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【GC 2017】『ハースストーン』開発者インタビュー…最新拡張版と今後の展開について

ドイツ・ケルンで行われているgamescom 2017の会場において、『ハースストーン』の開発者たちにインタビューする機会を得ました。8月11日に登場した新拡張版「凍てつく玉座の騎士団」のことや、今後の展開など、気になることを一気に聞いてみました。

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ベン・トンプソン氏

Game*Spark編集部は、ドイツ・ケルンで行われているgamescom 2017の会場において、『ハースストーン』の開発者たちにインタビューする機会を得ました。8月11日に登場した新拡張版「凍てつく玉座の騎士団」のことや、今後の展開など、気になることを一気に聞いてみました。
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――まずは自己紹介をお願いします。

ベン・トンプソン氏: ベン・トンプソンと申します。『ハースストーン』のアートディレクターをしています。

ジェイソン・チェイズ氏:ジェイソン・チェイズです。『ハースストーン』ではプロダクションディレクターを担当しています。

ジェイソン・チェイズ氏


――『ハースストーン』に関わってどれぐらいになりますか?

ベン・トンプソン氏: 私たち2人は最初期の開発から関わっていますので、私の場合8年ぐらいになりますね。

ジェイソン・チェイズ氏: 私は9年です。『ハースストーン』が公開されたのは3年半前ですが、開発自体はそのかなり前から始まっていました。

――『ハースストーン』が公開された時は、ブリザード・エンターテインメントによる初カードゲームだというのに、その高い完成度に驚かされました。

ベン・トンプソン氏: ブリザード社は昔からトレーディングカードゲームの大ファンでした。『ハースストーン』の公開以前にも様々なカードゲームを研究していたんです。カードゲームというジャンルは、その様々な仕組みを理解するのが大変難しいのですが、それをデジタルに持ってくる際に複雑な部分はできるだけ排除し、可能な限りシンプルでわかりやすく、奥の深いゲームプレイを追求しました。そう言った意味では、アートの面でも貢献できていると思います。プレイしている人だけでなく、見ている人も楽しめるようなゲームを目指しているからです。



――8月11日に公開された拡張版「凍てつく玉座の騎士団」について質問させてください。今回なぜ氷の国が舞台に選ばれたのでしょうか?

ジェイソン・チェイズ氏: 『ウォークラフト』の世界の中でも、アゼロス大陸にある氷の国ノースレンドは評判のいい古典的な舞台でしたので、『ハースストーン』拡張版の舞台に選ばれるのは時間の問題でした。それに凍てつく玉座に座るリッチキングはとてもわかりやすいキャラクターですので、今回の拡張版がちょうど良いタイミングだと判断したのが最初です。そしてヒーローカードのデスナイトなど、様々な新しい要素を追加しようと思った時にぴったりな舞台だったのです。



――今回の拡張版は今までのものとどういった違いがあるのでしょうか?

ジェイソン・チェイズ氏: 先ほども少し話しましたが、まずは舞台ですね。それにリッチキングを重要なキャラクターとして描いています。今までの拡張版でも様々なキャラクターを追加してきましたが、今回は新しい舞台を表現するキャラクターになっています。その他の新しい要素にはヒーローカードの存在が挙げられます。そして「生命奪取」も新しい要素です。今までも同様の効果を持つカードはありましたが、今回の拡張版から多くのカードが持つ特殊能力になりました。その他にも今まではできなかったようなデッキ構成が可能になるなどしています。



――なぜ今回ヒーローカードが追加されたのでしょうか?

ベン・トンプソン氏: 『ハースストーン』の公開当初から、9つのクラスを維持したいと考えていました。しかし同時に、人気のデスナイトを使ってみたいという声も上がっていました。私たちもデスナイトの登場により『ハースストーン』がより面白いものになるという確信があったので、今回登場させることを決めました。しかし9つのクラスは維持したかったので、各クラスが対応するデスナイトに変身するということにし、今回のヒーローカードという形になりました。デスナイトに変身することでゲームプレイが大幅に変わりますが、各ヒーローの個性もしっかりと持ち合わせています。

――各ヒーローに対応するヒーローカードを用意するのは大変ではありませんでしたか?新たに9クラス追加されたようなものにはならなかったのでしょうか?

