Game*Sparkレビュー:『あつまれ どうぶつの森』第2回―移ろいゆく季節 2ページ目 | Game*Spark - 国内・海外ゲーム情報サイト

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Game*Sparkレビュー:『あつまれ どうぶつの森』第2回―移ろいゆく季節

ニンテンドースイッチ向けにリリースされた『あつまれ どうぶつの森』のレビューを連載形式でお届けします。第2回は“イースター”までです。

連載・特集 ゲームレビュー
『あつまれ どうぶつの森』
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地形という束縛からの解放


案内所の改築後しばらくゲームを進めると、島の地形を改造する“島クリエイター”が解放されます。できることは道路、河川、崖の3種類の工事で、河川工事では滝も作り出せます。

島クリエイターが使えるようになる前と後では、島作りの自由度がまるで異なります。これまで家具を置いたり、木や花を植えたり、家や施設の場所を決める時には、地形上の制約から妥協を余儀なくされる場面もありました。島クリエイターを使えば、このような問題はほとんど解決します。それに加えて、若干の制限はあるものの、自分の思い描く理想の地形を自由に作り出せるようになるのです。

島クリエイターを使えばスクリーンショット映えする風景も作り放題

道路工事は地面に石畳やレンガなどの装飾を敷き詰める機能です。単に地面の色を変えるだけではなく、上を歩いた時の足音も変わります。あらかじめ用意されている道路の他にマイデザインを使うことも可能です。

河川工事を利用すれば川の流れを変えたり、好きな場所に池を作ることができます。さらに、川を飛び越えるための“高跳び棒”や橋も不要になります。川幅を狭めたり中洲を作ればジャンプで渡れますし、両岸を繋げて川そのものをせき止めることもできるからです。これまで橋が架けられなかった場所も、両岸を整地すれば橋を架けられるようになります。

崖工事では地面の高さを変えられます。平地に丘を作ったり、山を切り崩したりできますが、断崖絶壁は作れません。高さが変わる場所には平らな地面を少し残す必要があります。

川に中州を作れば橋や高跳び棒がなくても簡単に行き来できる

島クリエイターには断崖絶壁が作れない他にも制限があります。海や河口、砂浜や岩場は改造できません。また、使いこなすには慣れが必要です。同じ道路を操作する場合でも、状況によって“塗る”、“消す”、“角を取る”と機能が変わるためです。

前回のレビューでも指摘しましたが、島クリエイターを使っていると視点が自由に変更できないことがますます不便に感じられます。プレイヤーが障害物の後ろに回り込んだ際にカメラの角度が自動調整される場合もありますが、やはり不十分です。

仕事中にウイスキーを飲んでいるところを見つかり取り乱す“しずえ”(麦茶です)

新鮮な驚きに満ちたどうぶつたち


本作のどうぶつたちはプレイヤーの島作りに応じて行動を変えます。一番わかりやすいのは橋や斜面といったインフラで、インフラが整備されるに従ってどうぶつの行動範囲は広がっていきます。橋を架ければ向こう岸を歩き回るようになり、斜面を作れば崖の上に登るようになります。

それだけではありません。本作では柵を設置できるようになりましたが、どうぶつは柵や家具といった障害物を上手くよけて歩きます。例えば、島クリエイターで大通りを作り、その両側に柵を設置すると、どうぶつは柵にぶつかることなく道に沿って歩いてくれます。

どうぶつの行動をつぶさに観察すると、目的地までの道のりを自分で考えて歩いているように見えました。プレイヤーが自由に地形を操作できることを考えれば、これはかなり賢い行動です。ただし、マルチプレイで訪問した島の中には、どうぶつの行動範囲が島の一部に偏っていることもありました。島の構成によっては上手く歩き回れないのかもしれません。

