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【特集】『レインボーシックス シージ』にも登場する日本警察のSATを解説!謎に包まれた特殊部隊の特徴とは?

ユービーアイソフトのタクティカルシューター『Rainbow Six Siege』の最新アップデートにて、新たに追加された特殊部隊SAT。公開訓練が時折実施されているものの未だ謎多き部隊ですが、設立から現時点までに判明した情報を元に、本部隊についてまとめてみました。

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ユービーアイソフトのタクティカルシューター『レインボーシックス シージ(Rainbow Six Siege)』の最新アップデートにて、新たに追加された日本の警察の特殊部隊SAT(Special Assault Team、特殊急襲部隊)。公開訓練が時折実施されているものの全貌が見えない未だ謎多き部隊ですが、設立から現時点までに判明している情報を元に本部隊についてまとめてみました。

■SAT(特殊急襲部隊)とは。その誕生と歴史~SAPからSATへ~

特殊急襲部隊 ことSATは、90年代に深刻さを増すテロや銃器情勢に対応するため1996年に発表された特殊部隊です。SATは、警備部に属する特殊部隊として編成されており、ハイジャックや人質立てこもり事件など重大事案に対応し、被害者の安全確保と被疑者の検挙が主な任務となっています。

SAT設立当初は、警視庁(東京)と大阪府警、北海道、千葉、神奈川、愛知、福岡の7都道府県で配備され、部隊の規模が約200人でした。また同年の「在ぺルー日本国大使公邸占拠事件」(南米ペルー日本大使館がトゥパク・アマル革命運動ことMRTAに占拠された事件、突入時にSMGのP90が使用されたことでも話題となった)の教訓を踏まえて体制充実が責務となっていたのです。またこの事件に関して、神奈川県警のSATが出動を想定した情報収集を行っており、ドイツのGSG-9と共同で訓練していたとのことです。

SATは、日本赤軍が引き起こした1977年9月の「ダッカ日航機ハイジャック事件」を契機として、警視庁で秘密裏に設立されたSAP(Special Armed Police)を前身としており、内部では“第七中隊”や“特科中隊”などの名称で呼ばれていました。また大阪府警でも似た組織として“0中隊(ゼロ中隊)”が設立されていました。

SAPが編成されたのは1980年代のことで、当時は秘匿された存在でしたが、警視庁の第6機動隊(通称: 潮の六機)に配備されていました。伊藤鋼一氏の著書「警視庁・特殊部隊の真実」によれば、SAPは秘密部隊であるため割り当てられる予算が少なく、銃器や無線機を除くホルスターや手袋などの個人装備類は経費ではなく私費で揃えたようです。またSAP時代に使われた銃器は、機関拳銃にMP5A5やMP5SD6、拳銃にP9S、狙撃銃として64式小銃です。なおSAPが初めて出動/支援した事件は、1995年6月に北海道の函館で発生した「全日空857便ハイジャック事件」でした。他にも警護として1990年の湾岸戦争発生時にはサウジアラビアに派遣された邦人救出機にも同乗しています。

その後、前述の通り1996年にSATが正式発表されています。2005年には沖縄県警にSATが新設され、8都道府県体制となりました。2007年には「愛知長久手町立てこもり発砲事件」を踏まえ(この事件で1人のSAT隊員が殉職してしまった)、警視庁において特殊部隊支援班(SSS: SAT Support Staff、通称スリーエス) が編成されています。また、SATの規模も当初の約200人から約300人へと増強されており、現在もその規模を維持しています。

■現時点で公開され、判明している装備

SATには、公式に自動式けん銃、ライフル・自動小銃、そして特殊閃光弾、ヘリコプター等が配備されています。公開訓練などで明らかになっている装備は、機関拳銃のMP5FやMP5A5、拳銃にUSPとSIG P226R、狙撃銃に豊和工業のM1500などです。また自衛隊も使用している89式小銃も確認されています。アタッチメントは、EO Tech 551タイプのホロサイトと、遠距離に対応出来るブースター(等倍拡大鏡)などですが、各隊員や県警ごとに装着しているアタッチメントなどに違いがあるため、一概に「これが正解」と言えません。

■出動事件。どの事案においてSATは出動するのか

SATは、“ハイジャック,重要施設占拠事案等の重大テロ事件”と“組織的な犯行や強力な武器が使用されている事件”で出動します。

SATは、2000年に発生した「西鉄バスジャック事件」に出動。広島県警と連携し事件解決を支援しました。2001年9月11日に発生した「米同時多発テロ」では、SATに待機命令が出され国内テロの発生に備えていた事に加えて、海外での情報を収拾する国際テロ緊急展開チーム(TRT、Terrorism Response Team)を米国に派遣しています。

2007年4月には、「町田市立てこもり事件」で警視庁SATが、同年5月には「愛知長久手町立てこもり発砲事件」にて愛知県警のSATが出動し支援に当たっています。2012年11月に発生した「愛知豊川信金立てこもり事件」でもSIT(※後述)と共にSATが出動しています。

