
PlayStationにおけるディスクメディア廃止を巡る動きをきっかけに、この議論が大きな盛り上がりを見せています。
Game*Sparkでも、「ディスクは今後も必要か」「ダウンロード版だけになっても困らないか」「DRMフリーを重視するか」「サービス終了後も遊べるべきか」といったテーマで読者の意見を募集。コメント欄やSNSには、物理メディアを支持する人、ダウンロード販売への移行を受け入れている人、ゲームの保存や消費者の権利を重視する人など、さまざまな声が寄せられました。
本記事では、その中でも特に印象的だった意見を紹介します。
「所有とは約束と権利」物理メディアを支持する声
物理メディアを支持する意見の中で目立ったのは、ゲームを遊び続けることを「所有者の権利」として捉える考え方です。
Lv1100鑑定眼の張り子の虎がおーさん:
たとえばダウンロード方式が先だったら、ディスクは出ていなかったでしょう
でも、ディスク販売を始めたのはメーカーです
ユーザーは、当然、遊べるようにそれを買った訳です
メーカーが遊べるとして提供したものをユーザーが買い、メーカーは一方的な通達のみで取り上げる
所有とは、約束と権利です
ゲームそのもののデータや著作権を所有することと、購入したゲームを継続して遊ぶ権利は別の問題です。それでも、消費者が「購入した」と認識していたものを、メーカー側の判断だけで利用できなくしてよいのかという疑問が示されています。
また、ディスクが必要かどうかよりも、現行世代の途中で方針が変わることを問題視する声もありました。
カガミモチさん:
必要性がどうとかっていうより、
わざわざ別売りの専用ドライブを買わせておいて、一方的に切り捨てるのは酷いなとは思った。廃止にする理由が全部メーカーの都合なんだよな。
同様に、ディスクドライブ搭載モデルや別売りドライブを選択肢として提供してきた以上、物理版を選んだ利用者への配慮が必要だという意見も寄せられています。
るなるぷさん:
物理ソフトは必要。
DL版だけならSteamと体制変わらんぞ?
そもそもディスクレスの思想があったならディスクレスの本体を買ったわ
せめてディスクレスにするのはPS6からにして欲しいね
「ディスクがあっても完全には所有できない」
一方で、現代のゲームでは、物理ディスクを持っているからといって「完全な状態のゲーム」を所有できるわけではないという意見も見られました。
眠眠さん:
「ゲームを所有する」のであれば「完全な形」で所有できなければ意味がないと思っています。今の時代アップデートやDLC、day1パッチは当たり前。ゲームの一部をDLしなくてはいけない以上、パッケージを所持していても「ゲームを所有している」にはならないと思います。なので私はDL派になりました。
発売後のアップデートや追加コンテンツ、Day1パッチを前提とする作品では、ディスクに収録されたデータだけが最終的な完成形とは限りません。
Game*Sparkのコメント欄にも、同様の指摘が寄せられています。
スパくんのお友達さん:
今時のゲームは、紙の本やCD音楽・BD映像作品と違って物理ディスクが完成形ではない
デイワンパッチやアップデート後の姿が完成形なので
出荷時のデータのみ入ってるディスクがあったところで結局プラットフォームのサービス終了時にはダウンロード版と共にゲームへのフルアクセス権を失う
だから個人的にはディスクに固執する意義は大きく失せてると思うダウンロード版でもディスク版でもアップデート後のデータと共にローカル保持できる仕組みがあると嬉しいが
物理版とダウンロード版のどちらを選ぶかではなく、アップデート後のデータを含めて、ゲームをローカル環境に保存できる仕組みを求める意見です。
やすめたさん:
ゲームのセーブがインターネット経由になって、アカウントのログインが必要になっている今、DL版でもディスクでも同じだと思います。現にEAのFIFAシリーズは円盤持っていても以前のバージョンは遊べなくなっているし。
オンライン認証やサーバーとの接続が必要な作品では、ディスクを所有していても、サービスの終了によってゲームの一部または全部が利用できなくなる可能性があります。
「ゲームは所有するものではなく、体験するもの」
「所有」という概念自体にそれほど重きを置かない読者もいました。
細田 淳志さん:
個人的に、ゲームは「所有する」ものではなく「体験する」ものだ、と思うようになりました。
セールで買い込んで大量に積んでも、遊ばなければ無意味だな、と。
ゲームプレイにおける所有資産・リソースは、何よりも遊ぶ時間や体力、能動的な気力ですね。
ゲームソフトを手元に残すことよりも、実際に遊んで得た体験に価値を見いだす考え方です。
同様に、Game*Sparkのコメント欄でも、ゲーム以外の娯楽と比較する意見が寄せられました。
スパくんのお友達さん:
すでにストアが終了した3DSのゲームもほぼDL版で買ってたけど、今でもパッチ含め再DLは可能だし特に困ったことはないな
勿論今後再DLができなくなる可能性もあるのは理解してるけど、そのときは充分遊んだしなってことで諦めるよ
お金を払ったから永久に手元に残る必要があるとはあんまり思っていない
遊園地や映画館やコンサートなんかを筆頭に、お金を払って体験を得て結果物が手元に残らないものはいくらでもあるのにゲームについては完全な所有が問題視されるのは不思議だなと思ってる
10年単位で遊べるものがほとんどだからほかの体験を買うものよりずいぶんと高コスパなんだけどな
ゲームを購入することを、映画やライブ、遊園地などと同じく「体験に対してお金を支払う行為」と捉えています。
ダウンロード派も「永続性」や「保証」を求めている
ダウンロード版を支持する人が、必ずしもサービス終了後に遊べなくなることまで受け入れているとは限りません。
おたけ@テルカ・リュミレース放浪中さん:
・ディスクは今後も必要?
