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【ゲームで英語漬け:Game*Spark的学習術】第5回『デススト』のダブルミーニングと「ロンドン橋」の謎を紐解く

『ゲームで英語漬け:Game*Spark的学習術』第5回は『DEATH STRANDING』を特集。何層にも重ねられた本作の意味を深く掘り下げます。

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!注意!本記事には『DEATH STRANDING』に関するネタバレが含まれています。また、記事内から案内している外部サイトには遺骨・遺体の画像が掲載されているため、ご留意ください。




『ゲームで英語漬け:Game*Spark的学習術』第5回はコジマプロダクションの処女作『DEATH STRANDING』です。「遊ぶ洋ドラ」ともいえる濃密なカットシーンの連続と、人類文化学、生物進化にまで言及する壮大な物語は、唯一無二の世界観を作り上げています。

ラテン語で司祭のことを「Pontiff」と言いますが、これを英訳すると「Bridge builder」、つまり橋を架ける人という意味になります。「BRIDGES」としてカイラル通信を広げるサムの旅は、UCAという「アメリカ」信仰を布教する旅でもあるのです。

練習問題の解答


1、挽肉の色が変わるまで牛挽肉、ニンニク、タマネギを炒める。
2、角切りのトマト、塩、チリパウダーを加え、約1時間弱火で煮込む。
3、豆を加え、20分煮込む。

ハンマーヘッドのダイナーにあり、冒険の序盤でお世話になる「Chili con carne」こと「チリコンカン」が正解でした。


Let’s play in English:お問い合わせはこちらのメールアドレスへ



主人公サムは伝説の配達業者。仕事上の連絡事項はメールでやりとりします。そのためゲーム中で読むドキュメントはかなりの量となりました。検定試験の長文読解としても使えそうなほどです。口頭の会話とは違って文語的なやや堅い語彙も多いので、すらすら読むのは難しいでしょう。学者との交流も増える後半には、小島監督好みの学術記事のような難解な文章が増えてきます。独特のゲームシステムのためTipsにも文字がびっしり。先に日本語で覚えておかないと安全な配達は難しそうです。


今作の目玉はなんと言っても、フルモーションキャプチャーによる役者の演技。視線、表情、呼吸、間合い、それらが一体となって台詞に深みを与えてくれます。日本語字幕を追ってばかりいるとそれらの全てを受け取るのは難しいです。吹き替えももちろん素晴らしいのですが、ノーマン・リーダスをはじめとする豪華俳優、声優陣の演技を隅々まで堪能するのならば、英語字幕や字幕なしに挑戦してみてはいかがでしょうか。


英語からみる『DEATH STRANDING』:主人公「サム」の意味するもの



ダブルミーニングを多用するのも“A HIDEO KOJIMA GAME”の特徴で、今作も様々な暗喩が取り入れられています。主人公「サム」も例外ではありません。ゲーム中で示唆されているのが「Thumb」と「Someone」です。親指を意味する「Thumb」は劇中でも重要な機能を持つ「いいね!」のジェスチャーに通じます。このサムズアップのジェスチャーは、一説によるとローマの闘技場に遡れるとか。もちろん親指を下に向ければ……。

メールにて配達先から報告される、複数のサムが現れるという不思議な現象「SOMEONE」。平行世界のサムが手助けしてくれる、終盤において最もありがたい存在です。アメリの名前が「Ame」「Lie」となるように、これも「Some」「One」に分けられます。映画「マトリックス」でもあったように、英語で「The One」は救世主、イエス・キリストその人を表します。メールでもサムのことを「The Savoir」と呼び、タールベルト前の施設は十字架の形。これは暗喩で間違いないでしょう。

つまり主人公「サム」は救世主であると同時に、その旅路ですれ違う名も無きプレイヤー達「サムワン」もまた、共に世界を救うかけがえのない存在であるという解釈ができます。孤独だけど、孤独じゃない、サムのアメリカ復活の旅は、世界中の「サムワン」に支えられて成し遂げられるのです。

ロンドン橋にもあった? イギリスにおける生贄の事例



アメリが劇中口ずさみ、BRIDGES専用の着信音でもある童謡「London bridge is falling down」。ロンドン橋の崩落は災害や戦争などで歴史上度々起こっており、アニメ「ヴィンランド・サガ」でもターニングポイントとして舞台に取り上げられました。

