気になる新作インディーゲームの開発者にインタビューする本企画。今回は、Rogue Duck Interactive開発、PC/Mac/Linux向けに4月25日にリリースされた自販機経営シミュレーション『自販機シミュレーター』開発者へのミニインタビューをお届けします。
本作は、自動販売機の事業を展開する経営シミュレーション。一台の自動販売機からスタートし、飲み物・お菓子・雑貨を街の隅々まで届けます。様々なお客さんに合わせた商品を取り揃えたり、需要と相場に合わせて価格設定するのが重要。日本語にも対応済みです。
『自販機シミュレーター』は、1,700円(6月26日までは40%オフの1,020円)で配信中。


――まずは自己紹介をお願いします。一番好きなゲームは何ですか?
Erenこんにちは、Erenです。『自販機シミュレーター』のリードデベロッパー兼メインプログラマーを担当しました。本作はRogue Duck Interactiveの中心となるチームによって開発されています。Burakが企画・リードゲームデザイナーを務め、Mücahitがリードアーティスト、そして私Erenがゲームの大部分のプログラミング、システム構築、および技術領域の開発全般を担当しています。
私が一番好きなゲームは『ファイナルファンタジーVII』ですね。記憶に残るキャラクターたち、感情に訴えかけるストーリー、そして唯一無二の世界観は、当時の私に計り知れないほどの衝撃を与えました。日本のゲーム開発者の皆さんが持つ圧倒的なクリエイティビティと職人技は、私が「ゲーム開発者になりたい」と決意する上で、本当に大きな原動力となったのです。今なお『ファイナルファンタジーVII』は、私のゲームデザインやプレイヤー体験への考え方のベースとして、色褪せることなく影響を与え続けています。
――本作の特徴を教えてください。また、そのアイデアはどのように思いついたのでしょうか?
Eren『自販機シミュレーター』は、小さなビジネスからスタートし、徐々に巨大な自動販売機企業を創り上げていく経営シミュレーションゲームです。プレイヤーは商品の選定、価格設定、新たなロケーションへの投資、そして顧客行動の分析を行いながら、ビジネスを成長させていきます。私たちはプレイヤーの皆さんに、単に「自販機に商品を補充する作業」ではなく、「本物の会社を成長させていく手応え」を味わってほしいと考えました。
このアイデアの原点は、日本の独特な自動販売機文化にあります。Burakは以前からこのコンセプトに強い興味を抱いており、「これを奥深いビジネスシミュレーションゲームにしたい」と考えていました。開発期間中、私たちはチーム一丸となって常にディスカッションを重ね、アイデアを洗練させていきました。私たちの目標は、「リラックスしながらも、確かな手応えと達成感を得られる経営体験」を創り出すことだったのです。
――本作の開発にあたって影響を受けた作品はありますか?
Erenはい、私たちは数多くの様々なゲームからインスピレーションを受けています。特にクラシックな経営・開発シミュレーションやマネジメントゲームは、私たちのデザイン哲学に非常に強い影響を与えました。私たちは、プレイヤーに高い自由度を与え、自分だけの戦略を組み立てられるようなゲームが昔から大好きです。
それと同時に、私たちは特定のゲームをそのまま模倣するようなことはしたくありませんでした。私たちの最大のインスピレーションの源は、やはり日本の都市での生活と、日本特有の自動販売機文化そのものです。現実の自動販売機ビジネスの仕組みや、日本のそれぞれの地域が持つ異なる特徴こそが、このゲームの世界観を形作る上で最大のヒントになったのです。

