2025年にアートディンクが発表した「ARTDINK GAME LOG」は、『太陽のしっぽ』『アクアノートの休日』など、同社の有名・名作タイトルを現代のゲームハードへ移植・復刻するプロジェクトです。
公式サイトのプロジェクト紹介欄には『アトラス』『カルネージハート』『A列車で行こう』といったタイトルが並び、老舗ゲームメーカーであるアートディンクの歴史を感じさせます。記事掲載時点では第3弾タイトルは未発表ですが、新たな動きを待ちたいところです。
筆者はアートディンクのファンとして、「ARTDINK GAME LOG」への移植祈願として、過去に『Neo Atlas II』『風のノータム』を紹介してきました。今回はその紹介記事の第3弾として、1998年にプレイステーションで発売された『ルナティックドーンIII』を紹介します!
自由な冒険者の旅を
『ルナティックドーン』シリーズは、シナリオに束縛されずに思うがままに生き、世界を動かす「自由な冒険」がテーマのRPGです。
シリーズとしては1993年にPCで発売された『ルナティックドーン』から、2001年のPS2ソフト『ルナティックドーン テンペスト』まで続いていました。

『ルナティックドーンIII』は、初の家庭用ゲーム機向けシリーズ作品として、1998年に発売されました(1999年にPC版も発売)。
舞台となるのは、邪悪なネクロマンサーによって、無数の小さなコロニーへと引き裂かれた世界です。プレイヤーは、引き裂かれた世界を渡り歩く冒険者となり、自分だけの物語を紡いでいきます。


ゲームには、プレイヤーが果たすべき大きな目的は存在しません(エンディングは複数あります)。駆け出しの冒険者から始まり、酒場で依頼を受けたり、ダンジョンを冒険したり、他の冒険者を襲ったり、どのようなプレイスタイルを選んでも問題はありません。もちろん、力が及ばない場合は死という結末を迎えてしまいます。
まずはプレイヤーの分身となるキャラクターや、主人公が暮らすワールドの名前などを決めていきます。キャラクター作成では、称号と名前、見た目や性別のほか、初期のスキル値を設定できます。
スキル値などは、まずは気の向くままで問題ないと思います。さて、すべてを決定したらいよいよ旅の始まりです!

ありがとう、そしてさようなら「ヘルプおやじ」!
『ルナティックドーンIII』の物語は、自分の世界の自宅から始まります。家の中にはゲームのお助けキャラクターの「ヘルプおやじ」がいて、プレイヤーに基本的なゲーム説明をしてくれます。また、最初に仲間にすることも可能。高い防御性能を持つため、戦闘で主人公を守る仲間としても頼りになります。
主人公が住む世界は、「ホームワールド」と呼ばれています。ネクロマンサーによって引き裂かれた世界は非常に狭く、小さな村といくつかのダンジョンがある程度の規模。
最初はまず、村にある酒場で依頼を受けましょう。依頼には配達・探索・モンスター退治・暗殺などの種類があり、月ごとに中身が変化します。





最初に受けるべきは、配達。そうしなければ、基本死にます。駆け出しの冒険者が怪物退治? 無理に決まっている。
配達はマップ内のどこかにいるNPCを見つけて話しかければ完了で、酒場に戻れば報酬を受け取れます。今回のプレイでは、村のカップルの交換日記を1か月間届け続けることで、経験値と金を稼ぎました。なんか、前戯に巻き込まれていない?

依頼や戦闘を続けていくことで、プレイヤーの「スキル経験値」が上昇。本作はそのままではレベルが上がらず、専用のアイテムを使って経験値をレベルに還元する必要があるのです。まずはひたすら配達を続け、お金を稼いでいきましょう。お金があれば装備も買えるし、冒険者を仲間に誘いやすくなります。
ヘルプおやじの耐久性を見込んで、ダンジョンを探索するのもオススメ。ダンジョンには宝箱があり、運さえ良ければ高価なアイテムも入手できます(もちろん罠もあります)。しかし、少しずつ経験を積んでいくうちに別れのときも……。ヘルプおやじは、一定の条件を満たすことでパーティから離れてしまうのです。





プレイヤーの序盤を支えてくれた、ヘルプおやじとの別れ。ここからが、本当の冒険の始まりなのかもしれません。ありがとう、そしてさようならヘルプおやじ!




