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産業経営シミュ『Rise of Industry』プレイレポート!20世紀初頭の実業家となって都市の産業を発展させよう

20世紀初頭を舞台に、実業家として地域の産業を発展させていく経営シミュレーションゲーム『Rise of Industry』のプレイレポートをお届けします。

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産業経営シミュ『Rise of Industry』プレイレポート!20世紀初頭の実業家となって都市の産業を発展させよう
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20世紀初頭を舞台に、実業家として都市の産業を発展させていく経営シミュレーションゲーム『Rise of Industry』のプレイレポートをお届けします。

本作はスペインのインディーデベロッパーDapper Penguin Studiosが開発し、Kasedo Gamesによって5月3日にSteamで正式リリースされました。元は『Project Automata』というタイトルで2016年にSteamのGreenlightに登録し、Kickstarterでもクラウドファンディングを行っていました。Kickstarterの方は目標金額を高く設定しすぎたのか(150,000ユーロ)、その10分の1も集まらずにファンディング失敗してしまいました(と言っても12,690ドルは集まったのでインディーゲームとしては多い方だとは思いますが)。

そののち、ビル管理シミュレーションゲーム『Project Highrise』などで知られるKasedo Gamesがパブリッシャーとなり、2017年にitch.ioで現在のタイトル『Rise of Industry』でアルファ版を配信。これが2017年のitch.ioのトップセラーとなりました。翌2018年2月9日にはSteamで早期アクセス版が配信、そして今年の5月3日に正式リリースに至りました。

『Rise of Industry』トレイラー

本作の内容ですが、プレイヤーが行うのは『シムシティ』などのような都市計画ではありません。あくまで実業家として自分のビジネスを軌道に乗せることが目的です。そのためには生産、加工、販売の一連のチェーンを作っていく必要があり、ロジスティックスが重要になってきます。筆者は昔、『Capitalism 2』というPCの経営シミュレーションゲームにハマっていましたが、系統的はそれに似たものとなりそうです。さっそくプレイしていきましょう。

すべての建設は企業のため



本作にはスタート時の条件を設定してプレイするキャリアモード、限定された条件下で目的達成を目指すシナリオモード、コストを気にせず自由に建設できるサンドボックスモード、それとチュートリアルが用意されています。ただチュートリアルはちょっと説明不足な感じで、この手の経営シミュレーションゲームに慣れていないと何をやっていいのか(そもそも何をやっているのか)よくわからないということにもなるかと思うので、そのあたりも補いつつ説明していきます。

先ほども述べたように、本作は『シムシティ』などの建設ゲームとは一線を画しています。建設を行う理由は、あくまで自分の企業の繁栄のためです。たとえば川や湖からポンプで水を汲み上げ、浄水場でろ過する施設を造ったとしても、それは自分の企業が利用するためであり、公共の福祉のためではありません。都市は環境によって自動的に育ったり衰退したりするものであり、プレイヤーはその都市に乗り出し、自社の製品を売って利益を得るのが仕事です。企業の繁栄は、結果としてその地域の活性化にもつながっていきます。


キャリアモードでプレイすると、まずはゲーム設定画面が表示されます。かなり細かい設定が可能ですが、最初のうちはよくわからないと思うので、「PRESET」のところを「NEWCOMER」にしてプレイすればいいかと思います。サンドボックスモードだと資金が無限でテックツリーも最初からすべて解除されているため、最初にこれを遊んでしまうと試行錯誤する楽しみや、20世紀初頭という舞台からだんだんと技術発展していく楽しみがなくなるので筆者的にはあまりおススメしません。


ゲームを開始すると、広いマップ内に都市(町規模のものもありますが、便宜上すべて都市と呼びます)がいくつか散在しているのが見られます。プレイヤーはまずどこかの都市で企業活動や建設をするための許可を取る必要があります。方法は2つあり、企業の本社を配置するか、オークションで権利を買い取るかです。最初は本社の建物を配置できるので、好きな都市の近くに置きましょう。各都市では採取できる資源が決まっているため、そのあたりも考慮する必要があります。


オークションの場合、他の企業と入札価格を競うことになります。本作はリアルタイムでオークションが行われるので、相手がこちらより高い金額を提示してきたら、負けじとさらに高い金額を提示しましょう。競う相手がいなくなれば落札です。

技術ツリーと生産物



本作では生産できるものが農業から重工業、精密機器など多岐に渡っています。これらは技術ツリーを解除することで増やせますが、最初に3つだけ無料で技術を取得できるため、その量の多さからいったい何を選べばいいのか迷うかと思います。タウンセンターを見れば都市の需要がわかりますので、最初のうちは生産が簡単で高く売れそうなものを選ぶのがいいでしょう。とりあえず小麦が簡単そうですし相場が高いので、これを選択します。


作るものが決まったら、次は技術ツリーのアンロックです。スタート時のアンロックを間違えるとそもそも生産自体ができなくなるので、何を作るかをしっかり決め、それに必要な技術を取っていく必要があります。小麦を生産したいのでしたら、小麦畑の技術をアンロックしましょう。


都市から少し離れたところに小麦畑を作ります。それぞれの施設には影響を及ぼす範囲があるので、位置も考慮しておきましょう。それと小麦畑は設置しただけでは生産はされません。生産チェーン(画像の左にあるウィンドウ)を見ると「水」が必要だとわかりますので、これを入手することを考えます。


