気になる新作インディーゲームの開発者にインタビューする本企画。今回は、Winter Crew Studios開発、PC向けに3月18日に早期アクセスが開始されたフィリピン産メトロイドヴァニア『Fallen Tear: The Ascension』開発者へのミニインタビューをお届けします。
本作は、自由度が高い探索を楽しめるメトロイドヴァニアと、奥深い物語をひも解くJRPGが融合した作品。ミステリアスな少年ヒーラは、大切な誰かを守るため、世界の秘密を解き明かす旅に出ます。ヒーラは成長するにつれ、アセンションと呼ばれる特別な力が目覚め、壁を破壊する一撃や、空中を駆けるダッシュが可能に。記事執筆時点では日本語未対応です。
『Fallen Tear: The Ascension』は、2,300円で早期アクセス配信中。


――まずは自己紹介をお願いします。一番好きなゲームは何ですか?
StephenStephen Manalastasです。『Fallen Tear: The Ascension』のクリエイティブディレクターを務めています。私は人生のほとんどをゲームに費やしてきました。特にJRPGやアクションアドベンチャーゲームが大好きです。
個人的にお気に入りの作品は、『幻想水滸伝』シリーズ、『テイルズ』シリーズ、『ファイナルファンタジー』、『メタファー:リファンタジオ』、そして『SEKIRO: SHADOWS DIE TWICE』です。また、メトロイドヴァニアでは、『悪魔城ドラキュラX 月下の夜想曲』、『Ori』、『Hollow Knight』が特に好きですね。これらの作品は、プレイヤーとしての私の好みだけでなく、開発者としてのビジョンにも大きな影響を与えてきました。
――本作の特徴を教えてください。また、そのアイデアはどのように思いついたのでしょうか?
Stephen本作の特徴は、JRPGの要素とメトロイドヴァニアの探索・成長要素を融合している点にあります。本作は基本的にメトロイドヴァニアですが、そこに仲間の加入、関係性の構築、奥深いキャラクター成長といった、JRPGから着想を得たシステムも取り入れています。
このコンセプトは、自分が最も好きなジャンルを組み合わせたゲームを作りたいという思いから生まれました。JRPGには、世界観の構築、パーティシステム、感情に訴えかけるストーリーテリングに魅せられ、一方でアクションゲームやメトロイドヴァニアからは、探索や発見の楽しさに魅了されてきました。『Fallen Tear』は、それらすべての情熱を一つの体験として形にした作品なのです。
――本作の開発にあたって影響を受けた作品はありますか?
Stephenはい、本作は私が本当に大好きな多くの作品から影響を受けています。ゲームでは、『ゼルダの伝説 ブレス オブ ザ ワイルド』、『幻想水滸伝』、『ヴァルキリープロファイル』が主なインスピレーションとなっています。これらの作品は、世界の探索、ストーリーテリング、キャラクターデザインなど、それぞれ異なる面で大きな影響を与えてくれました。
また、アニメからの影響もあり、特に「ワクフ」は、本作のエネルギー感やビジュアルスタイル、冒険の雰囲気に影響を与えています。私たちは一つの作品をそのまま模倣するのではなく、これらの作品から受け取った感覚を組み合わせ、より新鮮で自分たちらしいものへと昇華(アセンション)させることを目指しました。

