■『Pavilion』 by Visiontrick
『Pavilion』はポイント・アンド・クリック形式のアドベンチャー。まず何よりもそのビジュアルの美しさに心が奪われます。プレイヤーはゴールドのポインターを操作してキャラクターを誘導します。ステージには様々なギミックが用意されており、目的地までキャラクターを運ぶのがゲームの目的。
BitSummitや東京ゲームショウでもすでに展示されていましたが、パズル部分の完成度が非常に高くなってきた印象があります。美しいビジュアルに目が行きがちですが、適度な難易度のパズルは非常に心地よいプレイ感。テキストはほとんどありませんが、ビジュアルから物語が浮かび上がってくるデザイン。非常にモダンで洗練されたアドベンチャーゲームが期待できそうです。
Visiontrickは2名のクリエイターのチーム。別々の国に在住する2人の共同作業であるため、開発ペース自体は非常に緩やか。ゲームとしては『Superbrothers: Sword & Sworcery EP (スキタイのムスメ)』や『Braid』、『ICO』に影響を受けたそうです。『Pavilion』は今年の夏にPS4とPSVitaでリリース予定です。
■『GENSO』 by AstralGate
『GENSO』は日本人クリエイターShoji Hibino氏が制作する「オープンワールド」アドベンチャーゲーム。ここでの「オープンワールド」とはいわゆる3Dの広大な世界という意味ではなく、現実の世界とリンクしたアドベンチャーゲームという意味です。見た目はアーティスティックな2Dアドベンチャーのように見えますが、パズルを解くためのヒントはゲーム内だけにとどまりません。会場に用意されたパピルスのような本を利用して、ゲームを解いていきます。
パズル自体はオーソドックスなもので、数字を入れ替えたり、スイッチを押したり。しかしながら、数字はすべてゲーム内の特殊なフォントで描かれ、それを読み解くには固有のアプリケーションが必要となります。ゲーム内の世界は一度、終末を迎えた廃墟となっており、現実世界に散らばる様々な遺物から過去の文明を読み解いていくというコンセプトのようです。
今回、展示されたものはあくまでもコンセプトを伝えるためのデモとのこと。Shoji Hibino氏は10年越しのライフワークとして本作に取り組んでいくそうなので、完成まではまだまだ待つ必要があります。名作アドベンチャー『MYST』や日本のカルトゲーム『serial experiments lain』に強く影響された本作。好きな人にはたまらない世界観なので、気になる方はチェックしてみてください。
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