カプコンの2D横スクロールアクションシリーズ『ロックマン』の完全新作である『ロックマン: デュアル オーバーライド』が2017の発売を予定しています。
今回は、発売に先駆けてシリーズプロデューサーの和泉真吾氏、プロデューサーの南谷洋行氏、ディレクターの生田真也氏の3人にお話を伺うことができたので、そのインタビューの内容をお届けします。
新たな能力「チップセット」と「オーバーライド」
———本作は『ロックマン11 運命の歯車!!』以来8年ぶりとひさびさのシリーズ最新作ですが、開発にいたった経緯について教えてください。
和泉氏:おっしゃる通り、『ロックマン11』を出して以降長らくシリーズの完全新作はでていませんでした。しかし、その間も何もしていなかったというわけではなく、さまざまな挑戦や試行錯誤を行っていました。
そういった中でも、やはり2027年は『ロックマン』シリーズの40周年の節目になるということで、是が非でもここで完全新作を出すべきだろうという機運の高まりはありました。35周年に新作を出せなかったことへの心残りなども含め、開発メンバーたちも熱が高まっていましたので、しっかりと準備をし、ベストな体制を整えて今回『デュアルオーバーライド』の開発に取り組んできた形です。
長い間新作が出ていなかったことについては我々としても気にしていたところで、長い間おまたせしてしまった分、今回はかなり力の入った作品に仕上がっていると思います。

———今回の試遊ビルドでは「生存重視」、「火力重視」、「チップセットなし」という3つのチップセットの選択肢をステージ開始前に選ぶことができました。この「チップセット」というのは、実際のゲームでは好きなチップを組み合わせてロックマンの性能をカスタマイズできる要素になっているのでしょうか?
生田氏:そうですね。3種類の選択肢は体験版だけの仕様です。実際のゲームでは、ゲーム中にどんどんとチップが入手できる形になっており、プレイヤーが好きなチップを選んでロックマンの性能をカスタマイズできる形になっています。
チップには、ボタンで発動して能力を発動させるものの他に、「チャージショットが自動でチャージされる」などのパッシブ効果や、「HPが少なくなった時自動でオーバーライドが発動する」などの特定の条件で発動するものなどさまざまなものを用意しています。
———「オーバーライド」のシステムですが、発動中はロックマンの能力は具体的にどのように強化されるのでしょうか。
生田氏:まずは、オーバーライド中は通常のロックバスターが強化されます。そのうえで、チャージショットがダブルチャージショットになります。そして、チャージショットにもう一段階がついかされていまして、チャージショットをさらにチャージし続けると「ファイナルチャージショット」が撃てるようになっています。カメラが寄って演出が入る特別なチャージショットです。

シリーズ2体目の女性型ボス「トゥインクルガール」登場の経緯
———今回公開されたボス「トゥインクルガール」ですが、シリーズとしては『ロックマン9 野望の復活!!』の「スプラッシュウーマン」以来2人目の女性型ロボットのボスになると思います。これまで女性型ロボットが少なかった理由や、今回満を持して登場することになった理由について教えてください。
和泉氏:私は『ロックマン』の本編シリーズに携わるようになって3年ほどで、過去作の詳しい経緯などは把握していないのですが、やはり当時は「強いロボット=男の子」みたいなイメージが主流だったことが理由としてあるのではないかと思います。
今では女の子のヒーローといった存在も主流で、多様性の時代ですから、女性型の強いロボットのキャラクターが出てくるのは必然の流れなのかなと。女性型ロボットのボスはこれまでとはまた違ったキャラクター性を出せて、人気も出やすいのではないか、といった考えもあります。
生田氏:キャラクター性も出ますし、デザインの幅を広げるという意味でも、今回は男性ロボットしか出さないといった意識はせず、バリエーションを出せるように作っています。
南谷氏:開発メンバーも、「これまで女性がいなかったから出そう」というわけではなく、魅力的な敵ロボットを出すことを目標に制作した結果、自然に生まれたキャラクターです。
生田氏:トゥインクルガールは一番最初に作りましたもんね(笑)。
南谷氏:開発メンバーにとっても思い入れのあるキャラクターになっています。

