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「転んだペンギンを起こす」だけの簡単なお仕事です。不穏なローポリ極寒ホラー『Penguin Lifter』プレイレポート

奇妙な高時給バイトの先に待つ光景とは……衝撃的な結末を迎える絶品ホラースリラーゲーム。

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「転んだペンギンを起こす」だけの簡単なお仕事です。不穏なローポリ極寒ホラー『Penguin Lifter』プレイレポート
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2026年7月14日にSteamにてリリースされた、Peace_StudioおよびDonCorsaireが開発するホラースリラー『Penguin Lifter(ペンギンリフター)』のプレイレポートをお届けいたします。

◆『Penguin Lifter』とは?

本作は、極寒の地で「転んだペンギンを起こす」という奇妙なバイトを題材にした、短編サバイバルホラーシミュレーションゲームです。

今や定番ともなっているPS1風のレトロなローポリゴングラフィックで描かれているのが特徴的です。

金欠の主人公は、高額な報酬に惹かれて南極近郊の雪に覆われた孤島へと赴きます。任された仕事は、自分では起き上がれなくなってしまったペンギンたちを起こして助けてあげる「ペンギンリフター」という単純な仕事でした。

プレイヤーは、広大な雪原を徒歩やスノーモービルなどで移動しながら、倒れているペンギンを助けて資金を稼ぎます。得た報酬で拠点のカスタマイズや装備の強化をしながら生き延び、この極寒の基地に隠された不穏な真実を解き明かしていくことになります。

また、プレイヤーは常に「体温(寒さ)」の管理が求められ、極寒の屋外で凍死しないよう拠点や熱源で暖を取りながら動くサバイバル要素を備えています

一見するとシュールで微笑ましい仕事に見えますが、島全体には終始陰鬱で不気味な雰囲気です。なぜこの仕事が存在するのか、島に滞在し業務をこなすうちに様々な疑問と異常な現象が浮かび上がってきます。

Mouthwashing』や『THRESHOLD』などの系統と同じく、ローポリ風のじわじわと迫る精神的恐怖が味わえる不穏な展開が特徴的なスリラーゲームです。

◆操作方法、対応言語など

本作は、キーボード&マウスに対応しています。コントローラーでの操作を試してみましたが、一部アクションは動作するものの、最適化されていないためキーマウでのプレイを推奨します。

操作感は、良くも悪くも普通といった感じですが、初期設定では視点移動が高速になっているのでマウス感度を調整しておきましょう。

そのほかの設定項目は、グラフィックやオーディオなど過不足なくある印象でした。

また本作は、日本語字幕/インターフェイスに対応しており、違和感のない日本語訳で最後までプレイできました。

本作はセーブ機能がありませんが、進行状況そのものは保存されているので、自分の拠点からリトライできます。

◆謎の高時給バイト「ペンギンリフター」となり、不穏な極寒世界をサバイバル

そして本編スタート。ヘリに乗って南極のような極寒の地にやってきた主人公。その理由は、「ペンギンリフター(Penguin Lifter)」という、聞いたこともないような謎の仕事のためでした。

着陸するとプレイアブルになります。本作は、一人称視点で進行し、WASDで移動(+左シフトでダッシュ)、マウスで視点操作、Eキーでインタラクト、Qキーで物を落とす、Tabキーでタスクの確認、スペースキーでジャンプ、右クリックで視点ズームが基本的な操作方法です。

開始直後の目標は、プレイヤーの拠点となる「基地」を確認し、仕事の準備をすることのようです。

一面の銀世界
ペンギン

早速仕事を始めたいところですが、好奇心に駆られてその辺を探索してみます。この地域一体雪に覆われており、主人公以外の人間の気配はない様子。

代わりに、極寒の地らしくペンギンがあちこちにいます。可愛らしいですね。

もう少し足を伸ばしてみると、「B1」と書かれた倉庫のような建物を発見。これはいったい……。

開始早々死亡

しかし、調子に乗ってはしゃぎ回った結果、突然画面が暗転しゲームオーバーになってしまいます

体温はアイコンから確認できる

本作は主人公の体温管理」が最も重要な要素で、生死に直結します。画面左下の体温メーターが真っ白になると死亡するので、しっかり確認しながら行動しなければなりません。

拠点となる基地には、暖炉が設置してあるので暖をとって寒さからの回復を待ちます。

基地には、旧式のパソコンが置いてある部屋と、キッチンや冷蔵庫なども用意されており、長期滞在できるようになっています。

「028」数字の意味とは…?

オブジェクトは色々とありますが、冷蔵庫やロッカーを開けれるくらいで、あまりインタラクトできません。

一通り雰囲気は分かったので、さっさと仕事に取り掛かりましょう。まず、パソコンを開いてチャットを開始。

すると、仕事の依頼主らしき人物からメッセージが届きます。曰く、「仕事は“倒れたペンギンを起こすだけ”の簡単なもの」。「稼いだ金でショップからアップグレード品を購入しろ」とのことで、そこまで難しい作業ではなさそうです。

その冷淡な口調に少し違和感がありますが……。

シュール

外に出てペンギンを探します。おお、確かに転んでしまったのか、見事雪に埋まってますね

ホントに起こすだけ

そして、倒れたペンギンのそばでEキーを押すと、引き起こすことができます。信じられないかもしれませんが、これがプレイヤーの「お仕事」になります

しかも、1ペンギン起こすごとに100ドルが支給される仕組み。日本円に換算(執筆時点)すると、なんと16,336円!!これはヤバい、確実にヤバい仕事です。

ちなみに、全てのペンギンが倒れてるわけではなく、一度に起こせるのは7~8体くらいです。

このヤバ美味しい仕事を怪しみながらも、一瞬で大金をゲットできる魅力に取り憑かれて「仕事」に没頭しました。とりあえず全匹起こしたので、基地に帰還。すると、またもや依頼主からのメッセージが。