複雑な町並みを作っても住民はしっかり道に沿って歩き回る

本作に登場するどうぶつの言動にはたびたび驚かされます。筆者が偶然見かけた例をいくつかご紹介しましょう。

仕立て屋で“淑女なワンピース”を熱心に見つめていた姉御肌の女性住民に話しかけたところ、独り言で「これを着ればおしとやかに見えるかねぇ?」とつぶやきました。


筋トレが大好きな男性住民の家に遊びに行ったところ、寝ぼけた彼は立ったまま無限にスクワットをする夢を見ていました。


博物館で見かけた読書好きの女性住民に声を掛けると、化石を見ながら太古の昔の“たくましいヒレ”に思いを馳せているところでした。


ご紹介したのはごく一部です。住民がプレイヤーにニックネームをつけたり、病気になったり、ノミに寄生されたりといった、前作から存在するやり取りも健在です。

発売から一ヶ月近くプレイしていると、さすがに住民が見たことのある言動を繰り返すことも少なくありません。しかし、用意されている言動のバリエーションは非常に多く、毎日なんらかの新鮮な驚きがあります。

住民の言葉を聞いて散ってゆく桜のはかなさに気づかされることも

人と人をつなぐゲーム


本作はコミュニケーションを重視するゲームです。そこで最後に、筆者がマルチプレイやユーザーコミュニティを通じて実際に経験したエピソードをご紹介します。

本作には手に持って演奏できる楽器が登場します。ある週末の夜、マルチプレイ中のフレンドと二人で楽器をでたらめに演奏していたところ、ふとひとつのアイデアを思いつきました。

偶然その日は広場で“とたけけ”(『どうぶつの森』シリーズに登場する男性ミュージシャン)がライブをしていました。筆者とフレンドの二人は彼に曲をリクエストすると、その演奏に合わせて楽器をかなで、強引にセッション(即興演奏)を実現したのです。

もちろん、とたけけとセッションすることにゲーム上のメリットはなにもなく、おそらくこのような遊び方は開発者も想定していないでしょう。それでも創意工夫によって自由に遊びを生み出せるところが、いかにも『どうぶつの森』らしい楽しみ方だと感じました。

即興で思いついた“とたけけ”とのセッションは良い思い出に

筆者は経験していませんが、一部のプレイヤーからどうぶつが消失する不具合が報告されています。どうぶつへの感情移入が強い作品だけに、その影響を受けたプレイヤーの心理的なダメージは深刻なようです。例えば、筆者の身の回りではこんな出来事がありました。

筆者が参加しているユーザーコミュニティのメンバーの一人が、フレンドの島から自分の島に住民を引っ越しさせたところ、そのどうぶつが消失する不具合が発生したと訴えました。筆者は同じどうぶつを引っ越しさせられる環境を持っていたので、そのメンバーに改めて引っ越しをやり直してはどうかと提案しました。

ところが、返ってきた答えは「フレンドから譲り受けたどうぶつの記憶がなければ意味がないし、“はじめまして”と言われるのはつらい」というものでした。

この答えを聞いた筆者は、たとえ名前や外見や性格が同じどうぶつでも、“記憶”や“思い出”がなければ意味がないことを悟りました。同時に、本作のどうぶつがいかに人間らしい振る舞いをしているかを改めて実感したのです。

部屋数も増えて前回のレビューから着実に進化したマイホーム

冒頭に述べたとおり、本稿は『あつまれ どうぶつの森』レビューの第2回です。ゲーム序盤のプレイで明らかになる要素は第1回で取り上げており、今回の評価の対象には含めません。



総合評価: ★★★

良い点
・移ろいゆく季節の表現
・共有しやすいマイデザイン
・人間らしく振る舞うどうぶつ
・創意工夫により広がる遊び


悪い点
・イベントの長期化に伴う弊害
・まとめ買いのできない試着室
・制限の多い地形改造


《FUN》


遊ぶより創る時間の方が長いかも FUN

元ゲームプログラマー。得意分野はストラテジーゲーム。ゲームライターとして活動する傍ら、Modの制作や有志日本語化に携わっています。代表作は『Crusader Kings III』の戦国Mod「Shogunate」。

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