湖のそばに浄水場を設置し、ポンプで水を組み上げます。また水を運ぶための道路も設置。水は多くの生産物の基礎となりますが、木材や石炭など生産物によっては水が不要な場合もあるので、必ずしも浄水場を設置する必要はありません。生産物に合わせた建設を行いましょう。


産業においてもっとも重要なのはロジスティックスです。運ぶ手段がなければ人々のもとに届けることができませんし、利益を得ることもできません。倉庫を作ることで運送トラックが動き出し、生産物を運搬したりストックしたりすることが可能になります。またストックする物資の種類や量のカスタマイズも可能なので、上手く使ってロジスティックスを最適化しましょう。

商品を販売しよう



都市には木材の需要もあるので、浄水場の近くに木材置き場を作って周辺に木こり小屋を建てます。生産された小麦と木材は倉庫に運ばれ、ストックされるように設定しました。しかしストックしているだけでは利益は出ませんので、次はこれらを販売する必要があります。生産地から直接店に送ることもできますが、効率化や在庫のコントロール、渋滞緩和を考えると倉庫で一括管理した方が後々面倒がなくていいかと思います。


タウンセンターを見ると、木材はハードウェアストアに、小麦はファーマーズマーケットに販売することができます。倉庫のメニューからこれらを輸送先に設定しましょう。


倉庫をクリックしてメニューを開き、目的地(Destinations)のタブから輸送先の店(その商品を欲しがっている店)を選びます。しばらく待てばトラックが商品を輸送し、店に届けて利益を生み出してくれます。輸送は無料ではなく、距離が遠ければ遠いほど輸送コストがかかってくるので注意が必要です。


他の都市に倉庫を設置し、倉庫間の長距離輸送を行うにはトラックデポの大型トラックを使います。倉庫の影響範囲内に設置しないと利用できないので、都市ごとに建てておく必要があります。収支がプラスになり、資金に余裕が出てきたら積極的に技術研究を行って、新しい建設物をアンロックしていきましょう。それによって新しい商品を作り出すことができるようになります。


現在は原料をそのまま売っていますが、都市の発展とともに住民のニーズは変化し、付加価値の高い商品を求めてきます。小麦ならば工場を建てて小麦粉にしたり、それをさらに生地やケーキにすることで付加価値の高い商品へと変えていかなければなりません。そのような生産チェーンを作り上げ、効率的なロジスティックスを組み立てていくことが本作の醍醐味と言えます。また工場などによる公害は都市繁栄の妨げになるので、対策施設も造っておく必要があります。都市の成長を考えながら、バランスよく企業の利益を伸ばしていきましょう。

遊びやすいロジスティックスゲーム


本作はカジュアルになった『Capitalism 2』という印象で、コンセプトさえ分かればプレイしやすい作りになっています。20世紀初頭を舞台にしているため、都市のニーズが木材や小麦などの原料から次第に工場での加工を必要とする商品に変わっていくので、プレイヤーは段階的に生産チェーンを組み立てていくことができます。それと、ゲームのキモとなるのはやはりロジスティックスです。ゲームの後半に行けば行くほどいかに効率的な輸送を行えるかが重要になってきます。


技術ツリーでは、最終的には電話やラジオ、車のシャーシ、初期型コンピュータのパーツなどが生産できるようになり、時代の歩みを感じることができます。本作には日本語サポートはありませんが、基本的には名詞が分かればいい程度ですし、Steamのワークショップに日本語Modがありますので(導入は自己責任でお願いします)、プレイする分には大きな問題はないかと思います。またデフォルトでModマネージャーが付いているので、今後のModの広がりにも期待したいと思います。

製品情報


    『Rise of Industry』


    開発・販売:Dapper Penguin Studios、Kasedo Games
    対象OS:Windows、MacOS、Linux
    通常価格:3,448円
    サポート言語:英語、スペイン語、ドイツ語など8カ国語(日本語無し)
    Steamストアページ:https://store.steampowered.com/app/671440/Rise_of_Industry/


■筆者紹介:渡辺仙州 主に中国の歴史ものを書いている作家。母は台湾人。人生の大半を中国と台湾で過ごす。中国の国立大学で9年間講師を勤め、現在台湾在住。シミュレーションゲーム・ボードゲーム好きで、ブログ「マイナーな戦略ゲーム研究所」を運営中。著書に「三国志」「封神演義」「封魔鬼譚」(偕成社)、「文学少年と運命の書」(ポプラ社)、「三国志博奕伝」(文春文庫)など。Twitterはこちら
《渡辺仙州》

歴史・シミュ・ボドゲ好き 渡辺仙州

主に中国ものを書いている作家。人生の理念は「知られていない面白いもの」を発掘・提供すること。歴史・シミュレーションゲーム・ボードゲーム好きで、「マイナーゲーム.com」「マイナーゲームTV」を運営中。著書に「三国志」「封神演義」「西遊記」「封魔鬼譚」(偕成社)、「文学少年と運命の書」「天邪鬼な皇子と唐の黒猫」(ポプラ社)、「三国志博奕伝」(文春文庫)など。

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