不要・DL版だけになっても困らない?
ストアが永久にDLを保証してくれるなら困らない。買えなくてもDLはさせて欲しい。・DRMフリーを重視する?
上記設問で永続性があるなら不要。・サービス終了後も遊べるべき?
オンライン専用タイトルはそういうものだと諦めている
物理ディスクは必要ないとしながらも、購入済みタイトルの再ダウンロードは保証してほしいという立場です。
名無しさん:
大容量のゲームをインターネットで購入できる今となってはDL版の利点は多い。
しかし、アカウントの停止やサービスの終了で遊べなくなるというリスクからは逃れたいので
一度購入したゲームに関してはずっとスタンドアロンで遊べるようにして欲しいと思っている。
ダウンロード販売の利便性を評価しつつ、メーカーやプラットフォーム側の事情でアクセスできなくなるリスクには対策を求めています。
やうさん:
・ディスクは今後もコレクターズアイテムとしての需要はあると思う
・DL版だけでも直近で困る事は無いだろうが10年後20年後に起動できるハードやアカウントが限定された時に困る
・DRMフリーは今後Steam等がサ終した場合は困るからあるべき
・サービス終了後はオフラインゲームとして買わせて欲しい
現在の利便性だけではなく、10年後や20年後にも作品へアクセスできるかという、長期保存の観点からの意見です。
「購入」ではなく「利用権」であることを明示すべき
ダウンロード版ではゲームそのものではなく、一定の条件下で利用するライセンスを取得しているという説明は、各サービスの規約などにも記載されています。
しかし、それが消費者に十分伝わっているかは別問題だという指摘もありました。
スパくんのお友達さん:
ソニーだけじゃないけど、やらないといけないのは決済時に購入するのはゲームそのものではなく利用権、ライセンスだという事を分かりやすく明記する事だよ(利用規約に書いてあるだろうけどもっと分かりやすく)
物理版もDL版もメリットデメリットがあって多くのユーザーとソニーはDLを取っただけの話。メーカーの都合で遊べなくなると言うけど、物理としてコレクションしたい、中古を使いたいはユーザーの勝手な都合とも言えるしそもそも物理もDLと同じで完璧なものではなく劣化や紛失等でいつかは遊べなくなる。
CSゲームも今後どうなるか不透明な時代で利益を求めるのは悪いこととは思えないし、個人的にはゲーム会社には長く存続して新しいゲームを作り続けて欲しいからソニーの選択自体は仕方ないと思っている。
また、「販売」「購入」という表現自体が誤解を招くという声もあります。
スパくんのお友達さん:
デジタル主流になるのは、時代の流れだからまあ仕方ないんだけど、それなら「販売」「購入」というワードを軽々しく使うのは制限してほしい。勘違いのもとだし、親として子供にどう説明すればいいか分からん。「購入したけど、本当には買ってないんだよ」とか言うのか?
長期的な利用を保証できないのであれば、あらかじめ利用可能期間を示すべきだという意見もありました。
スパくんのお友達さん:
ダウンロード販売が長期契約の一種であれば、何年何月何日までは遊べることを保証すると書いておくべきじゃないかな
さらに、所有権を得られないのであれば、価格にも違いが必要だという声も。
スパくんのお友達さん:
DL版はゲームの所有権とは違うというのなら大幅に安くしてくれないと割に合わないよ
ダウンロード版だけで困ったことはない
長期間ダウンロード版を利用してきた人からは、実際には不便を感じていないという意見も多く寄せられました。
あぐちー フカフカ建設代表さん:
俺はこの10年DL版でしかゲームを購入してないけど、困った事は一度も無いなあ。
昔は『ゲームの所有』とはディスクの事だと思っていたけど、傷が付いたりディスクドライブの読み込み不良でゲームを起動出来なくなったりと、むしろトラブルが多かった。
DL専売になっても俺は困らないよ。
トム放電さん:
・ディスクは今後も必要?
今後買うこともないし必要ないですね・DL版だけになっても困らない?
10年近くDL版でしか購入してないし困らないです・DRMフリーを重視する?
海賊版の問題もあるから、重視はしないかな・サービス終了後も遊べるべき?
