今やPC/コンソール/モバイルそれぞれのプラットフォームでサバイバルジャンルの作品は定着していて、多くのプレイヤーがさまざまな世界を舞台にサバイバルを楽しんでいます。
Game*Sparkでは【クラフトサバイバル名鑑】として、同ジャンルが好きな筆者が、定番作品を中心にクラフトサバイバルジャンルの作品の魅力を紹介・解説しています。今回紹介するのは、2025年11月8日に正式リリースを迎えた『Voidtrain』です。

線路は続くよ虚空までも
『Voidtrain』は、地中海のキプロスに拠点を置くHypeTrain Digitalが手がけている作品です。本作は2020年の発表当時『DESOLATE』を開発したロシアのNeargaが開発していると報じられていましたが、現在は開発・販売共にHypeTrain Digital名義となっています。
2020年に開催された「Summer of Gaming 2020」にて公式映像が公開され、2021年8月にEpic Gamesストアにて早期アクセスがスタート。2023年5月にはSteam早期アクセスでの配信も始まっています。ゲームは多くのアップデートを実施し、2025年11月8日に正式版となるバージョン1.0が配信されています。
本作の舞台となるのは、独自の歴史や法則、未来が存在する奇妙で謎に満ちた世界「ボイド」。プレイヤーはこの奇妙な世界に迷い込んでしまったエンジニアとなって、自分だけの異次元急行列車を建造・改築しながら、謎と危険に満ち溢れた世界を冒険していくことになります。
ボイドにはどこまでも続くような線路が設置されています。プレイヤーは線路で旅をしながら周囲から資材を集めたり、停車駅でさまざまな発見や謎解き、戦闘を行いながら列車をアップグレードしていく必要があります。道中は武装兵や危険な虚空サメ、罠も待ち受けているので、生き延びるためには準備は欠かせません。



正式リリース後にもゲームのバランス調整や機能改善を中心としたアップデートは続けられています。2026年2月20日には、ゲーム内に新要素を追加するDLC「Tour de Void」が配信されています。現在はPC(Steam/Epic Gamesストア/Microsoftストア)/Xbox Series X|Sで配信中で、2026年7月30日にはPS5にもリリース予定です。



奇妙な装置の先には異世界が待っていた
本作の物語は、主人公がエンジニアとして極寒の地に赴任したシーンから始まります。やるべき仕事もほとんど無い状況のある日、遭難状態になってしまった主人公は、偶然見つけた小屋へと避難。ここで基本操作を学びながら壊れた装置を直して起動したところ、突如として開いたゲートへと吸い込まれてしまいます。
目を覚ました主人公の周囲には、島や建物の残骸が空に浮かんでいる奇妙な風景が広がっています。幸い自分のいる列車(トロッコ)の足場には重力があり、命綱を付けることで、周囲の空間を泳ぎながら探索はできるようです。周辺の空間を探索して、誰かが残した「日記」を入手することで、いよいよボイドでの冒険はスタートします。





『Voidtrain』では、プレイヤーに語りかけてくるナレーターがいます。ナレーターはゲームの基本的なことを教えてくれたり、アドバイスをくれる存在で、未知の空間で生き残るためには欠かせません。まずはナレーターに従いながら、主人公の拠点にもなる列車を動かしてみましょう。
ゲーム内では列車の先に線路があり、ブレーキと変速機で加速・減速・前進/後退を操作できます。道中には木材や金属、化学薬品などの素材が浮いているので、色々な設備やアイテム製作のためにしっかりと回収しましょう。車外の行動範囲は限られているので、定期的に列車を移動させることも大切です。




線路をある程度進んでいくと、主人公をボイドに飛ばしたゲートのようなものが現れ、列車を駅までワープさせます。本作では、列車の運転パートと駅での探索パートを区切りとしながら物語を進めていくことになるのです。




列車を拡張して快適な旅を
本作の拠点兼移動手段でもある列車には、さまざまな設備を配置できます。重要な設備は「研究テーブル」で、素材から抽出した研究ポイントを利用して新たなレシピをアンロックできます。研究はメインストーリーの進行にも関わるので、素材に余裕があるときには積極的に進めていきましょう。
ゲーム内には食事の要素もあります。空腹になっても死ぬわけではないのですが、戦闘で減った体力を自然回復できなくなってしまいます。空腹ゲージは水を煮沸して飲んだり、畑で取れた有機物を焼いたりすることで回復できます。水は専用の設備を設置することで自然に取得可能です。





旅の途中に訪れる停車駅では、列車をアップグレードすることができます。車両の長さを伸ばせるだけでなく、ゲームの進捗によって別の車両を追加したり、装飾を付けたり、エンジンを新調したりと、さまざまな項目が用意されています。車内は設備を置くスペースが必要なので、拡張していくことで導線もスッキリします。
また、最初の駅では弾数無限のリボルバーを入手し、そこから謎の兵士やボイドに住むサメとの戦闘も発生します。武器はパーツを換装して強化したり、パーツを組み合わせて新しい武器を作ることも可能です。避けられない戦闘も多いので、装備や食事、回復アイテムをしっかり準備することも旅の心得です。





最初は狭い列車も、旅を続けていくとどんどん拡張されて快適になっていきます。ボイド上の素材を自動的に拾ってくれる生物「ルートキャッチャー」の巣を設置したり、離れた場所から回収できるフックをクラフトすることで、劇的に改善されていくのです。




謎の生物ロフリーモは頼れるペット!
ボイドの旅を続けていくと、駅で琥珀から生まれる「ロフリーモ」と出会います。ロフリーモはベッドを配置することで迎え入れることが可能で、列車内のさまざまな設備にアサインすることで、生産補助や列車の防衛など、さまざまな役割をこなしてくれます。
特に重要なのが列車前方のタレットに配置することです。ゲームが進むと線路上に地雷や機雷などの罠が置かれるようになり、列車が接触すれば大ダメージを受けてしまいます。タレットがあれば自動的に罠を壊してくれるので、いちいち停車して自分で破壊する、という手間も減り、快適な旅を続けられるのです。




ロフリーモは停車駅で琥珀を見つけるとどんどん増えていきます。各ロフリーモごとに得意分野もあり、彼らの好物であるキノコを与えると能力も拡張されていきます。ただし、当然ながらロフリーモたちを働かせるためには、キノコだけでなく食事が必要になるので注意しましょう。
本作は基本的に線路を進み続けるゲームなのですが、シナリオ進行でやるべきことがどんどん増えていきます。冒険の範囲も広がり、やがては線路の範囲を超えて移動することにもなりますし、素材の種類も増えて生産管理も大変になっていきます。旅を快適に進めるためには、ロフリーモのサポートは欠かせません。





『Voidtrain』は、迷い込んだ奇妙な空間をカスタマイズした列車で走るという、素晴らしい冒険感を味わえます。サバイバル要素はあまり強いとは言えませんが、豊富な設備や素材もあり、アップグレードでいかに快適に、便利にしていくかという改善計画も楽しめます。
ゲームとしては線路と駅のパートを繰り返す形で、道中イベントやメインストーリーを進めていく形になります。旅はやや単調に感じられますが、自分で列車を操作しながらトラブルへの対処や素材集め、クラフトをしていく感覚は、本作の不思議な世界の雰囲気と相まってとても魅力的です。



少しもったいないのが、やるべきことや設置すべき施設が多すぎることで、中盤くらいまでは列車がゴチャゴチャしすぎてしまうという点。各種機能には説明不足の点も感じられます。ボイドの旅は決して焦らずに理解していくのが大きなポイントです!











