『Intravenous』シリーズは、初期の『スプリンターセル』シリーズからインスパイアを受けて開発された、リアル寄りの見下ろし型シューティングゲームです。『スプリンターセル』をリスペクトしている点からも窺える通り、本作はステルス(隠密行動)に重きを置いたゲームではありますが、攻略方法はそれだけに限りません。敵に発見された際は銃撃戦に移行できるほか、出撃時から重火器を持ち正面突破を試みることも可能です。
本シリーズは記事執筆時点で2作品がリリースされています。本記事では、その両方をやり込んだ筆者が、本シリーズのコアな魅力であると考える「ステルスと銃撃戦が両立するシステム」に着眼点を置きながら、本作の紹介をしていきます。
自然で人間らしい挙動の敵AI

ステルス時、敵AIはプレイヤーの行動だけでなく、マップ上の環境にも反応します。いつもは閉じてあるはずのドアが開いていたり、ずっと点いていた部屋の電灯が消えたりした場合、敵は不審に思いドアの付近を確認したり、電灯のスイッチを点けに来たりします。

また、プレイヤーが敵を殺害した場合は地面に血糊が付きます。死体が無くとも床の血糊を発見した敵は一気に警戒モードに入り、周囲を捜査し始めます。血液を拭き取るといった行動は用意されていないため、敵を処理する位置は慎重に決める必要があります。

表立った戦闘においても、敵はプレイヤーの現在地に一目散に走ってくるというよりは、射撃音からプレイヤーの位置を推測し殺しに向かってくるという印象があります。例えば、ある建物の廊下で銃を撃ってから近くのトイレに入り隠れた場合、敵は最初からトイレに駆けつけるのではなく、廊下に到着してからプレイヤーが居ないことに気付き、それから周囲の部屋の捜索を始めます。

こういった、賢いだけでなく、非常に人間臭い行動をとる敵AIは、ステルスプレイにおいても正面切った戦闘においてもリアルな戦略性をもたらします。
ステルスから銃撃戦へのシームレスな転換

最初は隠密行動でのミッション遂行を計画していた場合、途中で敵にバレてしまうと、他のゲームであればデータをロードしやり直し……というのはステルスゲームあるあるです。
『Intravenous』ではその限りではありません。出撃時に持ち込んだステルス用の武器を敵が落とした銃器と交換し、派手な銃撃戦にその場で備えることができます。または、潜入が発覚した際のことを想定し、マシンガンを一丁持ち込んでおくといいかもしれません。
どのマップにも配置されている敵の数は多いため、交戦においては常に多勢に無勢といった印象を受けます。

しかし、「建物のブレーカーを落とし意図的に暗がりを作り、自身はナイトビジョンを使用する」「常に移動しながら交戦し、居場所を特定され難くする」「グレネードや地雷を活用し、多くの敵をまとめて一掃する」等、本作には対多人数の戦術が豊富に用意されています。
難易度にもよりますが、本作はミッション中にセーブできる回数に限りがあり、頻繁なクイックセーブ&ロードがしづらい作品になっています。そのため、ステルスゲームにありがちな、「難所の前でクイックセーブしステルスを試み、バレたら即ロードしてやり直す」という半ば作業的なプレイが防止されているように思えます。

前述したような臨機応変な戦術がとれる点と、安易なセーブ&ロードでのトライ&エラーがしづらい点が融合し、一回一回のプレイに重みが増し、臨場感を与えます。
重装備でのカチコミも楽しい
本作では、ミッションの出撃時に持ち込む装備を選べます。銃器のほか、麻酔銃、アーマーの有無(重いアーマーほど多くの弾丸に耐えられるが、移動速度が遅い)や、フラッシュバン等の投擲物、EMP(周囲の電灯を一時的に無効化するもの)等です。
『Intravenous 2』では、選んだ銃器を自分好みにカスタマイズすることが可能になりました。マシンガンにドラムマガジンを装着し装弾数を上げたり、ショットガンにスラグ弾を入れて遠距離用に仕上げることも出来ます。

ゲームに慣れてきたら、出撃から戦闘用の装備を着込み、正面突破でのプレイもオススメです。序盤から大勢の敵が駆けつけてきてしまうため、ステルスプレイよりもハードな難易度になりますが、数十人の敵を一人で一掃する爽快感は格別です。グレネードやフラッシュバンを駆使し立ち回り、時には物陰に隠れ敵を待ち伏せします。救急キットの持ち込みを忘れないようにしましょう。

一つのミッションに複数の攻略法がある
本作の最大の魅力は、ステルスと銃撃戦のどちらか片方を選べることではなく、状況に応じて両者の戦略を行き来できる点です。
最初は気づかれることなく建物に潜入し、敵を一人ずつ暗殺しながら進む
発見され応援を呼ばれてしまったため、銃撃戦を展開し敵の数を一気に減らす
援軍が到着する前に場所を移動し、人目につかない部屋に隠れる
敵がプレイヤーを見失い巡回モードに入ったところで、また隠密行動を再開する
このように、本来の計画(ステルス)が崩れてしまった後でさえ、プレイヤー自身のその場の行動によって新たな攻略に発展するシステムが強みです。
総評
ステルスゲームでありながら、ステルスを強要されない。『Intravenous』シリーズは、『スプリンターセル』のようなステルスゲームが好きな人はもちろん、 大勢の敵を相手にした激しい撃ち合いを楽しみたい人にもオススメです。
『Intravenous』および『Intravenous 2』は、Steamで配信中です。











