
2026年5月22日から24日にかけて京都・みやこめっせで開催された日本最大級のインディーゲームの祭典「BitSummit PUNCH」。
ニュージーランド発のゲームタイトルを体験できる「NZ CODE」ブースにて、今回体験したのがクラシックサバイバルホラー『The Florist』です。
初期『バイオハザード』を思い出させる固定カメラホラー

ゲームは花に包まれた場所で、女性主人公「クレア」が目覚めるところからスタートします。彼女がいるのはすっかり朽ち果ててしまった屋敷の中。ところどころに血痕やおぞましい爪痕が残っており、多くの疑問が浮かびますが、ここにいちゃいけないことは明らかです。


というわけで、ひとまず屋敷からの脱出を目指すのですが、特徴的なのはカメラが初期『バイオハザード』シリーズを思い起こさせるような“固定式”なのです。パッド操作とキーボードによるWASD操作が選べるのですが、主人公の向きに合わせて行きたい方向を入力する……いわゆる「ラジコン操作」に懐かしさを感じます。あちらこちらで壁ズリズリ歩きになることは必至。
もちろん、25年以上前の『バイオハザード』の初期作品群と比べるべくもなくグラフィックは美麗。また本作は“花”がキーとなっていることもあり、マップを移動するごとに色鮮やかな画面が広がります。同時にそれはどこか不気味でもあって、レトロな操作性ながらもフレッシュなゲーム体験が味わえます。


またサバイバルホラーらしく、屋敷にはたくさんの“謎解き”ギミックが散りばめられています。画面上に怪しい場所があれば、くまなくインタラクトをしておくことが大切です。今回の試遊では、ブース上に用意されていた手書きの操作説明メモの裏側に、一部謎解きの答えが記されているなどオフラインならではの仕掛けも用意されていました。


ステージを彩る花々は当然、ギミックとしても活用されており、要所要所でクレアの行く手を阻んでいます。今回の試遊デモでは除草剤(冷却スプレー?)のようなアイテムで真っ青な花々を枯れさせて、粉々にすることで先へと進めました。


『バイオハザード』シリーズのオマージュが散りばめられた本作ですが、肝心のクリーチャーは?と思っていると、最後の最後でサプライズが用意されていました。いくつかのギミックを乗り越えて、あとは階段さえ登れば「出口(EXIT)」へたどり着ける……!と心が緩んだ矢先、背後から『The Last of Us』のクリッカーさながら、植物に覆われた化け物がダッシュで襲いかかってきます。
まだラジコン操作に適応しきれていないなか多少パニクってしまいましたが、出口の扉をインタラクトすることで無事に脱出。ふぅ、驚かせやがって……。プレイヤーが一番気になるものをベストなタイミングでぶち当てる、そんな試遊デモの構成に思わず脱帽です。
“美しいけど怖い”ゲームを作りたい…開発者インタビュー
試遊デモを体験した後に、本作のディレクターを務めるフィル・ラーセン(Phil Larsen)氏にお話を伺うことができましたので、その様子もご紹介しましょう。

――大変面白いゲームでした!まず『The Florist』のコンセプトについて教えてください。
フィル・ラーセン氏(以下、フィル氏):『バイオハザード』シリーズや『サイレントヒル』シリーズからの影響が大きいホラーです。色とりどりの花を使って“美しいけど怖い”というものを表現しています。
――ストーリーの確認になるのですが、主人公・クレアはどうしてあの場所に迷い込んでしまったのでしょうか?
フィル氏:クレアは花屋(Florist)なんです。花を届けるために湖畔の町へやってきたんですけど、そこで異変に巻き込まれてしまいました。なにやら感染の影響で怖ろしい花が生えてくる……そんな異変に対して、彼女が科学な知識と好奇心を活かして解決に挑むというのがストーリーの大筋となります。
――街を異変が覆うというストーリーは『サイレントヒル』、ゲームシステムは『バイオハザード』。そしてクリーチャーは『The Last of Us』と……数多くのゲームタイトルのオマージュが感じられたのですが、他にもインスパイアされたエンタメ作品はありますか?
フィル氏:SF映画の「アナイアレイション -全滅領域-」や、日本のアニメなら「地獄楽」からのインスパイアも大きいですね。
――主人公が非武装という点では『バイオハザード』と異なっていますよね。本編ではクリーチャーへの対抗手段が用意されているのでしょうか?
フィル氏:もちろんピストルやショットガンといった物理的な武器を用意しているほか、花屋さんという特性を活かして「毒剤」などを作り、それを使って花を枯れさせることもできます。
――ゲームシステムとして「固定カメラ」を採用した意図についても教えてください。
フィル氏:固定カメラは理想の画角を指定できるのが魅力です。初期の『バイオハザード』のようなレトロな印象を受けるかもしれませんが、そのなかにモダンなアクションや演出を組み込むことで、新鮮なゲーム体験を楽しめるようにしています。
――ありがとうございます。それでは最後に日本のゲームファンに向けてメッセージをお願いします。
フィル氏:小さい頃からずっと日本のゲームを遊んできましたので、日本のホラーゲーム好きに応えられるような、いやそれ以上のゲームが作れるように頑張りたいと思っています。












