のかしこさとかそのあたりが違う感じでしょうか?
齋藤: ですね。ただ、「難易度によってエンディングが違う」みたいな意地悪はしていないので、安心していただければと!
――昔のゲームだと結構ありますよね(笑)。
齋藤: ストーリーモードがだいたいクリアに15~20時間くらいかかって、6シナリオで120時間。24個のミッションモードについては、1時間で終わるものもあれば20時間かかるのもあって。なのでまあ、メインストーリーとミッションモード、6+24シナリオで、200から250時間ぐらいは遊べるんじゃないかな、と思います。
――大ボリュームですね、楽しみです!本作の試遊は、2026年3月28日・29日に開催される「ハピネットゲームフェス!2026」でプレイできますが、試遊に来るプレイヤーに向けたひと言をいただけますか?
齋藤: 本当はもうちょっとこう、サクッとクリアできるものが良かったらしいのですが……「あれも見せたい!」「これも見てほしい!」を詰め込んだら、ちょっと……意地悪な難易度になってしまいました。楽しくなっちゃって、つい。

クリアするのは大変だと思いますが、ちょっと皆さん頑張ってみてください。クリアできた人は、かかった時間をぜひ教えてください!
――ありがとうございました!
インタビュー後に「ハピネットゲームフェス!2026」で体験できる試遊版を遊ばせていただきました!


チュートリアルが随所で挟まるため、シリーズに初めて触れる方でも安心してプレイできます。ちなみに今回の試遊版は、製品版のゲームではありえない組み合わせにしている、とインタビューで話されていました。


そして、気になるクリアタイムは……32分21秒でした!30分切りたかった~悔しい!!皆さんも2026年3月28日・29日に開催される「ハピネットゲームフェス!2026」で本作の試遊して、筆者と試遊プレイクリアタイムバトルをしましょう!!
また、Game*Sparkでは試遊版のプレイレポートも掲載中です。今回お聞きした新システムや新モンスターなどもご紹介しているので、そちらもぜひご覧ください。
プレイレポートはこちら『ブリガンダイン アビス』は、PC(Steam)/PS5/Xbox Series X|S/ニンテンドースイッチ2向けに2026年発売予定です。