――本作の開発中に一番印象深かったエピソードを一つ教えてください。
Stephen開発中で最も印象に残っている瞬間の一つは、早期アクセスの開始直前までたどり着いたときです。本作は私たちにとってのデビュー作であり、その段階に到達したことは興奮と同時に大きなプレッシャーを伴うものでした。
早期アクセス開始に向けては、夜遅くまで作業する日々や難しい決断、感情的になる瞬間が数多くありました。そして、早期アクセス開始という節目に到達したことで、これまでの努力が現実のものとして形になったと実感したのです。それは、私たちの夢がついにプレイヤーに体験してもらえる形になった瞬間であり、決して忘れることのできない出来事です。
――早期アクセス開始後のユーザーのフィードバックはどのようなものがありましたか?特に印象深いものを教えてください。
Stephen早期アクセス開始以来、私たちは非常に多くのポジティブなフィードバックをいただいており、開発チームにとって大きな励みとなっています。多くのプレイヤーから、「メトロイドヴァニアというジャンルにまたワクワクできた」という声や、「懐かしさを感じつつも新鮮さがある」といった感想をいただきました。
また、本作のアートスタイル、バトル、世界探索についても高い評価を受けています。中でも特に印象に残っているのは、多くのプレイヤーから届いた「このゲームを特別な一本だと感じた」という言葉です。
さらに、「早期アクセスの段階ですべての要素をしっかり探索し、やり込みたいと思った」という声を聞けたことも、とても嬉しい出来事でした。それは、私たちが目指している体験に本当に共感してもらえた証だと感じています。
――ユーザーからのフィードバックも踏まえて、今後のアップデートの方針について教えてください。
Stephen私たちにとって早期アクセスは非常に重要であり、コミュニティと一緒に本作を作り上げていきたいと考えています。これまでにいただいたフィードバックをもとに、今後は遊びやすさの向上、ゲームバランスの調整、全体的なパフォーマンス向上にも取り組んでいく予定です。
また、プレイヤー体験そのものをさらに洗練させ、よりスムーズで、完成度が高く、探索すること自体がより楽しく感じられるゲームにしていきたいと考えています。コミュニティからのフィードバックは、プレイヤーの皆さんにとって何が大切かを知るうえで非常に重要であり、私たちはそれを真摯に受け止めています。
私たちの最終的な目標は、『Fallen Tear』の完成版を可能な限り最高のものに仕上げることなのです。
――本作の日本語対応予定はありますか?有志翻訳は可能ですか?
Stephenはい、もちろんです。日本語対応は私たちの優先事項の一つであり、すでにロードマップにも記載しています。私自身、日本のゲームから大きな影響を受けてきたこともあり、日本語ローカライズの実装には特に強い思い入れがあります。また、将来的には機会があれば、日本語フルボイスの実装も実現したいと考えています。
有志翻訳やローカライズに関するお問い合わせについては、プレスキットや公式サイトに掲載されている公式チャンネルからご連絡ください。
――本作の配信や収益化はしても大丈夫ですか?
Stephenはい、もちろんです。プレイヤーの皆さんが『Fallen Tear: The Ascension』の配信や動画投稿、収益化(YouTubeやTwitchなど)を行うことは大歓迎です。実際に本作をプレイしている様子やリアクションを共有していただいたり、他の人に本作を広めていただけるのは、私たちにとってとても嬉しいことです。
特にインディー開発チームにとって、コミュニティによるコンテンツは非常に大きな価値があります。本作を紹介したいと考えているクリエイターの皆さんを、全面的にサポートしますよ。
――最後に日本の読者にメッセージをお願いします。
Stephen日本の読者の皆さんへ、心から感謝の気持ちをお伝えしたいです。私は多くの素晴らしい日本のゲーム、特にJRPGと共に育ち、それらはプレイヤーとしてもクリエイターとしても、私に大きな影響を与えてくれました。
ある意味で、『Fallen Tear: The Ascension』は、これまでの人生で私を支えてくれたゲームや物語へのラブレターのような作品です。もし日本のプレイヤーの方にこのゲームを遊んでいただき、本作の中に何かしら気に入ったものを見つけてもらえたなら、本当に嬉しく思います。
このゲームを皆さんと共有することは、私の歩みを支えてくれたクリエイターたちや作品への、ささやかな恩返しのようにも感じています。
――ありがとうございました。


◆「注目インディーミニ問答」について
本連載は、リリース直後のインディーデベロッパーにメールで作品についてインタビューする連載企画です。定期的な連載にするため質問はフォーマット化し、なるべく多くのデベロッパーの声を届けることを目標としています。既に900を超える他のインタビュー記事もあわせてお楽しみください。








