気になる新作インディーゲームの開発者にインタビューする本企画。今回は、Slothwerks開発、PC向けに7月23日正式リリースされた3x3ローグライクカードゲーム『Meteorfall: Krumit's Tale』開発者へのミニインタビューをお届けします。
本作は、モバイル向けに展開した『Meteorfall: Journeys』の世界観を継ぐデッキビルディング型ローグライクカードゲーム。愉快なアートワークや世界観、そして3x3マスのボード上で展開するのが特徴です。1プレイ45分から60分程度の短いゲームプレイには、各ヒーローごとに40以上のユニークカードが存在するほか、全40種以上のパークなどが用意されています。日本語にも対応済み。
『Meteorfall: Krumit's Tale』は、1,520円(7月30日までは1,368円)で配信中。
――まずは自己紹介をお願いします。
Eric Farraro氏(以下Farraro氏)Twitterでは@Slothwerksとして活動している、Eric Farraroです。IT業界でフルタイムで働き、時間があるときにゲームのデザインやプログラミングを楽しんでいます。私はカードゲームとローグライクゲームが大好きで、本作は私の最新プロジェクトです。
――本作の開発はいつどのようにして始まったのでしょうか?
Farraro氏本作の開発は2018年の4月ごろに始まりました。私のデビュー作である『Meteorfall: Journeys』のリリース後です。前作で作り上げたMeteorfallの世界をより広げたいと思ったのです。当時は直接的な続編を作りたいとは思っておらず、まったく異なるシステムのまったく異なるゲームでありながらも、同じ世界観を共有するものにしたいと思っていました。
まずは様々なシステムを採用したプロトタイプをいくつか作ってみました。新しいカードゲームを作りたいということは分かっていたのですが、肝心のゲームシステムを考えつくのに時間がかかってしまいました。本作も前作と同じアーティスト(@EvgenyViitman)と一緒に作っています。『Meteorfall』シリーズの特徴は、面白く独特なアートスタイルを採用していることで、同ジャンルの他のゲームと比べて、シリアス度は高くありません。
――本作の特徴を教えてください。
Farraro氏本作は『Slay the Spire』のような他のカードゲームから影響を受けていますが、3x3マスのボード上で展開します。アイテムとアビリティがモンスターデッキに組み込まれ、3x3マス上に配置されるのです。このマスにより面白いことが続々と起こります。例えば、横一列の敵にダメージを与えるアビリティや、敵がボード上を動いた時にダメージを与えるアイテムなどが存在します。その結果、ダンジョンに潜りデッキを強化するという基本部分は他のゲームと似ていますが、プレイフィールは大きく異なるでしょう。
――本作が影響を受けた作品はありますか?
Farraro氏本作は『Slay the Spire』や『Monster Train』といった他のカードゲームから多大な影響を受けています。私はカードゲームが大好きで、特にデッキを構築し、時間をかけて強くなるという感覚が大好きです。また、ヨーロッパのボードゲームからも影響を受けており、アナログなカードゲームの「アグリコラ」や、勝つためには資源の管理が重要となる「Pathfinder: Adventure Card Game」といったものからの影響もあります。
――新型コロナウイルスによる開発への影響はありましたか?
Farraro氏新型コロナによる直接的な影響はありませんでした。新型コロナ以前からチーム全員がフルタイムで別の仕事をしており、本作はサイドプロジェクトとして進めていたからです。私たちは皆リモートで作業をしていますし、会話はDiscordでしています。なので、幸いにも変化はありませんでした。何か影響があったとすれば、家に閉じこもり、家族や友達にも合わない方がいいということから、より多くの時間を開発にかけられたということでしょう。また、新型コロナのせいで私はIT業界の仕事を失ってしまい、そのおかげで開発最後の数ヶ月はフルタイムで本作の開発に取り組めました。
――最後に日本の読者にメッセージをお願いします。
Farraro氏本作を遊んでみていただけると嬉しいです!日本語対応もできましたので、もっと多くの日本人プレイヤーの皆さんに楽しんでいただけるのではないでしょうか。日本語のフォントも慎重に選んだりと、かなり気を使ってローカライズさせていただきました。完成したものにはとても満足しています!米国の小さな開発チームにとって、他の国のプレイヤーの方と交流するのはなかなか難しいものです。もし本作を楽しんでいただけましたら、ぜひお友達にも紹介していただけると嬉しいです!もし本作の翻訳の改善や今後のアップデートの翻訳をお手伝いいただけるようでしたら、こちらをチェックしてみてくださいね。
――ありがとうございました。
◆「注目インディーミニ問答」について
本連載は、リリース直後のインディーデベロッパーにメールで作品についてインタビューする連載企画です。定期的な連載にするため質問はフォーマット化し、なるべく多くのデベロッパーの声を届けることを目標としています。既に300を超える他のインタビュー記事もあわせてお楽しみください。
関連リンク
編集部おすすめの記事
特集
連載・特集 アクセスランキング
-
海外レビューハイスコア『Withering Rooms』―ローグライクであり、ホラーであり、パズルアドベンチャーでもある
-
『Stellar Blade』「顔」も「髪」も「尻」もいい! 新時代の美少女表現は、ポニテの長さまで自由自在【フォトレポ】
-
高自由度ファンタジー人生シム『ワールド・ネバーランド2 ~プルト共和国物語~』Steamへの移植なぜ?シリーズの“今後”に迫る【インタビュー】
-
名作恋愛ADVリメイク『同級生リメイクCSver』は遊びやすさにこだわった新機能が魅力!同級生から年上のお姉様たちとの恋愛模様を楽しもう
-
ショットガンで悪霊退散!証拠を集めて幽霊を除霊する協力型ホラー正式リリース―採れたて!本日のSteam注目ゲーム3選【2024年4月18日】
-
敵の力を身につけながら進むソウルライクなメトロイドヴァニア配信!悪鬼を倒し、自分自身が悪鬼になる―採れたて!本日のSteam注目ゲーム6選【2024年4月10日】
-
二刀流“悪鬼武士”を描くソウルライクACT『The Devil Within: Satgat』はスタイリッシュなだけじゃない!シビアなリソース管理と奥深い戦術がアツい【プレイレポ】
-
「より多くの人が納得して、優れたゲームプレイを楽しめること」を追求する…アクションRPG『Horizon Forbidden West Complete Edition』PC版移植チームが注ぎ込んだ情熱とは?【インタビュー】
-
新作MMORPG『HIT: The World』でまさかの“プレイヤーvsゲームメディア”実現!“日本向けMMO”もいよいよリリース間近【イベントレポ】
-
海外レビューハイスコア『Spirit City: Lofi Sessions』―非の打ちどころのない雰囲気と『コーヒートーク』を彷彿とさせるサウンドトラックを備えている