気になる新作インディーゲームの開発者にインタビューする本企画。今回は、Raffaele Picca氏開発、PC/Linux向けに7月21日にリリースされたサバイバルホラー『MOLDRISE』開発者へのミニインタビューをお届けします。
本作は、ビルを舞台にした一人称視点サバイバルホラー。プレイヤーは全30階のビルをひたすら登り続けます。奇妙な住人たちとの関わり合いや資源管理が重要で、マルチエンディングを採用しているのも特徴です。記事執筆時点では日本語未対応。
『MOLDRISE』は、1,600円で配信中。


――まずは自己紹介をお願いします。一番好きなゲームは何ですか?
Raffaeleこんにちは!Raffaele Piccaです。ドイツのアウクスブルクで家族と暮らしており、41歳になります。私のゲーム開発のキャリアは、1998年に『Half-Life』のMod制作で3Dモデルを作ったことから始まりました。2005年には、PS2向けの『アクアノックス 2』のアーティストとして本格的に活動を開始しました。
私はゲーム開発において「アート」を常に最重要視しており、開発者としての側面が強くなった今でも、ゲーム開発における一番の喜びであり続けています。
好きなゲームはたくさんあります!が、特にフロム・ソフトウェア作品の大ファンです。彼らのゲームは本当に素晴らしい雰囲気を持っていますね。
――本作の特徴を教えてください。また、そのアイデアはどのように思いついたのでしょうか?
Raffaele本作では、私が思う「ゲームの魅力」の様々な要素を組み合わせようと試みました。『Outer Wilds』のような「知識によって先に進む」というのが非常に好きなのですが、それと同時に、とても奇妙で不気味な登場人物たちをゲームの中に加えてみました。
プレイヤーには予想外で驚きに満ちた旅を提供しつつ、強烈で人を惹きつける雰囲気のある場所に詰め込もうとしています。その「場所」自体がすでにひとつの小さな物語であり、プレイヤーはそこを訪れる「訪問者」なのです。
――本作の開発にあたって影響を受けた作品はありますか?
Raffaeleもちろんです!ビジュアル面では、Mike Klubnika氏(訳注:『Buckshot Roulette』などの開発者)の作品から多大な影響を受けています。彼がよく描く薄汚れて荒れ果てた場所には、とても惹きつけられるのです。
また、本作の場所の「空気感」を作る上で刺激を受けた作品は他にもあります。アーヴィン・ウェルシュの小説から受け取ることができる、本能的で、荒削りで、汚れていて、濾過されていない剥き出しの感情を再現しようと試みました。
本作の基本的なアイデアは自然から着想を得ています。「Ophiocordyceps unilateralis(タイワンアリタケ)」、通称「ゾンビアリ茸」と呼ばれる菌類が存在します。以前、これを取り上げたドキュメンタリー番組を見て、非常に強い衝撃を受けました。「もしこれが人間にも感染したら、一体どうなるのだろう?」と。

――本作の開発中に一番印象深かったエピソードを一つ教えてください。
Raffaele『MOLDRISE』の正式版の開発を始めた際、本格的なオリジナル・サウンドトラックが必要だとすぐに確信しました。ビジュアル面でMike Klubnika氏から大きな影響を受けたとお話ししましたが、実は彼が作る音楽も素晴らしく、私自身大好きで普段からよく聴いていたのです。
「もし本作の完璧なサウンドトラックを作れる人物がいるとすれば、それはMikeしかいない」…そう思いオファーしてみたところ、驚いたことに彼が本作を気に入ってくれ、サウンドトラックの制作を引き受けてくれたのです。本当に信じられなかったです。このサウンドトラックは、主要なすべての配信プラットフォームでお聴きいただけます。
――リリース後のユーザーのフィードバックはどのようなものがありましたか?特に印象深いものを教えてください。
Raffaeleいただいたフィードバックは本当に、本当に好意的なものでした。プレイヤーの皆さんは、このゲームと、ホラーに対する少し捻りの効いたアプローチをとても気に入ってくれたようです。「ここ最近で最高のホラーゲーム」「長く心に残る体験」といった声を多くいただいています。正直なところ、ここまでの反響は予想していませんでした。リリースのわずか2週間前でさえ、私自身が自分の作品なのに強い疑いを持っていたほどです。「誰も楽しんでくれないゲームの開発なんて、時間を無駄にしているのではないか」と思い込んでしまう瞬間が、何度もありました。
――ユーザーからのフィードバックも踏まえて、今後のアップデートの方針について教えてください。
Raffaeleプレイヤーの皆さんは、ゲーム全体のクオリティにはかなり満足してくれていると感じています。ただ、頻繁に寄せられるご要望のひとつに「他の言語でプレイしたい」という声があります。そのため、現在はローカライズをよりスムーズに行うためのツール構築を進めており、リリース以降はそれが主な作業となっています。
まずは私の母国語であるドイツ語の翻訳から対応する予定です。また、母国語の頭で一つ一つのセリフを改めて見直していくうちに、英語のセリフの中に少し荒削りな部分が見つかったため、英語テキストのブラッシュアップも行うかもしれません。
さらに、ストーリーの中でまだ完全に納得のいっていないルートがひとつあるため、エンディングをもうひとつ追加することも検討中です。
――本作の日本語対応状況について教えてください。有志翻訳は可能ですか?
Raffaele現時点で本作はまだ日本語に対応していません。もし翻訳をお手伝いいただける方がいらっしゃいましたら、メールでご連絡ください!
フルローカライズされた日本語版が実現できたら本当に素晴らしいですし、何より私の義理の兄(弟)が日本人なので、きっとこのゲームを楽しんでプレイしてくれると思います。
――本作の配信や収益化はしても大丈夫ですか?
Raffaeleはい、もちろんです。本作の動画を収益化していただいてもまったく問題ありません!
――最後に日本の読者にメッセージをお願いします。
Raffaele家族を通じ、日本とはとても深い繋がりを感じています!サポートしていただき、ありがとうございます!
――ありがとうございました。


◆「注目インディーミニ問答」について
本連載は、リリース直後のインディーデベロッパーにメールで作品についてインタビューする連載企画です。定期的な連載にするため質問はフォーマット化し、なるべく多くのデベロッパーの声を届けることを目標としています。既に1,000を超える他のインタビュー記事もあわせてお楽しみください。