――本作の開発中に一番印象深かったエピソードを一つ教えてください。
Eren開発期間中、最も印象に残っている瞬間の一つは、やはりSteamで本作をリリースした時です。何ヶ月もの間、本プロジェクトに取り組んできたからこそ、プレイヤーの皆さんと本作を共有した瞬間は、信じられないほどのワクワクと緊張の瞬間でもありました。その時まで、私たちは「自分たちの視点」でしか本作を体験することができなかったのです。
そして、プレイヤーの皆さんから寄せられた最初のレビューを読んだのは、本当に特別な体験となりました。私たちが作ったゲームを皆さんが楽しみ、何時間もプレイしてくれている姿を目にした瞬間、これまでのすべての苦労が報われたと心から感じたのです。プレイヤーの皆さんからいただいた詳細なフィードバックは、本作の改善を続けていくための、チーム全体の大きなモチベーションになっています。
――リリース後のユーザーのフィードバックはどのようなものがありましたか?特に印象深いものを教えてください。
Erenリリース以来、世界中のプレイヤーの皆さんからたくさんのフィードバックをいただいています。多くの方に本作の雰囲気や、会社が大きくなっていく成長の面白さ、そして自分だけの会社を自由に育てていける自由度の高さを気に入っていただいています。それと同時に、ゲームバランスやUX、そして快適性の改善に関する、非常に有益な提案もたくさん届いています。
私たちが最も感銘を受けたフィードバックは、「最初はちょっと遊ぶだけのつもりだったのに、気づいたら予想を遥かに超える時間をこのゲームに費やしていた」というプレイヤーの方たちからの言葉でした。経営シミュレーションゲームにおいて、プレイヤーが自分自身で次なる目標を設定し、時間を忘れて長く没頭し続けてくれることほど大事なことはありません。このようなコメントをいただけるたびに、自分たちの方向性が間違っていなかったんだと、大きな確信を得ることができています。
――ユーザーからのフィードバックも踏まえて、今後のアップデートの方針について教えてください。
Eren私たちはリリース後も、コミュニティの皆さんからのフィードバックに常に目を光らせています。プレイヤーの皆さんから寄せられる提案の多くは、私たちの今後のアップデート計画を形作る上で、本当に大きな助けになっているのです。現在、私たちは「まったく新しい商品カテゴリ」「さらなる自販機のアップグレード機能」「自動化システム」、そして「快適性の向上」といった要素について、実装に向けた検証を進めているところです。
さらに、時間の経過とともに自分の会社がより先進的な企業へと進化していくのを感じられるようなシステムの追加にも関心を持っています。例えば、「ドローンやロボットによる配送システム」や「新たなNPCのタイプ」、そして「ミニゲームの追加」などですね。私たちの目標は、定期的なアップデートを通じてプレイヤーの皆さんにさらなる戦略的な選択肢を提供し、『自販機シミュレーター』の世界を拡張し続けていくことなのです。
――本作の日本語対応について教えてください。有志翻訳は可能ですか?
Eren本作は日本から非常に強いインスピレーションを受けているため、日本語対応は私たちにとって最重要事項でした。日本のプレイヤーの皆さんに、できる限り自然な形で本作を楽しんでいただきたいと思っていたのです。そのため、私たちはローカライズにおいて「Gamersky」と密接に協力し、完全な日本語サポートを実現しています。
もしプレイ中に翻訳の問題を見つけたり、ローカライズに関するフィードバックを送りたいと思う方がいらっしゃいましたら、Steamのコミュニティページ、またはRogue Duck Interactiveの公式Discordサーバーを通じてご連絡ください。日本のプレイヤーの皆さんからいただいたご意見をしっかりと活かし、今後も本作のクオリティをさらに向上させていきます。
――本作の配信や収益化はしても大丈夫ですか?
Erenもちろんです。配信や動画作成、そしてご自身の体験を他のプレイヤーと共有していただけることは、私たちにとってこれ以上ない喜びです。プレイヤーの皆さんは、YouTubeやTwitch、その他あらゆるプラットフォームで自由にコンテンツを制作していただいて構いません。特別な許可などは一切不要ですよ。
プレイヤーごとに異なる遊び方でそれぞれが自分だけの独自の戦略を組み立てていく様子を拝見するのは、私たちにとっても本当に楽しいです。コンテンツクリエイターの皆さんの動画は、私たちが思いつきもしなかったような新しい遊び方を教えてくれるだけでなく、今後のアップデートに向けた非常に貴重なフィードバックの宝庫でもあるのです。
――最後に日本の読者にメッセージをお願いします。
Eren『自販機シミュレーター』に興味を持っていただき、本当にありがとうございます。日本の文化、都市での暮らし、そして皆さんの日常生活の中に当たり前のように溶け込んでいる自動販売機は、私たちがこのゲームを開発する上での最大のインスピレーションの源でした。だからこそ、日本のプレイヤーの皆さんにこの作品を体験していただけることは、私たちにとって言葉では言い表せないほど大きな意味を持っています。
これまでに本作をプレイし、フィードバックを共有し、私たちを応援してくださったすべての方々に、心から感謝申し上げます。皆さんの声こそが、私たちが本作をより良いものとし、拡張し続けていくための何よりの原動力です。これからも『自販機シミュレーター』をプレイし、楽しい時間を過ごしていただけることを願っています。そして、今後のアップデートでさらに多くの新要素をお届けできるのを、私たちも楽しみにしています。
皆さんの温かいサポート、本当にありがとうございます!
――ありがとうございました。


◆「注目インディーミニ問答」について
本連載は、リリース直後のインディーデベロッパーにメールで作品についてインタビューする連載企画です。定期的な連載にするため質問はフォーマット化し、なるべく多くのデベロッパーの声を届けることを目標としています。既に900を超える他のインタビュー記事もあわせてお楽しみください。