曰く、「この土地を監視する衛星担当者が、セクターB2の調査を要求」しているとのこと。なぜわざわざ筆者が極寒の中そこに行かねばならないのか?
そう反論しても、「今さら選択の余地があると思うのか」と突っ返されます。このやりとりの時から、なんだかイヤ~な空気をヒシヒシと感じ出します。

セクターB2までは距離があり、そのままでは凍死するので、言われた通り「防寒ユニフォーム」や「ブーツ」など装備をショップで購入し、耐寒性をアップさせていきます。そうすることによって、よりプレイヤーの行動範囲が広がっていくわけです。

注文すると、物資は即時ヘリポートに投下されます。こんな風に、「ペンギンリフター」としての仕事をこなしてお金を稼いで、装備をアップグレードしてサバイブしていくのが本ゲームの大まかな進め方です。

地図
ヒーター
燃料は常に確保しておかないといけない

ショップでは他にも、燃料(150ドル)、島の地図(250ドル)、体温の回復速度がアップするヒーター(500ドル)などの役立つアイテムから、クリスマスツリー(350ドル)、ラジオといった部屋を装飾できる一品まで豊富です。残念ながら自由に配置することはできませんが、こういう系統のホラーゲームには珍しい拠点アップグレード機能は新鮮でした。

準備が整ったので、いよいよ基地B2への調査に行きます。防寒具のおかげで、凍死せずに辿り着けそうです。

B2基地は廃墟のような有様で、かなり不気味な雰囲気です。懐中電灯で照らしながら恐る恐る調査していきます。

誰が書き残したのか…

2階に行くと、ドラム缶で燃え盛る焚き火とメモが残されていました。この島には誰もいないはずなのに……

オーロラが綺麗

この調査を機に、奇妙な異変が立て続けに起こり始めます。

「出ていけ」
誰かいる……!?

たとえば、基地の裏手に異変を感じて行ってみると、何者かが「出ていけ(Go Awaya)」とメッセージを残していたり、怖くなって部屋に戻ると、ロッカーの扉越しに人の足が…!

実はただの靴でホッとしましたが、明らかに何か異常なことが起こっているのは間違いありません。

死体……?

極めつけは、基地の目の前に「ペンギンの死体」が転がっていたこと。真っ白な雪に滲んだ血が悲しくもあり、そして底抜けに恐ろしい光景です。

一体、誰がなんのために…!?さらに怖いのは、これだけの異常事態にも関わらず、上司はまったく意に介しておらず淡々としていることです。「よくあること」「パニックになるな」「落ち着け」など、まるで何かを隠しているかのような……。

スノーモービルで島全体を探索可能になる

ペンギンリフターをこなしつつ、別ミッションのため「スノーモービル」(2000ドル)を購入。操作性は反応も良いし、スピードも出るし、なにより調査範囲が一気に広がります。ただ、燃料をバカ喰いするので注意。

謎解き要素も一応ある

プレイヤーが過ごしている島はそこそこ広く、放棄された施設が点々とあり、キーロックを解除するための番号を見つけないといけない場所も。謎解き要素も一応ありますが、メモをちゃんと読めば解ける程度なので詰まることはないでしょう。

ただのお気楽な高時給バイトだと思っていたら、徐々に取り返しのつかない異変と恐怖に追い込まれていく主人公。物語の終盤、言われるがままに訪れた廃墟の基地に待っていたモノとは……!続きはぜひ実際にプレイして確かめてください。

◆衝撃的な結末を迎える、秀逸な短編ホラースリラー

本作は、極寒の孤島を舞台に奇妙な「仕事」をこなしながら、生き残るために金を稼いで少しずつ拠点をアップグレードさせていくサバイバル要素など、単なるウォーキングシムではない濃厚なゲームプレイが楽しめます

プレイ時間は、約60~90分でカジュアルに遊べるのも手軽で良い点です。

しかし一番の魅力は、散りばめられた不穏なホラー演出、謎が謎を呼ぶ展開、そしてアッと驚くような結末を迎える秀逸なシナリオにあると感じました

「なぜこの仕事があんな高時給なのか」「なぜ基地は放棄されたのか」「部屋に書かれた数字の意味」など、想像力を掻き立てる素材がたくさんあるため、考察しがいのある作品でした。単純にホラーゲームが好きな人にも、シナリオを読み解くのが好きな人にもオススメです。

『Penguin Lifter』は現在Steamで655円で発売中です。

ライター:DOOMKID,編集:みお


ライター/心霊系雑食ゲーマー DOOMKID

1986年1月、広島県生まれ。「怖いもの」の原体験は小学生の時に見ていた「あなたの知らない世界」や当時盛んに放映されていた心霊系番組。小学生時に「バイオハザード」「Dの食卓」、中学生時に「サイレントヒル」でホラーゲームの洗礼を受け、以後このジャンルの虜となる。京都の某大学に入学後、坂口安吾や中島らもにどっぷり影響を受け、無頼派作家を志し退廃的生活(ゲーム三昧)を送る。その後紆余曲折を経て地元にて就職し、積みゲーを崩したり映像制作、ビートメイクなど様々な活動を展開中。HIPHOPとローポリをこよなく愛する。

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編集/Game*Spark共同編集長 みお

ゲーム文化と70年代の日本語の音楽大好き。人生ベストは『街 ~運命の交差点~』。2025年ベストは『Earthion』。 2021年3月からフリーライターを始め、2025年4月にGame*Spark編集部入り。2026年1月に共同編集長になりました。

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