ゲーム中でも言及されているように、この「ロンドン橋落ちる」の裏には人柱の伝説があると言う解釈も存在します。当コラムではさらに一歩踏み込んで、イギリスで発見された実際の生贄をリサーチしました。リンク先記事には遺骨・遺体の画像がありますので閲覧にはご注意ください。

リンドウマン 推定年代:紀元1~2世紀、大英博物館所蔵

イングランドのリンドウ泥炭地より発見された、古代ブリテン人の男性です。泥炭地は腐敗がほとんど進まないので、衣装などが当時の形を留めています。第2回で紹介した「ケルト」の呪術儀式が行われた形跡があり、苦痛を抑える手段が執られていました。そのため「彼」は進んで生贄になったと推測されています。当時のイングランドはローマ帝国の支配下にあり、侵略時の記録「ガリア戦記」には「ウィッカーマン」に関する記述もあります。征服の口実にローマ側からは蛮習とされる行為でしたが、再誕を信じるブリテン人にとっては最も尊い行いだったのかもしれません。

巨大地上絵「アフィントンの白馬」 推定年代:紀元前10世紀

『ポケットモンスター ソード・シールド』にも登場するイギリスの巨大地上絵。昨年、その付近から大量の人骨が発掘されました。26体の遺体の中には首を落とされたり、両手足を切断されたものもありました。地上絵は戦勝や豊作の祈願のために描かれ、そこに人間や捧げたと思われます。

ヴァイキングの埋葬 推定年代:紀元11世紀

11世紀のイギリスは「ノルマンコンクエスト」という、ノルマン王朝がブリテン本島に侵攻する戦役に見舞われました。ヴァイキングの戦死者は共同墓地に葬られましたが、そこには直接戦闘に参加しない子供達の遺体もありました。故意に殺害された痕跡があり、戦死者が迎えられるヴァルハラへの道連れとされたようです。

人間の死は最高の捧げ物として、あるいは魔を払う守護者として、有史以来生贄行為は絶えず行われてきました。エジプトの棺を模したポッドに入るBBもまた、それらの延長にいるのでしょう。果たしてロンドン橋の下には何が眠るのか? それは誰にも分かりません。

覚えておきたい英単語集:幅広い専門用語を調べよう


業務メール、アーカイブなど近年のゲームでもまれにみる「文字圧」。眼精疲労を感じたら適度に休憩を挟みつつ、仕事に必要な資料を読んでいきましょう。

  • Distribution:配送、物流
  • Repatriation:帰還者
  • Extinction:絶滅
  • Antimatter:反物質
  • Brain dead:脳死
  • Hematic:血液の~
  • Geologist:地質学者
  • Paleontologist:古生物学者
  • Chiralium:カイラル物質
  • Beached Thing:座礁体、BT

今週のキーフレーズ:So I gotta deliver, for their sake.



最後の届け物へ向かう前、旅を続けて感じたことを吐露するサム。そして「だから俺は届けに行く、みんなのために」と決意表明をします。“for ~’s sake”は「~のために」と言う意味の定型句で、特にこういった誓いの場面でよく使われています。文意上は「for」だけで十分なのですが、何か感情を込めて言う場合にこの“for ~’s sake”が出てくれば気持ちをより強く表現できるでしょう。

また、「神」が入る“for God’s sake”をつけて何かを頼まれるときは、「お願いだから」「後生だから」と言う意味合いを持ちます。“Don’t ~”の時についたなら、その忠告には素直に従っておきましょう。

練習問題:以下の記事を読み、問いに答えなさい。



やや見づらいので、画像をクリック+拡大化した上でお読みください。こちらはゲーム内記事の「ホモ・ルーデンス」に関する考察です。この記事において、ホモ・ルーデンスはどのような影響を与えると書かれているか、日本語で答えなさい。

ホイジンガが提唱し、コジマプロダクションの重要なアイコンでもある「ホモ・ルーデンス」。分断と孤立が始まった今、世界に必要なのは「遊ぶ人」の存在ではないでしょうか。オキシトシン不足を解消する「いいね!」の力が、今まさに試されているように思います。


ネットワークと物流によって、幸いにもまだ私たちは繋がっています。無数の「サムワン」がそれを繋ぎ止めるべく今も戦っているのです。彼らの惜しみない努力に「Thank you」と感謝の言葉をかけてあげてください。
《Skollfang》

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