■「銃器対策部隊」など各警察本部における“テロ対策部隊”

警察には特殊部隊SATの他にも、テロ対策部隊として機動隊に属する銃器対策部隊が存在します。公式に発表されている主な装備は、サブマシンガン、ライフル銃、防弾衣、防弾帽、防弾盾、装甲警備車等です。

約1,900人規模の銃器対策部隊は、1996年8月に全国の機動隊で編成された組織で、銃器使用などの重大事案発生時に、SAT到着までに第一次的な対応を行い、到着時にはSATを支援する部隊です。もちろん、銃器などが使用された事案への対応や、原子力発電所などの重要施設の警戒警備も任務の一部となっています。

さらに各県警に設置された部隊には、特殊部隊としての性格が強いものも存在し、静岡県警察SRP(Shizuoka Riot Police)や埼玉県警察RATS(Riot And Tactics Squad)、警視庁のERT(Emergency Response Team、緊急時初動対応部隊)などがそれに該当します。埼玉県警RATSは、2016年3月に警察学校における実弾を使った訓練を報道陣向けに公開。その内容から隊員達が持つ装備品に着目するとボディーアーマーの他にも、MP5にバイザーストックとマグプル(ポーチからマガジンを取り出しやすくする取り付け型アイテム)、そしてブースターと光学照準器(MP5にハイマウントにしたホロサイトと、1人の隊員にUSPにダットサイトとフラッシュライトを取り付けている)など個人装備の拡充にかなりの力を注いでいるのがわかります。

なお各都道府県別の銃器対策部隊の火器は、MP5を所持していることが共通していますが、個人装備の充足/最新度は各県警によって異なっています。また種類は未発表ですが、大都市圏の部隊に向けて自動小銃や盾などの導入も決定しています。

■「SAT」と「SIT」の違いとは?

SATは、機動隊に属する警察の特殊部隊ですが、前述の銃器対策部隊以外にも刑事部に属する特殊部隊としてSIT(Special Investigation Team 、特殊捜査班だが各県警によって呼び方が異なる)が存在します。

SITは1992年に刑事部に創設された特殊部隊で、ハイジャックや凶器を使用した人質立てこもりや誘拐事件などの一般的な刑事事件に出動する部隊です。強行的に犯人を逮捕する突入専門捜査官以外にもネゴシエーターやスナイパー、無線や電話などに詳しい専門職員などで構成されています。任務は「人質の確保」と「犯人の身柄を拘束/確保」であるため、SATの様にMP5やボディアーマーなどを装備しています。また、人質立てこもり事件などに対処する事が多いため比較的活動を目にすることが多い部隊とも言えます。

■『Rainbow Six Siege』におけるSAT

11月17日のアップデートで追加された新オペレーターとなるSAT隊員は、愛知県警に所属しています。エコーは東京都杉並区出身のロボット工学に才能を発揮する隊員で、「YOKAI」と呼ぶホバリングドローンを操り、ソニックバーストで相手を混乱状態にします。名古屋市出身の今川由美子は、突入を専門とした武術家でもあり、ほとばしるリーダーシップから「火花」と呼ばれる隊員です。愛知県警察特殊部隊に所属し、FBIのSWATやGIGNとの訓練で広範な戦術を持っています。


ECHOとHIBANA

SATは前述の通り配備されている銃火器について発表されていないため、89式小銃やMP5以外の長物は、ほぼほぼ未確認と言える状態です。しかしながら「Operation Red Crow」に追加された銃火器について着目ポイントがあるとすればサイドアームにP229と陸上自衛隊が採用している9mm機関拳銃が、そしてHIBANAの小銃に89式小銃が空挺仕様(折りたたみストック)であることです。


本作におけるSAT隊員の設定的には無理がないように構成されていますが、細かな装備的や外見は他の部隊員と同じように独自のアレンジが施され、よりキャラクター性が強くなっています。そのため、リアルな外見を持つ隊員を操作するというよりは、他の隊員と同じようにそのキャラ特有のアレンジを楽しむのが良いのかもしれません。

参考文献
警視庁『平成9年 警察白書』
警視庁『平成14年 警察白書』
警視庁『平成17年 警察白書』
警視庁『平成23年 警察白書』
警視庁『平成28年 警察白書』
『J POLICE (イカロス・ムック)』 イカロス出版 2009年6月発売
『警察警備最前線 (JPOLICE特選ムック)』 イカロス出版 2010年10月発売
伊藤鋼一(2004)『警視庁・特殊部隊の真実―特殊急襲部隊SAT(Special Assault Team)』 大日本絵画 206pp
『平成23年 回顧と展望 特集「サイバー攻撃の情勢と対策」警備情勢を顧みて』 警視庁 焦点 第280号
《G.Suzuki》

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