5月14日より秋葉原UDXにて「TOKYO INDIE FEST 2017」が開催されました。今回の記事では、気鋭のインディー作品が集うこのイベントで見つけた珠玉のインディーアドベンチャーゲームをご紹介。日本を舞台にしたSFミステリや、AAAタイトルに負けない魅力的なバックグラウンドを提げたエッジーな作品たちのプレイレポートをお届けします。
■『Tokyo Dark(東京ダーク)』(公式Webサイト)
開発: cherrymochi 発売日: 2017年予定
『Tokyo Dark』は近未来の東京を舞台にした探偵アドベンチャー。ポイント&クリック形式の系譜をしっかりと受け継ぎつつ「国産ゲーム」と「海外ゲーム」の両方のテイストを兼ね備えた今作ですが、アナウンス当初からご存知の方も多くいらっしゃるかもしれません。東京インディーフェスではゲーム開始時から10~15分ほどの序盤までがプレイアブル展示され、アニメーションやボイス付き探索パートでその世界観の一部を窺えました。
ゲーム内の展開を左右するであろう「S.P.I.N(正気度や探索進行度、“プロフェッショナル”としての行動などを数値化したもの)」が影響する段階までは辿り着けなかったものの、重厚な物語とアニメテイストのイラストがマッチした今作は海外の「日本産アドベンチャーゲーム」ファンにも刺さりそうな仕上がりでした。
■『29』(公式Webサイト)
開発: humble grove 発売日: 2017年後半予定
『29』は引っ越し直前の2人のルームメイト“Ao”と“Bo”を描くアドベンチャーゲーム。ビジュアル演出は『Kentucky Route Zero』へのリスペクトが強く感じられるもので、もはや『アウターワールド(Another World)』の孫世代のゲームとも言えるでしょう。マップを回転させて探索を進めるゲーム性もさることながら、マジックリアリズムめいた雰囲気の中で生まれるメランコリックな物語は、海外ドラマや洋画ファンにもがっつりウケそうです。
そんな『29』は全編英語ではありますが、公式Webサイトから前日譚となる作品『Friary Road』を配信中。アニメーションやユーザーインターフェイスなど、細かな部分までソフィスティケートされた仕上がりの新世代アドベンチャーゲームを味わいたい方は要チェックです。
■『From_.』(公式Webサイト)
開発: Serina Nakajima 発売日: 未定
「千と千尋の神隠し」の“海原電鉄”のような物悲しさを秘める今作の舞台は、「全てが水に囲まれた水の国」。プレイヤーはとある郵便屋さんとなり、「とんでもないもの」と呼ばれる異型の存在と共に手紙を届けます。ネイビーとブラックで描かれるピクセルアートはミニマルにまとまりつつも不思議な没入感を与えてくれます。
そしてなんと言っても目を引いたのが半個室風の展示ブース。黒い布ですっかり覆われた狭い空間で遊ぶデモプレインは、今作の目指すゲーム体験を的確に描いているように感じられました。ショートフィルムをぼんやり眺めるように、心身共にチルアウトして物語を味わいたくなる作品です。
関連リンク
編集部おすすめの記事
特集
連載・特集 アクセスランキング
-
【特集】『百英雄伝』はなぜヒットした?伝説のRPG『幻想水滸伝』のスタッフが贈る、正義と真実の物語
-
大自然でまったりと暮らすやさしいサバイバルゲーム『Under Canopies』がリラックスしながら遊べそう―非暴力の平和な世界でスローライフ満喫【今週のインディー3選】
-
GWは皆で集まれるチャンス! 『Slay the Spire』の元ネタを含む名作ボードゲームを5つ紹介【特集】
-
【吉田輝和の絵日記】美少女がド派手にスタイリッシュアクション!『Stellar Blade』体験版をプレイ
-
【読者の声】2024年5月発売の新作ゲームは何を買う?―注目タイトルまとめ!
-
『崩壊:スターレイル』渋谷・宮下公園にリアル「ピノコニー」登場!一周年記念イベントを“ファン目線”で楽しんできた【イベントレポ】
-
今週発売の新作ゲーム『Sea of Thieves』『フロントミッション セカンド:リメイク』『FOREVER BLUE LUMINOUS』他
-
『百英雄伝』反体制の危険な本?民衆の喝采を浴びるアウトローの物語「水滸伝」【ゲームで世界を観る#74】
-
海外レビューハイスコア『サガ エメラルド ビヨンド』―これは『サガ』ファンのための『サガ』だ
-
『Stellar Blade』すべての国で無修正版提供と公式明言/ゾンビサバイバル『7 Days to Die』10年以上を経て6月ついに正式リリース/ムチムキ「キャミィ」1/4スケールスタチューが登場【週刊スパラン4/19~】