メーカーに負担かかるだけだから必要ないです
サアガ@ゲーム専用さん:
ディスクは今後も必要?
→いらない。完全ディスク派だったけど7年前からDL版のみに移行DL版だけになっても困らない?
→全く困らないDRMフリーを重視する?
→重視しない。不正配布のリスクが最終的に市場に影響するためサービス終了後も遊べるべき?
→不要。終了するゲームには理由があるため
ダウンロード版ではディスクの入れ替えが不要で、発売直後から遊びやすいなど、日常的な利便性が高いことも支持される理由です。
物理メディアが与える「安心感」と「ロマン」
物理メディアを求める理由は、必ずしもゲームを永遠に遊べるという技術的な保証だけではありません。
スパくんのお友達さん:
物理派の方はコレクションしたい等様々な理由で購入されると思いますが、結局のところ「現物が手元にある安心感」が欲しいのだと思います。
物理版のソフトは家庭用ゲーム機の魅力の一つだと思って居るのでPSディスク廃止して大丈夫なのか?と思っています。
個人的には物理版もDL版もいつかは何らかの理由で遊べなくなってしまう物だろうと思うし、所有とか権利について考えだすと諸行無常だなって感じです。
ただ消費者側の選択肢が無くなってしまうのは残念です。
物理版もDL版も両方買うので。
コレクションとして棚に並べることや、家族や友人とソフトを貸し借りすること、中古市場を利用できることも、家庭用ゲーム機ならではの文化です。
スパくんのお友達さん:
老害なんだろうということは自覚しつつ、自分の息子は自分の孫と、子供の頃にやったゲーム体験を共有できないんだと思うと悲しいなと思う。
ゲーム屋さんのレジ奥に憧れて部屋をゲームだらけにしたくて生きてきたから、そんなロマンが無くなってしまうことは、ゲーマー人口を減らして衰退して行ってしまうんじゃないかと不安に駆られる。いつまでもPlaystationには、子どもから大人まで世代を繋ぐ遊び場であってほしかったなぁ
物理版には、単にゲームを起動するための記録媒体というだけではなく、思い出や世代をつなぐ品物としての価値もあるのでしょう。
ゲームを残す仕組みをどう作るのか
物理版にも劣化や破損のリスクがあり、ダウンロード版にもサービス終了やアカウント停止のリスクがあります。どちらか一方を選べば、ゲームが永久に残るというわけではありません。
Game*Sparkのコメント欄では、購入済み商品の提供が終了した際の対応を段階的に評価する意見もありました。
スパくんのお友達さん:
販売終了した購入済み商品の扱いは今までの経験だとこんな感想かな
・再DL可 → 大半はこれ、問題なし
・再DL可だけど起動不可 → コンソールでは経験なし、PC版なら誰かが回避mod作ってくれる望みあり
・事前告知ありで再DL不可 → バックアップ出来ればギリ許容範囲
・事前告知なしで再DL不可 → 論外
・他プラットフォーム版のコードをくれる → 神旧作は遊べなくても別に困らない派の意見に同意出来るし実際あまり遊ぶ機会ないけど、
数年経って急にやりたくなって遊び倒すこともあるから遊べる手段は多い方が良いかな
また、ゲームのデジタル化を、社会全体における所有からサブスクリプションへの変化として捉える意見もあります。
スパくんのお友達さん:
あらゆるものがサブスク・シェアにシフトしているので、ゲームのディスク問題もこの流れの一種だろうと思ってる。
消費社会のサイクルが加速しすぎて所有権やアーカイブ化の仕組みが追い付かない状態になってる。
結局その問題点を認識し、所有したりアーカイブしたりするものを取捨選択する選択肢をきちんとユーザーや社会に提供できるのか、というのが現実的な論点になるのだと思う。
「ディスク派」と「DL派」だけでは分けられない
SNSなどでは過激な抗議活動なども観られますが、寄せられた意見を見ていくと、今回の議論は「ディスク派」と「ダウンロード派」の単純な対立で成り立っているわけではありません。
物理版を購入している人の中にも、ディスクだけではゲームを完全に保存できないと理解している人がいます。ダウンロード版を支持している人の中にも、購入済み作品の再ダウンロード保証や、サービス終了時のオフライン化を求める人がいます。
「現物を残したい」「便利に遊びたい」「利用する権利を保証してほしい」「作品を後世に保存したい」「ゲーム会社には新作を作り続けてほしい」――それぞれが重視するものは異なります。
ゲームの販売形態が今後さらにデジタルへ移行していくとしても、「ゲームを買う」とは何を買うことなのか。そして、その作品を将来にどう残していくのか。売る側は買う側に対して、どのようにすれば誠実なのか。
読者の声からは、ディスクかダウンロードかという二項対立ではなく、デジタル時代にふさわしい「ゲームの所有」のあり方そのものが問われていることが見えてきました。
¥55,000
(価格・在庫状況は記事公開時点のものです)