リンクゲートで無限の冒険に
主人公の住む世界には、「リンクゲート」と呼ばれる設備が存在します。これは、ネクロマンサーによって引き裂かれた世界を繋ぐもので、通常のゲートを使えば自動生成された世界へ冒険できるのです。
他の世界を訪れる意味は大きく、異なる属性の施設を利用したり、冒険者をスカウトしたり、まだ見ぬダンジョンを探索したりできます。基本的にランダムで訪れる世界は一度きりの存在なので、上手く活用しましょう。その世界の冒険者を仲間にするのも、襲うのも一期一会ですね。




リンクゲートでは、「任意のアイテム」「他のCD」「メモリーカードのデータ」を使って世界を生成することもできます。この形式で呼び出す世界には、特定のアイテムが大量に手に入るものや、少し変わった雰囲気のものもあるので、色々と試すことで新鮮な体験も味わえます。
また、リンクゲートには専用のダンジョンもあり、ここを探索するのもゲームの大きなコンテンツです。リンクゲートダンジョンは数百階にも及ぶ巨大な場所で、一度帰還すれば再び1階から挑むことになります。ここでは特殊なアイテムも多く入手できるので、世界を巡って経験を積み、いつか挑みましょう。





『ルナティックドーンIII』には、一つの世界は狭いものの、実質的に無限の冒険の場が用意されています。強くなるためには依頼や戦闘の数をこなすことが重要なので、新たな世界を楽しみましょう。
なお、本作は死ねばゲームオーバーです。リンクゲートではセーブもできるので、冒険前には忘れずに……。


そして冒険の結末は
先述した通り、本作には果たすべき目標はありませんが、ゲームうちに複数のエンディングが存在しています。もっともシンプルなのは、自宅で引退を選ぶか、歳月を経て寿命を迎えるパターン。いずれもこれまでの冒険や生き様を反映したエンディングとなります。
また、冒険の中で獲得できる特別なアイテムや、リンクゲートに捧げることで訪れた特殊な世界に関連するエンディングもあります。もちろん、これらのエンディングを見るのもひとつのプレイスタイルなのですが、いつまでも冒険の旅を楽しむことも不可能ではありません。



そこで重要なのが「結婚」です。ゲーム内では条件を整えることで異性の仲間と結婚することが可能で、2人の間には、やがて子供が生まれることでしょう。生まれた子は年月とともに成長していき、一定年齢になれば一緒に冒険することも、世代交代することもできるのです。
『ルナティックドーンIII』では、どんなプレイでも間違いはありません。意気揚々と世界を巡る冒険に出る、ホームワールドから出ずにミニマムに暮らす、あらゆる場所で悪の限りを尽くす、どれもひとつの生き様です。プレイヤーの行動は世界にも一部反映されますし、その変化を楽しめます。



極端なことを言えば、いきなり難しい依頼を受けて即殺される、己の力量を知らず散っていくのもひとつの冒険でしょう。一見狭いようで、遊ぼうと思えば無限の時間を無限の世界で遊べる、それが『ルナティックドーンIII』なのです。



『ルナティックドーンIII』は、現在公式サイト/Steamで購入できる『ルナティックドーン レジェンドパック』にPC版が収録されています(オンライン機能なし・一部機能が異なる)。しかし、プレイステーション版はディスクを持っているか、PSのゲームアーカイブスで所有していなければ遊ぶことはできません。
とても小さな世界から始まり、無限に作られる世界を自由に冒険できる本作は、プレイヤー次第で最高の遊び場にもなります。もし「ARTDINK GAME LOG」で遊べるようになったら、その独特の世界観を大いに楽しんでほしい作品です。
公式サイトでは、本作の導入部の遊び方をテキストとリンクで読めるようになっているので、こちらをチェックするのもいいかもしれませんね!

さて、次はどのアートディンク作品を紹介しようか……。















