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【追憶ゲーマー】『空想科学世界ガリバーボーイ』(1995年)―吉田輝和少年がゲームゲット直後に不良に絡まれた話

ゲーマーの記憶に秘められた過去の“思い出話”を、Game*Sparkとインサイドのライターが連載形式でお届けしていきます。今回は1995年5月26日に発売されたPCエンジンSUPER CDーROM2『空想科学世界ガリバーボーイ』です。

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【追憶ゲーマー】『空想科学世界ガリバーボーイ』(1995年)―吉田輝和少年がゲームゲット直後に不良に絡まれた話
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本当に夢中になったゲームの体験は、若かりし頃でも、たとえ幼少時代のことであっても、記憶に深く刻まれています。祖母とゲーム屋に並んだ発売日、一緒にプレイしたクラスメートの笑顔、家族に隠れてこっそり遊び続けた日々……。そうした当時の出来事も、まるで昨日のことのように鮮明に思い出せるものです。

本企画「追憶ゲーマー」では、そんなゲーマーの記憶に秘められた過去の“思い出話”を、Game*Sparkとインサイドのライターが連載形式でお届けしていきます。

今回は1995年5月26日に発売されたPCエンジンSUPER CD-ROM2『空想科学世界ガリバーボーイ』です。



タイトル:『空想科学世界ガリバーボーイ』
機種:PCエンジンSUPER CD-ROM2
発売日:1995年5月26日
発売元:ハドソン(現:コナミデジタルエンタテインメント)
ジャンル:RPG

あれは僕が小6の頃、毎月のお小遣い制度が導入されて初めてのお小遣いでゲーム版『空想科学世界ガリバーボーイ』を買いに行った時の話……

「空想科学世界ガリバーボーイ」とは!


集英社の月刊雑誌「Vジャンプ」の「G計画」から生まれたメディアミックス作品で、アニメの放送とほぼ同時に発売されたのが、このPCエンジンSUPER CD-ROM2『空想科学世界ガリバーボーイ』なのだ!

本作は、主人公ガリバーを操り、あちらの港で安く物を仕入れ、こちらの港で高く売ってお金を稼ぐ「貿易」を行いながら、ファンタジー要素が混ざったヨーロッパの海を冒険する王道中の王道RPGだ。ストーリーを盛り上げるコミカルなキャラクターや世界観を彩る豪華なムービーも本作を語る上で欠かせない。


そんな『空想科学世界ガリバーボーイ』を買うべく、千円札を握りしめてヘブン状態の吉田少年。

地元の某大学前駅周辺には、今でこそあまり見なくなったがゲーム屋が乱立しており、「あそこのゲーム屋は親の承諾書無しでゲームが売れる」とか「箱説明書無しのゲームソフトが安い」とか店舗ごとに特徴があり、その時行った店は「マイナーハードのソフトが充実してる」ブ〇ートという中古ゲーム屋であった。

大抵の友人は、任天堂のスーパーファミコンの次に買うハードはソニーのPlayStationだったが、僕はオタク特有のマイノリティ思考でマイナーなPCエンジンDuo-Rを買ってしまい、マイナーハード取扱店を探すのにも苦労していた。そんな僕の救世主となったのがブ〇ートだったのだが、ひとつ問題があり、ガラの悪い中高生がよくタムロしている店でもあったのだ。

お小遣いを握りしめてブ〇ートに行き、目当てであった『空想科学世界ガリバーボーイ』を購入する事に成功し、店を出た時その事件は起こった。


おー、お前なんかゲーム買ったんか?

ガラの悪そうな不良高校生2人に声をかけられる小6の僕。

俺らちょっと困ってんねん。金貸してくれへん?

カツアゲであった。

今思えば高校生が小学生をカツアゲするなんて、彼らは不良の中でも相当しょっぱい部類だとわかるが、当時の僕は恐怖でガクガク震えていた。

なー、ちょっとでええから貸してやー

ゲームを買ったお釣りしかない事を彼らに告げると「ええで、ちょーだい

ポケットからなけなしの小銭を差し出そうとした時、震えるあまり手から小銭を落としてしまう。床に散らばる五十円玉、十円玉、一円玉を見てなぜか面白い気分になって……


恐怖のあまり面白い気分になって「フフッ」となる吉田少年。はからずも「おう、金が欲しかったんやろ?拾えや」みたいな感じになる。

不良の彼らの目にもそのように映ったようで「お前舐めとんか!もうええ、買うたそのゲーム寄越せや」と言いながら僕の手からゲームソフトが入ったビニール袋を取り上げ、中身を取り出すが……


……なにこれ?
プレステのパチモン?

そう、この頃はソニーのPlayStationの時代であり、マイナーハードであるPCエンジンの存在は一般人には認知されておらず、彼らもその存在を知らなかったようだ。そして、金も無いし、わけわからんゲームしか持ってない小学生の僕を憐れんだのか「もう行ってええで」と解放してくれた。

すみません、ありがとうございます……」等と、なぜかお礼まで言う低姿勢を見せるが、解放されたらこっちのもんやと気を大きくした僕は、店の前に停めていた自転車にまたがった瞬間「死ねーーーーー!!う〇こ食って死ね!アホー!!」と言語能力のあらん限り振り絞った罵声を浴びせながら逃げ出す。

不良の恐怖を乗り越えた先には『空想科学世界ガリバーボーイ』という楽しみが待っている……そう思うと坂道を登るペダルも軽かった少年であった。

その後、Twitterでこの時の事をちょろっと呟いたのだが


大人になってから高校生にカツアゲされたみたいな呟きになってしまい、リツイートされるたびに「やめてくれ~」という気持ちになるのだった。

そして先日、実家に帰ったついでにその店の前に行ってみたのだが、何年も前に閉店し、今は別の店舗が入っていた。


吉田輝和のプロフィール:17年以上にわたって自画像の絵日記を書き続けているおじさん。近年、「ちおちゃんの通学路(KADOKAWA)」や「お稲荷JKたまもちゃん(一迅社)」、「からかい上手の高木さん(小学館)」をはじめとした人気漫画のモブキャラとして登場しており、日々その存在感が高まっている。ちなみに、巨大な食べ物を作っていく企画でカルト的な人気を誇る個人ホームページ「吉田が巨大な物を作ってますよ」も運営している。
《吉田 輝和》

おじさんの絵を描くおじさん 吉田 輝和

20年近く趣味でおじさんの絵(自画像)を描いていたら、いつの間にかおじさんの絵を描く仕事をするようになったおじさん。「吸血鬼すぐ死ぬ」や「からかい上手の高木さん」など数多くの漫画に、自分でも知らない内にモブとして登場している。 現在はGame*Sparkや他メディアでおじさんの絵やゲームの絵日記を連載中。お仕事の依頼は吉田輝和ツイッターからどうぞ。

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