———トゥインクルガール、とても可愛いです。アニメーションも豊かで、ボイスのパターンも多いですが、ボスを魅力的に描くために挑戦した部分などがあれば教えてください。
生田氏:やはり『ロックマン』シリーズは、ゲーム部分だけでなくキャラクターに魅力を感じてくださっている方も多いと思いますので、ボスを魅力的に描くことには特に注力しています。
あと、実は今回、ボスのアニメーションについてはモーションキャプチャーを使っているんです。そのためより滑らかな動きでいきいきとしたキャラクターが描けていると思います。

———ステージやボスを作るにあたって、まず何からスタートしているのでしょうか?制作の順序などについて教えてください。
生田氏:まずはボスをデザインして、そこからステージを考えていきます。たとえばトゥインクルガールは花火を使って戦うようなボスなので、ステージのテーマは博覧会に。ギミックや背景も花火がバンバン打ち上がっているような演出を入れ込んで、あくまでボスのテーマに紐づけて制作しています。

過去作から変化した部分
———今回、これまでと違って「特殊武器」のエネルギーが1度倒された後に全回復するような仕様になっていましたが、これは試遊ビルドだけなのでしょうか?
生田氏:基本的に、今回は倒された後に武器エネルギーは全回復するようになりました。『ロックマン』シリーズは基本的にボスそれぞれに弱点武器のようなものがあり、それを探していくのも楽しみの一つです。これを使えば強かったボスでも倒せる、という経験をより楽しんでいただきたいという意図になっています。
———シリーズではおなじみだったボスのライフゲージの形がこれまでと大きく変わり、横向きのゲージに変わっていますが、これにはどういった意図があるのでしょうか?
生田氏:やはり過去作と違って画面がワイドになっていることもあり、HPゲージが端のほうにあると見づらいのではないかということは意識しています。そうなるとあえて縦のゲージにする必要はないのではないか、ということで横向きになりました。
また、今回はボスごとに体力が異なるようになっています。これまではボスの体力は同じだったんですが、やはり大きいキャラクターと背の小さいキャラクターの体力が同じというのは少し不自然だなと思う部分があり、ここも過去作の概念にはとらわれず制作しています。ただ、ボスのライフゲージについてはまだ調整中なので、今回のものが最終版ではないかもしれないということはご留意ください。

———試遊で遊べたステージのボスの中に「アストロマン」の複製ロボットがいましたが、やはり40周年の節目ということもあって歴代作品のネタをどんどん入れていこうというアイデアが開発内であったのでしょうか?
生田氏:そうですね。この作品が発売される2027年には『ロックマン』は40周年を迎えますので、ファンの皆さんに喜んでいただくアイデアは考えています。その中で、昔遊んだことのあるボス、人気だったボスとの再戦ができるのはやはり嬉しいのではないかということで採用しました。
一方で、今回は新規の方にも遊んでいただきたいという意図もあるので、「アストロマン」はあくまでトゥインクルガールステージの2ステージ目、中間にあたる位置に置いており、最後にはしっかりとトゥインクルガールが待ち受けるという構成にしています。

———こういったファンサービスには、今後も期待していいのでしょうか?
生田氏:『ロックマン』に思い入れのあるスタッフがたくさんいますので、やはりそのあたりは積極的に取り組んでいます。ファンの方であればニヤリとできるような要素を織り込んで開発を進めていますので、楽しみにしてお待ちください。
———ありがとうございました。
『ロックマン: デュアル オーバーライド』は、PC(Steam/Epic Gamesストア)/PS5/PS4/XBOX Series X|S/XBOX One/ニンテンドースイッチ/ニンテンドースイッチ2向けに2027年発売予定です。