ベン・トンプソン氏: 変身しても各ヒーローの個性は残るように配慮しています。今回の追加にあたり、各ヒーローがどうすればより面白くなるか様々なアイデアが出され、その中から最適なものが採用されました。アートの面からも、デスナイトにより今までになかったようなデザインのカードが実現しました。各クラスの個性は殺さず、実現できたと思っています。



――今回「生命奪取」が追加されたのはどういった経緯なのでしょうか?

ジェイソン・チェイズ氏: 同じ効果を持つカードは存在しましたが、今回新しく特殊効果として登場することになりました。とても面白い効果なので、もっと広く採用しようと思ったのです。また、今回追加されたデスナイトのキャラクター性にも合った効果だと思っています。

――「生命奪取」は強力すぎる効果になる恐れはなかったのでしょうか?

ジェイソン・チェイズ氏: 今のところ問題ないと思っています。もちろん「凍血の魔王妃ジェイナ」の自分のエレメンタルに「生命奪取」を与える効果は強力ですが、様々なコミュニティからのフィードバックを見る限り、現状問題ないと思っています。


――今回の拡張版は『ハースストーン』全体を大きく変えるようなものなのでしょうか?

ベン・トンプソン氏: どの拡張版も程度の差はあれど、ゲーム全体に影響を与えると思っています。拡張版を出すからには常にゲーム全体に新しい要素を追加しなくてはいけないと思うのですが、同時にゲームを大きく変えてしまうようなものではいけないとも思っています。何か新しい要素を追加しようとする度、この追加が正しいものなのか、正しいタイミングなのかを考えています。初心者には複雑になりすぎていないか、ベテランプレイヤーには物足りないものではないかと、常に自分達に問いかけるようにしています。デザインチームも全体のバランスなどをよく考えて開発しています。デザイナーもエンジニアも、常に大き過ぎる変更になっていないか、新しい要素はしっかり追加されているのかよく考え、拡張版が出るたびに『ハースストーン』というゲームがより面白くなるように心がけています。

――ゲーム初心者にとって複雑にならないよう、常に気を配っていると。

ベン・トンプソン氏: その通りです。私たちのチームには初心者対応のエキスパートがいます。彼女の仕事はチーム全体と協力し、新しく『ハースストーン』をプレイし始めるプレイヤーが楽しめる環境を作ることです。常に新しいプレイヤーが入ってくることは、ゲームを常に新鮮なものにするという意味でも、ゲーム全体にとってとても良いことだと思っています。『ハースストーン』を特定のプレイヤーだけが集まるような場所にはしたくないのです。



――少し気が早いかもしれませんが、次の拡張版の計画はあるのでしょうか?

ジェイソン・チェイズ氏:最近はかなり先のことまで決まった上で開発しているので、すでに次の拡張版のデザインは固まっています。そしてその次の拡張版のデザインも進んでいますし、その次も同様です。この先1年ぐらいのことは同時進行で作業を進めています。これは開発の面でもメリットをもたらします。面白いアイデアが出てきた際に、それを最適なタイミングで出すことができるからです。同時に難しさもあります。最近はコミュニティの動きが大変活発なこともあり、常に新しいことに適応していかないといけないからです。

――『ハースストーン』の開発においてゴールのようなものはあるのでしょうか?

ベン・トンプソン氏:そういう意味では面白いストーリーに力を入れています。今回ミッションを追加したのもそういう経緯からです。コンテンツの追加とストーリーを膨らませることで、ゲームとしての面白さを強化できればいいと考えていて、それが今後1年で達成したいゴールですね。



――最後に日本の『ハースストーン』プレイヤーたちにメッセージをお願いします。

ジェイソン・チェイズ氏: 『ハースストーン』を日本で展開できて大変嬉しく思います。最近は素晴らしい日本のプレイヤーを目にする機会も増え、アジア太平洋選手権でもその活躍は目を見張るものでした。日本で引き続き『ハースストーン』を広めていきたいと思っていますし、とてもワクワクしています。次の選手権で新しい日本のプレイヤーと出会えることを楽しみにしています。

ベン・トンプソン氏: 『ハースストーン』のコミュニティにおいて日本のプレイヤーの存在はとても大切だと思っています。これからより多くの日本人プレイヤーが世界の場で活躍してくれることを期待していますし、次のチャンピオンは日本のプレイヤーになるかもしれませんね。

――ありがとうございました。

《シュナイデル関》

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