
2026年5月22日から3日間にかけて、日本最大級のインディーゲームの祭典「BitSummit PUNCH」が京都・みやこめっせで開催されました。
『Buckshot Roulette』や『Mouthwashing』など、一度見たら忘れられない強烈な個性と独自の世界観を持つインディーゲームを次々とヒットさせているパブリッシャー「CRITICAL REFLEX」。今回、同社の創設者兼CEOであるRita Lebedeva氏にインタビューを実施しました。


本記事では、型破りなゲームばかりを送り出すその背景や日本のファンへの想いを伺いました。
「普通のパブリッシャー」であることを捨てた日
――本日はよろしくお願いします。まずは改めて自己紹介をお願いします。
Rita Lebedeva氏(以下、Rita氏):CRITICAL REFLEXの創設者でCEOを務めているRitaです。私たちは、世の中にある「ありとあらゆるイカれたゲーム」を支援しているインディーゲームパブリッシャーです。

――CRITICAL REFLEXの設立経緯と、パブリッシャーとしての特色を教えてください。
Rita氏:CRITICAL REFLEXが始まったのは2021年でした。当初は、いわゆるバラエティ豊かなインディーパブリッシャーとしてスタートしたんです。その頃からビジュアル面などでかなり特徴のあるゲームをピックアップしていて、「CRITICAL REFLEXっぽさ」というのはありました。
その後、今後出るホラー路線の作品をまとめる形で2023年秋に「CR Channel」というサブレーベルを立ち上げたのですが……『Buckshot Roulette』と『Mouthwashing』の成功により、このサブレーベルの方がずっと大きな存在になったんです。引き続きこのような特色のある、ちょっと狂った感じのゲームをこれからもパブリッシングしていきたいと思っています。
――2021年の設立から約5年とのことですが、これまでで最も大きな変化は何でしたか?
Rita氏:(即座に)全部です!(笑)

以前は「大手パブリッシャーのようにリスクを分散して、ポートフォリオにあらゆるジャンルのゲームを揃えるべきだ」という、いわゆるトラディショナル・パブリッシャー(伝統的なパブリッシングモデル)を目指していました。でも、そういったモデルを追いかけるよりも、自分たちの特徴を突き詰めた方がいいと気づいたんです。一つずつ徐々に既存のルールを壊していくことで、今のユニークなCRITICAL REFLEXっぽさが生み出されました。
――タイトルの選定基準について教えてください。
Rita氏:基本的には、ビジュアルがユニークなものや「こんなゲーム他にないよね」というのを第一にしています。
パブリッシャーとして意識してるのは「CRITICAL REFLEXらしさ」という、あまり言葉で表現できないものを広めていくことです。例えば『Buckshot Roulette』と『CARIMARA: Beneath the forlorn limbs』、この2タイトルを横に並べると、類似点はほぼないんです。ただ、両タイトルを遊ぶと「確かにCRITICAL REFLEXらしさがある」というのが大体みんな分かるようになってくるんです。今はこうした感覚をファンの方に提示しています。
一見異なるジャンルのゲームを扱う時にも、既存タイトルと「らしさ」で繋がっていることをファンの方たちが分かるようにするというのが今後の課題です。

日本人は『Buckshot Roulette』をやると性格が変わる
――日本でも『Buckshot Roulette』をはじめ、貴社のタイトルは非常に人気です。日本のプレイヤーの反応はどう見ていますか?
Rita氏:確かにパブリッシャーとしても『Buckshot Roulette』は日本のファンから大きな支持を得ています。ホロライブやにじさんじをはじめとする、色んな配信者が遊んでくれていますよね。普段はちょっとシャイな日本人が、本作に関しては性格が変わるぐらいに配信でプレイしてくれて…。私自身も日本が大好きで今回で10回目の来日なのですが、来日するたびに自分のタイトルが日本人に影響を与えていることをとても誇りに思ってます。
――特に印象に残っている配信などはありますか?
Rita氏:日本語は少しくらいなら聞き取れるんですが、配信はそこまで見ません。ただ、「The k4sen Con」は見てました。開発者のMike Klubnika氏も最初から最後まで見ていたそうで…「こんな風に取り上げてくれるんだ」と、嬉しく思っています。
――今回の「BitSummit PUNCH」ではリアル『No, I'm Not a Human』や、過去にはリアル『Buckshot Roulette』といったゲームの世界を再現する展示をされていますが、今後もこうした試みは続けていきますか?
Rita氏:具体的なことは今はまだ言えませんが、もちろんチーム内では色々と話し合いを進めています。今年の東京ゲームショウに関しては、単にPCを置いてデモ版を遊んでもらうことより貴重な体験ができるような出展を目指しています。イベントでしか経験できないことを提供していきたいですね。
ホラーだけじゃない!実験的で尖ったゲームを世界へ
――次に手がけてみたいジャンルはありますか?
Rita氏:CRITICAL REFLEXをホラーパブリッシャーとして認識している人が多いんですが、実は社内的にはホラーとは思っていません。メインは実験的なものという感じで、尖ったゲームをパブリッシングすることが多いです。
尖ったゲームというのはサイコロジカルでちょっとスリリングな要素があったりするので、結果的にホラーパブリッシャーだとよく間違えられます。『Buckshot Roulette』や『Arctric Eggs』も、両方ともホラーかと言ったらホラーではないのですが、こうしたタイトルをいくつか並べると自然とホラーゲームという感じで取り上げられてしまうのです。

今後は引き続き実験的で尖ったゲームを出しつつ、ぜひ他のジャンルにもチャレンジしてみたいです。
――最後に、日本のファンの皆さんへメッセージをお願いします。

Rita氏:まずは、多大なるサポートを本当にありがとうございます。日本のプレイヤーの皆さんはいつも熱心に遊んでくれて、オンラインでのコメントもよくチェックしていますが、それを見るたびに好きでいてくれているんだと嬉しく思っています。
皆さんには「小さなことに喜びを見つけてほしい」ということ、そして「自分がやりたいと思うことを恐れないでほしい」ということを伝えたいです。もし、一見「自分の好みじゃないな」と思うようなインディーゲームがあっても、ぜひ積極的に試してみてください。インディーの世界には多様なゲームがあり、そこには必ず新しい出会いがあります。これからも私たちのゲームを、そしてインディーゲームを楽しんでください!
――ありがとうございました!












